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第2章 転移しました!
転移してオーク認定。
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暗闇を過ぎたらスカイダイビング中です。
満天の星空はー、日本ではありませんね。
しかし、知らない星空ではありませんが。
何時以来の懐かしい星空と懐かしい匂いを感じるなんて。
なんて状況でもないですね。
多分、出来るでしょう。久しぶりなのですが、ワクワクしています。16年も考えて、理解して、新しい理論を作ってきた事が出来るのか。
新魔法で、ゆっくりした魔法を。
空から見る、初めて見る大地を見ていたいから。そっと、目を閉じてからイメージを固めて、
「『羽毛』」
呟くと、久しい力が体を駆け巡った。それは、『魔力』。血管を血を細胞の一つ一つに魔力が宿るようだ。
目を開ける。
「おおー!」
感嘆な声を挙げてしまう。本当に戻ったのかは分からないが、魔法が使える世界なのだろう。暗い大地は味気ないが、紋章が発動したのだろう、暗い中でも見える。もう一度、星を惑星を見た。
間違いなければ【月】と呼んでいたモノだか、地球で見ていた月よりも大きい。星の配置も見ていたモノと少し違うのだが、間違いなければバルシュで見た星空に似ている。
星に星座があるのかは知らないし、分からない。が、それよりも満天の星である。手が届く感じが堪らない。冬キャンプで見たモノよりも降りてきている感じだ。
リックのからカメラを出して星を撮す。撮れるだけ撮っていた。
地面が近付いて来たら、ややこしい事になっていた。
剣激と争う声と血の匂いと火の光が見えたのだ。
「はっー。えーと目に追加するか。紋章に『サーモナ』を追加と。」
人型の争いの様だ。どちらに就くかは降りてからだな。
ベルトにしていた物を剣にして、紋章で『切味強化』『耐久強化』を肉体には魔法で『身体強化』『防御強化』を掛けた。
新しい魔法の実証である。いや、実験か。
なんにしても、転生して初の戦闘が待っているよね。
「取り敢えず、速度を上げよう。」
かなり強い人がいる。それは、来る敵を一合で倒している。それも数体も倒している。しかし、怖いと感じないのは良いのだが、殺すとなるとどうなるかだ。昔、転生前の殺しは戦場だったな。初の戦場での戦果は一人。一人を殺した後は吐いていたのだったな。と笑顔になっていた。
地面に降り立ち、戦いの場所に向かう。新しい『身体強化』のお陰か、苦もなく戦場にたどり着いた。
最初の見たては崩れた。
良かったのは強い人は人間で、倒すのはモンスターだったのだが、ゴブリンであった。
人型モンスター、ゴブリン。ゲームで最下層のモブキャラ敵存在なのは、異世界本でもある通りだ。知能が低く、普通に剣術を学べば苦戦する事がない。ただ繁殖力が強いが、ゴブリンの男は捕食して、女が出産する。他の種族は食い物としている。ゴキブリ並みの繁殖力があるのでコロニーは稼ぎ場所になる。一匹の敵に最低でも10匹で襲う。
変わらないなら余裕だろうが、今回は大量にいる。コロニーを襲ってる訳でもない。背負子を降ろして、
「救援が必要か!」
と、ゴブリンを切り殺した。篤郎は不思議な感覚と手応えを感じた。懐かしいとか慣れたとも違って、空振りをした感覚なのに驚いてしまった。
「¢∃∽∝≒∃∇∂!」
その懐かしい言語に、自分が日本語で話してた事に頬を赤らめてしまうが、2匹のゴブリンを倒しながら言い直した。
「きゅうじょ、ひつぶうか!」
多分、合ってると思うが下手なルシェル語で話す。その間も感触を感じないが剣を振るっている。
「¢∃∽∝≒∃∇∂!」
またもや違った?と考えて、共通語を使って叫んでいた。
「殺す!」
こう言えば何とか通じて欲しいと願いながら、ゴブリンだけを狙い殺していた。特に冒険者にはゴブリンの耳が必要になるので耳を傷つけ無いように倒した。
