36 / 505
第3章 バイシュ国の内乱
交差
しおりを挟む
「会議を始める!」
ライナー宰相は、バイシュの危機を感じていた。
王議の間には、半分の貴族達しかいないのだ。会議を知らせた次の日に大半の貴族が領地に戻ったのだ。フォフナー軍部卿から離反の知らせを受けたハイド8世のショックは大きかった。
ゼウントの諫言であったが、まさか王公と王族派の貴族のみしか残っていない。
「陛下より、今後の方針がある!」
ハイド8世は威厳ある態度で、話し始めた。
「通達済みの事だが、リヒッテット侯がゼウントを罠にはめ、離反した事が分かった。しかし、今回の件は早く終息する。だからと言って兵を出さずにはおれまい。」
ざわざわしだす貴族達。無視して話は続く。
「今回の反逆は直ぐに終わる!領地に帰り兵を集めよ、リヒッテット達を討ちに出る。フォフナー軍部卿は全軍の指揮、ライナー宰相よ後詰を指揮を任せる。ゼウント騎士伯は兵を連れてジュライ平原に陣の確保を任せる!フォフナー!」
「はっ!聞いた通り、敵は直ぐに倒れる。エリオット公爵、エンデミオ公爵はライナー宰相と合流。他はジュライ平原に集合とする!集まるのに二週間とする!解散!」
貴族達は訳が分からないままに、言われた事に取り掛かった。まさか二週間でリヒッテット侯爵達が壊滅しているとは考えもしなかったが。
「アツロウ様・・・・」
騎乗の人になったゼウントは、つい呟いていた。騎兵50で陣地の掌握する予定なのだから大変なのだ。初戦の陣取りは内乱では重要なのだから。たった50騎の準備さえ、1日費やしてしまうのだから。
ーーーーーーーーーーーーー
篤郎は人に出会い、リヒッテット侯爵が西側に領地がある事を知った。
東に行けば何とかなるかな。程度で行くのは間抜けである。ま、一晩で出会った人からまともに教えられたのだから、良かったのだろう。
「オメーさんも場所も分からんのによーやる。」
「ぐっ。言われる通りだ。」
「しかし、俺みたいに一人で出歩く男に出会とはな。」
「珍しいのか?」
グツグツと鍋から湯気が出たので、蓋を取り中をかき混ぜる。
「珍しい。しかも、料理までするのは初めてだ。その成りで冒険者なのかも怪しいしな。」
「悪かったな。」
「クククク。いや、悪いよりも珍しいからな。」
楽しそうに男がしている。篤郎も気にせず、鍋からシチューを掬って皿によそい、男に渡した。
「まさか、空の下で温かい料理が食べれるなんてな、どれ、フーフー。」
と男はそのまま口に入れた。
「うー、ちゃちゃちゃ、あちゃあちゃ!あふい、うん、うまい!」
熱いのを我慢しながら食べていた。
篤郎は袋から何かを鍋に入れたのを皿によそった。
男は熱くても食べるのに夢中で分からなからったが、チュルルルーの音で気が付いた。
「オメー、何を食べてる?」
「ん、麺入れシチューだ。」
「め、めん?」
フーフーして篤郎は一気にズルズルとすすった。
ごくっ。「な、なあ、一口くれないか?」
余りにも美味しそうに篤郎がすするので、男は我慢が出来なかった。
「無理、ズズズー。」
「何で!ちょ、一口!」
「お前の飯は対価分。此を食うのに値しないな。」
「な!いいじゃないか!けちっ!」
麺を問答無用で食べ終わると、パンを千切ってシチューに浸した。
「なんで!パンってなに!くそっ!」
男もパンを取り出して浸して食べた。硬いパンがふやけて多少は柔らかい。いい気になって篤郎にニヤリとした。
「パンなら俺だって持ってるのさ。」
「ふーん?ならパンは少し恵んでやろうか。」
「へっ、要らねえよ。だから、要らないって!あっ。」
篤郎からパンを千切ったのを入れられる。
「ちっ。だから要らねーのによ。」
ズズッとパンごとすすると、
「えっ?なにこれ?」
篤郎は男にニヤリとして、
「不味いパンですまん。」
と謝ってきたのだ。男はぐぬぬぬぬぬ、と唸りながらもシチューをがっついた。
「あんがとさん。じゃ、俺は行くわ。」
「なに、夜なのに行くの?」
「あぁ、急ぎがあるんでね。」
「そう、頑張って。」
「あぁ、オメーもな。道、間違うなよ?」
男は颯爽と去って行った。
名前も知らない間柄ではあったが、いずれまた会う予感だけはあった。
「変な男だな。さて、俺も片付けて走るか。」
