177 / 505
第9章 ミネルシルバ
合流
しおりを挟む
会食が終わって、勇者達の再調整の為に監督官付きの冒険を行う事になった。
冒険歴があっても、セキちゃんに指導を受けても、魔国では新米の冒険者なのだ。
セキちゃんの指導は甘いので、監督官に委ねる事にしたのだ。
「此方が、今回の監督官です。」
「監督官のロブコンです。」
勇者達は頭を下げるに留まった。それはそうだろう。ロブコンの顔には青いアザがいくつもあるのだ。殴られた跡なのだろうか。
「セキさん、この監督官さんは大丈夫なんですか?」
「何か問題でも?」
「だって顔にアザがあるよ?」
「ふー。監督官に頼る根性なんかありまして?」
「「「「無いです、サー!」」」」
訓練成果は出している四人だった。もし、外したら、ボロ雑巾のような半死体に確実になっていた。1ヶ月半の訓練は伊達では無いのだ。
「では、ロブコン監督官は挨拶を。」
「はっ。今回、君達に着くロブコンです。宜しく。」
手短に終わる。
そして、四人は七歩後退した。これも日頃の成果である。
「短いですね。」
セキちゃんはロブコンの頭を叩いた。それはボケに対するツッコミの様な軽いモノだと、ロブコンは思っていた。
セキちゃんの手のひらが髪の毛に触れた瞬間、ロブコンは自分を呪った。
叩かれた瞬間に、地面に頭をぶつけるまで高速回転を縦軸で行い、地面からは横軸の回転も加わって跳ねたのだ。
もちろん、四人は何度も同じ目にあってきた。セキちゃんからの洗礼だ。と言う事にしておこう。
「もう!ロブコンさんは大袈裟なんだから。」
「い、いえず、まぶ。」ガクッ
ロブコンよりもセキちゃんの指示があるまで、回復も救出も行われない。死んではいない、頭や身体からは大量の出血と、手足肋骨等の複雑骨折が多数あるだけなのだから。
「気絶ですか?後はあなた方で対処しなさい。」
「「「「イエス、マム!」」」」
そう言って、セキちゃんは主の元に急いで行った。行く途中で「あのもふもふした度畜生には負けんどぉぉぉ!」は聞かなかった事にしておこう。
竹下はロブコンの側に行き、回復魔法を行っていた。
セキちゃんの恐ろしいのは、重傷でもギリギリな所を避けていて、命は無くならない様にしている所だ。
だから、時には無茶苦茶と殴られたり、罠を仕掛けられたりもしたのだ。その経験で今があるのだ。と言いたい。
「うわー。今回はセキさんの怒りが出てますな。」
「文雄のあれ以上だな。」
「生きてる点が、流石よね。」
ロブコンは切れる意識の中で、挨拶の仕方はちゃんとしようと心に刻んだ。セキちゃんの事は、逆らってはいけない人だと認識も出来たので、真っ暗な所に意識を手放した。
「飛んだな。」
「雪絵、終わったら水魔法な!」
冒険歴があっても、セキちゃんに指導を受けても、魔国では新米の冒険者なのだ。
セキちゃんの指導は甘いので、監督官に委ねる事にしたのだ。
「此方が、今回の監督官です。」
「監督官のロブコンです。」
勇者達は頭を下げるに留まった。それはそうだろう。ロブコンの顔には青いアザがいくつもあるのだ。殴られた跡なのだろうか。
「セキさん、この監督官さんは大丈夫なんですか?」
「何か問題でも?」
「だって顔にアザがあるよ?」
「ふー。監督官に頼る根性なんかありまして?」
「「「「無いです、サー!」」」」
訓練成果は出している四人だった。もし、外したら、ボロ雑巾のような半死体に確実になっていた。1ヶ月半の訓練は伊達では無いのだ。
「では、ロブコン監督官は挨拶を。」
「はっ。今回、君達に着くロブコンです。宜しく。」
手短に終わる。
そして、四人は七歩後退した。これも日頃の成果である。
「短いですね。」
セキちゃんはロブコンの頭を叩いた。それはボケに対するツッコミの様な軽いモノだと、ロブコンは思っていた。
セキちゃんの手のひらが髪の毛に触れた瞬間、ロブコンは自分を呪った。
叩かれた瞬間に、地面に頭をぶつけるまで高速回転を縦軸で行い、地面からは横軸の回転も加わって跳ねたのだ。
もちろん、四人は何度も同じ目にあってきた。セキちゃんからの洗礼だ。と言う事にしておこう。
「もう!ロブコンさんは大袈裟なんだから。」
「い、いえず、まぶ。」ガクッ
ロブコンよりもセキちゃんの指示があるまで、回復も救出も行われない。死んではいない、頭や身体からは大量の出血と、手足肋骨等の複雑骨折が多数あるだけなのだから。
「気絶ですか?後はあなた方で対処しなさい。」
「「「「イエス、マム!」」」」
そう言って、セキちゃんは主の元に急いで行った。行く途中で「あのもふもふした度畜生には負けんどぉぉぉ!」は聞かなかった事にしておこう。
竹下はロブコンの側に行き、回復魔法を行っていた。
セキちゃんの恐ろしいのは、重傷でもギリギリな所を避けていて、命は無くならない様にしている所だ。
だから、時には無茶苦茶と殴られたり、罠を仕掛けられたりもしたのだ。その経験で今があるのだ。と言いたい。
「うわー。今回はセキさんの怒りが出てますな。」
「文雄のあれ以上だな。」
「生きてる点が、流石よね。」
ロブコンは切れる意識の中で、挨拶の仕方はちゃんとしようと心に刻んだ。セキちゃんの事は、逆らってはいけない人だと認識も出来たので、真っ暗な所に意識を手放した。
「飛んだな。」
「雪絵、終わったら水魔法な!」
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
断罪されているのは私の妻なんですが?
すずまる
恋愛
仕事の都合もあり王家のパーティーに遅れて会場入りすると何やら第一王子殿下が群衆の中の1人を指差し叫んでいた。
「貴様の様に地味なくせに身分とプライドだけは高い女は王太子である俺の婚約者に相応しくない!俺にはこのジャスミンの様に可憐で美しい女性こそが似合うのだ!しかも貴様はジャスミンの美貌に嫉妬して彼女を虐めていたと聞いている!貴様との婚約などこの場で破棄してくれるわ!」
ん?第一王子殿下に婚約者なんていたか?
そう思い指さされていた女性を見ると⋯⋯?
*-=-*-=-*-=-*-=-*
本編は1話完結です(꒪ㅂ꒪)
…が、設定ゆるゆる過ぎたと反省したのでちょっと色付けを鋭意執筆中(; ̄∀ ̄)スミマセン
三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃
紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。
【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる