上 下
104 / 505
第6章 魔王誕生

魔王の仕事

しおりを挟む
魔王となって、2日でバイシュ国が落ちたと連絡をベッドの上で聞いた。

「はぁ?バイシュ国が降伏したの!?」

「はい。」

「いやいや、2日ってないよね?」

「マスターは、私の報告を信用しないと言われますか。」

「2日だよ!一国を取るのに2日って不可能でしょ!」

「不可能?私は、マスターに嘘は着きません。それと、バイシュ国での死者は0。降伏した者は約243万人になります。」

「・・・・不可能だ。」

篤郎は、ルナのゴーレム部隊を人型のみしかいないと思っていた。人型が減っても壊れても良いが、人が被害に合うのでは意味が無いのだ。怨みを晴らす為に。

だが、1日で魔城山を渡りきる事が出来ないと思っていた。だから無理だと思っていた。

「2日で落としただと!死者が無い何て戦である訳が。」

「マスターのご意志ではごさいませんか。」

「へっ?」

「攻め落とした国の人は奴隷紋章を与えております。馬鹿女神の地位を落とす事が大事ですから。なお、犯罪者には強烈な奴隷紋章で額、両手の甲に分かる犯罪者の紋章を施しました。」

「ど、奴隷!」

「はい。因みに魔国も一応、国民は奴隷になっています。」

「はえっ!」

「馬鹿女神の呪いは、平常時にも掛かっていました。呪いを解くなら奴隷紋章が、一番早い事も解りましたし。」

「そうか、そうだったのか。」

篤郎の目頭が、熱くなったのだろう。流さないように、こめかみを押さえていた。

「さて、魔王様。」

「なんだ。」

「魔王様にも、仕事の時間が来ました。」

「魔王の仕事?書類にサインとか?」

篤郎の間抜けな回答に、ルナは笑顔になりながら篤郎の手を取る。

「へっ、あっ!」

「マスターに、そんな雑務は似合いません。」

「そ、そう。」

「此方へ!」

「わわっ!」

篤郎の顔が赤くなっているが、ルナに連れられて城の外に出てきた。

篤郎は、ファンタジーの世界に有ってはいけない物を見ていた。

「ルナ、さん?」

多分、いや、何となく分かって来ていた。

「どうですか、ファルコンです!」

「あー、隼とかの鳥だと思ったのに・・・・・」

地面が開いて二機の機体が上がってきた。

「護衛のコブラです。」

「お、おま。本当かよ!」

ファルコン、正式名称ダッソーファルコン20に似た機体が目の前にあり、コブラ、正式名称AHー1 コブラに似た機体が二機もある。

「あはははは、こんな戦力持っていたら、そりゃ勝つわな。」

篤郎にとって、この世界が良くなるなら、波紋の一つや二つぐらいの小石を投げるつもりであったが、既に核弾頭を撃ち込んでいるようだ。それも、1つや2つではない。変革を技術革命を起こしてしまったのだ。

「ルッキングコートさせて貰いますね。」

ルナの笑顔と裏腹に、篤郎は特殊な合金に身体を固められた。

「うおぉぉ?」

「マスター、魔王のお仕事です。」

「こんな事をして、何が仕事だ!」

「前にも言いましたが、ダンジョンコアの回収が優先事項です。その為のサポートも、いつも通りです。」

いつもの蜘蛛のゴーレムが現れて、篤郎を掴みファルコンに乗り込んで行く。

「ちょっ!ルナ、お前は俺の・・・・」

格納したファルコンは、直ぐに垂直に上がりバイシュに向かった。コブラも直ぐに追いかけて行った。

「対人のデータが取れますね。」

ルナは篤郎が消えた方を見ながら、

「マスター、コアと魔石を沢山手に入れて下さいね。」

ルナは一回頭を下げると、城に戻って行った。

「ルーナー!覚えていろー!」



篤郎の奴隷:4、375、642人
しおりを挟む

処理中です...