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第3章 バイシュ国の内乱
悪鬼羅刹
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馬で駆け抜けて、平民が王都から城内に入る暴挙に出たと、城では騒ぎになった。
本来なら通常の手段に従ってもらえると安心していた、ベルエントの宛は外れたのだ。リーベットは、そうなるよねと思っていたが。
まさか、城門まで停められず駆け抜けるなんて、がベルエントの本音だろう。
悪鬼と化した篤郎は素手で兵士達を殴る様は恐ろしく、槍で停めようが剣だろうが魔法だろうが、篤郎の歩みを停められないのだ。
「ゼウント卿、アツロウと思われる者が乱入しました!」
の報告は、ゼウントには当然となっていたが、ハイド8世、ライナー宰相、フォフナー息子、フォフナー軍部卿も驚いていたが、
「陛下、お逃げ下さい!アツロウと云う者は停まりませぬ!」
の報告にフォフナー軍部卿は慌てていた。
「ゼウント卿、大丈夫なのか?アツロウ殿は停まるのか?」
「分かりませぬ。でも、我が一命をとしても皆様をお守り致します。」
「ゼウントよ、」
ドオォォォォオン。
謁見の間の豪華な扉を突き破って兵士達が吹き飛んで来た。
ハイド8世もライナー宰相もフォフナー親子もゼウントの息子達も、煙の先に居た篤郎を見て恐怖を与えられた。
「よぅ、ゼウント。レクッチを逃がしに王都に来てたか。」
「違います、アツロウ様!」
ゼウントは震える足で前に出た。
「なんだ、悪の親玉は王様だったのか。」
「違います!私の話をお聞き下さい!」
ゼウントは、篤郎の氣で立つのもやっとなのだが、気を持って話を続けた。
「デニー一家を殺った黒幕はリヒッテット侯爵です!侯爵は領地に逃げ帰りました。レクッチは冒険者を集めてるようです。」
「それで?」
「はい。レクッチは王都からは逃げ出せません。此方の手筈が整い次第に捕らえる予定です!」
「あ、予定?なんで城にこさした。」
「レクッチは証人です!殺してはなりません!」
「じゃ、捕まえろよ。」
「それでは!」
「レクッチから王様もぐるだと吐かせて殺して滅ぼすは。」
ハイド8世は背中に刃を当てられた思いになって、汗が異常に出ていた。
「お止めませんが、それは勘弁をお願いできないでしょうか。」
ゼウントは涙を流し、土下座して訴えていた。
「今回件は、元は私が招いた事。私奴の不徳です。私の命でどうか。」
篤郎は一瞬にして、ゼウントの前に来た。
「じゃぁ、道案内だ。」
165cmの篤郎が179cmもあるゼウントの首根っこを捕まえて引き摺って歩いていた。
謁見の間の五人は安堵の息をしたが、息子達は慌てて父の後ろを追った。
「らららら、ライナー、こここここ、怖かった。」
「命が助かったのか。」
「ゼウント卿の言ったのは誠でしたな。」
「父上、腰が。。。」
少しの間の後に、軍を引き連れてフォフナー親子が後を追うのだ。町に被害が出ないように。
篤郎は待ての命令を無視して、城から町に出ていた。
「方向は?」
「ななな、南西の方角で」
「城を中心?」
ゼウントは必死に首を縦に振った。殺されない為に、そして篤郎から信頼を取り戻す為に、掴まれながらも篤郎の知りたい事を考えていた。
それでも、篤郎の動きは異常で、南西の方角へと一直線に屋根を富んでいるのだ。生きた心地はもう無かったのだから。
因みにゼウントが高所恐怖症になったのはこの時だ。
経った数分の事であったが、落ちる感覚に粗相もしてしまった。地面に着くと離された。
「レクッチの店はここか?」
「がっ、ばい、げぼっ、げほっげほっ。」
冒険者達は目の前に現れた者を確認できないていたが、
「レクッチを出しな。篤郎が殺しに来たぞ。」
静かな声は響き渡ると、冒険者達は篤郎に斬りかかった。篤郎はそれまで素手だったが、ベルトを外すと剣にして、襲う冒険者達を切り殺していた。
