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本章
陰の日常
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「キモいんだよー!」
エイトは少女に踏まれた。
スカートの中は青あざだらけになっており、奇跡的に骨折は無いものの酷い有り様だ。
少女は満足したのか、疲れたのか教室から出て行った。
周りには、人はいるけれど誰も助けには来ない。
虐められる人にも問題があると云うが、そうなのであろうか?
エイトはうずくまったまま動かないでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
少し遡って話そう。
パリエッタ嬢がエイトの事を候補者と話をしてから全てが変わっていた。
パリエッタ嬢の意向に従う風潮が出てきたのは、パリエッタ嬢が入学してからもあったが、圧力をかける程でもなく話さない程度の事はあった。
候補になれば、品行方正を求められるのだが、この時は違っていた。
『排除する。』
この言葉が候補者の頭にこびりついたといえる。
子供達も普段は優しく勉学に勤しんでいるが、不意にエイトを激しく虐めるのだ。
ただ、一人だけエイトには近寄らなかった。
苛めとなるのは、会話から始まったのだ。
教師の質問や課題をそつなくこなしながら、回復魔法の実技が行われた。
魔法を使える事の出来る、唯一の時間なのだがエイトは教える側へとなる。
「贔屓だ。」
誰かが言った一言だが、それが源となった。
教える側へ行ったがそれが最後となる。
誰もエイトの言葉に従わないからだ。
教師も生徒が怖くなり、生徒の意向を汲んでしまった。
普段は逆らわない生徒達が、拒否したのだ。
次に陰湿な苛めが始まる。
最初は書くものを隠される。
次にノートが、教科書が隠される。
靴や鞄もその内なのだが、誰かがではなく、誰も彼もがやってくるのだ。
苛められた方に責任がある。
この言葉は苛める側が使う言葉であり、苛めが無くならない根本なのだが子供達は知らない。
もし、苛められる側に原因が有るのならば無視すれば良い。
無視こそが最大の拒絶だからだ。
調子に乗り、突っ掛かる元気があるなら、優劣を着ければ良い。
何もしない人に苛める事はどうだろうか?
それは、虐められる人に原因があるのではなく、虐める人に原因がある。
それは、心の闇だろう。
本当の自分だたり、過去の自分だったり。
そこから変わった自負が慢心となり、人に襲い掛かる。心の闇。
人から人に移る病気のように心に住み着く。
認めて解放されない限り、永遠と続く病気。
心の治療が無い為に誰にも発見されない。
一週間すると苛めがエスカレートしていく。物から人に移るのだ。
また、魔法が有るために厄介な事に少々な切り傷も治ってしまう。
教会の学園生徒の品格は何故か民衆から、良い子達と認められている。奉仕活動も去年以上に勢力的に行われたのだから当たり前の事だが。
ニコニコとした笑顔で奉仕をして、弱っている人を助けた。
率先して弱者救済を行うが、誰も善いことをした達成感がありながら心の闇を広げた。
慈愛の行為を行う為に必要な事をエイトにぶつけ出したのだ。
善いことをすればするほど、人はストレスを感じる。
慈愛を躊躇わない人は少ない。
普通はお金で折り合いをつけるが、それが無い世界ではどうだろうか?
人を傷つけるか、自分を傷つけて居ないと我慢が出来なくなる。
負が人を慈愛が出来る人にする。
自覚も覚悟もない世界で、人に慈愛を保つ行為。
男の子達は、聖女候補の子を叩く、罵る。
女の子達は、物を隠し罵り叩き蹴る。
服を脱がして踏みつける。
回復はエイト自身が行う。
成功させるスピードがあればある程、虐める行為が酷くなる。
1ヶ月も経てば人は感覚を麻痺できる。
エイトを虐める事は学園では当たり前になっていた。
足を引っかける、鞄を捨てる、食べ物を与えない。
叩く事も嫌になり、短剣で刺す事になる。
血で汚れたら、もっと刻まれたのだが、エイトの回復魔法で授業前には治している。それが拍車をかけた。
そして、学園は分かっていない。
人を刺す事を平気に行う子供が居る現実を。
男はどのみち15歳から軍部に入る者が多いが、小さな女の子を刺す事を覚えた人間に先があるだろうか?
いつしか授業中だろうが奉仕作業中だろうが、ムカついただけでエイトを刺すのだ。
クラスを越えて学年中で行われた。
何も言わずに短剣を刺すのだ。
刺した人に悪気もなく、普通の顔で普通の会話をする。
今日の晩御飯はなんだろう。程度で刺す。
エイトの服は血の色で赤黒くなっていた。
生気ある姿から薄暗い子になっていたのだ。
人をお世話しながらエイトを刺す。
男の子も女の子も。笑顔で刺す。
異常な事なのに気が付かない。
ただ、パリエッタ嬢だけが異常な事に気が付いていた。
だが、見て見ぬ振りをしていたが、自分がした事を後悔はしたが停めれていない。それは、自身の保身が優先だからだ。
いずれ殺す事になるだろう。
聖女様にお知らせしないと。とパリエッタ嬢は思っていた。
エイトは少女に踏まれた。
スカートの中は青あざだらけになっており、奇跡的に骨折は無いものの酷い有り様だ。
少女は満足したのか、疲れたのか教室から出て行った。
周りには、人はいるけれど誰も助けには来ない。
虐められる人にも問題があると云うが、そうなのであろうか?
