鴉喰の華 ～日本に転生したのに、異世界に転移させられた！～

第８章 魔王討伐

裁判

再三再四言いたいが、龍は強い。

どれだけ強いのか。
魔法や物理攻撃が効かないし、知能も高く、寿命も長い。モンスターの上位の存在で、龍殺し出来た存在は英雄よりも恐怖の存在としている。

弱い存在では無い。読者諸君は理解をしてほしい。

龍王、バンムクリムは龍の姿で正座をしている。
その前には小さな人、篤郎が仁王立ちしている。
また、その間には、リザイアとセキちゃん、女の姿をした駄龍達が、項垂れた格好で立っている。

「で、この始末はどうするのかな？」

篤郎は怒っている。
何がと言えば、勝手にヒートアップしてしまい、龍達の巣を壊しまくった事にだ。次いでにバンムクリムは、駄龍達を叱ったり止めたりしなかったので正座をさせているのだ。
また、「私は関係無いですが？」と逃げようとした、リザイアは喧嘩を煽った罪で同罪にしてる。
馬鹿達と王対篤郎と激オコ龍達による、裁判が行われているのだ。

「済みません、篤郎様。」

一早く恭順の意を示したのは、セキちゃんである。人なら惚れているが、龍である。爬虫類に惚れる事はない。既に「へー。」で終わっている。

「謝るのも大事だが、俺は始末を聞いているのだが？」

篤郎よりも、卵を育てている母龍の怒りは凄まじい。下手な事でも言えば、即死になる。また、簡単に直しますでは、時間が掛かるのだ。
何故なら、必要な物が一つ要るからだ。答えは簡単に、夫婦の唾液だ。だが、困った事に、龍の巣は誰かが住んでた跡地に作る。巣に使われて要る唾液は数種類だが、新しいと駄目なのである。巣には歴史ならぬ、唾液歴が積み重なって出来て要るらしい。
赤子の龍しか分からないが、その匂いでないと落ち着かないらしい。

「儂、関係無いのでは？ひっ、ひっい！」

龍王のはずのバンムクリムが、篤郎以外に怯えているのだ。意外と龍王とは、雌龍にも弱いのかも知れない。威張って居てもなんとならなのか？

「本当にお前達は。」

「遅れてしまい、申し訳ありませんでした、マスター。」

「おっ、来たか。待ってたよ。」

「虫達は配置できて居ます。直ぐにでも。」

「ありがとう、ルナ。」

ルナの頭を撫でると、嬉しそうにしている。
人らしくて良いな。
少し篤郎も落ち着いたのか、ルナを撫でていた。

「あのー、何をされているのですか？」

バンムクリムは圧に耐えながらも、篤郎の行為に疑問を持った。あの行為で、現れた娘子が和んでいるのだから。

「ん、撫でているだけ。それと、母龍達よ、聞け！巣はルナが直す。時は少し貰うが、納得してと言える物を進呈できるからな。期待して待て。それよりも、この騒動の元をどうしますかね？」

「ふふふふふっ、どうされますマスター。」

「ハハハハハハハ、どうしようかねルナ。」

「「「ヒイー！」」」

ま、お母さん方の怒りは中和できたようだ。龍王もこそっと逃げる様にしている。逃がしてなるものか！

「何処に行く？」

「はっ！い、いや。話は終わったのかとー。逃がして。」

「ハハハハハハハ。」

「フフフフフフフ。」

「わ、儂、龍王・・・・・ギャー！」

王と暴れた馬鹿は、篤郎が楽しく拷問しましたとさ。
ルナは、巣を正確に直した上に、新しく敷物を敷いて奥様方に喜ばれていました。誰もが納得したそうです。
良かった、良かった。


ガタッ！
「儂！関係無い、ウギャー！もう、やめ、やめ、あ。アッ、アッー！アンっ♪」