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青年期:クラスメイト編
観光:後半
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「さて、服も買ったし次はどこいこっか」
「そう言えばエルピス達はあれやらないのかい? 最近流行りの魔力を使ったゲーム」
店を出てふとそんな事を言い出したのは、意外にも俗世に肩までどっぷり浸かっているらしいレネスだ。
最近になってゲーム機がこの世界にも流通し始め、噂によると後から来た転移者が流行らせているらしいのだが、その実態は未だにエルピスも掴めていない。
「あれ電気回路の代わりに魔法回路で中身作ってあるから、完全に先読みできちゃうんだよね」
「兄さんほどじゃないけど私も……」
この世界に来てからまだ日も浅いだろうに、電気ではなく魔法的な力を用いてゲームを作り出すその技術力たるやエルピスの創造の範疇を超える。
ゲーム性としては1980年代程度の簡単な動作が多いゲームであり、敵の動きが完全に読めてしまう関係上ある程度力を持った魔法使いではまともにプレイする事は難しい。
「そうか……それならば次はなにをしようか?」
「劇はこの国ヴァンデルグ家成立か英雄譚しかやってないし、そうだなぁ……ギルドのバザールに顔出してみよっか。なんか面白いものあるかもしれないし」
冒険者組合では毎日朝の9時から夕方の5時までバザールを開催しており、冒険者だけでなく幅広い層から物品が販売されている。
王国内で正式に認可のあるものから、武器類などに限っては非合法のものまで様々な値段で黙認という形で販売されており、初心者冒険者の手助けにもなっている場所だ。
それから少しの間話しながら冒険者組合をまず目指す。
バザールでは購入者も購入証というものを手に入れる必要があり、それがないと物品を購入することが許されていないからだ。
「おいあれ見ろよ、エルピスじゃないのか?」
「帰って来てるって噂は本当だったんだな」
「なんでも王様相手にバチバチやったらしいぜ」
いつぞやのように扉を開けて中に入ってみれば、聞こえてくるのはそんな声ばかりだ。
悲観的になっているわけでもなく、そんなつまらない会話をする余裕があるのならまだ王国もまだまだ大丈夫そうだ。
噂が広まる速度に少し驚きを隠せないが、エルピス達は声を無視してカウンターの方へ進んでいく。
「噂広まるの早いのか遅いのか。依頼内容は……平和だね」
「兄さん達が王都にいるせいで危険なら魔物は軒並み危険を感じて逃げたわよ」
「ーーいらっしゃいませエルピス様、本日はお日柄もよく」
エルピス達が座ったカウンターに居たのは、偶然にもエルピスの事を最高位冒険者に仕立て上げた受付のお姉さんだった。
あの日と変わらず苦笑いを顔に貼り付け、上がった階級章を胸にきらきらと光らせながらエルピスの担当を始める。
「改めて下手に出てきますね、どうしたんですか?」
「あ、いえ前回無理に最高位冒険者の証を獲得するよう進めてしまったので、そのクレームをつけられちゃうと首が飛ぶので困るなぁと思いまして」
「ぶっちゃけ過ぎてません? 今日はバザール見にきただけですよ、ちょっと気になっていたので」
上がった階級章を指で弄びながら、受付嬢はそれは良かったとホッと息を吐き出した。
そんな姿を見ていると試しにクレームを付けてみたくなるが、ニル達がいる前でそんな迷惑な客の様な事をするわけにもいかない。
「それなら私が案内させていただきます! というかしろって上司がさっきから横から五月蝿いです! 言われなくてもやってますよ!!」
「凄いねこの人。上司に言いたい放題言ってる」
「後のことなんて考えてられねぇですよ!」
敬語……なのだろうか?
