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第9章 ミネルシルバ

魔王様の誕生日

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「アツロー、休憩するぞー。」

「あっ、はーい!」

篤郎の現在の仕事は道路工事である。と言っても、爆発ペットが居るため、その前の森林伐採が主な仕事になっている。

面倒が少なくてのんびり仕事なので、迷惑をかけても問題無く働ける。

因みに、チャーミーとセキちゃんの喧嘩は起きているが、飯場を篤郎の『四次元部屋』に移した事で、休憩には呼ばれるのだ。効率は悪いが、被害が少ない事が重視なので仕方無いのだ。

「セキ、ホームを出すから茶菓子の用意を頼む。」

「ふふん。畏まりました、篤郎様。」

「みぃ!」

チャーミーが憤慨しているが、可愛いので篤郎の顔はデレデレになるので、セキちゃんが隠れて憤慨しだすのは、毎回の事である。チャーミーとセキちゃんの事を理解出来た職場なのである。

篤郎が転移して来て11ヶ月も経った。とりあえず、誕生日が明日なのだから、何が起きてもおかしくは無い。

篤郎にとっての誕生日は、悪寒が走り回る日なのだから。





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ルナとレディとアイとで、篤郎の誕生日について話し合いを重ていた。

「お姉様の気持ちも解りますが、これを実行するのですか?」

「何か疑問でも、アイ?」

「マスターの真相心理からのプレゼントは、ちょっと。」

篤郎が名前を付けた、最年少(?)のアイは言い淀んでいた。
何故か、マスターにとって良いプレゼントとは思えなかったからだ。しかし、

「マスターの真相心理では、子供の事が悔やまれてました。」

「それは、いけませんねルナお姉様。」

「「私達でマスターの希望を叶えましょう!」」

ルナとレディはがっしりと手を取り合った。アイだけは不安でしかならない。

「しかし、マスターは恋愛を経て結婚をしたがってますが?」

「大丈夫です!そこは抜かりはありません。」

「流石ですレディ。」

「ふふふふっ。」

「ほほほほっ。」

「何かされるのは良いですが、マスターを怒らせないで下さいね?」

「「オホホホホホホホッ。」」

無駄な笑いを見て、アイは絶対に失敗すると確信した。兎に角、肉体を作る事を急ごうと思ったのだ。

マスターの貞操を護らないといけない為に。





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魔国では、魔王(篤郎)の生誕際を行うべく準備を初めていた。

篤郎を山奥に送ったのも、準備を邪魔されない為であった。

時差が凄いので、ほぼ38時間~40時間は掛かる祭りとなるだろう。国が主祭するので、国民全員を休みにするほどの事になっている。尚、祭り側は軍を含むゴーレムが全機出て、交通整理や出店出展、店の仕事を引き受けると言う大盤振る舞いだそうだ。

約二日間を代行するのだから、凄い事なのだ。しかも、国民が誰も分かっていないのだ。そう、既にゴーレムは肉体部隊は急務作ったらしい。後に男女比率は半分。顔は不細工で、愛嬌がある顔だが、誰も顔を覚えて居なかったそうだ。

そんな事が有りつつも、祭りの準備を進めていた。
当然『プレゼント』も、その中でも一番の力を注いでいた。

ーー後に、『まさしく魔王だ!』の言葉の源になる一日と(?)なるのだった。

(やっぱり、間違っていますわ!お姉様方は!)
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