そのうち、戦闘に慣れて周りにも注意が行くようになった。強い人は騎士だろう。他も騎士と冒険者が居るようだ。馬車があるが、馬は傷つき倒れている。
判断はこれぐらいか。篤郎は直ぐに魔法を複数展開した。
新魔法の『弾丸の石』を使ったのだ。土を使うと形成、硬化をいけないのだろうが、石を弾丸の形状にして回転を掛けて放つだけである。救助対象者の前に戦いながら出てから発動させる。
発動させてから篤郎は新魔法の実力の成果を見ようとして、後ろを見たのだが驚いていたので成果の確認が出来た。
『複数連射』も発動させながら、戦闘を続けた。
篤郎が来るまでは防戦で皆殺しも見られたが、篤郎が入ってからは攻戦から殺戮に変わった。魔法の威力も速さも展開速度も何もかも異常と言えるレベルなのだから。
10分たった頃に戦闘が終わった。
篤郎が魔法を止めて周辺の偵察を始めたので終わったのだろう。
背負子も背負い、馬車に近付いてはっきりと聞いて理解した。
「何者だ!」
女性だろう者からの言葉であった。
助けに入った功労者に向かって、騎士も冒険者も武器を向けていた。顔は見えるだけ見ると、悲壮感漂う顔なのだ。
「てきじゃない。が、けんをむけつづけたらてきにみる。」
篤郎の言葉に怯んでいたが女騎士が、
「特殊ゴブリンか、オークか!死んでも此処を死守するぞ!」
周りの者は、一層悲壮感を強めた顔になり、上げた武器も下に下がっていた。篤郎も悲壮感を感じて、更に言った
「モンスターではない、にんげんだ。それともおれをおそうのか?」
と、笑いながら言ったのだが、
「黙れ!このオーク顔が!死んでも守り抜いてみせる!」
女騎士は、ますます力を込めて発言したのだ。
篤郎は背負子を降ろして、リックから鏡を出して自分の顔を見た。その動作には皆が注目していた。篤郎は一頻り自分の顔を見てから、涙を流しながら崩れ落ちた。
「お、おれはオークじゃない。なのにオーク。おんなにオークといわれた。」
「「「あっ。」」」
女騎士以外は武器を直して、別の悲壮感になっていた。
「黙れオーク!強い癖に泣いて我等の油断を誘うか!オーク!」
の言葉には、他の騎士達も女騎士を止めに入っていた。
「リデリア隊長!言葉が過ぎますぞ!」
「何をする!あのオークに騙されるな!」
「わー!なんて事を言うのですか!」
「隊長を抑えろ!」
「冒険者諸君も手伝ってくれ!リデリア隊長を抑えろ!」
「おではオークちがう、にんげん。にんげんなのに、わーん!」
騎士も冒険者もリデリア隊長を抑え、篤郎は泣いた。
騒動が大きくなった頃に、
「騒がしい!」
と、男の声が響く。篤郎以外の者は騒がないで、跪つきその人を迎えたが、篤郎は泣いていた。
日本で篤郎が人気も誰からも見向きもされなかったし、お手伝いさんが長続ききなかった理由が今理解したのだ。
「おれはオークじゃあない!」
悲しくなって、泣いて、一頻り理解した。多分、年相応なら笑って許したりも出来たが、十代の思考があったのだろう、悲しみが怒りになった。
「これから、おれをオークなどというやつはなぐる!」
その言葉に、また殺気に怯んでいた。
偉い人も歩みを止め、その言葉に殺気に恐れ、考えてから言葉をかけた。
「危ない所を助けていただき、感謝する。」
涙の跡を残したままに顔を上げて見た。
豚鼻ではないが、輪郭と顔のパーツが合っていないのは分かった。それが、嫌悪感に繋がってしまい、大多数に嫌われる要因になって要るのだと、偉い人は感じていた。それと、篤郎の恐ろしい威圧にも驚いていた。
「私は ノライ領の領主で ローウエル・エル・ゼウント騎士伯と言います。そなたの名前を教えてくれまいか?」
「あつろう。ふじなみあつろう。」
「そうか。アツロウ殿、モノは相談なのだが、助けられた恩を返したいが、旅の途中。もし、良かったら私に同行して貰えないか?」
「いやだ。」
「何故だろうか?」
「そのひとが、いやなことをいうから。」
