32 / 41
第三十二話 磔の巫女
しおりを挟む
「や、やめて!! 誰か、誰か助けて!!」
顔を真っ青にし腕を振り解いたダリアを、レイモンドは壁際に追い詰める。
「妻の親族だからと今まで黙っていたが……俺の勘違いだったようだ。お前と彼女の血が繋がっているとは、とても思えない」
「な、何を言って……」
「俺の大切な妻を虐げていたのは、お前か?」
レイモンドの顔が間近に迫り、ダリアは息を呑む。
「能無しの役立たずをうまく使ってやっただけなのに、何が悪いのよ……」
「……痛い目をみないと分からないようだな」
レイモンドはテーブルに置いてあったグラスを掴むと、中の水をダリアに向かって投げるように振りかけた。
「キャッ!?」
勢い良く飛び散った水は一瞬にして凍りつき、ダリアのドレスや髪を壁に固定する杭と化す。
「な、何よこれ!? 離しなさい!!」
アリシアは慌ててレイモンドを止めようと縋り付く。
「レイモンド様、おやめください! これでは貴方が、周囲から怖がられてしまいます……!」
「構うものか。貴方を虐げてきた者を目の前にして、その上侮辱されて……。貴方の尊厳を守ることが、何より大切なのだから」
「何よ、話が違うじゃない! 辺境伯は、血も涙もない化け物だったんじゃないの!? 残忍で人に触れられない、愛せない雪男だって……何でお姉さまみたいな愚図が愛されているのよ!?」
「俺が化け物でないように見えるなら、それは妻のおかげだ。それをお前は……」
足元からピキピキと音を立てて氷の柱が立ち上ってきたのを見て、ダリアは涙目で叫んだ。
「なんで……なんでお姉さまが愛されるの!? 分かったわ、愛玩用ね? お姉さま、見た目だけはマシだもの。着せ替え人形の服を取られそうになったら、それは怒るわよね。それならねえ、私の方がキレイだと……」
「着せ替え人形だと? 笑わせるな。彼女は、ドレスの一枚さえも着たがらない女性だ。いつも家のために駆け回っていて、アクセサリーの類いなど付けてくれないほどなのに……」
その言葉を聞き、ダリアが勝ち誇ったように笑い声を上げる。
「アハッ! なーんだ、やっぱり使用人扱いなんじゃない。家にいた時と同じだわ。無能のお姉さまが必要とされる場所なんて、どこにも……」
嘲るダリアの言葉を遮るように、レイモンドはドンッと壁に勢い良く腕をついた。
「彼女を無能だと侮辱するな! 俺の妻は、愛することを知っている。人を幸せにする笑い方と、心から楽しませようとする気持ち……。それ以上にかけがえのないものは無いと言うのに、他に何が必要だ?」
睨み合う二人の側で、アリシアは動けずにいた。
公衆の面前で喧嘩をし氷の魔法を使ったら、レイモンドが恐れられてしまうかもしれない。本当は止めなければならないのに……レイモンドがダリアに反論する一言一言が、今まで虐げられきた記憶を溶かしていくように、じんわりと温かく胸に沁み渡っていく。
必要だ、と言ってくれた。何の取り柄もない人間じゃない、かけがえのないものを持っていると……。「大切な妻だ」と、そう言ってくれたのだ。
「……レイモンド様、もう大丈夫です。ありがとうございます」
アリシアは溢れ出る涙を拭きながら、そっとレイモンドの肩に触れた。
「しかし……」
「妹からどう思われようとも、もう構いません。貴方が大切に想ってくれている……それだけで十分です」
「貴方にした仕打ちを考えれば、全く足りないとは思うが……貴方が止めろと言うなら、やめておこう。一応貴方の親族だからな」
「……お互い、身内には苦労いたしますね」
「ああ、全くだ」
二人が見つめ合って微笑んでいる横で、ダリアが壁の杭から逃れようとジタバタ暴れ回っている。
「ちょっと、この氷を何とかしなさいよ! アタシを誰だと思っているの!? 誇り高きサンフラワー家の令嬢で、ロイ王子の婚約者よ!? そうだ、ロイさま、ロイさまー!? 助けてください、ここに不遜な輩が……」
「ギャンギャンと喚くな、やかましい」
突然聞こえた言葉に、辺りがシンと静まり返った。声の方向を向いたダリアの顔が、パァッと明るくなる。
「ロイさま!! 助けに来てくれたんですね!? 見てください、ほら! アナタのカワイイ婚約者が、凶暴な怪物にやられて……」