「死にたい奴は向かって来い。」
篤郎が言うと、また襲って来たが全員の首が飛んでいた。ゼウントはその光景を見つつ、頭にエーベルトの言葉を思い出す。『アツロウは間抜けのカードになりやした。』エーベルトの困った顔はとても愉快だったが、今は違って、
「間抜けのカードじゃ無いぞ、エーベルト。」
と、呟いて腰を抜かしていた。
篤郎は正面玄関から建物に消えて行った。ゼウントが見れたのはそこまでであった。
篤郎の殺戮は続いていた。入って直ぐの男女の冒険者を一刀にすると、二階から足音が聞こえたので、二階へと向かった。襲って来た数人のお手伝いを切りながら、奥へと急いだ。
途中で、偉そうな冒険者達も居たが、何かを云う前に殺していた。豪華な扉を開けると、6人の冒険者とレクッチと女子供と大きい男が三人居た。
「レクッチ~、デニーさん達の仇を取りに来たぞ。」
「ひぃいぃぃぃぃい!」
レクッチは女子供を抱きしめながら、
「ドガー、報酬は倍、いや、三倍は出す!」
「へっ、そんなに怖いのですかね?やれ。」
篤郎から死角の左右の天井から二人が奇襲した。冒険者『ジャガー』の室内での必勝の技だ。
動かない篤郎に迫るが、篤郎に近付く前に斬られていた。
「なっ!」
「くそっ!レブー!」
一人が飛び掛かったが、頭を斬られた。血が吹き出したと同時に篤郎が動いた。あっという間にレクッチ親子を残して切り殺したのだ。
「レクッチ~。逃げれると思った?」
「や、やめ、やめ。」
手足を斬ると
「デニーさんとレウル、パレー、ロイシュの仇。」
「「きゃやあああぁぁぁぁ!」」
「アツロウ様!」
ゼウントはフォフナー軍部卿に助けられながら、篤郎の跡を追ったのだが、部屋の悲惨な状況を見ていた。
「ア、アツロウ、様。」
「レクッチの手足で今は助けておく。取り調べをするなら早く手当てをしろ。」
「何も女子供の前で殺さなくても。」
「デニー一家にそう言えるのか?」
一番の篤郎の覇気を纏った氣を受けた者は、腰を抜かし脱糞をした。それは外も同じだった。
血の池の中を篤郎が歩いて外に出た。その足で城に向かっていた。
本来なら通常の手段に従ってもらえると安心していた、ベルエントの宛は外れたのだ。リーベットは、そうなるよねと思っていたが。
まさか、城門まで停められず駆け抜けるなんて、がベルエントの本音だろう。
悪鬼と化した篤郎は素手で兵士達を殴る様は恐ろしく、槍で停めようが剣だろうが魔法だろうが、篤郎の歩みを停められないのだ。
「ゼウント卿、アツロウと思われる者が乱入しました!」
の報告は、ゼウントには当然となっていたが、ハイド8世、ライナー宰相、フォフナー息子、フォフナー軍部卿も驚いていたが、
「陛下、お逃げ下さい!アツロウと云う者は停まりませぬ!」
の報告にフォフナー軍部卿は慌てていた。
「ゼウント卿、大丈夫なのか?アツロウ殿は停まるのか?」
「分かりませぬ。でも、我が一命をとしても皆様をお守り致します。」
「ゼウントよ、」
ドオォォォォオン。
謁見の間の豪華な扉を突き破って兵士達が吹き飛んで来た。
ハイド8世もライナー宰相もフォフナー親子もゼウントの息子達も、煙の先に居た篤郎を見て恐怖を与えられた。
「よぅ、ゼウント。レクッチを逃がしに王都に来てたか。」
「違います、アツロウ様!」
ゼウントは震える足で前に出た。
「なんだ、悪の親玉は王様だったのか。」
「違います!私の話をお聞き下さい!」
ゼウントは、篤郎の氣で立つのもやっとなのだが、気を持って話を続けた。
「デニー一家を殺った黒幕はリヒッテット侯爵です!侯爵は領地に逃げ帰りました。レクッチは冒険者を集めてるようです。」
「それで?」
「はい。レクッチは王都からは逃げ出せません。此方の手筈が整い次第に捕らえる予定です!」
「あ、予定?なんで城にこさした。」
「レクッチは証人です!殺してはなりません!」
「じゃ、捕まえろよ。」
「それでは!」
「レクッチから王様もぐるだと吐かせて殺して滅ぼすは。」
