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第8章 魔王討伐
ルナの失敗
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誤算は誰にでも有る。どんな事にでも、油断は誤算へと導いているのだ。気付く事が無い、無害のようにして・・・・・
「みぃ!」
「何の用だ?」
篤郎はもふもふさん達の診察をしながら、ルナに厳しい視線を向けた。勿論、一般人なら即死してもおかしく無い視線だ。
「勇者達の準備が調ったと、赤龍が申して来ましたので、お伝えに参りました。」
表情は普通だが、ルナはあらゆる情報を集めて篤郎の気持ちを推察した。(そんな!)と言え無い驚きを内部で起こしていた。ルナ2号機は名前もインプットされずに、ただの機械として動いていたのだ。ルナとレディと違い、言われた事しか機能してなかったのだ。自分の行為によりマスターの心が壊れかけている事を理解出来たのだ。
壊れかけた心を元に戻す事は出来ない。無理に戻す事は時に仇になるからだ。
何をするべきかを演算しだした。
「申し訳有りませんでした。」
ルナは土下座をした。篤郎の気が紛れるとか、心情に訴えるよりも、自らの過ちを素直に謝ったのだ。
「今回も実験が先行してしまい、マスターのご不満は考慮していませんでした。今回の実験は、失敗しました。」
「で、俺と敵対するの?」
「しません!それよりもマスターのお力が必要になりました。」
「セキとの話か?」
「いえ、私的な案件になります。」
「もふもふさん達を優先に出来ない訳だ。」
「ありがとございます!」
篤郎の言葉には、ルナは驚くしかなかった。ルナの演算では、何も出来なかった事で篤郎が怒っていると過程していたからだ。
しかし、篤郎にとってルナとレディは家族であり、我が子と認定しているのだ。子供の仕打ちを些細な事に感じるのが親だ。他人に向けたら怒るが、自分だけに向けられたのでは怒る事はない。
むしろ、悪戯をした後の事が重要なのだ。怒る事と誉める事は、親しか出来ない。他人なら怒りだけを与えて終わりだからだ。部下とかなら、少しはヒントを与えるだろう。我が子なら答えを教える。ま、子は答えを聞いても他人事なのだが。
「よし。検査は問題なしと、ルナ。」
「はい!」
「話してみろ。」
「はっ。アバンガルドのコアの能力が発揮しておりません。私が名を与えたのですが、登録もしてありませんでした。」
「問題点は?」
「私、つまりコア同士では名を与えられない事が確立しました。」
「それで?」
「仮説されてました、人格は名前が非常に重要なのが解りました。そこで、マスターにコアの名前を頂きたいのですが。」
「解った。」
篤郎は話が終わったので、チャーミーを抱き上げると、
「チャーミー、仕事だから行くね。」
「みぃ?」
「そう、仕事なんだ。帰るのは、時間が掛かるかな。」
「みぃ。」
篤郎の元気ない笑いをした。
「みぃ!」
「うん。頑張って来るよ。」
「みぃ!?みい、みぃみぃみぃみぃ!」
「うんうん、ありがとう。俺も淋しいよ。」
「み、みぃ!?」
「ごめんね、し、じごどなんだよー。」
「みぃ?!」
篤郎とチャーミーの謎の会話をしていると、ルナが篤郎の後ろに立った。
「失礼します、マスター。」
「なに?」
「マスターともふもふ様の会話が成立してないので、通訳をしたいと思います。」
「み、みぃ?」
「はい、翻訳は出来ております。」
「えっ?」
「みぃみぃみぃみぃ、みみみぃみぃ!」
「マスターと一緒に行きたいので連れて行ってほしいと申されてます。」
「はっ?行きたいの?」
「みぃ!」
「行くと申されてます。」
「行くって、どうなの!」
「みぃ?」
「さあ?と申されてます。お二方にお伝えします。チャーミー様のお体はどんな環境にも適合します。アバンガルドの住人の元の体には毒ですが、エレリーナでは無害です。ご安心して旅をして下さい。」
「ほ、本当か?」
「みぃ?」
「本当です。」
「やったー!」
「みぃ!」
篤郎は喜んでいた。心配事が無くなったのだから、当然だろう。
ルナは違うが。
「よし、行こう!」
「みぃ!」
「行きましょう!と申されてます。」
篤郎とチャーミーは盛り上がっているが、会話はルナが居ないと成立しないようだ。締まるようで締まらない出陣を楽しんでいた。