殺気が殺意と怒気を含み出していた。リデリア隊長でさえ、その気には震えている。当然、ゼウント騎士伯も足には少し出たが、流石は貴族たちとも交流があるのだろうか顔には汗もかいてはいない。
「分かりました。アツロウ殿は私の客人として迎える、決して粗相が無いように!」
「しかし!」
「「「ははっ!」」」
リデリア隊長の声を消して採択は決まったようだ。
ゼウント騎士伯も満足そうに見ていた。
「アツロウ殿。本日は此処で休みたいと思う、如何だろうか?」
「わかった。」
ゼウント騎士伯は篤郎の言葉にホッと胸を撫で下ろして、
「死体を片付けて夜営の準備を始めろ!」
「ちょっとまった。おれがかたづける。」
篤郎が地面に手を置いて、
「『食欲の大地』」
と言うと、全てのゴブリンを血も洗うように地面が食べたのだ。
全員の感覚が、怖いから恐ろしいに変わってもおかしくはなかった。リデリア隊長でさえ、その光景を見て涙目になっているのだから。
「あ、ありがとうございます、アツロウ様。み、皆、や、夜営の準備ですよ~。」
ゼウント騎士伯も流石に汗を止める事は出来ないし、震えながも何とか指示は出来た。だが、後悔を事になる。
ゼウントは篤郎に顔を向けなかった。先に篤郎のテントをと自分のテントを作らせたのだ。
だが、既に篤郎は自分のテントを張り、焚き火の準備に入っていたのだ。日本製のテントはこの世界は無い。しかも色付きの質素でありながら、合理的なテントに誰もが驚いていた。
だがゼウント騎士伯は、
「出来ましたぞ、アツロウ様?」
騎士10人で建てたテントよりも、見た事がないテントに目が行っていた。
「ア、アツロウ様?」
出来たよのアピールをしながら、篤郎にすり寄る。だが、
「できましたね。ひだねありますので、とりにきてください。では。」
篤郎は自分のテントに入って行った。
「な、何でテントが?何故お止めしなかったのだ!」
ゼウント騎士伯はリデリア隊長に向かって小声で怒っていた。
「出来る訳無いです!それにあれは特殊オークですよ!正気ですか!」
「馬鹿!なんて事を言うのだ!アツロウ様に聞かれたら我等は終わりだぞ!言うな!黙れよ!」
別方向に注意をしてしまって、篤郎のテントを見た。
当然、篤郎は鍋と袋を手にして持って現れる。火に鍋を置いて湯を沸かしている。
とにかく、ゼウント騎士伯は夜食で挽回しようとした。
「馬車から妻子をテントに移せ。飯の用意を急がせろ!」
「はっ!」
騎士達は本当に連係して食事の段取りと、ゼウント騎士伯の妻子をテントに移し、警備とテントを建てていた。
冒険者達の中にも篤郎と友達になろうとしていたが、此方も簡易テントの設営と夜営の段取りでそれどころの場合でもなかった。
ゼウント騎士伯は妻子を連れて現れてきた。
「貴方、私達もアツロウ様に挨拶させてもらいますわ。」
「そうだな、アツロウ様、私の妻のレイチェルと娘のアルテイミスです。」
ゼウント騎士伯の後ろから前に出てきて挨拶をしてきた、年はゼウント騎士伯よりも若い婦人と小さな女の子が現れた。スカートの裾を軽く持ち上げて、
「アツロウ様、この度は私共の危機をお救い下さりありがとうございました。私は妻のレイチェル・ゼウントです。」
と、礼をしてきた。篤郎も手に鍋を持ったまま、立ち上がって、
「きにしないでください。できることをしたまでですから。」
次にアルテイミスが顔をあげずに、
「アルテイミスです。ありがとうございました、アツロウ様。」
と礼を言い顔を上げた。
「本当にオークに似た顔ですよ、お母様。」
「しょっく!」
アルテイミスと対象にくねくねと悶える篤郎。
そして、ひやひやする両親。
「アツロウさま、その鍋の中は何ですの?」
「んー、わたしのくにのりょうりかな。」
「美味しいですの?」
「あじみする?」
アルテイミスは頷いてしまう。篤郎は新しいフォークを出して鳥の唐揚げを南蛮仕立てにした物を刺して渡した。
