鴉喰の華 ～日本に転生したのに、異世界に転移させられた！～

第３章 バイシュ国の内乱

仕返し始動

篤郎は兵隊を借りると、近いダレットの屋敷を抑えて財宝等を押収した。兵を百だけ残し自警団を組ましていた。他のボナーの領地もリヒッテットの領地も難なく抑えて、篤郎一人でゼウントの所に戻って来た。勿論、あの馬車で、だが。
篤郎が戻って来たら、ゼウントが迎えた。

「ご苦労様です、アツロウ様。」

「おう、ゼウント殿。他はどうだ？」

「問題ありません。捕虜も捕らえております。死者５名、重傷者１５名、軽傷者２７３名出ております。重要な捕虜は牢馬車を仕立てて放り込んでいます。」

「よし、王に報告は？」

「言い付け通り、まだです。」

「じゃ、報告をして。」

「分かりました。」

ゼウントは執事の様に動いていた。篤郎もおかしな言動に少しだけ疑問を感じたが、要求がすんなり通るので放っといた。
篤郎は一人で捕虜に会いに行った。
会うのは、

「どうだ？リヒッテットさんよ。」

牢の中で憔悴していた、リヒッテットが篤郎の顔を見る。

「なんだ小僧。」

「どうよ。捕虜になった気分は？」

「はは、最悪よ。」

「最悪か。もっと最悪にならないか？」

「反逆者以上の汚名以外に何かあるのか？」

「あるよー、ほら。」

篤郎は一つの指輪を取り出した。

「そ、それは・・・・」

「どうよ。」

「別に。妻子も死に行くのだ。」

「死なないよ。」

「なに？情けでもかけるのか。」

「まさか。奴隷に払い下げただけよ。」

「なに！？」

「若くは無いが、妻や愛人は娼婦に、子供達は農奴にね。」

「き、きさま！こんな真似を！許さんぞ！」

リヒッテットは激昂したが、

「デニー一家の怨みは終わってないぞ？」

「なに？」

「殺されるよりも辛く、惨めな思いになってもらわないとな。」

「貴様！敗者に鞭振るうとは・・・・」

リヒッテットの目に涙が溜まっていた。

「お前も死ねると思うなよ。」

「えっ？」

「お前も農奴に落ちろ。」

「出来る訳が無い。貴様ごときに！」

「残念、もう終わった。」

篤郎の言葉が終わると同時にリヒッテットの首に奴隷の紋章が現れたのだ。

「なっ、き・・・・ぐぇっ！」

唐突に苦しみ出すリヒッテット、数秒苦しんで数秒大きな息が出来てを１０回繰り返して、涙を流しながら篤郎を見ていた。

「特殊な奴隷紋章だ。首にくっきり出てるし、罰も上手く働いてる。一番の命令は『死ねない。』だがらね、分かるだろ。」

「・・・・・」

リヒッテットは呆然となっていた。貴族としての死を否定され、農奴として生きろと言われたのだ。これ程の屈辱は無いと思っていた。

「知ってるか、一番の辛く恐ろしい罰っての。」

リヒッテットはただ、首を横に振った。

「生きて、罵られ、誰も嫌がる仕事をして、顔を隠さず、何処にでも現れる事なんだ。ま、今は分からないが、その内に分かるさ。」

篤郎は言うだけ言って、離れて行った。
後に、犯罪者の刑罰にも使われる事になるが、犯罪の年月日と内容と名前が大きく載った服を着て、街中での清掃や側溝の掃除をしたりと働くのだった。勿論、奴隷紋章により、悪態も攻撃も逃走も出来なくなる。アメリカでの奉仕と違って、逃げると即座にもがき苦しむ点だろうか。逃げるとかの不埒な考えをしたや拐われても苦しむのだから何も出来ない。更に誘拐や拐ったりした者は、即座に苦しみが連鎖してしまうので、関わった者が即座に捕まえる事が出来るのだ。尚、この奴隷紋章は刑期を終えても永遠に続く。改編出来ない、専用の機械でしか作れないのだ。革命的な刑罰として残る事になる。

「待ってアツロウ！アツロウ、待ってー！」

のリザリアの叫び声は響いたが。

篤郎も敵陣地で門を建てて、奴隷紋章製造機を作成していた。２０台を作り、即座にボナーとダレットの軍勢に使いリヒッテットの軍勢にも使用したのだ。不正が出てくる出てくる。その黒幕や仲間や手下等の商人や冒険者まで張れる事態になり、軍勢を使い捕虜にして、奴隷紋章を使ったのだ。
密かに篤郎の手下は六千を超えたのは秘密だが。

ゼウントに王から召集を受ける前に、篤郎も王に手紙を書いた。そこには、篤郎の要求を呑むか、白金貨８枚を支払うかの事を書いていた。ま、無茶苦茶な要求をしたのをゼウントには教えていなかった。勿論、ゼウントは執事の様に従っていて、篤郎には驚きよりも不気味に感じていた。
そして、しばらく陣地でリヒッテットに賛同した貴族を奴隷紋章で仕上げてしまう、バイシュ国に恐ろしい事態を起こしたのである。

こうして内乱が２週間で終わり、３週間で反乱に加担した者が悉く捕まっう事になっていた。もちろん、篤郎の特製奴隷紋章の餌食になっていた。恐ろしく、そして怨みを晴らす企みを仕込んでいた。篤郎の中に日本の心を持ちつつ、怨みを晴らす為に悪魔の様な事を平気で行うのだ。実に執拗に確実に嫌な所を付く男になっていた。だから、その悪巧みは張れる事なく遂行されたのだ。



今回の奴隷紋章の人数：２８,７５３人