本人がどう言った意図で発しているかは別として、そう言いながら彼女はカウンターから乗り出してそのままこちら側へやってくる。
随分とダイナミックな方法で出てきたが、本当にこれ後で怒られないのだろうか。
エルピスが不安に思っているのも束の間、全てを諦めた受付嬢は早足で外へと出ていき、エルピス達も遅れながらその後を追いかける。
「まず彼方にあるのが個人の出店、こちら側にあるのがギルドの出店ですね。年中無休でやってるので結構掘り出し物とかも合ったりするんですよ?」
右手側にあるのが個人出店のお店、左側にあるのがギルド管理のお店らしい。
一応両方管理はしているのだが、法に関して危ないものを購入するのならば右側を探したほうが早いよという事なのだらう。
名札をいくつか見てみればやはり仲介手数料なのかそれなりの額を上乗せされており、品質保証と金額を天秤にかけてギリギリ購入に踏み切れる金額が明記されている。
「へぇ、改めてきたけど面白いなここ」
「前来た時はエルピスやらかしちゃったもんねー」
「なっ!? なんでその話を知ってるんだよ」
「姉さんからね。まぁ時効ってやつだよ」
かつてエルピスが起こしたバザールでの魔物大発生事件。
もはやエルピスすら忘れかけている記憶を鮮明に覚えているニルに対して、エルピスは忘れてくれと願う。
あれははっきり言ってしまえば事故だ、故意にやったわけでもないし被害者といえばあのオーブを破られた冒険者だけである。
(どんまいとしか言いようがないよなぁ)
その後の補填はしっかりとしたのでエルピスも呑気なものだが、どうせオーブを壊すならもっと派手にやりたかったところだ。
その後もいくつかの店を見て回っていると、武器屋が目に入りヘレンと共にエルピスは中に入っていく。
「面白い武器とかもあるんだね。兄さんこれ何?」
「ええっと……呪われた短剣、持ち主に不幸をもたらすら特に恋愛面において不幸なことが起きるだってさ」
恋愛系に関しての呪いなど珍しい。
誰が作ったのかまで調べることもできるが、調べたところでろくなことが無さそうなのでそれはやめておく。
見れば凄く嫌そうな顔をしたヘレンが何かをぶつぶつと唱えており、その詠唱がなんなのか気づいたエルピスは半歩その場から遠ざかった。
「滅っ!」
「ちょ! 姉ちゃん店の商品壊さないでくれよ!」
「こちとら呪いかけられたんですが、責任とってくれるんですか?」
目の前で短刀を爆散させ鋼鉄の刃を撒き散らした本人がそう言って圧をかければ、店主もあまり文句を言う事は出来ない。
それにこのグレーゾーン空間においても呪い系のアイテムの売買は違法だ、エルピス達に見つかっただけまだ運が良かっただろう。
「お前もしかして彼氏まだ出来たことないの?」
「は? 出来ましたけど? 兄さん死んでから出来ましたけど?」
この世界に来てから何度か味わったことのある明確な殺意を向けられて、エルピスはとっさに顔をそらして話題を入れ替える。
これ以上無駄にこの話を広げれば面倒なことが待っているのは間違いなしだ。
「……ま、まぁいいや。冒険者組合は基本的になんの販売を?」
「他の国の組合で余った物資や、冒険に必要な小道具なんかを少々。基本的に成熟した冒険者は誰も使いませんけど、結構最初の頃はお世話になるんですよ」
見てみれば組合側の方には新米冒険者らしき人物達の姿が見える。
歳にして10と少し程度か、大体は農民の次男や三男貴族の子供の遊びとしてなることが多い冒険者だが、彼等の服装から見る限りどうやら農民の方だ。
貴族の子供は万が一がない様に一人は最低でも付き添いがいるし、装備もフルプレートだったりと階級に見合わない装備であることが多い。
物色している人物達をエルピスが眺めているとふと目が合い、きらきらとした目をこちらに向けながらエルピスの元へと走ってくる。
「エルピスさんだ! 本物ですか!?」
「サインください!」
「僕達エルピスさんに憧れて冒険者目指し始めたんです!」
にこにこと笑みを浮かべながらそう言ってくる若い冒険者達に対して、エルピスはどう対処をすればいいのか分からずドギマギしてしまう。
この世界に来てから憧れの感情を向けられた事など数少なく、ましてや自分の影響で冒険者になったなど初めて言われたのでどうすればいいのか全くわからない。
周囲から突き刺さる視線はエルピスではなく彼等に向けられており、最高位冒険者の邪魔をしたと言っても良い彼等を無下にしてしまっては彼等の非をエルピスが認めてしまう様な物だ。
