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第6章 魔王誕生

油断

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目が覚めた。

「ふあぁぁぁぁあ!」

自然と欠伸が出るのは仕方がない、自然の摂理なんだ。

「目が覚めた様です、カサエル武神官長様。」

「分かったら、此方が終わってから行く。」

「はい。」

なんだ、言葉が分かる?夢だな。布団を深く被る。

即、布団を剥ぎ取られながら、

「起きよ、フミオ殿。」

ドスの利いた、聞いた事が無い声に驚いて田渕は、

「はい!」

と慌てて答えた。

「えっ?、言葉が分かる?」

「落ち着きなさい、カサエル武神官長が来て説明されますので。」

「は、はい。」

しばらくして、カサエル武神官長が来た。

「起きたようだな。」

「はい。」

改めてカサエル武神官長を見たが、少女漫画か今時のアニメの主人公の甘い2枚目の顔だ。声も野太い声出なくて、甘くて威厳がある声である。

「ほう?君は、この状況を何となく把握出来ているようだな。」

「ええ、何となくは。」

「良し、此処は君達が居た世界ではない。神より召喚され、この世界に来たのだ。」

「い、異世界召喚ですね!と言う事は魔王とか戦う?召喚なら誰が勇者なんだ!」

興奮した田渕だったが、

「安心しろ、お前も勇者だ。」

「良し!良し!んっ?おまえも?」

「あぁ、お前達四人とも勇者の職業になっていたよ。」

「へっ?」

カードを投げられ、自分のステータスを見た。

「えっ?これド○ク○並み?スキルが役立たずしか無いだと。」

「少しは知恵が在るようだな。先ずは君達の能力を知りたいので、外に出るように。それと、用事があればこの者に言い付けて下さい。」

「フミオ様、私は、神官のエミータと言います。」

カサエル武神官長の後から現れたのは、竹下よりも美人を見ていた。

「では半刻したら集合だ。エミータ、後を頼む。」

「分かりました、カサエル武神官長。」

カサエル武神官長が出ていき、エミータが頭を下げた。その動作の美しさに、田渕は目を離せないのだった。

「フミオ様?どうかされましたか?」

「はぁ。あっ!いえ、何ですか!」

「お着替えを、して頂けますか?」

「あ、はい!」

服を脱ごうとすると、エミータの目と合った。

「あ、あの。」

「何でしょう?」

田渕の困った顔と、エミータの笑顔が返ってくる。

「あの、着替えたいのですが。」

「はい。お手伝い致します。」

「いや!着替えなんて一人でも出来ます!」

「そうですね。」

「見られたら恥ずかしいですから、外に出てて下さい!」

何とか追い出してから、着替えた。ゴワゴワするが、着れない訳でもない。慣れが必要かと、一人呟くと外に出た。

「皆様、先に行かれましたよ、フミオ様。」

「すみません。」

「さぁ、行きましょう。」

「はい!」

田渕は、いつの間にかやる気になっていた。勇者として生きる未来が、自身を蝕むとは知らない。

四人の運命も変わって行くが、今だけは違っていた。






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「うわー、疲れたぁー。」

アルテウルは豪華なベッドに倒れると、疲れる様に横になった。

「何とかなったかな?あー、魔王はどうかな?ん、見えない?おかしいな。」

しかし、疲れが勝ったのか、何かする事もなく寝てしまった。

ガーガーガー

本当に女神として、どうなのか。

本人はどうでも良いのだ。



そうでないと・・・・・・
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