エイトはうずくまったまま動かないでいた。
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少し遡って話そう。
パリエッタ嬢がエイトの事を候補者と話をしてから全てが変わっていた。
パリエッタ嬢の意向に従う風潮が出てきたのは、パリエッタ嬢が入学してからもあったが、圧力をかける程でもなく話さない程度の事はあった。
候補になれば、品行方正を求められるのだが、この時は違っていた。
『排除する。』
この言葉が候補者の頭にこびりついたといえる。
子供達も普段は優しく勉学に勤しんでいるが、不意にエイトを激しく虐めるのだ。
ただ、一人だけエイトには近寄らなかった。
苛めとなるのは、会話から始まったのだ。
教師の質問や課題をそつなくこなしながら、回復魔法の実技が行われた。
魔法を使える事の出来る、唯一の時間なのだがエイトは教える側へとなる。
「贔屓だ。」
誰かが言った一言だが、それが源となった。
教える側へ行ったがそれが最後となる。
誰もエイトの言葉に従わないからだ。
教師も生徒が怖くなり、生徒の意向を汲んでしまった。
普段は逆らわない生徒達が、拒否したのだ。
次に陰湿な苛めが始まる。
最初は書くものを隠される。
次にノートが、教科書が隠される。
靴や鞄もその内なのだが、誰かがではなく、誰も彼もがやってくるのだ。
苛められた方に責任がある。
この言葉は苛める側が使う言葉であり、苛めが無くならない根本なのだが子供達は知らない。
もし、苛められる側に原因が有るのならば無視すれば良い。
無視こそが最大の拒絶だからだ。
調子に乗り、突っ掛かる元気があるなら、優劣を着ければ良い。
何もしない人に苛める事はどうだろうか?
それは、虐められる人に原因があるのではなく、虐める人に原因がある。
それは、心の闇だろう。
本当の自分だたり、過去の自分だったり。
そこから変わった自負が慢心となり、人に襲い掛かる。心の闇。
人から人に移る病気のように心に住み着く。
認めて解放されない限り、永遠と続く病気。
心の治療が無い為に誰にも発見されない。
一週間すると苛めがエスカレートしていく。物から人に移るのだ。
また、魔法が有るために厄介な事に少々な切り傷も治ってしまう。
教会の学園生徒の品格は何故か民衆から、良い子達と認められている。奉仕活動も去年以上に勢力的に行われたのだから当たり前の事だが。
ニコニコとした笑顔で奉仕をして、弱っている人を助けた。
率先して弱者救済を行うが、誰も善いことをした達成感がありながら心の闇を広げた。
慈愛の行為を行う為に必要な事をエイトにぶつけ出したのだ。
善いことをすればするほど、人はストレスを感じる。
慈愛を躊躇わない人は少ない。
普通はお金で折り合いをつけるが、それが無い世界ではどうだろうか?
人を傷つけるか、自分を傷つけて居ないと我慢が出来なくなる。
負が人を慈愛が出来る人にする。
自覚も覚悟もない世界で、人に慈愛を保つ行為。
男の子達は、聖女候補の子を叩く、罵る。
女の子達は、物を隠し罵り叩き蹴る。
服を脱がして踏みつける。
回復はエイト自身が行う。
成功させるスピードがあればある程、虐める行為が酷くなる。
1ヶ月も経てば人は感覚を麻痺できる。
エイトを虐める事は学園では当たり前になっていた。
足を引っかける、鞄を捨てる、食べ物を与えない。
叩く事も嫌になり、短剣で刺す事になる。
血で汚れたら、もっと刻まれたのだが、エイトの回復魔法で授業前には治している。それが拍車をかけた。
そして、学園は分かっていない。
人を刺す事を平気に行う子供が居る現実を。
男はどのみち15歳から軍部に入る者が多いが、小さな女の子を刺す事を覚えた人間に先があるだろうか?
いつしか授業中だろうが奉仕作業中だろうが、ムカついただけでエイトを刺すのだ。
クラスを越えて学年中で行われた。
何も言わずに短剣を刺すのだ。
刺した人に悪気もなく、普通の顔で普通の会話をする。
今日の晩御飯はなんだろう。程度で刺す。
エイトの服は血の色で赤黒くなっていた。
生気ある姿から薄暗い子になっていたのだ。
人をお世話しながらエイトを刺す。
男の子も女の子も。笑顔で刺す。
異常な事なのに気が付かない。
ただ、パリエッタ嬢だけが異常な事に気が付いていた。
だが、見て見ぬ振りをしていたが、自分がした事を後悔はしたが停めれていない。それは、自身の保身が優先だからだ。
いずれ殺す事になるだろう。
聖女様にお知らせしないと。とパリエッタ嬢は思っていた。
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