(対応はせざる終えないけど……サインかぁ)
「俺に憧れて? 変わってるね君達、俺サインとかないんだけど」
「そこを何とか! 色紙ならあるんで!」
「なんであるのさ。まぁサインでいいなら描いてあげるよ」
そんな状況でエルピスが選んだのは相手の言葉に合わせる事だ。
相手がしたい事をやらせてあげれば、最低限の対応は取れるだろう。
ペンなどを持っていなかったので差し出された三つの色紙に、自己流で考えた神印を魔力を使って描いていく。
その姿は側からみれば慣れたものだったろうが、エルピスは元が字が汚い方なので大分と神経を使ってゆっくりと書いていた。
「わーっ! ありがとうございます! 家宝にします!」
「さすが最高位の冒険者、人気もすごいですね」
「俺こういうの嫌いなんだけどなーーって言ったら顔背けると思ったわこんにゃろ、サインもそっちで考えといてくれたら楽だったのに」
組合で冒険者のサインも考えてくれればいいのにと言ったエルピスだが、事実他の冒険者の大半は組合がそのサインを考えているものが多い。
なぜならその方が商品化しやすいからで、冒険者の多くのサインが簡単なものである理由はそれに起因している。
だがエルピスはあちらこちらを転々と移動するのでサインを考える暇も伝える暇もなかったのだ。
「それにしてもあんなに小さな子達も冒険者として名乗り始めるなんて驚きだね」
「一応王国の成人は10才からと言うことになっているので法律上なんの問題もないのですが、出来れば命をかけて戦う冒険者になどなって欲しくないものです」
「その冒険者を俺に勧めた他でもない貴方がそれを言うか」
「だってエルピスさん死なないじゃないですか。でもあの子達は性濁豚に殴られたら死ぬんですよ、脳みそを撒き散らして惨たらしく、人の尊厳なんてありもせずに」
数多くの冒険者を見送り、そして帰ってこなかった彼女の気持ちは如何様なのだろうか。
彼女が言っている通りエルピスは帰ってこれる人間だが、彼等は依頼を受けるたびに自分の命を賭けて冒険に出かけている。
もう二度と帰ってこない可能性だって低くはないのだ。
「冒険者の約八割が性濁豚とどっこいか少しそれより強い程度の戦力しかなく、残りの二割のうち一割が上位性濁豚や森霊種なんとか勝てるかなと言った程度。後の一割は上限が際限なく上がっていくのでなんとも言えませんが、体感で言えば100人に1人ですね、冒険者と呼べる実力のあるものは」
冒険者の階級で言えば金から上がその二割に該当する。
下から三番目の金、この段階に上がるまでに冒険者達の大多数は死によって選抜されていく。
彼女の言葉は統計的にも事実であり、だからこそ最高位冒険者であるエルピスに冒険者達は憧れるのだ。
「亜人という外敵に対抗するため英雄像を持ち上げるのは構いませんが、それで犠牲になるのは夢だけを追い求める力なき者達です。そんな人を一体何人見送ってきたか」
この世界の英雄譚の殆どは実話であり、エルピスの父であるイロアスもまたその英雄譚の主人公の一人である。
一代で財を築き確かな地位を確立した父の存在は人類の希望でもあるが、同時に無謀な者たちを死に誘う罠にもなってしまっていた。
持たざる者が持つ者と同じ事をすれば代償が付き纏うのは当たり前で、それが単に自分の命であったというだけの話なのだがそれでもエルピスからしてみれば後味は悪い。
「すいません、関係ない話でしたね」
「いえ、興味深い話でした」
この話を彼女がここで持ち出したのは、戦争が起こることも十二分に関係しているだろう。
これから先無謀に命を捨てる人間が一体何人出てくるか、エルピスに出来る事はただその犠牲を一人でも減らす様尽力することだけだ。
「お嬢さん達や、どれ見ていってくれんかな」
そんな少し暗い空気でバザールを歩いていると、ふとエルピスは老人に呼び止められる。
冒険者組合側の店舗で店先には様々な香辛料が置かれており、晩御飯に何かちょうど良いものはないかとエルピスは呼びかけに応えて店の中に入っていく。
「これは……なんだろう?」
「冬越草ですね、お鍋に入れると身体の底から温まること間違いなしです」
「さすが受付嬢、よく知っとるの。ここら辺にある薬草は鍋にも入れられるぞい」
そう言って店員に様々な薬草を見せられるが、料理を始めたとは言え初歩の初歩で止まっているエルピスからしてみれば全部同じ草だ。
さすがに匂いだったりで香辛料なのは分かるが、これが道端に生えていて気付ける自信はない。
フィトゥス辺りに料理して貰えば上手に出来上がるのだろうか?
