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第8章 魔王討伐

異世界龍とコンタクト

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「う、うーん。イテッ!イテテテテテ・・・」

篤郎は起きた。と言っても土の中から起き上がっただけなのだ。ズボッと言う音を立ててだから、なんとも間抜けな登場と言われてもおかしく無い。

「えーと。・・・・落ちたんだっけ?」

土から完全に出て、姿にイラつく。
土まみれだからだ。

「『フルクリーン』はー。キショかった。で、此処は何処だ?」

辺りを見渡しても、土や岩ばかりで、草木も何にも無い。はずなんだが?

「面倒だな。あー、嫌だな。」

篤郎はため息をついた。視線を感じているのだから。

「まだ、心の準備が出来て無いっての。てか、強いのかなー?」

黒いカードには記載されているが、見えない称号等はある。
篤郎は気にもしていないが・・・・

「マトックだけは出せる?他は取り出せないだと・・・・」

不安が篤郎の脳裏を横切る。視線とは、龍なのだろうから。ただ、威圧感や嫌悪感は無い。興味本意の視線が多いからだ。

「面倒だなー。食材は?えーと、『四次元部屋』は無理か。アイテム袋はー、いけるな!」

土魔法で簡易台所を作り、食材を取り出した。

パンとハムとチーズとマヨネーズで簡単サンドイッチを作りたいと思います。本当は辛子を入れるのが好みなのだが、気にしない。簡単で大量に作り置きしておく。

小麦粉と砂糖と卵とバターもある。ルナ特製のベーキングパウダーもあった。ジャムも各種あるだと!作る物と言えば、ジャム乗せクッキーだな!

釜戸を作って、サクサク作るとしよう。バターをマヨネーズの様になるまで混ぜてから、砂糖を入れる。良く混ぜたら溶き卵を5回に分けて投入して混ぜる。次に小麦粉にベーキングパウダーを混ぜて、3回振るいを掛けてから先ほどのバターを混ぜて捏ねる。捏ねたら、約10度ぐらいの箱に30分寝かす。冷蔵庫があれば楽なんだが、外ではね・・・・できたら取り出して、伸ばす。

伸ばしたら型抜きで・・・・無いから、魔法で型抜きをする。無難に円にします。中心を凹まして焼く。釜戸に薪を入れたいが時間が欲しいので、火魔法をしよう。温度は180度にする。焼き上がりには注意が必要だ。焼き上がったら、ジャムを乗せて完成!

まあ、焼き上がりの匂いも甘く旨そうなので安心で!

篤郎は今の状況に止まらなくてはいけないのだ!
沢山のもふもふな生き物が居るのだから。

「なっ?!」

篤郎は持っていたクッキーを落とした。もちろん、クッキーを食べるもふもふ。

「食べるの!?もふもふが食べる!?」

篤郎の驚きは、もふもふが篤郎の足にすり寄るのだ。もっとクッキーが欲しいのだろう。も、もふもふめっ!

沢山作っても、もふもふも沢山居る。クッキーも一匹(?)一枚で足りる事も無いだろう。量産しなければ足りないのだ!

作ったクッキーを地面に置いて、篤郎はもふもふの為にクッキーの量産を始めたのだった。

篤郎にとって、可愛い物は見過ごせない。

と言っても、もふもふが動物なのかは疑問もあるが、可愛いので正義であるのだ。持てる材料をフルに使って、魔法でクッキーを作りもふもふに与えていく。もふもふも最初は必死に食べていたが、食べるよりも量産の方が上回って、もふもふが一匹、一匹と倒れていった。

「フフフフフフ。たんとお食べ。」

篤郎は昔から、子供や小動物は好きである。しかし、その容姿で怖がられたり、気持ち悪がられたりしていた。ぬいぐるみ同好会の大人達やお菓子作り同好会の大人達の理解の元、顔出しNGで孤児院に差し入れとか、捨てられた生き物に餌等を与えてきた。

それが、顔出しても逃げないもふもふに癒されているのだ。

「食え~、食えよ~。残しても良いからね~。」

デレデレになりながらも、もふもふのお世話を始め出したのだ。もちろん、止める者はいない。

「寝床も作って上げないと。」

寝床を作る篤郎。歯止めも無いから、とことんやってしまう。
そう、最初の用事の事なんかは、頭の片隅にも無いのだ。

もふもふ、正義。の旗の下で、この出会いを満喫していたのだ。

「もふもふ~、もふもふ~。」
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