両親の心配をよそに、アルテイミスは変わった食べ物を舐めてからかぶり付いた。足をじたばたさせて、
「ん~!うまーい!何これ!もっと食べても良い?」
両親は宥めていたが、篤郎は別にフォークを取り出してゼウント騎士伯とレイチェルにも渡したのだ。
「これは!」
「お、美味しい!」
「まだありますから、たべますか?」
「失礼では?」
「たのしくたべましょう。」
と篤郎は味噌汁と焼きおにぎりも出していた。
乾燥肉のような塩辛い物以外の食べ物を食べていたので、篤郎の作った食事を楽しんだ。但し、ゆっくりとではなくて慌てて食べていた。初めてで美味しい物を急いで食べてしまい、恥ずかしくなりゼウント騎士伯は、
「す、済みません、アツロウ様。」
「助けて貰い、こんなに美味しい食事まで頂きありがとうございます。」
「美味しいです!」
「おかわりは?」
「いえ、結構です。本当に美味しかったです、アツロウ様。」
「失礼します。」
「お母様?はい、失礼します。」
少し傷付きながらも、“美味しい”の言葉で嬉しくなった。
で、終わりには出来ないので、追加料理を作る。玉子焼きと味噌汁だ。味噌は壺で持ってきている。具はワカメだ。
情報収集は必要なのは日本で馬鹿になるぐらい理解している。たとえ必要無い情報もいずれ必要なのだと。
今の状況は敵を倒して、貴族の客でオークだ。
多分知っている地だが、確証はない。ノライ領など聞いた事がないから、聞き出さなければいけない。騎士にも聞いても良いが、冒険者が変わらなければ、情報を聞くのに打ってつけなのだ。
対価に温かい食事なら大金を積んでも惜しく無いだろう。強さも見せつけたのだから簡単だ。
簡単に作って騎士達を過ぎて冒険者達に近づく。
「めしはたべました?」
緊張する者、怖がる者と別れる、しかしリーダーだろう者が答える。
「アツロウ様!め、ご飯は食べました!」
「そうか、あったかいものをさしいれにきたのだけど。」
シュンとする篤郎。それに慌てるリーダーは、
「食べれますので、頂きます!」
「よかった。」
笑顔になって答えた。直ぐ入れ物を出して、初めての味噌汁と玉子焼きと対時した。リーダーが一気に玉子焼きを食べた。
「う、うまい。まさか、これも。」
味噌汁を一口飲むと、
「な、なんと言う旨さ。色に騙されたけど、上手いです。」
冒険者達は、もう止まらなく食べていた。
食べている処で、
「ぼうけんしゃのリーダーなの?」
「はい、美貌老のリーダーをしています、リッデトと言います。」
「そうなんだ、リッデトさんにききたいことがあります。」
「何ですか?」
「いまはなんねん?」
「今ですか?帝歴255年のダレクの6です。」
此処で知らない単語が出た。帝歴・・・・知らない。
「おうれきなら?」
「えっ、えーと?」
「リーダー、王歴なら735年ですよ。」
「良く知っていたな、エメット。」
「へへっ、これでも元貴族でしたから、死んだ婆さんから教えられましたから。」
「へー、じゃ、バルシュ国は?」
「へっ?今もありますし、此処もバルシュ国ですよ?」
「そうか、バルシュ国あるんだ。」
「当たり前ですよ、あはははははは。」
皆が笑った処でお開きにした。
お次は騎士達と話をした。
「やけいごくろうさま。」
「はっ!お疲れ様です、アツロウ様。」
「ききたいのだが、こくおうってどんなひと?」
「国王陛下ですか?」
「そう、バルシおうがおさめてる?」
「いえ、今はバイド8世陛下が治めております。」
「そうなんだ、ありがとう。」
それだけを聞いてから自分のテントに戻った。
課程の状態だが、もし俺が死んだのが王歴335年の夏。今が王歴の735年て事は四百年も経っている。次にバルシュ国が健在だが、バルシュの姓持たない者が王になっている。他の情報は此れからだな。それと、美の女神アルテウル。四百年前にいない神が今はいるのだ。神のミネルシルバは?謎だ。
それと帰る為にどうするのかだ。他に神が居るのか?