篤郎は食器を綺麗にして、鍋も纏めてから火の片付けまでを行い、夜中に走り出した。結果としてノライの南側を西に走り抜けて、町や村によらずに、4日かけてリヒッテット侯爵領の南東から入る事になった。
篤郎が、ラッキーにも誰にも疑われずに入れたのは、バイシュから報告が届いたからだ。リヒッテットが王都を出て2日後、王都からの使者で離反が張れて討伐対象に。逆に討ってやると親交のある貴族達に文を出した。しかし、レクッチも捕まり、他の商人達とは連絡も途絶えてるのを苛立ちながら待っていた。
4日目の早朝にゼウント騎士伯がジュライ平原に陣を張っているとの報告があった。リヒッテットは領地の兵士を東のバイシュ側に配置したのだ。食料の準備には時間が掛かるのは、横暴にも戦争などしなくても策略で国取りをする予定だったリヒッテットに備蓄よりも換金にシフトしてしまい、領内が酷い有り様になっていた。と言うよりも、領内もリヒッテットが王座に着けば何とかなると思っての状況だが、食料が無くなったのには篤郎も驚いた。店も酒場にも食料も酒も持ち出されていたのだから。
結果として篤郎は町の外で寝泊まりしたのだった。
ライナー宰相は、バイシュの危機を感じていた。
王議の間には、半分の貴族達しかいないのだ。会議を知らせた次の日に大半の貴族が領地に戻ったのだ。フォフナー軍部卿から離反の知らせを受けたハイド8世のショックは大きかった。
ゼウントの諫言であったが、まさか王公と王族派の貴族のみしか残っていない。
「陛下より、今後の方針がある!」
ハイド8世は威厳ある態度で、話し始めた。
「通達済みの事だが、リヒッテット侯がゼウントを罠にはめ、離反した事が分かった。しかし、今回の件は早く終息する。だからと言って兵を出さずにはおれまい。」
ざわざわしだす貴族達。無視して話は続く。
「今回の反逆は直ぐに終わる!領地に帰り兵を集めよ、リヒッテット達を討ちに出る。フォフナー軍部卿は全軍の指揮、ライナー宰相よ後詰を指揮を任せる。ゼウント騎士伯は兵を連れてジュライ平原に陣の確保を任せる!フォフナー!」
「はっ!聞いた通り、敵は直ぐに倒れる。エリオット公爵、エンデミオ公爵はライナー宰相と合流。他はジュライ平原に集合とする!集まるのに二週間とする!解散!」
貴族達は訳が分からないままに、言われた事に取り掛かった。まさか二週間でリヒッテット侯爵達が壊滅しているとは考えもしなかったが。
「アツロウ様・・・・」
騎乗の人になったゼウントは、つい呟いていた。騎兵50で陣地の掌握する予定なのだから大変なのだ。初戦の陣取りは内乱では重要なのだから。たった50騎の準備さえ、1日費やしてしまうのだから。
ーーーーーーーーーーーーー
篤郎は人に出会い、リヒッテット侯爵が西側に領地がある事を知った。
東に行けば何とかなるかな。程度で行くのは間抜けである。ま、一晩で出会った人からまともに教えられたのだから、良かったのだろう。
「オメーさんも場所も分からんのによーやる。」
「ぐっ。言われる通りだ。」
「しかし、俺みたいに一人で出歩く男に出会とはな。」
「珍しいのか?」
グツグツと鍋から湯気が出たので、蓋を取り中をかき混ぜる。
「珍しい。しかも、料理までするのは初めてだ。その成りで冒険者なのかも怪しいしな。」
「悪かったな。」
「クククク。いや、悪いよりも珍しいからな。」
楽しそうに男がしている。篤郎も気にせず、鍋からシチューを掬って皿によそい、男に渡した。
「まさか、空の下で温かい料理が食べれるなんてな、どれ、フーフー。」
と男はそのまま口に入れた。
「うー、ちゃちゃちゃ、あちゃあちゃ!あふい、うん、うまい!」
熱いのを我慢しながら食べていた。
篤郎は袋から何かを鍋に入れたのを皿によそった。
男は熱くても食べるのに夢中で分からなからったが、チュルルルーの音で気が付いた。
「オメー、何を食べてる?」
「ん、麺入れシチューだ。」
「め、めん?」
フーフーして篤郎は一気にズルズルとすすった。
ごくっ。「な、なあ、一口くれないか?」
余りにも美味しそうに篤郎がすするので、男は我慢が出来なかった。
「無理、ズズズー。」
「何で!ちょ、一口!」
「お前の飯は対価分。此を食うのに値しないな。」
「な!いいじゃないか!けちっ!」
麺を問答無用で食べ終わると、パンを千切ってシチューに浸した。
「なんで!パンってなに!くそっ!」
