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第9章 ミネルシルバ

合流

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会食が終わって、勇者達の再調整の為に監督官付きの冒険を行う事になった。

冒険歴があっても、セキちゃんに指導を受けても、魔国では新米の冒険者なのだ。

セキちゃんの指導は甘いので、監督官に委ねる事にしたのだ。

「此方が、今回の監督官です。」

「監督官のロブコンです。」

勇者達は頭を下げるに留まった。それはそうだろう。ロブコンの顔には青いアザがいくつもあるのだ。殴られた跡なのだろうか。

「セキさん、この監督官さんは大丈夫なんですか?」

「何か問題でも?」

「だって顔にアザがあるよ?」

「ふー。監督官に頼る根性なんかありまして?」

「「「「無いです、サー!」」」」

訓練成果は出している四人だった。もし、外したら、ボロ雑巾のような半死体に確実になっていた。1ヶ月半の訓練は伊達では無いのだ。

「では、ロブコン監督官は挨拶を。」

「はっ。今回、君達に着くロブコンです。宜しく。」

手短に終わる。
そして、四人は七歩後退した。これも日頃の成果である。

「短いですね。」

セキちゃんはロブコンの頭を叩いた。それはボケに対するツッコミの様な軽いモノだと、ロブコンは思っていた。

セキちゃんの手のひらが髪の毛に触れた瞬間、ロブコンは自分を呪った。

叩かれた瞬間に、地面に頭をぶつけるまで高速回転を縦軸で行い、地面からは横軸の回転も加わって跳ねたのだ。

もちろん、四人は何度も同じ目にあってきた。セキちゃんからの洗礼だ。と言う事にしておこう。

「もう!ロブコンさんは大袈裟なんだから。」

「い、いえず、まぶ。」ガクッ

ロブコンよりもセキちゃんの指示があるまで、回復も救出も行われない。死んではいない、頭や身体からは大量の出血と、手足肋骨等の複雑骨折が多数あるだけなのだから。

「気絶ですか?後はあなた方で対処しなさい。」

「「「「イエス、マム!」」」」

そう言って、セキちゃんは主の元に急いで行った。行く途中で「あのもふもふした度畜生には負けんどぉぉぉ!」は聞かなかった事にしておこう。

竹下はロブコンの側に行き、回復魔法を行っていた。

セキちゃんの恐ろしいのは、重傷でもギリギリな所を避けていて、命は無くならない様にしている所だ。

だから、時には無茶苦茶と殴られたり、罠を仕掛けられたりもしたのだ。その経験で今があるのだ。と言いたい。

「うわー。今回はセキさんの怒りが出てますな。」

「文雄のあれ以上だな。」

「生きてる点が、流石よね。」

ロブコンは切れる意識の中で、挨拶の仕方はちゃんとしようと心に刻んだ。セキちゃんの事は、逆らってはいけない人だと認識も出来たので、真っ暗な所に意識を手放した。

「飛んだな。」

「雪絵、終わったら水魔法な!」
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