「じゃあ今日は鍋にしよっか。受付さんもくる?」
「え!? 良いんですか?」
「もちろん、夕方家まで来てくれたら話は通しておくから」
「光栄です! そ、それじゃあ私はいろいろと準備して来ますので!」
ドタバタと音を立てて行ってしまった受付の背中を眺めながら、そういえば名前を聞くのを忘れていたと後で聞く事を決める。
「次どこ行こっかな」
「ーー兄さん、ちょっと見せて欲しいものがあるんだけどいい?」
「ん? 良いけど何を見たいの?」
「兄さんの本気の魔法が見てみたいかな」
/
「本気の魔法……撃っちゃって良いのかな?」
「良いわけないでしょエルピス、さすがに僕でもとめるよ」
場所は遥希達の訓練にも使っているあの島、なんだかこの島によく関わりがある気がするが何かと便利なので仕方ない。
エルピスの本気の魔法ということは魔神の権能であり、この世界の法則など問答無用で書き換えるどの文献にも存在しない最高位の魔法である天災魔法を放つという事だ。
破壊される範囲は最低でも大陸全土、攻撃魔法のみのこの魔法を一度放ってしまえば破壊神より先にエルピスがこの世界を壊しかねない。
「魔神が操る攻撃魔法は大陸を丸ごと焦土に変える力を持つ、さすがにそれを見せるのは不味いんじゃないかな」
妹のお願いとはいえ遊び半分に人類を滅ぼしていては世話がない。
とはいえ妹からの10年越しのお願いを断ることもできず、エルピスは頭を悩ませる。
「兄さんまだー?」
「よしっ! 任せろ」
「いやいやいや、待ちなよエルピス。冷静な判断できてないよ確実に」
邪神の障壁で抑えればなんとかなるだろう、そう考えたエルピスをニルが全力で止めにかかる。
ニルは過去に何度かこの世界で言うところの天災魔法に近い魔法を見たことも受けたこともあり、その破壊力を身をもって実感していた。
だからこその危機感である。
「天災魔法は攻撃系統しかないし、間をとって神級魔法で良いんじゃないの? 魔力消費の観点から言えば天災魔法は技能みたいなものだし」
「それもそうか、ならなんか良い感じの魔法で誤魔化すよ」
「うん。それがいいよ」
話を終えたエルピスは呼吸を整えて権能の使用に身体を鳴らす。
戦闘時ならばいざしらず、いきなり神級魔法を使用すれば多少の負担がかかるので準備運動は大切だ。
「そうは言ったものの何が見てみたい? 攻撃魔法は出来れば避けたいんだけれど」
「なら私あの時みたいな花を見てみたいな、生まれたての頃に見たあの氷の花。兄さんがあれやったんでしょ?」
「懐かしいな、アウローラの魔法を真似してやったやつか」
かつて魔法を攻撃だけでなく鑑賞として使ったアウローラのあの魔法、本来ならば詠唱をする必要がないエルピスも神級魔法の場合のみ安定して発動させるのであれば詠唱をする必要がある。
「それじゃあやってみるか。詠唱なんだっけな…」
なんとか頑張ってあの詠唱を思い出しながら、エルピスはその無限に等しい魔力を贅沢に使い魔法を構築していく。
「三柱の名の下に世界に変革をもたらさん。咲き乱れ咲き誇れ。世界に幸福と停滞を、幻想に惑わせ人々を約束の場所へと誘わん〈氷雪の楽園」
合計で千は超えているであろう魔法陣から、氷の波動が世界へと向かって放たれる。
アウローラの真似をした時は王国全土を、だが今回は人類生存圏内全域をエルピスの魔法が駆けていく。
神によって行われた奇跡は暖かい氷の雪を降らし、大輪の花を咲かせた花達は傷付いた者達の身体を癒していった。
「わぁ…っ! 綺麗!」
ヘレンにはその魔法の全貌すら理解できないこの世界での最高の魔法。
それを前にして語彙はゆっくりと消失していき、出来ることと言えばただただ心を奪われるほどの美しさを口にすることだけだ。
「どうだ? 結構凄いだろ?」
「うん、凄いよさすが兄さん!」
にっこりと笑みを浮かべてそう言ったヘレンの姿に、かつての姿がフラッシュバックして重なっていく。
もはや忘れかけていた妹の笑顔、だがそれは確かにここにあったのだ。
「とりあえずこれで一通り終わりだ、今日は家帰って鍋でもつつくか」
「そうだね」
この魔法は今日1日は続くだろう。
死にかけた冒険者を癒やし、怯える農民の心を晴れさせ、仕事に追われて倒れそうになる官僚達に一息をつかせる。
フィトゥスが作っているであろう鍋を想像しながらエルピスは早足で家に帰るのだった。
「そう言えばエルピス達はあれやらないのかい? 最近流行りの魔力を使ったゲーム」
店を出てふとそんな事を言い出したのは、意外にも俗世に肩までどっぷり浸かっているらしいレネスだ。
最近になってゲーム機がこの世界にも流通し始め、噂によると後から来た転移者が流行らせているらしいのだが、その実態は未だにエルピスも掴めていない。
「あれ電気回路の代わりに魔法回路で中身作ってあるから、完全に先読みできちゃうんだよね」
「兄さんほどじゃないけど私も……」
この世界に来てからまだ日も浅いだろうに、電気ではなく魔法的な力を用いてゲームを作り出すその技術力たるやエルピスの創造の範疇を超える。
ゲーム性としては1980年代程度の簡単な動作が多いゲームであり、敵の動きが完全に読めてしまう関係上ある程度力を持った魔法使いではまともにプレイする事は難しい。
「そうか……それならば次はなにをしようか?」
「劇はこの国ヴァンデルグ家成立か英雄譚しかやってないし、そうだなぁ……ギルドのバザールに顔出してみよっか。なんか面白いものあるかもしれないし」
冒険者組合では毎日朝の9時から夕方の5時までバザールを開催しており、冒険者だけでなく幅広い層から物品が販売されている。
王国内で正式に認可のあるものから、武器類などに限っては非合法のものまで様々な値段で黙認という形で販売されており、初心者冒険者の手助けにもなっている場所だ。
それから少しの間話しながら冒険者組合をまず目指す。
バザールでは購入者も購入証というものを手に入れる必要があり、それがないと物品を購入することが許されていないからだ。
「おいあれ見ろよ、エルピスじゃないのか?」
「帰って来てるって噂は本当だったんだな」
「なんでも王様相手にバチバチやったらしいぜ」
いつぞやのように扉を開けて中に入ってみれば、聞こえてくるのはそんな声ばかりだ。
悲観的になっているわけでもなく、そんなつまらない会話をする余裕があるのならまだ王国もまだまだ大丈夫そうだ。
噂が広まる速度に少し驚きを隠せないが、エルピス達は声を無視してカウンターの方へ進んでいく。
「噂広まるの早いのか遅いのか。依頼内容は……平和だね」
「兄さん達が王都にいるせいで危険なら魔物は軒並み危険を感じて逃げたわよ」
「ーーいらっしゃいませエルピス様、本日はお日柄もよく」
エルピス達が座ったカウンターに居たのは、偶然にもエルピスの事を最高位冒険者に仕立て上げた受付のお姉さんだった。
あの日と変わらず苦笑いを顔に貼り付け、上がった階級章を胸にきらきらと光らせながらエルピスの担当を始める。
「改めて下手に出てきますね、どうしたんですか?」
「あ、いえ前回無理に最高位冒険者の証を獲得するよう進めてしまったので、そのクレームをつけられちゃうと首が飛ぶので困るなぁと思いまして」
「ぶっちゃけ過ぎてません? 今日はバザール見にきただけですよ、ちょっと気になっていたので」
上がった階級章を指で弄びながら、受付嬢はそれは良かったとホッと息を吐き出した。
そんな姿を見ていると試しにクレームを付けてみたくなるが、ニル達がいる前でそんな迷惑な客の様な事をするわけにもいかない。
「それなら私が案内させていただきます! というかしろって上司がさっきから横から五月蝿いです! 言われなくてもやってますよ!!」
「凄いねこの人。上司に言いたい放題言ってる」
「後のことなんて考えてられねぇですよ!」
敬語……なのだろうか?