男もパンを取り出して浸して食べた。硬いパンがふやけて多少は柔らかい。いい気になって篤郎にニヤリとした。
「パンなら俺だって持ってるのさ。」
「ふーん?ならパンは少し恵んでやろうか。」
「へっ、要らねえよ。だから、要らないって!あっ。」
篤郎からパンを千切ったのを入れられる。
「ちっ。だから要らねーのによ。」
ズズッとパンごとすすると、
「えっ?なにこれ?」
篤郎は男にニヤリとして、
「不味いパンですまん。」
と謝ってきたのだ。男はぐぬぬぬぬぬ、と唸りながらもシチューをがっついた。
「あんがとさん。じゃ、俺は行くわ。」
「なに、夜なのに行くの?」
「あぁ、急ぎがあるんでね。」
「そう、頑張って。」
「あぁ、オメーもな。道、間違うなよ?」
男は颯爽と去って行った。
名前も知らない間柄ではあったが、いずれまた会う予感だけはあった。
「変な男だな。さて、俺も片付けて走るか。」
篤郎は食器を綺麗にして、鍋も纏めてから火の片付けまでを行い、夜中に走り出した。結果としてノライの南側を西に走り抜けて、町や村によらずに、4日かけてリヒッテット侯爵領の南東から入る事になった。
篤郎が、ラッキーにも誰にも疑われずに入れたのは、バイシュから報告が届いたからだ。リヒッテットが王都を出て2日後、王都からの使者で離反が張れて討伐対象に。逆に討ってやると親交のある貴族達に文を出した。しかし、レクッチも捕まり、他の商人達とは連絡も途絶えてるのを苛立ちながら待っていた。
4日目の早朝にゼウント騎士伯がジュライ平原に陣を張っているとの報告があった。リヒッテットは領地の兵士を東のバイシュ側に配置したのだ。食料の準備には時間が掛かるのは、横暴にも戦争などしなくても策略で国取りをする予定だったリヒッテットに備蓄よりも換金にシフトしてしまい、領内が酷い有り様になっていた。と言うよりも、領内もリヒッテットが王座に着けば何とかなると思っての状況だが、食料が無くなったのには篤郎も驚いた。店も酒場にも食料も酒も持ち出されていたのだから。
結果として篤郎は町の外で寝泊まりしたのだった。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
妹を見捨てた私 ~魅了の力を持っていた可愛い妹は愛されていたのでしょうか?~
紗綺
ファンタジー
何故妹ばかり愛されるの?
その答えは私の10歳の誕生日に判明した。
誕生日パーティで私の婚約者候補の一人が妹に魅了されてしまったことでわかった妹の能力。
『魅了の力』
無自覚のその力で周囲の人間を魅了していた。
お父様お母様が妹を溺愛していたのも魅了の力に一因があったと。
魅了の力を制御できない妹は魔法省の管理下に置かれることが決まり、私は祖母の実家に引き取られることになった。
新しい家族はとても優しく、私は妹と比べられることのない穏やかな日々を得ていた。
―――妹のことを忘れて。
私が嫁いだ頃、妹の噂が流れてきた。
魅了の力を制御できるようになり、制限つきだが自由を得た。
しかし実家は没落し、頼る者もなく娼婦になったと。
なぜこれまであの子へ連絡ひとつしなかったのかと、後悔と罪悪感が私を襲う。
それでもこの安寧を捨てられない私はただ祈るしかできない。
どうかあの子が救われますようにと。
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?
つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです!
文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか!
結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。
目を覚ましたら幼い自分の姿が……。
何故か十二歳に巻き戻っていたのです。
最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。
そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか?
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる