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第8章 魔王討伐

バイトをしよう

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スイートが実は、ロイヤルスイートだと知ったよりも、セキちゃんの言葉により、混乱していた。

おかげで、ロイヤルスイートにある畳の間に布団を敷いて雑魚寝をしてしまった。
本当にどうすれば良いのか。

「荒木さん。」

珈琲を渡しながら、文雄は聞いた。

「ありがとう。」

「ここって魔王城て名前でしたね。」

「そうだ。」

「そんで、ここは最上階のロイヤルスイート。魔王城の最上階。」

「そうだね。」

「魔王って、僕達なんですか?」

「いや、違うと思うけど。」

冷静よりも、いまだに混乱していた。
ただし、竹下のおかげでお風呂には堪能させてもらった。湯槽にお湯を張って、肩まで浸かる事が出来たのだ。ボディソープも最高で、シャンプーもリンスも有るのだ。何回も洗えたのは嬉しかった。何ヵ月振りのお風呂である。荒木と竹下はスキンケア等を使い、信じられない感じだ。

「ここって魔国ですよね?」

「そうだね。」

「普通なら、人々は虐げられ、悪魔とかが支配されたとかじゃ無いですか!」

「そうだね。」

「ここは最高過ぎて、くっ!」

「しかしだ、文雄。最近のゲームとかだったら、これが幻かもしれないじゃないか。騙して魔王が出てきたりとか。」

「な、なるほど!」

「魔王とか言うのだから、世界半分を支配してるとかなら、半分は人の国だ。だから、悲観する事はないぞ!」

「そうね。セキさんが来るまで準備をしましょう。」

四人は準備を始めた。準備と言っても少ないのだが、とりあえず、エレベーターに乗りロビーに向かった。
ロビーにはセキちゃんが居て、四人を待っていた。

「魔王の配下だな!」

荒木は、昨日と違って強気に出ていた。

「魔王様の配下?違いますよ。」

コロコロとセキちゃんが笑う。

「嘘だ!」

「私は魔王様のペットですよ?配下はルナ様だけですよ。」

「へっ?」

謎は深まった。

「それよりも、署に向かいますよ。遅れたら、ダナーに怒られちゃうわ。」

荒木の仮説は崩れたのかもしれない。

「すみません?」

「行きますよ。」

四人は従った。取り敢えず、情報を得るために。




署から出て来た四人は、落ち込んでいた。

「魔王の城に行くのにお金がいるよ。」

「貨幣価値も最悪だよ。持ち金が、四万ギルってね。」

「電車賃だけで、一人40万ギルって!」

「それよりも世界地図見た?世界の9割がたは支配してるよ。」

「私、魔国に住みたいな。」

「駄目でしょ。」

本当に困ってしまう。そこに、

「終わりました?」

セキちゃんが現れたのだ。

「お金がね。はー。」

落ち込む四人に、

「バイトを紹介しましょうか?」

の言葉に驚く。

「バイトがあるの?」

「ありますよ。」

「因みにどんなバイトですか?」

「うーん、どんな職種かな?」

「時給が良いのはあります?」

「土方が良いかも。明日なら紹介出来るけど?」

「あ、そこは住み込みは出来ます?」

「出来るわよ。」

「どんな所ですか?」

「あなた達も知ってる場所よ。」

四人は首をかしげていた。

「ホテル魔王城よ。」

セキちゃんのウインクに四人はやられた。
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