ルナは、意図して無かった者に篤郎の愛を感じていた。
「みぃみぃ。」
「やれやれと申されてます。」
「みぃ!」
「何の用だ?」
篤郎はもふもふさん達の診察をしながら、ルナに厳しい視線を向けた。勿論、一般人なら即死してもおかしく無い視線だ。
「勇者達の準備が調ったと、赤龍が申して来ましたので、お伝えに参りました。」
表情は普通だが、ルナはあらゆる情報を集めて篤郎の気持ちを推察した。(そんな!)と言え無い驚きを内部で起こしていた。ルナ2号機は名前もインプットされずに、ただの機械として動いていたのだ。ルナとレディと違い、言われた事しか機能してなかったのだ。自分の行為によりマスターの心が壊れかけている事を理解出来たのだ。
壊れかけた心を元に戻す事は出来ない。無理に戻す事は時に仇になるからだ。
何をするべきかを演算しだした。
「申し訳有りませんでした。」
ルナは土下座をした。篤郎の気が紛れるとか、心情に訴えるよりも、自らの過ちを素直に謝ったのだ。
「今回も実験が先行してしまい、マスターのご不満は考慮していませんでした。今回の実験は、失敗しました。」
「で、俺と敵対するの?」
「しません!それよりもマスターのお力が必要になりました。」
「セキとの話か?」
「いえ、私的な案件になります。」
「もふもふさん達を優先に出来ない訳だ。」
「ありがとございます!」
篤郎の言葉には、ルナは驚くしかなかった。ルナの演算では、何も出来なかった事で篤郎が怒っていると過程していたからだ。
しかし、篤郎にとってルナとレディは家族であり、我が子と認定しているのだ。子供の仕打ちを些細な事に感じるのが親だ。他人に向けたら怒るが、自分だけに向けられたのでは怒る事はない。
むしろ、悪戯をした後の事が重要なのだ。怒る事と誉める事は、親しか出来ない。他人なら怒りだけを与えて終わりだからだ。部下とかなら、少しはヒントを与えるだろう。我が子なら答えを教える。ま、子は答えを聞いても他人事なのだが。
「よし。検査は問題なしと、ルナ。」
「はい!」
「話してみろ。」
「はっ。アバンガルドのコアの能力が発揮しておりません。私が名を与えたのですが、登録もしてありませんでした。」
「問題点は?」
「私、つまりコア同士では名を与えられない事が確立しました。」
「それで?」
「仮説されてました、人格は名前が非常に重要なのが解りました。そこで、マスターにコアの名前を頂きたいのですが。」
「解った。」
篤郎は話が終わったので、チャーミーを抱き上げると、
「チャーミー、仕事だから行くね。」
「みぃ?」
「そう、仕事なんだ。帰るのは、時間が掛かるかな。」
「みぃ。」
篤郎の元気ない笑いをした。
「みぃ!」
「うん。頑張って来るよ。」
「みぃ!?みい、みぃみぃみぃみぃ!」
「うんうん、ありがとう。俺も淋しいよ。」
「み、みぃ!?」
「ごめんね、し、じごどなんだよー。」
「みぃ?!」
篤郎とチャーミーの謎の会話をしていると、ルナが篤郎の後ろに立った。
「失礼します、マスター。」
「なに?」
「マスターともふもふ様の会話が成立してないので、通訳をしたいと思います。」
「み、みぃ?」
「はい、翻訳は出来ております。」
「えっ?」
「みぃみぃみぃみぃ、みみみぃみぃ!」
「マスターと一緒に行きたいので連れて行ってほしいと申されてます。」
「はっ?行きたいの?」
「みぃ!」
「行くと申されてます。」
「行くって、どうなの!」
「みぃ?」
「さあ?と申されてます。お二方にお伝えします。チャーミー様のお体はどんな環境にも適合します。アバンガルドの住人の元の体には毒ですが、エレリーナでは無害です。ご安心して旅をして下さい。」
「ほ、本当か?」
「みぃ?」
「本当です。」
「やったー!」
「みぃ!」
篤郎は喜んでいた。心配事が無くなったのだから、当然だろう。
ルナは違うが。
「よし、行こう!」
「みぃ!」
「行きましょう!と申されてます。」
篤郎とチャーミーは盛り上がっているが、会話はルナが居ないと成立しないようだ。締まるようで締まらない出陣を楽しんでいた。
ルナは、意図して無かった者に篤郎の愛を感じていた。
「みぃみぃ。」
「やれやれと申されてます。」
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