そして俺はオーク顔なのか・・・・・・。
満天の星空はー、日本ではありませんね。
しかし、知らない星空ではありませんが。
何時以来の懐かしい星空と懐かしい匂いを感じるなんて。
なんて状況でもないですね。
多分、出来るでしょう。久しぶりなのですが、ワクワクしています。16年も考えて、理解して、新しい理論を作ってきた事が出来るのか。
新魔法で、ゆっくりした魔法を。
空から見る、初めて見る大地を見ていたいから。そっと、目を閉じてからイメージを固めて、
「『羽毛』」
呟くと、久しい力が体を駆け巡った。それは、『魔力』。血管を血を細胞の一つ一つに魔力が宿るようだ。
目を開ける。
「おおー!」
感嘆な声を挙げてしまう。本当に戻ったのかは分からないが、魔法が使える世界なのだろう。暗い大地は味気ないが、紋章が発動したのだろう、暗い中でも見える。もう一度、星を惑星を見た。
間違いなければ【月】と呼んでいたモノだか、地球で見ていた月よりも大きい。星の配置も見ていたモノと少し違うのだが、間違いなければバルシュで見た星空に似ている。
星に星座があるのかは知らないし、分からない。が、それよりも満天の星である。手が届く感じが堪らない。冬キャンプで見たモノよりも降りてきている感じだ。
リックのからカメラを出して星を撮す。撮れるだけ撮っていた。
地面が近付いて来たら、ややこしい事になっていた。
剣激と争う声と血の匂いと火の光が見えたのだ。
「はっー。えーと目に追加するか。紋章に『サーモナ』を追加と。」
人型の争いの様だ。どちらに就くかは降りてからだな。
ベルトにしていた物を剣にして、紋章で『切味強化』『耐久強化』を肉体には魔法で『身体強化』『防御強化』を掛けた。
新しい魔法の実証である。いや、実験か。
なんにしても、転生して初の戦闘が待っているよね。
「取り敢えず、速度を上げよう。」
かなり強い人がいる。それは、来る敵を一合で倒している。それも数体も倒している。しかし、怖いと感じないのは良いのだが、殺すとなるとどうなるかだ。昔、転生前の殺しは戦場だったな。初の戦場での戦果は一人。一人を殺した後は吐いていたのだったな。と笑顔になっていた。
地面に降り立ち、戦いの場所に向かう。新しい『身体強化』のお陰か、苦もなく戦場にたどり着いた。
最初の見たては崩れた。
良かったのは強い人は人間で、倒すのはモンスターだったのだが、ゴブリンであった。
人型モンスター、ゴブリン。ゲームで最下層のモブキャラ敵存在なのは、異世界本でもある通りだ。知能が低く、普通に剣術を学べば苦戦する事がない。ただ繁殖力が強いが、ゴブリンの男は捕食して、女が出産する。他の種族は食い物としている。ゴキブリ並みの繁殖力があるのでコロニーは稼ぎ場所になる。一匹の敵に最低でも10匹で襲う。
変わらないなら余裕だろうが、今回は大量にいる。コロニーを襲ってる訳でもない。背負子を降ろして、
「救援が必要か!」
と、ゴブリンを切り殺した。篤郎は不思議な感覚と手応えを感じた。懐かしいとか慣れたとも違って、空振りをした感覚なのに驚いてしまった。
「¢∃∽∝≒∃∇∂!」
その懐かしい言語に、自分が日本語で話してた事に頬を赤らめてしまうが、2匹のゴブリンを倒しながら言い直した。
「きゅうじょ、ひつぶうか!」
多分、合ってると思うが下手なルシェル語で話す。その間も感触を感じないが剣を振るっている。
「¢∃∽∝≒∃∇∂!」
またもや違った?と考えて、共通語を使って叫んでいた。
「殺す!」
こう言えば何とか通じて欲しいと願いながら、ゴブリンだけを狙い殺していた。特に冒険者にはゴブリンの耳が必要になるので耳を傷つけ無いように倒した。
そのうち、戦闘に慣れて周りにも注意が行くようになった。強い人は騎士だろう。他も騎士と冒険者が居るようだ。馬車があるが、馬は傷つき倒れている。
判断はこれぐらいか。篤郎は直ぐに魔法を複数展開した。