本人がどう言った意図で発しているかは別として、そう言いながら彼女はカウンターから乗り出してそのままこちら側へやってくる。
随分とダイナミックな方法で出てきたが、本当にこれ後で怒られないのだろうか。
エルピスが不安に思っているのも束の間、全てを諦めた受付嬢は早足で外へと出ていき、エルピス達も遅れながらその後を追いかける。
「まず彼方にあるのが個人の出店、こちら側にあるのがギルドの出店ですね。年中無休でやってるので結構掘り出し物とかも合ったりするんですよ?」
右手側にあるのが個人出店のお店、左側にあるのがギルド管理のお店らしい。
一応両方管理はしているのだが、法に関して危ないものを購入するのならば右側を探したほうが早いよという事なのだらう。
名札をいくつか見てみればやはり仲介手数料なのかそれなりの額を上乗せされており、品質保証と金額を天秤にかけてギリギリ購入に踏み切れる金額が明記されている。
「へぇ、改めてきたけど面白いなここ」
「前来た時はエルピスやらかしちゃったもんねー」
「なっ!? なんでその話を知ってるんだよ」
「姉さんからね。まぁ時効ってやつだよ」
かつてエルピスが起こしたバザールでの魔物大発生事件。
もはやエルピスすら忘れかけている記憶を鮮明に覚えているニルに対して、エルピスは忘れてくれと願う。
あれははっきり言ってしまえば事故だ、故意にやったわけでもないし被害者といえばあのオーブを破られた冒険者だけである。
(どんまいとしか言いようがないよなぁ)
その後の補填はしっかりとしたのでエルピスも呑気なものだが、どうせオーブを壊すならもっと派手にやりたかったところだ。
その後もいくつかの店を見て回っていると、武器屋が目に入りヘレンと共にエルピスは中に入っていく。
「面白い武器とかもあるんだね。兄さんこれ何?」
「ええっと……呪われた短剣、持ち主に不幸をもたらすら特に恋愛面において不幸なことが起きるだってさ」
恋愛系に関しての呪いなど珍しい。
誰が作ったのかまで調べることもできるが、調べたところでろくなことが無さそうなのでそれはやめておく。
見れば凄く嫌そうな顔をしたヘレンが何かをぶつぶつと唱えており、その詠唱がなんなのか気づいたエルピスは半歩その場から遠ざかった。
「滅っ!」
「ちょ! 姉ちゃん店の商品壊さないでくれよ!」
「こちとら呪いかけられたんですが、責任とってくれるんですか?」
目の前で短刀を爆散させ鋼鉄の刃を撒き散らした本人がそう言って圧をかければ、店主もあまり文句を言う事は出来ない。
それにこのグレーゾーン空間においても呪い系のアイテムの売買は違法だ、エルピス達に見つかっただけまだ運が良かっただろう。
「お前もしかして彼氏まだ出来たことないの?」
「は? 出来ましたけど? 兄さん死んでから出来ましたけど?」
この世界に来てから何度か味わったことのある明確な殺意を向けられて、エルピスはとっさに顔をそらして話題を入れ替える。
これ以上無駄にこの話を広げれば面倒なことが待っているのは間違いなしだ。
「……ま、まぁいいや。冒険者組合は基本的になんの販売を?」
「他の国の組合で余った物資や、冒険に必要な小道具なんかを少々。基本的に成熟した冒険者は誰も使いませんけど、結構最初の頃はお世話になるんですよ」
見てみれば組合側の方には新米冒険者らしき人物達の姿が見える。
歳にして10と少し程度か、大体は農民の次男や三男貴族の子供の遊びとしてなることが多い冒険者だが、彼等の服装から見る限りどうやら農民の方だ。
貴族の子供は万が一がない様に一人は最低でも付き添いがいるし、装備もフルプレートだったりと階級に見合わない装備であることが多い。
物色している人物達をエルピスが眺めているとふと目が合い、きらきらとした目をこちらに向けながらエルピスの元へと走ってくる。
「エルピスさんだ! 本物ですか!?」
「サインください!」
「僕達エルピスさんに憧れて冒険者目指し始めたんです!」
にこにこと笑みを浮かべながらそう言ってくる若い冒険者達に対して、エルピスはどう対処をすればいいのか分からずドギマギしてしまう。
この世界に来てから憧れの感情を向けられた事など数少なく、ましてや自分の影響で冒険者になったなど初めて言われたのでどうすればいいのか全くわからない。
周囲から突き刺さる視線はエルピスではなく彼等に向けられており、最高位冒険者の邪魔をしたと言っても良い彼等を無下にしてしまっては彼等の非をエルピスが認めてしまう様な物だ。
