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第1章 転生しました!

キャンプ一日目後半

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コテージに入って両生徒会達は寝ていた。
自然を相手に歩く事を怠った結果かもしれない。
昼間から夕方まで寝てしまうのだけから、彼女達は知らない。

竹下と文雄は篤郎の行動力を舐めていたのだと痛感した。即座に場所を決めると、竹下と文雄が邪魔だったので、ハンモックを吊るして追いやると、ベルトを外して草刈りを始めたのだ。それも一気に終わってからテントの場所を決めて溝を掘り出した。十分で終わらしてテントを立てた。

次に調理場を作り出していた。二人は楽しいのと呆れるのとを繰り返していた。
荷物が多いと思ったが、これ程の準備をしていたのと、楽しそうなグッズを次々出してくるのだ。
ほぼ終わってから、ベルトを戻して、

「寝るなよ。」

と二人に釘を指すと、テントの中に入って行った。準備をしてから外に出てくるまで20分も掛からなかったが、二人も夢の中に旅立っていた。
些細な時間で寝れるのだから剛胆な二人だ。
そのまま、夕飯の準備も始めてるのだった。

夕方近くに二人を起こす。
優しく?無理でしょう。ハンモックを大きく揺らしてひっくり返す。

「「すーすー、うーん、うわーー!」」

どさっ×2

「夕飯の準備の時間だよー。」
「いた~い!」
「何すんだよ~!」

「置いて行くからね?」
「「あっ君!」」
「「おはようございます。」」
「寝たら放置するよ。」
「えっ、何で。」
「ご飯だ!」
「ご飯!あっ君ご飯!」

「ハイハイ、カレー作りに行くぞ。」
「「はーい!」」

寝坊助共を連れて森から出てコテージまで歩く、十分でたどり着いたが、竹下と文雄は気がついてしまう。

「なぁ、あっ君。俺もそっちに行きたい。」
「却下。」
「女だけど、私もそっちに!」
「もっと却下。」
「「えー。」」

「コテージの宿泊代が勿体ない。」

の一言で終わったが。
コテージに着いてビックリしたのは、同年代が多く居たことだろうか。コテージ近くにテントを張っているので、どうやら勝手に来た庄内高の誰かだろうか。
無視してコテージを目指していた。何度か声を掛けられるが、知り合いでも学友でもないので無視を突き通した。どちらにしてもコテージ周辺の施設は使え無いので問題としていない。
コテージに着いて直ぐに全員を起こさせた。勿論、覚束無い足取りで出てきた人達を見ると、同年代ながらも情けなくなる。

「料理、出来るのか?」

「む、無理です。」

寝ぼけているのか使い物にならないようだ。
疲れる程の距離も道も歩いていないのに、異常な疲れ方だ。

「あははは。勉強一筋で運動もしていないから、無理が出たんですよ、会長。」

と文雄は荒木会長の太股をつついていた。
それを見た篤郎は、学力を求めた結果だとは理解したのだが、この程度で筋肉痛をするとは、嘆いてしまう。

「分かった!文雄と竹下は風呂に連れて行け。上がったら、スプレーとマッサージをしてやれ。」

「「と、言うことは!」」

「晩飯は俺が作る。直ぐにかかれ。あ、山田さん、食材は?」

「えっと、あぁ、集めて何処かにあると思います。」

「ハイハイ。」

取り敢えず、コテージのお風呂に生徒達を追い出すと、食材を探した。直ぐに探せたのは、やはりエリートだからかやるべき事はしているからだろうか。必要な器具も見つけ出して、即座に取り掛かる。米を水に浸して、野菜や肉を切る。手際が良いのは料理をしているからだ。コテージ外では、楽しく料理をしているが、先に始めたはずなのに、火も起こせていなかった。
だが篤郎は簡単に火打ち石で火を起こし、大鍋でサラダ油で肉を炒めて切った野菜を入れて水を加えて加熱。米も水を切り、其々の飯盒に入れて炊いていく。カレーの野菜の煮具合を確認してルーを投入。その内飯盒もブクブク言ってる。
カレーはほぼ完成したので、火を弱火に調整。飯盒も良い塩梅なので、火から離してひっくり返して蒸らす。
風呂から男子が戻る頃には出来ていた。荒木会長には軽くストレッチを指導して、文雄には最後の工程を任せてからお暇をした。

これで不埒な事を考えても何も出来ないだろう。晩飯もコテージの中でするようにも言ったから。安心してテントに戻った。
まだ時間は18時前だが、此方のバーベキューも直ぐ様に取り掛かった。材料は完璧なので火を起こして網を乗せるて焼くだけだからね。
別に湯も沸かしておく。
日本の焼き肉のタレは素晴らしい。何にでも使えて最高だ。特にエバラさんは王道だな。野菜も肉も一人分だから早い。

バーベキューが終わればデザートだ。

リンゴやバナナを身にしてアルミホイルにくるんで編みに乗せる。甘い匂いが立ち込めた所でアルミホイルを開いて蜂蜜をかける。甘さの相乗してのお楽しみって処だ。
そして、スマホを取り出してデザリングをオンにしてタブレットで動画を流す。適当な動画を流しておいて、次の作業に入る。
珈琲の粉を作ったり、縫い物をしたり。火が消えそうになったので、テントに入るりLEDのランタンを着ける。

今回はキャンプだから電子ギターを持参している。コンパクトでギターなのか疑われるが、意外と使えるので弾き語りに丁度良い。NHKも最新の曲が流れているので昭和歌謡曲以上はレパートリーは持っている。アニメも深くは無いが良いものは覚えている。ただし、歌をしていても、歌手やアーティストは知らない。篤郎にとってショパンだろうがSMAPだろうが、聖飢魔IIさえ、ただの人なのだから。
篤郎の多彩な趣味に対して文雄が文句を言ったが、篤郎は『趣味になったのは、俺の努力。趣味がないのは努力が足らないからだ。』と言い返していた。
夜も更けてきた。竹下も文雄もどうやら疲れて寝たのか、何処かでチチクリ合っているのかで、来訪も無いことを確認して、寝た。

こうして1日目が終わったのだ。
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