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第4章 冒険の始まり

悪魔と言う敵

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大きなゴブリンは醜く黒くなっていった。

「強い人が居るとは、世の中は分からんなー。」

大きな魔物は楽しむ様に姿を変えた。

「やはり、人が居る場所の方が楽しめる。」

大きな黒い魔物が人の様な姿になると、篤郎を見下ろしていた。

「魔族?いや、違うか。」

「ほう。俺の存在が分かるのか?」

「あぁ、あってるか分からんが、悪魔だろ。」

驚いた顔をしながら、

「悪魔を知っているとはな。」

篤郎も驚いた顔をしていた。

「地獄って存在するの!?」

「あぁ・・・・存在するな。」

「嘘~。地獄って階層分けって聞いたけど、本当?」

篤郎の目が輝き出したのだ。

「階層?・・・知らんが、とにかく殺す。」

「悪魔なら、貴族社会とか、称号とか持ってるの?」

椅子や机を出して、食べ物やワインを出して勧めた。

「貴族か、王を名乗る土地を支配してる者は多いが、俺には無いな。」

「ん、雄雌とかはあるよね?」

「あぁ、有るが。」

「有るんですか!そうなんですかー。あ、此も試してみません?」

「なんだ?」

「焼酎と言うお酒なんです。ワインと似て非なる食物のお酒なんですよ。」

「ほう。」

「違うお酒を嗜む方と見ましたから、まずは常温で。」

グラスに入れて渡す。悪魔は匂いを嗅いで飲み干した。

「ふむ。旨いな。」

「では、次に冷やした物をお飲み下さい。」

「うむ。」

悪魔は呑みだした。温めたり、水や炭酸を入れたり果物を入れたり、グラスを変えたりして呑ませていた。呑ませながら、持ち上げるようにしゃべっていた。
多少の知能がある者は、自分を知る等はしていない。理解出来ていた人物は、偉人や偉業を達した者では少ない。まして、力を誇示していてる者は一番危うい。頭で敵に凌駕されれば、何でも知恵の餌食にされるのだ。
篤郎特性の、逆紋章で『酔いが強く留まる紋章』を悪魔に施していたのだ。古来より魔法は悪魔がもたらしたモノなので、何重も何重も重ねてみた。結果はー。

「だからなぁ、クレンオクはぁ、ヒック。俺がなぁ、したんだぁよ!なっ!ギャハハハハハハハハハ!」

となっていたのだ。
因みに古来より酒にまつわる酒のトラブルは多い。神ならゼウスをはじめオーディン等の神々やスサノオや、教会を建てた悪魔が有名だろう。また、酒には二種類の名前が付けられている。『天使の酒』と『悪魔の酒』だ。酒を涙や一滴等に変えて言われる事もある。神や悪魔だから無敵な訳ではないのだから。

ついでに、特殊な奴隷紋章を施してみた。とにかく、篤郎に敵対する考えも危害を加える考えもなくした。次に人全体に悪意を無くした。そして、全てを愛しく守る事を使命にしてみたのだ。悪魔のヒーローみたいに改造した感じだ。それを元になる様に何百層に重てみたのだ。
クダを撒いて、酔い潰れたモノに幾重にも魔法で行ってみたのだ。そして、『酔いが強く留まる紋章』を消した。
口を開けて寝ていた悪魔は、ビックリしたように目覚めたのである。酒気が消えた訳では無いが。

「あれ、私は何をしていたんでしょうか?」

水が入ったコップを差し出して、

「飲み過ぎた、だけかな。」

「ありがとうございます。ゴクッゴクッ。はー、美味しい水でしたね!ありがとうございます!」

見事に180度も変わった悪魔は、人畜無害の存在に変わってしまっていたのだ。

「えっと、何か済みませんでした。酷い事をしてしまって。」

「訳を教えてくれませんか?」

「はい。実はー、」

と長くなるが、創生の時代から人の闇に生きていた悪魔君(言いにくので、デミさんとします。)は、考えが出来る様になり、人から神に移りそして分けられた存在だった。名前も無くても存在していて、やがて悪意を渡る存在になる。人や神と言われる存在から、悪意が悪魔となって君臨したのだが、デミさんは渡り歩いたそうだ。神、悪魔、人の悪意を渡ってから最近になって悪魔となった。悪魔になってから最初に行ったのが、ラリー村を襲う事にしたのだ。ラリー村には大きな岩があって、その下には悪魔が封じ込められているのだ。その悪魔を目覚めさせれば、魔族達の意識を四百年前の状態に出来るのだ。

「それは誰に頼まれた?」

「誰にも言われていません。神の悪意が高まったから、封じ込めめた悪魔を解放して、世界の悪意を増やす事にしたのです。本当に情け無い事です。」

「悪魔は他に動いて無いの?」

「動く悪魔は居ません。悪魔は自分達の土地を死守する戦いを繰り返して、この世と関わっていません。新しい悪魔が、この世を混乱させているだけですから。」

「そ、そうなの?」

「はい。」

「なら、ここの悪魔を守ってくれないか?」

「はい、了解しました。私の命を掛けまして守りましょう!」

デミさんは新たな使命に駆られていた。何であれ、使命が出来たのだから嬉しいのだ。

「私は先に村に行っております。」

デミさんは消えた。

「だ、旦那ー。」

と、ラッツの声がした。

「ラッツ!ここだ。」

「旦那、無事でしたか!」

森の中から現れたラッツは、ゴブリンやボブゴブリンの死体を見て驚愕していたのだ。
他のメンバーも何とか無事に生きていたのだった。
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