ロイはダリアを一瞥すると、深いため息をついた。そのままアリシアの方に視線を向け、口の端を上げる。
「久しいな、ミーシャ=サンフラワー。またお前の顔を見る日が来るとは……息災で何より」
アリシアは感情を無にして、黙ったままお辞儀をする。
顔を上げた先に見えたのは、灰色の髪にブルーの瞳の、かつての婚約者の姿。その後ろには、アリシアを陥れた女性……「アメ巫女」のクロエ=ハイドランジアも見える。
「……訂正しろ。彼女の姓はもう、サンフラワーではない。ミーシャ=スノーグースだ」
レイモンドがロイとアリシアの前に立ちはだかり、サッと腕を伸ばした。それを見てロイは僅かに眉を上げた後、フンッと鼻で笑い飛ばす。
「聞いたぞ。俺から婚約破棄された後、スノーグース家に嫁いだそうじゃないか。辺境での暮らしはどうだ? 苦痛しかないだろうが……帰る場所がないお前は、逃げられないものな」
ロイはレイモンドを無視したまま、ツカツカとアリシアに歩み寄り、手を差し出した。
「可哀想なお前に、救いの手だ。お前を、俺の元に戻してやろう」
「…………………………は?」
顔を真っ青にし腕を振り解いたダリアを、レイモンドは壁際に追い詰める。
「妻の親族だからと今まで黙っていたが……俺の勘違いだったようだ。お前と彼女の血が繋がっているとは、とても思えない」
「な、何を言って……」
「俺の大切な妻を虐げていたのは、お前か?」
レイモンドの顔が間近に迫り、ダリアは息を呑む。
「能無しの役立たずをうまく使ってやっただけなのに、何が悪いのよ……」
「……痛い目をみないと分からないようだな」
レイモンドはテーブルに置いてあったグラスを掴むと、中の水をダリアに向かって投げるように振りかけた。
「キャッ!?」
勢い良く飛び散った水は一瞬にして凍りつき、ダリアのドレスや髪を壁に固定する杭と化す。
「な、何よこれ!? 離しなさい!!」
アリシアは慌ててレイモンドを止めようと縋り付く。
「レイモンド様、おやめください! これでは貴方が、周囲から怖がられてしまいます……!」
「構うものか。貴方を虐げてきた者を目の前にして、その上侮辱されて……。貴方の尊厳を守ることが、何より大切なのだから」
「何よ、話が違うじゃない! 辺境伯は、血も涙もない化け物だったんじゃないの!? 残忍で人に触れられない、愛せない雪男だって……何でお姉さまみたいな愚図が愛されているのよ!?」
「俺が化け物でないように見えるなら、それは妻のおかげだ。それをお前は……」
足元からピキピキと音を立てて氷の柱が立ち上ってきたのを見て、ダリアは涙目で叫んだ。
「なんで……なんでお姉さまが愛されるの!? 分かったわ、愛玩用ね? お姉さま、見た目だけはマシだもの。着せ替え人形の服を取られそうになったら、それは怒るわよね。それならねえ、私の方がキレイだと……」
「着せ替え人形だと? 笑わせるな。彼女は、ドレスの一枚さえも着たがらない女性だ。いつも家のために駆け回っていて、アクセサリーの類いなど付けてくれないほどなのに……」
その言葉を聞き、ダリアが勝ち誇ったように笑い声を上げる。
「アハッ! なーんだ、やっぱり使用人扱いなんじゃない。家にいた時と同じだわ。無能のお姉さまが必要とされる場所なんて、どこにも……」
嘲るダリアの言葉を遮るように、レイモンドはドンッと壁に勢い良く腕をついた。
「彼女を無能だと侮辱するな! 俺の妻は、愛することを知っている。人を幸せにする笑い方と、心から楽しませようとする気持ち……。それ以上にかけがえのないものは無いと言うのに、他に何が必要だ?」
睨み合う二人の側で、アリシアは動けずにいた。
公衆の面前で喧嘩をし氷の魔法を使ったら、レイモンドが恐れられてしまうかもしれない。本当は止めなければならないのに……レイモンドがダリアに反論する一言一言が、今まで虐げられきた記憶を溶かしていくように、じんわりと温かく胸に沁み渡っていく。
必要だ、と言ってくれた。何の取り柄もない人間じゃない、かけがえのないものを持っていると……。「大切な妻だ」と、そう言ってくれたのだ。
「……レイモンド様、もう大丈夫です。ありがとうございます」
アリシアは溢れ出る涙を拭きながら、そっとレイモンドの肩に触れた。