(対応はせざる終えないけど……サインかぁ)
「俺に憧れて? 変わってるね君達、俺サインとかないんだけど」
「そこを何とか! 色紙ならあるんで!」
「なんであるのさ。まぁサインでいいなら描いてあげるよ」
そんな状況でエルピスが選んだのは相手の言葉に合わせる事だ。
相手がしたい事をやらせてあげれば、最低限の対応は取れるだろう。
ペンなどを持っていなかったので差し出された三つの色紙に、自己流で考えた神印を魔力を使って描いていく。
その姿は側からみれば慣れたものだったろうが、エルピスは元が字が汚い方なので大分と神経を使ってゆっくりと書いていた。
「わーっ! ありがとうございます! 家宝にします!」
「さすが最高位の冒険者、人気もすごいですね」
「俺こういうの嫌いなんだけどなーーって言ったら顔背けると思ったわこんにゃろ、サインもそっちで考えといてくれたら楽だったのに」
組合で冒険者のサインも考えてくれればいいのにと言ったエルピスだが、事実他の冒険者の大半は組合がそのサインを考えているものが多い。
なぜならその方が商品化しやすいからで、冒険者の多くのサインが簡単なものである理由はそれに起因している。
だがエルピスはあちらこちらを転々と移動するのでサインを考える暇も伝える暇もなかったのだ。
「それにしてもあんなに小さな子達も冒険者として名乗り始めるなんて驚きだね」
「一応王国の成人は10才からと言うことになっているので法律上なんの問題もないのですが、出来れば命をかけて戦う冒険者になどなって欲しくないものです」
「その冒険者を俺に勧めた他でもない貴方がそれを言うか」
「だってエルピスさん死なないじゃないですか。でもあの子達は性濁豚に殴られたら死ぬんですよ、脳みそを撒き散らして惨たらしく、人の尊厳なんてありもせずに」
数多くの冒険者を見送り、そして帰ってこなかった彼女の気持ちは如何様なのだろうか。
彼女が言っている通りエルピスは帰ってこれる人間だが、彼等は依頼を受けるたびに自分の命を賭けて冒険に出かけている。
もう二度と帰ってこない可能性だって低くはないのだ。
「冒険者の約八割が性濁豚とどっこいか少しそれより強い程度の戦力しかなく、残りの二割のうち一割が上位性濁豚や森霊種なんとか勝てるかなと言った程度。後の一割は上限が際限なく上がっていくのでなんとも言えませんが、体感で言えば100人に1人ですね、冒険者と呼べる実力のあるものは」
冒険者の階級で言えば金から上がその二割に該当する。
下から三番目の金、この段階に上がるまでに冒険者達の大多数は死によって選抜されていく。
彼女の言葉は統計的にも事実であり、だからこそ最高位冒険者であるエルピスに冒険者達は憧れるのだ。
「亜人という外敵に対抗するため英雄像を持ち上げるのは構いませんが、それで犠牲になるのは夢だけを追い求める力なき者達です。そんな人を一体何人見送ってきたか」
この世界の英雄譚の殆どは実話であり、エルピスの父であるイロアスもまたその英雄譚の主人公の一人である。
一代で財を築き確かな地位を確立した父の存在は人類の希望でもあるが、同時に無謀な者たちを死に誘う罠にもなってしまっていた。
持たざる者が持つ者と同じ事をすれば代償が付き纏うのは当たり前で、それが単に自分の命であったというだけの話なのだがそれでもエルピスからしてみれば後味は悪い。
「すいません、関係ない話でしたね」
「いえ、興味深い話でした」
この話を彼女がここで持ち出したのは、戦争が起こることも十二分に関係しているだろう。
これから先無謀に命を捨てる人間が一体何人出てくるか、エルピスに出来る事はただその犠牲を一人でも減らす様尽力することだけだ。
「お嬢さん達や、どれ見ていってくれんかな」
そんな少し暗い空気でバザールを歩いていると、ふとエルピスは老人に呼び止められる。
冒険者組合側の店舗で店先には様々な香辛料が置かれており、晩御飯に何かちょうど良いものはないかとエルピスは呼びかけに応えて店の中に入っていく。
「これは……なんだろう?」
「冬越草ですね、お鍋に入れると身体の底から温まること間違いなしです」
「さすが受付嬢、よく知っとるの。ここら辺にある薬草は鍋にも入れられるぞい」
そう言って店員に様々な薬草を見せられるが、料理を始めたとは言え初歩の初歩で止まっているエルピスからしてみれば全部同じ草だ。
さすがに匂いだったりで香辛料なのは分かるが、これが道端に生えていて気付ける自信はない。
フィトゥス辺りに料理して貰えば上手に出来上がるのだろうか?