新魔法の『弾丸の石』を使ったのだ。土を使うと形成、硬化をいけないのだろうが、石を弾丸の形状にして回転を掛けて放つだけである。救助対象者の前に戦いながら出てから発動させる。
発動させてから篤郎は新魔法の実力の成果を見ようとして、後ろを見たのだが驚いていたので成果の確認が出来た。
『複数連射』も発動させながら、戦闘を続けた。
篤郎が来るまでは防戦で皆殺しも見られたが、篤郎が入ってからは攻戦から殺戮に変わった。魔法の威力も速さも展開速度も何もかも異常と言えるレベルなのだから。
10分たった頃に戦闘が終わった。
篤郎が魔法を止めて周辺の偵察を始めたので終わったのだろう。
背負子も背負い、馬車に近付いてはっきりと聞いて理解した。
「何者だ!」
女性だろう者からの言葉であった。
助けに入った功労者に向かって、騎士も冒険者も武器を向けていた。顔は見えるだけ見ると、悲壮感漂う顔なのだ。
「てきじゃない。が、けんをむけつづけたらてきにみる。」
篤郎の言葉に怯んでいたが女騎士が、
「特殊ゴブリンか、オークか!死んでも此処を死守するぞ!」
周りの者は、一層悲壮感を強めた顔になり、上げた武器も下に下がっていた。篤郎も悲壮感を感じて、更に言った
「モンスターではない、にんげんだ。それともおれをおそうのか?」
と、笑いながら言ったのだが、
「黙れ!このオーク顔が!死んでも守り抜いてみせる!」
女騎士は、ますます力を込めて発言したのだ。
篤郎は背負子を降ろして、リックから鏡を出して自分の顔を見た。その動作には皆が注目していた。篤郎は一頻り自分の顔を見てから、涙を流しながら崩れ落ちた。
「お、おれはオークじゃない。なのにオーク。おんなにオークといわれた。」
「「「あっ。」」」
女騎士以外は武器を直して、別の悲壮感になっていた。
「黙れオーク!強い癖に泣いて我等の油断を誘うか!オーク!」
の言葉には、他の騎士達も女騎士を止めに入っていた。
「リデリア隊長!言葉が過ぎますぞ!」
「何をする!あのオークに騙されるな!」
「わー!なんて事を言うのですか!」
「隊長を抑えろ!」
「冒険者諸君も手伝ってくれ!リデリア隊長を抑えろ!」
「おではオークちがう、にんげん。にんげんなのに、わーん!」
騎士も冒険者もリデリア隊長を抑え、篤郎は泣いた。
騒動が大きくなった頃に、
「騒がしい!」
と、男の声が響く。篤郎以外の者は騒がないで、跪つきその人を迎えたが、篤郎は泣いていた。
日本で篤郎が人気も誰からも見向きもされなかったし、お手伝いさんが長続ききなかった理由が今理解したのだ。
「おれはオークじゃあない!」
悲しくなって、泣いて、一頻り理解した。多分、年相応なら笑って許したりも出来たが、十代の思考があったのだろう、悲しみが怒りになった。
「これから、おれをオークなどというやつはなぐる!」
その言葉に、また殺気に怯んでいた。
偉い人も歩みを止め、その言葉に殺気に恐れ、考えてから言葉をかけた。
「危ない所を助けていただき、感謝する。」
涙の跡を残したままに顔を上げて見た。
豚鼻ではないが、輪郭と顔のパーツが合っていないのは分かった。それが、嫌悪感に繋がってしまい、大多数に嫌われる要因になって要るのだと、偉い人は感じていた。それと、篤郎の恐ろしい威圧にも驚いていた。
「私は ノライ領の領主で ローウエル・エル・ゼウント騎士伯と言います。そなたの名前を教えてくれまいか?」
「あつろう。ふじなみあつろう。」
「そうか。アツロウ殿、モノは相談なのだが、助けられた恩を返したいが、旅の途中。もし、良かったら私に同行して貰えないか?」
「いやだ。」
「何故だろうか?」
「そのひとが、いやなことをいうから。」
殺気が殺意と怒気を含み出していた。リデリア隊長でさえ、その気には震えている。当然、ゼウント騎士伯も足には少し出たが、流石は貴族たちとも交流があるのだろうか顔には汗もかいてはいない。
