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第5章 村を作ろう!

村人

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村は至って平和である。

労働者は沢山いるから、それに見あった仕事に着いているし、教育も施されている。村と呼ぶのに人数も多いのだが、篤郎の意向は変わらない。

遊ぶにしても子供達は仕事に勉学に励んでいるから、外で遊ぶはほとんど無い。その前に奴隷なのでそんな事が出来るはずも無い。

農耕地では稲作と野菜を育て、畜産でも小麦等を行っている。農地での雑草抜きは必需なので沢山の人が行っている。

人数は多いが、村人になると人数は20人も満たない。ほとんどが奴隷なのだ。
奴隷でも稀有な存在なのか、不安や従順的な行動はしていない。純粋に仕事を楽しんでいたのだ。
しかし、それで安心している訳でもない。

篤郎は大分前から不思議であったレベルの存在が気になっていたのだ。冒険者だけが持つカードに反応された職業とレベルは、肉体にもたらす恩恵に深く関わっているみたいだと。そこで、カードを解析して、職業とレベルを書かれた村カードを作り持たせたのだ。

当然ながら自警もやる。村の外で動物やモンスター退治を主に行う。戦闘を行うのを容易にしたのが銃だ。新しいAー6のステアーAUG型のアサルトライフルとBー4のグロック型のオートマチックを標準装備で、ショートソードも持たした。また、防具は重い物では無くて機動を重視した物にしている。問題は衝撃を吸収する素材とか編み込みされた布とか水を通さない素材やらは手に入らない。しかし、代用に紋章が役に立つのだが、予定よりも重くなってしまう。ま、安全第一をもっとうにしているから問題では無い。

そして、威力は大体問題無くモンスターを軽く屠る事が出来るのだ。自警の人数は7人~10人が5部隊は出ることになる。朝昼晩の3交代で行い、篤郎以外で構成されている。

モンスターに殺されるだけだった村人や子供達が、簡単にレベルを上げれてモンスターに負けない様にしたのだ。舐めた真似をすれば、即篤郎のブートキャンプに入れられるので舐めた事はしない。
新体制で村は急速に発展しているのだが、誰も知らないのだ。

赤い羽根達が村に来るまで、外の世界とは一線を引いていた。それは次で話すとして、村は変わらない。工場は変化している。
村に平屋で工場を建てたのだが以外にも場所を取ってしまったのだ。そこで地下に工場を移すと言う暴挙にでたのだ。工業の従事者は50人。ほとんどがオートメーションなので、仕事は原料の搬入と製品の排出なのだが、量が膨大である。

「旦那、何かすっきりしてますが、工業ってのは凄いですね。」

「急にどうした?」

執務室で書類にサインを入れながら答えた。

「いや、服装や生活用品もそうですが、食材やすぱいすですか、食事が変わったのが素晴らしいです。」

「そう。」

「それで、ですね。」

「ん、なに?」

「工場にあっしが入室出来ないのは、なんでですか?」

「反対したから。」

「・・・・・・・」

「賛成した人を従事してもらうのが普通だからな。」

憮然としているラッツを無視してる訳ではない。

「処で、ラッツ。」

「何で?」

「リリスの情報は?」

「いや、そのですね。あれですよ。」

「何が不満なんだ?」

「な、なにがですか。」

「トイレか、食事か?」

「分かってるなら言わないで下さい!」

「なんかゴメン。」

「謝らないでくだせー!」

ラッツは、顔を赤らめている。

「スパイスはリリスの館の方で取引させてくれ。それと、諜報員でも欠損が酷いのいたら優先で頼むぞ。」

「欠損?」

「そう。奴隷で欠損していて、絶望している者を今は国中から集めるから。後は、これだ。」

篤郎は黒い板を取り出した。

「な、なんですか、此れは?」

「うん、魔法を使える者も必要になるが、奴隷紋章を書き換え用の板だ。」

「書き換えですか?」

「そう。」

「無茶苦茶ですね、旦那。」

「無茶苦茶って酷いなー。」

「すいやせん。」

「とにかく行くんだ。」

「へい。」

出ていくラッツを見ながら、篤郎は考えていた。

新しい何かを。
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