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第9章 ミネルシルバ
篤郎の受難
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人の一生とは、海のようだ。
と言ってた人がいる。それは、波の様に浮き沈みするからとか、何かしらの要因で変わるからとも言われてる。
人の栄華とは、そんな波の様なモノと言える。のんびりとした栄華は無い。
例えば、宝くじで1億円のお金が入るとする。1億円と言う金を手にして、人は何をするのか?
借金を返す、車や家を買う。物を買い換える等々。欲望の爆発してしまう人が多い。他には、知らない人が寄付や借金の申し込み等をされて、ノイローゼになる事もある。
それ以外に、1億円には課税は無いし、当選証書を持っていれば、初年度の課税は無い。しかし、車なら自動車税、土地、家屋には固定資産税、お金を贈与したら贈与税等の税金が掛かる。それに怪しい寄付には、税金逃れにはならない。
それらの考慮が無いと、直ぐにお金が無くなり、税金の為に借金や自己破産をするケースは多くある。
これぞ、波の様な人生なんだろう。
篤郎の今が、そんな人生を味わっている。
「こっちの溝が終わったら、向こうも頼むわね。」
「あ、はい!」
獣人族のおばちゃんからの指示に、素直に従う篤郎。
ま、溝で分かる通り、溝掃除が篤郎の仕事だ。篤郎にとっての仕事は著しく悪い。理由は、チャーミーとセキちゃんの喧嘩が原因なのだ。何処にでもついて行って、喧嘩で辺りを焼け野原にするのだから、借財が増えた。
篤郎にとっては、そんなには負担にならないのだが、元からの気質なのだろうか、『仕事の損益は仕事で取り戻す』で今の状況なのだ。
因みに、喧嘩で契約社員仕の信用は底辺に落ちている。
それでも、怒らずに元に戻そうと頑張るのは意地でしかない。本当は、セキちゃんとチャーミーに対して怒れば済むのだが、それをしないのは理解してほしいからなのだ。力ある者が安易に力で形をつけた結果が、どうなるのかを。戦争でも神世の戦でも、強大な力を誇示した結果は知れるだろう。神なら滅び、戦争では悲惨の文字を世界を駆け巡るのだ。
力を持つ以上、その使い方を間違うと悲惨、非業、非難しか残らない。その事を知ってほしいのが、篤郎の本意なのだから。
でも、頭で分かってていても、熱くなるのは過去も未来も変わらないのだろう。
町の溝掃除の為に公民館を貸してもらっているのだが、チャーミーとセキちゃんの喧嘩は時間の問題であった。
「羊羮が一つ余りましたね。」
「みぃ。」
「えーと、此処はチャーミーにお譲りしますわ。」
「みぃ、みぃみぃみぃみぃみみぃ。」
「ほほほほほほっ。気にしなくても良いですよ。お食べ下さい。」
「みぃみぃ。」
「食べて下さいと言いましたよね。」
「みぃ。」
「あげると言ってますが?」
「みぃみぃ?」
反発するのに時間は掛からない。篤郎にとって二人を信頼には、どちらも同じである。ペットとしてはチャーミーが上で、用事を頼むのはセキちゃんが上になる。但し、二人には愛情は無い。それを知らない二人の不毛な争いは終わらないのだ。
「みぃみぃ!」
「やると言うとるじゃろが!」
後はチュドーン!の焼き野原である。
そして篤郎は地域人に謝り、げっそりとなるのだ。
チャーミーとセキちゃんは、もうお決まりの言い訳をして終わると言う悪循環を繰り返していた。
「何だか、考える疲れたー。」
篤郎は情けない状況に陥っていた。
と言ってた人がいる。それは、波の様に浮き沈みするからとか、何かしらの要因で変わるからとも言われてる。
人の栄華とは、そんな波の様なモノと言える。のんびりとした栄華は無い。
例えば、宝くじで1億円のお金が入るとする。1億円と言う金を手にして、人は何をするのか?
借金を返す、車や家を買う。物を買い換える等々。欲望の爆発してしまう人が多い。他には、知らない人が寄付や借金の申し込み等をされて、ノイローゼになる事もある。
それ以外に、1億円には課税は無いし、当選証書を持っていれば、初年度の課税は無い。しかし、車なら自動車税、土地、家屋には固定資産税、お金を贈与したら贈与税等の税金が掛かる。それに怪しい寄付には、税金逃れにはならない。
それらの考慮が無いと、直ぐにお金が無くなり、税金の為に借金や自己破産をするケースは多くある。
これぞ、波の様な人生なんだろう。
篤郎の今が、そんな人生を味わっている。
「こっちの溝が終わったら、向こうも頼むわね。」
「あ、はい!」
獣人族のおばちゃんからの指示に、素直に従う篤郎。
ま、溝で分かる通り、溝掃除が篤郎の仕事だ。篤郎にとっての仕事は著しく悪い。理由は、チャーミーとセキちゃんの喧嘩が原因なのだ。何処にでもついて行って、喧嘩で辺りを焼け野原にするのだから、借財が増えた。
篤郎にとっては、そんなには負担にならないのだが、元からの気質なのだろうか、『仕事の損益は仕事で取り戻す』で今の状況なのだ。
因みに、喧嘩で契約社員仕の信用は底辺に落ちている。
それでも、怒らずに元に戻そうと頑張るのは意地でしかない。本当は、セキちゃんとチャーミーに対して怒れば済むのだが、それをしないのは理解してほしいからなのだ。力ある者が安易に力で形をつけた結果が、どうなるのかを。戦争でも神世の戦でも、強大な力を誇示した結果は知れるだろう。神なら滅び、戦争では悲惨の文字を世界を駆け巡るのだ。
力を持つ以上、その使い方を間違うと悲惨、非業、非難しか残らない。その事を知ってほしいのが、篤郎の本意なのだから。
でも、頭で分かってていても、熱くなるのは過去も未来も変わらないのだろう。
町の溝掃除の為に公民館を貸してもらっているのだが、チャーミーとセキちゃんの喧嘩は時間の問題であった。
「羊羮が一つ余りましたね。」
「みぃ。」
「えーと、此処はチャーミーにお譲りしますわ。」
「みぃ、みぃみぃみぃみぃみみぃ。」
「ほほほほほほっ。気にしなくても良いですよ。お食べ下さい。」
「みぃみぃ。」
「食べて下さいと言いましたよね。」
「みぃ。」
「あげると言ってますが?」
「みぃみぃ?」
反発するのに時間は掛からない。篤郎にとって二人を信頼には、どちらも同じである。ペットとしてはチャーミーが上で、用事を頼むのはセキちゃんが上になる。但し、二人には愛情は無い。それを知らない二人の不毛な争いは終わらないのだ。
「みぃみぃ!」
「やると言うとるじゃろが!」
後はチュドーン!の焼き野原である。
そして篤郎は地域人に謝り、げっそりとなるのだ。
チャーミーとセキちゃんは、もうお決まりの言い訳をして終わると言う悪循環を繰り返していた。
「何だか、考える疲れたー。」
篤郎は情けない状況に陥っていた。
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