「分かりました。アツロウ殿は私の客人として迎える、決して粗相が無いように!」
「しかし!」
「「「ははっ!」」」
リデリア隊長の声を消して採択は決まったようだ。
ゼウント騎士伯も満足そうに見ていた。
「アツロウ殿。本日は此処で休みたいと思う、如何だろうか?」
「わかった。」
ゼウント騎士伯は篤郎の言葉にホッと胸を撫で下ろして、
「死体を片付けて夜営の準備を始めろ!」
「ちょっとまった。おれがかたづける。」
篤郎が地面に手を置いて、
「『食欲の大地』」
と言うと、全てのゴブリンを血も洗うように地面が食べたのだ。
全員の感覚が、怖いから恐ろしいに変わってもおかしくはなかった。リデリア隊長でさえ、その光景を見て涙目になっているのだから。
「あ、ありがとうございます、アツロウ様。み、皆、や、夜営の準備ですよ~。」
ゼウント騎士伯も流石に汗を止める事は出来ないし、震えながも何とか指示は出来た。だが、後悔を事になる。
ゼウントは篤郎に顔を向けなかった。先に篤郎のテントをと自分のテントを作らせたのだ。
だが、既に篤郎は自分のテントを張り、焚き火の準備に入っていたのだ。日本製のテントはこの世界は無い。しかも色付きの質素でありながら、合理的なテントに誰もが驚いていた。
だがゼウント騎士伯は、
「出来ましたぞ、アツロウ様?」
騎士10人で建てたテントよりも、見た事がないテントに目が行っていた。
「ア、アツロウ様?」
出来たよのアピールをしながら、篤郎にすり寄る。だが、
「できましたね。ひだねありますので、とりにきてください。では。」
篤郎は自分のテントに入って行った。
「な、何でテントが?何故お止めしなかったのだ!」
ゼウント騎士伯はリデリア隊長に向かって小声で怒っていた。
「出来る訳無いです!それにあれは特殊オークですよ!正気ですか!」
「馬鹿!なんて事を言うのだ!アツロウ様に聞かれたら我等は終わりだぞ!言うな!黙れよ!」
別方向に注意をしてしまって、篤郎のテントを見た。
当然、篤郎は鍋と袋を手にして持って現れる。火に鍋を置いて湯を沸かしている。
とにかく、ゼウント騎士伯は夜食で挽回しようとした。
「馬車から妻子をテントに移せ。飯の用意を急がせろ!」
「はっ!」
騎士達は本当に連係して食事の段取りと、ゼウント騎士伯の妻子をテントに移し、警備とテントを建てていた。
冒険者達の中にも篤郎と友達になろうとしていたが、此方も簡易テントの設営と夜営の段取りでそれどころの場合でもなかった。
ゼウント騎士伯は妻子を連れて現れてきた。
「貴方、私達もアツロウ様に挨拶させてもらいますわ。」
「そうだな、アツロウ様、私の妻のレイチェルと娘のアルテイミスです。」
ゼウント騎士伯の後ろから前に出てきて挨拶をしてきた、年はゼウント騎士伯よりも若い婦人と小さな女の子が現れた。スカートの裾を軽く持ち上げて、
「アツロウ様、この度は私共の危機をお救い下さりありがとうございました。私は妻のレイチェル・ゼウントです。」
と、礼をしてきた。篤郎も手に鍋を持ったまま、立ち上がって、
「きにしないでください。できることをしたまでですから。」
次にアルテイミスが顔をあげずに、
「アルテイミスです。ありがとうございました、アツロウ様。」
と礼を言い顔を上げた。
「本当にオークに似た顔ですよ、お母様。」
「しょっく!」
アルテイミスと対象にくねくねと悶える篤郎。
そして、ひやひやする両親。
「アツロウさま、その鍋の中は何ですの?」
「んー、わたしのくにのりょうりかな。」
「美味しいですの?」
「あじみする?」
アルテイミスは頷いてしまう。篤郎は新しいフォークを出して鳥の唐揚げを南蛮仕立てにした物を刺して渡した。
両親の心配をよそに、アルテイミスは変わった食べ物を舐めてからかぶり付いた。足をじたばたさせて、
「ん~!うまーい!何これ!もっと食べても良い?」
