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二十六話
しおりを挟むえーっと、防犯ブザーよし煙草とライターよし携帯の予備バッテリーもよしノートとペンよし服装もよし髪型もよしっと。
って服装と髪型は関係ないじゃんっ!?
ハッと気付いて私は自分で驚き頭を抱えてしまった。
防犯ブザーはともかく、いつもなら身だしなみなど気にしなかった私が何故今日に限ってそんなバッチリにしているのか。
自分で自分が分からない。
(…いや、確かにアキトさんに遭遇すると予想はしてるんだけどっ!別に服装だって其処までオシャレじゃないし、髪型だって普通のポニーテールだし…)
そうだ、私は普段通りだウン。
それにカフェに着いてから気づいちゃったから着替えるのすら無理だし諦めよう。
きっと気付かないってウン。
私は自分に言い聞かせるようにウンウンと無理矢理納得させた。
「あ、リナ~。会いたかったよ~♪」
「………はぁ、ソリャアドウモ」
「えぇ、めっちゃ棒読みやん!?もっと嬉しそうにしてくれてもいいんだよ?」
「えーっと、防犯ブザーは確かここに入れてたような…」
「スミマセン!調子乗りました!だから鳴らさないでっ;;」
噂をすればなんとやら。
カフェで読書をしようと本を取り出した時に、アキトさんが現れて恥ずかしい程のテンションで近付いてくるので冷めた対応をしてあげました。
ブザーを取り出す仕草を見せるとアキトさんは慌てて謝罪し、両手を自分の顔上くらいで合わせ頭を下げる姿に免じて私は仕方なくブザーを取り出す事を止める。
てかさ、絶対に私より先に居たよね?
じゃなかったらこんな早くに会わないよね?
………やっぱりストーカーかな、この人。
そして当たり前の如く前の椅子に座るんじゃない。
いや、もうそれに関しては諦めた方がいいんだろうけども。
「・・・一つ、聞いていいですか」
「ん?何々、なんでも聞いて♪」
「…………ハァ……やっぱりいいです」
「なんでっ!?」
「いや、もうウザいのは治らないのかなと思っただけなんで」
「相変わらずの毒舌!でもそれもそそる!!」
「・・・・・無理」
「急なマジトーンやめて!?」
私は本当に今更ながら後悔してます、ハイ。
妹と遊ぶのとは規模が違い過ぎるくらい疲れますよこの人。
これならまだ妹の方が可愛げあるよ。。。
いつもの如く、アイスコーヒーをチビチビ飲みながら身体から抜ける力に溜め息が溢れてしまう。
もう既に帰りたくなるのは、やっぱりアキトさんが変態だからだろうかとさえ思えてくる。
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