「しかし……」
「妹からどう思われようとも、もう構いません。貴方が大切に想ってくれている……それだけで十分です」
「貴方にした仕打ちを考えれば、全く足りないとは思うが……貴方が止めろと言うなら、やめておこう。一応貴方の親族だからな」
「……お互い、身内には苦労いたしますね」
「ああ、全くだ」
二人が見つめ合って微笑んでいる横で、ダリアが壁の杭から逃れようとジタバタ暴れ回っている。
「ちょっと、この氷を何とかしなさいよ! アタシを誰だと思っているの!? 誇り高きサンフラワー家の令嬢で、ロイ王子の婚約者よ!? そうだ、ロイさま、ロイさまー!? 助けてください、ここに不遜な輩が……」
「ギャンギャンと喚くな、やかましい」
突然聞こえた言葉に、辺りがシンと静まり返った。声の方向を向いたダリアの顔が、パァッと明るくなる。
「ロイさま!! 助けに来てくれたんですね!? 見てください、ほら! アナタのカワイイ婚約者が、凶暴な怪物にやられて……」
ロイはダリアを一瞥すると、深いため息をついた。そのままアリシアの方に視線を向け、口の端を上げる。
「久しいな、ミーシャ=サンフラワー。またお前の顔を見る日が来るとは……息災で何より」
アリシアは感情を無にして、黙ったままお辞儀をする。
顔を上げた先に見えたのは、灰色の髪にブルーの瞳の、かつての婚約者の姿。その後ろには、アリシアを陥れた女性……「アメ巫女」のクロエ=ハイドランジアも見える。
「……訂正しろ。彼女の姓はもう、サンフラワーではない。ミーシャ=スノーグースだ」
レイモンドがロイとアリシアの前に立ちはだかり、サッと腕を伸ばした。それを見てロイは僅かに眉を上げた後、フンッと鼻で笑い飛ばす。
「聞いたぞ。俺から婚約破棄された後、スノーグース家に嫁いだそうじゃないか。辺境での暮らしはどうだ? 苦痛しかないだろうが……帰る場所がないお前は、逃げられないものな」
ロイはレイモンドを無視したまま、ツカツカとアリシアに歩み寄り、手を差し出した。
「可哀想なお前に、救いの手だ。お前を、俺の元に戻してやろう」
「…………………………は?」
0
お気に入りに追加
1,724
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。
クロユキ
恋愛
「俺と離婚して欲しい、君の妹が俺の子を身籠った」
パルリス侯爵家に嫁いだソフィア・ルモア伯爵令嬢は結婚生活一年目でソフィアの夫、アレック・パルリス侯爵に離婚を告げられた。結婚をして一度も寝床を共にした事がないソフィアは白いまま離婚を言われた。
夫の良き妻として尽くして来たと思っていたソフィアは悲しみのあまり自害をする事になる……
誤字、脱字があります。不定期ですがよろしくお願いします。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
隣国の貢ぎ物にされた出来損ない令嬢は、北の最果てで大公様と甘美な夢を見る
当麻月菜
恋愛
【煮ようが、焼こうが、妻にしようが、妾にしようが、使用人として使おうが、どうぞお好きに】
リンヒニア国の侯爵家令嬢ユリシアは、ダンス一つ満足に踊れない出来損ない令嬢。そんな彼女は雑な書簡と共に、隣国の大公グレーゲルの貢物ものにされることになった。
マルグルス国の国王陛下の甥であるグレーゲルの二つ名は”血濡れの大公”───気分次第で首をすっぱり切り落とす残忍非道なヤバイ奴。付け加えると、どうも一途に愛する女性がいるようで。
というなんか色々問題がありそうなグレーゲル大公閣下の支配下で生き抜く為には、存在を消して大人しく過ごすのみ。
しかし、ある日グレーゲルに呼ばれこう告げられる。
「君を正妻として迎えることに決めた」
「……はぁ?」
政略結婚でも恋をして、愛し愛されることを望む大公様と、なぜか自分がお飾り妻だと思い込む侯爵令嬢の、北の最果てで繰り広げられるすったもんだの恋物語。
※以前書いたものを改タイトル、加筆修正して投稿しています。
※他のサイトにも重複投稿しています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる