上 下
154 / 505
第8章 魔王討伐

真実?

しおりを挟む
何とかならないなのは、何ともならない。

諦めた時点で大抵はアウトになる。諦めずやっても、アウトの時はアウトなのだ。

逆にセーフになる事もある。ドラマなら何らかの作用があるが、普段には無い。作用よりも、その時の運の方が現実だろう。
一番良いのは、運に任せて好きに生きるだ。
意外と何とかなるものだと言いたい。

そう、篤郎の聞いた事よりは、何とかなるものだ。

「ちょっと待て、ルナ。」

「何でしょうか?」

「魔王の城が無いのか?」

「はい。在りませんよマスター。」

「じゃあ、このルナシティてのわ?」

「特別軍事施設です。」

「は、い?」

「広大になりましたので、軍事基地の元を整備しました。新しい私の本体を移しました。またレディもレディシティに移しました。」

「軍事基地?」

「いえ。防衛施設です、マスター。」

「何が違うの?」

「防衛は守る事以外に、内政を行っております。」

「軍事は内外の犯罪者に対しての取り締まりってと、神との調整役をしてます。」

何かを言えない状態になる。神とのコンタクトは二度あったが、その後は無いのだから、連絡をしてるって事になる。

「神と調整って、連絡してるの?」

「はい。ローとバウゼントとは綿密にしてますが?」

「ロー?バウゼント?」

「水と魔法の神ですね。」

「あ、そうなんですか。」

篤郎は呆れていた。神を下に扱うルナの姿に。
神と同格とか直ぐ下の部下みたいな風な人は見たことがあるが、神を連絡係にしているモノは居ないだろう。

あれ?俺の作ったプログラムコアは失敗したっけ?

「あっ、確か前に何かを頼みたそうな顔をしてたよな。」

「・・聞いてあげましょう。マスター、バウゼントとローが御目見えしたいと申してますが?」

「えーと、神だよね?何で許可とかいるの?」

「マスターよりも弱いからです。」

「神と俺だよ?人が神に勝てるって?」

「落ち着いて下さい、マスター。」

「分かった、神の名を語るヤツなんだな!許可ね、ああ良いよ!」

篤郎は自棄になって言った事に後悔する事になった。
入口近くに土下座をしてる人が現れたからだ。

「ほ、本日はぁぁ!許可を出して頂き、ありがとございます!」

「ございます!」

銀の長髪の男と見るからに少女らしき姿の人が、汗を流しながら声を張り上げていた。

「魔法神バウゼント、御前に!」

「水神ローファ、御前に!」

緊張しているのだろう。

「ローって、前にも見たことあるよね?」

「はい!お会いしました!」

あかん!これは、怖がられている。少女を虐めているとか勘違いされる?

「ちっ・・・」

「マスターに心配させるとは何ですか、ロー。」

「ごめんなさいなの!」

「マスターは心配性何ですから、緊張しない事。」

「は、はい!」

うん、間違っているよルナさん。少女をしかるメイド執事は居ないから。おっさん、土下座しすぎ。助けてやれよ。

篤郎の思いとは別に、ローは叱られている。良いとは言えないが、割って入る事でもないと思う。

「あのー、理由とか聞いても良いかな?」

「申し訳ありませんでした、マスター。ロー。」

「はい!現在の神界では、アルテウルの支配権が強いです。その理由が、大神たるミネルシルバ様の身柄を抑えられている為です。大神さえ取り戻せば、何とかなる、はず。」

「はずって。」

「マスターにお願いしたいのは、ミネルシルバの奪回になります。」

「無理でしょ?!」

「現在は無理です。」

「だったら!」

「聞いて下さい、マスター。今、現在は無理なんです。」

「えっと?」

「ミネルシルバ神は確保しましたが、部屋に閉じ込められた状態なのです。」

「・・・鍵が要るとか?」

「流石はマスターです!」

「お見事です、マスター!」

ルナとレディは、言ったと同時に拍手をした。もちろん神の二人も真剣に拍手をしている。
いや、かみ!

「・・・・ん?まさか、アルテウルも捕まえられないとか?」

「正解です、マスター!」

「マスター!」

先程よりも白熱した拍手がとんだ。

「ルナさん?」

「な、何でしょうか?マスター。」

普段はドキドキさせられているが、今回はルナがドキドキしてるようだ。

「まさか、侵略してないのは?」

「な、内政の拡大を優先して・・・」

「ルナ!それは私が・・・・」

ルナとレディが、やってしまった顔をしている。美人がしても許しませんね。

篤郎はにこりと笑顔を見せた。

「ルーナー。レーディー!」

篤郎の言葉から、怒られる羽目となった。確りと怒ると、他に怒られる題材を掘り起こしていた。そう、篤郎の怒りは2日も続く事になる。

なお、嬉しくて参加したはずの、神二名も次いでに怒られた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。

せいめ
恋愛
 メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。  頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。   ご都合主義です。誤字脱字お許しください。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました

結城芙由奈 
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】 私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。 2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます *「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています ※2023年8月 書籍化

断罪されているのは私の妻なんですが?

すずまる
恋愛
 仕事の都合もあり王家のパーティーに遅れて会場入りすると何やら第一王子殿下が群衆の中の1人を指差し叫んでいた。 「貴様の様に地味なくせに身分とプライドだけは高い女は王太子である俺の婚約者に相応しくない!俺にはこのジャスミンの様に可憐で美しい女性こそが似合うのだ!しかも貴様はジャスミンの美貌に嫉妬して彼女を虐めていたと聞いている!貴様との婚約などこの場で破棄してくれるわ!」  ん?第一王子殿下に婚約者なんていたか?  そう思い指さされていた女性を見ると⋯⋯? *-=-*-=-*-=-*-=-* 本編は1話完結です‪(꒪ㅂ꒪)‬ …が、設定ゆるゆる過ぎたと反省したのでちょっと色付けを鋭意執筆中(; ̄∀ ̄)スミマセン

三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃

紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。 【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます

冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。 そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。 しかも相手は妹のレナ。 最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。 夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。 最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。 それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。 「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」 確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。 言われるがままに、隣国へ向かった私。 その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。 ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。 ※ざまぁパートは第16話〜です

処理中です...