「じゃあ今日は鍋にしよっか。受付さんもくる?」
「え!? 良いんですか?」
「もちろん、夕方家まで来てくれたら話は通しておくから」
「光栄です! そ、それじゃあ私はいろいろと準備して来ますので!」
ドタバタと音を立てて行ってしまった受付の背中を眺めながら、そういえば名前を聞くのを忘れていたと後で聞く事を決める。
「次どこ行こっかな」
「ーー兄さん、ちょっと見せて欲しいものがあるんだけどいい?」
「ん? 良いけど何を見たいの?」
「兄さんの本気の魔法が見てみたいかな」
/
「本気の魔法……撃っちゃって良いのかな?」
「良いわけないでしょエルピス、さすがに僕でもとめるよ」
場所は遥希達の訓練にも使っているあの島、なんだかこの島によく関わりがある気がするが何かと便利なので仕方ない。
エルピスの本気の魔法ということは魔神の権能であり、この世界の法則など問答無用で書き換えるどの文献にも存在しない最高位の魔法である天災魔法を放つという事だ。
破壊される範囲は最低でも大陸全土、攻撃魔法のみのこの魔法を一度放ってしまえば破壊神より先にエルピスがこの世界を壊しかねない。
「魔神が操る攻撃魔法は大陸を丸ごと焦土に変える力を持つ、さすがにそれを見せるのは不味いんじゃないかな」
妹のお願いとはいえ遊び半分に人類を滅ぼしていては世話がない。
とはいえ妹からの10年越しのお願いを断ることもできず、エルピスは頭を悩ませる。
「兄さんまだー?」
「よしっ! 任せろ」
「いやいやいや、待ちなよエルピス。冷静な判断できてないよ確実に」
邪神の障壁で抑えればなんとかなるだろう、そう考えたエルピスをニルが全力で止めにかかる。
ニルは過去に何度かこの世界で言うところの天災魔法に近い魔法を見たことも受けたこともあり、その破壊力を身をもって実感していた。
だからこその危機感である。
「天災魔法は攻撃系統しかないし、間をとって神級魔法で良いんじゃないの? 魔力消費の観点から言えば天災魔法は技能みたいなものだし」
「それもそうか、ならなんか良い感じの魔法で誤魔化すよ」
「うん。それがいいよ」
話を終えたエルピスは呼吸を整えて権能の使用に身体を鳴らす。
戦闘時ならばいざしらず、いきなり神級魔法を使用すれば多少の負担がかかるので準備運動は大切だ。
「そうは言ったものの何が見てみたい? 攻撃魔法は出来れば避けたいんだけれど」
「なら私あの時みたいな花を見てみたいな、生まれたての頃に見たあの氷の花。兄さんがあれやったんでしょ?」
「懐かしいな、アウローラの魔法を真似してやったやつか」
かつて魔法を攻撃だけでなく鑑賞として使ったアウローラのあの魔法、本来ならば詠唱をする必要がないエルピスも神級魔法の場合のみ安定して発動させるのであれば詠唱をする必要がある。
「それじゃあやってみるか。詠唱なんだっけな…」
なんとか頑張ってあの詠唱を思い出しながら、エルピスはその無限に等しい魔力を贅沢に使い魔法を構築していく。
「三柱の名の下に世界に変革をもたらさん。咲き乱れ咲き誇れ。世界に幸福と停滞を、幻想に惑わせ人々を約束の場所へと誘わん〈氷雪の楽園」
合計で千は超えているであろう魔法陣から、氷の波動が世界へと向かって放たれる。
アウローラの真似をした時は王国全土を、だが今回は人類生存圏内全域をエルピスの魔法が駆けていく。
神によって行われた奇跡は暖かい氷の雪を降らし、大輪の花を咲かせた花達は傷付いた者達の身体を癒していった。
「わぁ…っ! 綺麗!」
ヘレンにはその魔法の全貌すら理解できないこの世界での最高の魔法。
それを前にして語彙はゆっくりと消失していき、出来ることと言えばただただ心を奪われるほどの美しさを口にすることだけだ。
「どうだ? 結構凄いだろ?」
「うん、凄いよさすが兄さん!」
にっこりと笑みを浮かべてそう言ったヘレンの姿に、かつての姿がフラッシュバックして重なっていく。
もはや忘れかけていた妹の笑顔、だがそれは確かにここにあったのだ。
「とりあえずこれで一通り終わりだ、今日は家帰って鍋でもつつくか」
「そうだね」
この魔法は今日1日は続くだろう。
死にかけた冒険者を癒やし、怯える農民の心を晴れさせ、仕事に追われて倒れそうになる官僚達に一息をつかせる。
フィトゥスが作っているであろう鍋を想像しながらエルピスは早足で家に帰るのだった。
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