ハイド8世は背中に刃を当てられた思いになって、汗が異常に出ていた。
「お止めませんが、それは勘弁をお願いできないでしょうか。」
ゼウントは涙を流し、土下座して訴えていた。
「今回件は、元は私が招いた事。私奴の不徳です。私の命でどうか。」
篤郎は一瞬にして、ゼウントの前に来た。
「じゃぁ、道案内だ。」
165cmの篤郎が179cmもあるゼウントの首根っこを捕まえて引き摺って歩いていた。
謁見の間の五人は安堵の息をしたが、息子達は慌てて父の後ろを追った。
「らららら、ライナー、こここここ、怖かった。」
「命が助かったのか。」
「ゼウント卿の言ったのは誠でしたな。」
「父上、腰が。。。」
少しの間の後に、軍を引き連れてフォフナー親子が後を追うのだ。町に被害が出ないように。
篤郎は待ての命令を無視して、城から町に出ていた。
「方向は?」
「ななな、南西の方角で」
「城を中心?」
ゼウントは必死に首を縦に振った。殺されない為に、そして篤郎から信頼を取り戻す為に、掴まれながらも篤郎の知りたい事を考えていた。
それでも、篤郎の動きは異常で、南西の方角へと一直線に屋根を富んでいるのだ。生きた心地はもう無かったのだから。
因みにゼウントが高所恐怖症になったのはこの時だ。
経った数分の事であったが、落ちる感覚に粗相もしてしまった。地面に着くと離された。
「レクッチの店はここか?」
「がっ、ばい、げぼっ、げほっげほっ。」
冒険者達は目の前に現れた者を確認できないていたが、
「レクッチを出しな。篤郎が殺しに来たぞ。」
静かな声は響き渡ると、冒険者達は篤郎に斬りかかった。篤郎はそれまで素手だったが、ベルトを外すと剣にして、襲う冒険者達を切り殺していた。
「死にたい奴は向かって来い。」
篤郎が言うと、また襲って来たが全員の首が飛んでいた。ゼウントはその光景を見つつ、頭にエーベルトの言葉を思い出す。『アツロウは間抜けのカードになりやした。』エーベルトの困った顔はとても愉快だったが、今は違って、
「間抜けのカードじゃ無いぞ、エーベルト。」
と、呟いて腰を抜かしていた。
篤郎は正面玄関から建物に消えて行った。ゼウントが見れたのはそこまでであった。
篤郎の殺戮は続いていた。入って直ぐの男女の冒険者を一刀にすると、二階から足音が聞こえたので、二階へと向かった。襲って来た数人のお手伝いを切りながら、奥へと急いだ。
途中で、偉そうな冒険者達も居たが、何かを云う前に殺していた。豪華な扉を開けると、6人の冒険者とレクッチと女子供と大きい男が三人居た。
「レクッチ~、デニーさん達の仇を取りに来たぞ。」
「ひぃいぃぃぃぃい!」
レクッチは女子供を抱きしめながら、
「ドガー、報酬は倍、いや、三倍は出す!」
「へっ、そんなに怖いのですかね?やれ。」
篤郎から死角の左右の天井から二人が奇襲した。冒険者『ジャガー』の室内での必勝の技だ。
動かない篤郎に迫るが、篤郎に近付く前に斬られていた。
「なっ!」
「くそっ!レブー!」
一人が飛び掛かったが、頭を斬られた。血が吹き出したと同時に篤郎が動いた。あっという間にレクッチ親子を残して切り殺したのだ。
「レクッチ~。逃げれると思った?」
「や、やめ、やめ。」
手足を斬ると
「デニーさんとレウル、パレー、ロイシュの仇。」
「「きゃやあああぁぁぁぁ!」」
「アツロウ様!」
ゼウントはフォフナー軍部卿に助けられながら、篤郎の跡を追ったのだが、部屋の悲惨な状況を見ていた。
「ア、アツロウ、様。」
「レクッチの手足で今は助けておく。取り調べをするなら早く手当てをしろ。」
「何も女子供の前で殺さなくても。」
「デニー一家にそう言えるのか?」
一番の篤郎の覇気を纏った氣を受けた者は、腰を抜かし脱糞をした。それは外も同じだった。
血の池の中を篤郎が歩いて外に出た。その足で城に向かっていた。
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