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第4章 冒険の始まり

冒険なんだよね?

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目が覚めると草の上だった。床も壁も屋根も無くなっている。目が覚めたのが最後だったのか、他のメンバーは地面で正座をしていた。分かっているのは、何かを失敗したのだろうか。

私以外で失敗する者は、デュースかミソオだろう。意外ならハルやラップだろう。ラッツは失敗だけはしない。ただし、ギャンブルは除くけどね。ま、あたしでは無いから良いけどね!
エミーは、のそっそりと起き上がって大きな欠伸をして見せた。

「アツロウさん、エミーが起きましたよ。」

「お疲れ、痺れているから気を付けろよ。」

「みたいですね。」

「「「「いだだだ!」」」」

正座から解放された五人は、とにかく地面を這い回っている。

「だから、正座は少しの時間でも辛いと言ったのに。」

「あだだだ。こんなに辛いとは知りませんよ!あだだだ。」

「いだだだ!エルフにこんな辛い事を!」

「ハルは、もう少しやる?」

「嫌です!あだだだ。」

和気藹々としながら、話をしている。エミーは不思議で仕方なかった。
何故落ち着いて話をしているのかが。

6人は必死に視線を反らしていた。エミーの顔を見ない様にしながら会話をしている。ちょっとした遊びなのだが、熾烈を極めていた。エミーの顔なのだが、白い肌は所々にしかない。様は落書きをしてしまったのだ。額にミミズや怒りマークが多数あり、目はパンダの様になり頬にはナルトや星等が描かれている。鼻も黒くなり、髭も多様に書かれている。喉や下顎、男爵髭にピエール髭。既に原型が分からない程になっているのだ。見たら笑うので、誰が最初に笑うかゲームをしていたのだ。
エミーの顔を見ない。

「おはよう!」

エミーは元気良く挨拶するが、誰も目線を合わせない様にして、

「「「「「おはよう、エミー。」」」」」

「うん?なんだかヨソヨソしい感じがするんだけど。」

「そうかな。」

「そんな筈はないよ。」

「そうだよ、エミー。」

睨み付ける様にして、みんなを見ていた。

「誰も、あたしの顔を見てくれないよね?」

エミー以外で誰も答を言う者は居ない。

「ねえ!こっちを見てよ!」

余計に反対を向かれてしまった。

「飯の準備でもしようかな。」

篤郎は上手く離れた。

「私も手伝います。」

ハルも篤郎に着いて行った。

「私も行こうかなー。」

「デュースじゃ無理なんで、あっしが行きやすよ。旦那ー、手伝います!」

ラッツは逃げた。

「そんなー。」

落ち込むデュースを他所に、ミソオとラップは火をお越し直している。エミーに背を向けて。

「デュース?」

エミーはデュースの肩を掴んだ。

「ひぃ!」

「おかしくない?」

「な、なんで?」

「あたしの顔を見ないなんておかしいよね。」

「さ、さぁ。たまには、あるんじゃないかなーって?」

怒りが溜まってしまったのか、デュースを向かせたが、

「ねぇ、デュース?」

「何かな?」

「なんで、目を閉じているのかな?」

「そ、そんな日もあるじゃない?」

「ははははははは、無いよね。」

「あ、あるかもー。」

プチっ。

エミーの堪忍袋の緒も切れた。

「目を見ろー!」

「はい!」

デュースは目が開いたが、目線は上の方を見ていた。いや、顔がエミーを拒否したのだ。

「見てよ!」

「うん。はい!」

エミーの目の前にはデュースの髪を見ていた。

「む。」

「良い天気だよねー。」

「天気の前に、顔を見せろー!」

「見せる!」

目を瞑ったままでエミーの顔辺りを向いた。

「目を見せろー!」

デュースの弱点である、脇を攻撃しだした。

「ぎゃあー!あはははははははは!」

「どうだー!」

「やめ、ギャハハハハハハハハハ!」

「どうだ!」

エミーのどや顔にデュースの笑いは止まらなかった。

「うぇ、ギャハ!ゴボッゴホッゴボッゴホッ。アハハハハハハハ!」

「えっ、ちっと。デュース、どうしたの?」

「顔、ギャハハハハハハハハハ!か、ゴボッゴホッゴボッゴホッ!」

不適な言葉を聞いて、自分の鞄から手鏡を取り出した。

「な、なんなの!」

エミーの声にみんなが笑い出した。

「成功ですね、旦那。」

「お前達が酷いだけだぞ。」

「ウププププププププッ.」

「笑いを堪えると体に悪いぞ、ハル。」

「「ギャハハハハハハハハハ!」」

朝から賑やかであった
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