両親は宥めていたが、篤郎は別にフォークを取り出してゼウント騎士伯とレイチェルにも渡したのだ。
「これは!」
「お、美味しい!」
「まだありますから、たべますか?」
「失礼では?」
「たのしくたべましょう。」
と篤郎は味噌汁と焼きおにぎりも出していた。
乾燥肉のような塩辛い物以外の食べ物を食べていたので、篤郎の作った食事を楽しんだ。但し、ゆっくりとではなくて慌てて食べていた。初めてで美味しい物を急いで食べてしまい、恥ずかしくなりゼウント騎士伯は、
「す、済みません、アツロウ様。」
「助けて貰い、こんなに美味しい食事まで頂きありがとうございます。」
「美味しいです!」
「おかわりは?」
「いえ、結構です。本当に美味しかったです、アツロウ様。」
「失礼します。」
「お母様?はい、失礼します。」
少し傷付きながらも、“美味しい”の言葉で嬉しくなった。
で、終わりには出来ないので、追加料理を作る。玉子焼きと味噌汁だ。味噌は壺で持ってきている。具はワカメだ。
情報収集は必要なのは日本で馬鹿になるぐらい理解している。たとえ必要無い情報もいずれ必要なのだと。
今の状況は敵を倒して、貴族の客でオークだ。
多分知っている地だが、確証はない。ノライ領など聞いた事がないから、聞き出さなければいけない。騎士にも聞いても良いが、冒険者が変わらなければ、情報を聞くのに打ってつけなのだ。
対価に温かい食事なら大金を積んでも惜しく無いだろう。強さも見せつけたのだから簡単だ。
簡単に作って騎士達を過ぎて冒険者達に近づく。
「めしはたべました?」
緊張する者、怖がる者と別れる、しかしリーダーだろう者が答える。
「アツロウ様!め、ご飯は食べました!」
「そうか、あったかいものをさしいれにきたのだけど。」
シュンとする篤郎。それに慌てるリーダーは、
「食べれますので、頂きます!」
「よかった。」
笑顔になって答えた。直ぐ入れ物を出して、初めての味噌汁と玉子焼きと対時した。リーダーが一気に玉子焼きを食べた。
「う、うまい。まさか、これも。」
味噌汁を一口飲むと、
「な、なんと言う旨さ。色に騙されたけど、上手いです。」
冒険者達は、もう止まらなく食べていた。
食べている処で、
「ぼうけんしゃのリーダーなの?」
「はい、美貌老のリーダーをしています、リッデトと言います。」
「そうなんだ、リッデトさんにききたいことがあります。」
「何ですか?」
「いまはなんねん?」
「今ですか?帝歴255年のダレクの6です。」
此処で知らない単語が出た。帝歴・・・・知らない。
「おうれきなら?」
「えっ、えーと?」
「リーダー、王歴なら735年ですよ。」
「良く知っていたな、エメット。」
「へへっ、これでも元貴族でしたから、死んだ婆さんから教えられましたから。」
「へー、じゃ、バルシュ国は?」
「へっ?今もありますし、此処もバルシュ国ですよ?」
「そうか、バルシュ国あるんだ。」
「当たり前ですよ、あはははははは。」
皆が笑った処でお開きにした。
お次は騎士達と話をした。
「やけいごくろうさま。」
「はっ!お疲れ様です、アツロウ様。」
「ききたいのだが、こくおうってどんなひと?」
「国王陛下ですか?」
「そう、バルシおうがおさめてる?」
「いえ、今はバイド8世陛下が治めております。」
「そうなんだ、ありがとう。」
それだけを聞いてから自分のテントに戻った。
課程の状態だが、もし俺が死んだのが王歴335年の夏。今が王歴の735年て事は四百年も経っている。次にバルシュ国が健在だが、バルシュの姓持たない者が王になっている。他の情報は此れからだな。それと、美の女神アルテウル。四百年前にいない神が今はいるのだ。神のミネルシルバは?謎だ。
それと帰る為にどうするのかだ。他に神が居るのか?
そして俺はオーク顔なのか・・・・・・。
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