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第8章 魔王討伐

たたかい?

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「ネタが見抜かれたー!」

「よしよし、マスター。」

「悪いのは、文雄です。」

「ちょっと!雪絵も言ったじゃん!」

「告げ口するなんて、文雄カッコ悪いー。」

「「・・・・」」

締まりが無い上に遊んでしまうのは、仕様なのか?とは言え、魔王との戦いには違いなかった。
忘れて逃げる予定の文雄の策に対して、正義感のある人(?)が居た。

「篤郎様の前に、私がお相手します。」

セキちゃんが立ち上がっていた。

「せ、セキさん?」

「た、戦うの?」

「はい。一度本気で叩きたいので。」

びくびくとしてる四人に対して、セキちゃんは微笑んでいた。

「じ、冗談ですよね?」

「本気です。本気と書いてマジと言った方が良いのかしら?」

「「要りません!」」

戦う前に戦意を失ってしまう勇者達。何故なら、指導してくれた人からの攻撃を打ち込んだ事が無いために、怖がっていた。

「魔王いえ、篤郎様と戦うのでしょう?それならば、従者たる私が戦うのも通り。」

「そ、そんなー。」

「戦っても、勝てないよ。」

「構えなさい!そして、戦うのです!」

セキちゃんの真っ直ぐな目を見た荒木は剣を構えた。

「お、俺は戦う。魔王を倒して元の世界に帰るんだ!」

決意したのか、一人で戦う姿勢だ。そして、厚木と竹下も従った。

「そうね!帰る為に!」

「文雄、行くわよ!」

文雄は理解していた。戦うのは、意味が無い事だと。

「生きて帰れると思っているのですか?」

「やってみないと、分からないぞ!文雄!」

「知りませんよ。」

文雄も構えた。

「ふふ。赤龍の名前を頂いたが、水龍が一族の長の子にて、魔王と成りし、篤郎様の配下!いざ、参る!」

剣を構えた勇者達に、セキちゃんは口を開いた。

「セキさんって、龍?」

文雄の声に対して、

「ドラゴンブレイク!」

口から龍砲を吐き出したのだ。一直線にレーザーの様に太い光の筋が、勇者達の剣先を消し去り壁を突き抜けて、消えて行った。

「あっ、阿保龍!」

「あっ!」

「ルナ!被害は?!」

「東防壁に大ダメージと倉庫防壁の破損を確認しました。」

「あぁっ。」

「防壁だけで無く、供給電力の30%ダウンを確認。」

「馬鹿龍にお仕置きが先だね。」

「おゆ、おゆ、お許し・・・」

涙目になりながらも謝ろうとしたセキちゃん。そして、戦う気が無くなった勇者達。
既に武器は使い物にはならないのだ。そして、

ダキューン!

「ははははは!馬鹿龍のお仕置き開始だぁ!」

ダキューン!

「ひっ!ひぃぃぃ!」

セキちゃんは必死に逃げた。それこそ、当たらない様に逃げたのだ。篤郎の手には44マグナムに似た銃をもっている。

ダキューン!

荒木の頬に赤い筋が出来て、血が流れる。

「け、拳銃?!」

そして、気を失った。

「信也!」

厚木は荒木の元に走り、竹下と文雄は動かないでいた。

「セキー!動くなよ、弾が当たらないからな。」

「当てるのですよね!死にます!制裁でなくて死刑ですよ!?」

「はーははははは!馬鹿は一度死ぬ事をお知らせしよう!」

「ひぃぃぃ!」

グダグダな、勇者達と魔王の戦いは終了した?

ダキューン!
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