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第4章 冒険の始まり

ラリー村に戻る

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スタンビート。

モンスターの異常発生をさす言葉だ。発生条件も不確定だが、有力な情報として魔力の異常発生によるが有力なのだが、今回はそれを否定した。
ラリー村から異常魔力は検知されていないのに、起こったのだから。異常しか考えられないのが、ギルドの見識だったが、篤郎だけは分かっていたのだ。
要は狩りすぎたのだ。知られていないが、モンスターは沸くだけで無く、移動をする。敵が少なくなれば、そこに集中して集まるのだ。集まった結果、ラリー村が襲われたのが、事の真相だろう。
篤郎にとっての村の印象は最悪であった。対応が悪い、村人は非協力的だったが挙げられる。討伐も完了までに日数を取られた。米を教えてくれた子供達もモンスターにやられたので、襲われても冷静に見れたのだ。
ギルドも非協力的で、森に防衛戦を張る段取りをしていたのだ。
非人道的ではない、現実的に行動を行われた結果である。
勿論、村に縁が有る者の行動までは、阻まないだろうが。そんな奇特な者はいないだろう。篤郎以外は。
ギルドにラリー村に行く事を告げた、篤郎とラッツはギルドよりも先に町を離れた。
二人に、影のように従う者が5名も着いてきた。この5人はケルエが認めた戦士であり、ラッツが預かった者達だ。名前は、ロレント、ゼクス、ラルド、ブライ、ラールで種族はヘルダイス、年は17才と篤郎に似た年齢を集めていた。走る姿をチラリと見たが、装備は貧弱だった。盾の様な気構えも気に要らなかった。
そして篤郎は何を思ったのか、不意に口笛を鳴らした。

「ピューピュ!」

遠くまで届く様な音がしたのだ。
人間の体力は鍛えても、ある一定しか持たない。身軽でも、10キロや20キロは簡単に走破出来るし、ダメージも少ない。また、マラソン選手と同じ距離を走る為に、日頃から走る事をしていないと、30キロの壁は越えられない。また、体重も関係してくる。40キロを走ってから、攻撃を行うは非常に馬鹿げているからだ。鍛えてるから股関節等に炎症が起きないでいれるが、大抵は炎症で3日から1週間は苦しむだろう。

「だ、旦那、どうしなすったんでふ?ハァハァハァハァ。」

「止まれ!」

少し話を変えるが、野生の馬を知っているだろうか。
本来、馬は野山を駆ける。今では平地を走るのは現代の遊びの為の変化の姿なのだが、本来は違うのだ。例えるなら義経の崖越えだろうか。山も難なく越える事が可能な生き物なのである。そして、頭が良く、一度主と決めたら従うのは犬と同じ、時にこれ以上の場合がある。

「ラッツさん、ハァハァハァ。やはりアツロウ様は我々を気遣われての休憩ですか?」

「あぁ、そうだな。」

「やはり!ハァハァハァハァ。」

「あははははは。(わかる訳ないだろ!)」

篤郎が近寄ってきた。

「ラッツ、この武器の説明を頼む。」

渡された銃にラッツは思考を停止していた。何を考えているのかわからないからだ。自然と声が出る。

「時間が足りませんよ?」

「問題ない。」

ドッカランドッカランドッカランドッカラン。

「な、何の音ですか!」

力強い音が迫っているような感じを受けていた。
篤郎は荷馬車風の馬車らしき物を空間から出したのだ。見たことがない物を不思議がりたいのだか、そんな場合ではない。緊急事態と一斉に武器を構えると、

「ヒィヒイィィン!ブルルルル。」

と、八頭の馬が篤郎の側に集まったのだ。

「良く来た!待っていたぞ、また力を貸してくれよ!」

篤郎は一頭一頭の首を撫でて声をかけていたのだ。馬達も気持ち良さそうに、首を撫でてもらおうとされるままに待っていた。

「馬でしたね、ラッツさん。」

「お、おう。」

篤郎は撫でてからしばらくして、綱を馬に付けていった。

「準備は良いか?」

「へっ、あっはい?」

「乗れ。ラッツは武器の講義だ。モンスターなら実際に撃っても構わないからな。」

御者席に座ると、みんなが乗り込む迄は待っていた。そして、馬車を走らせると、

「舌を噛みきるんじゃねぇぞ!ひゃはー!」

篤郎は人が変わったように、馬車を走らせたのだった。
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