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第三章―尊さと鬼―
3−1・楽しい夜に……
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◆◇◆◇◆
「眩しいっ!」
「ここはどこ!?」
ビュュュ……
風が強く吹き視界が悪い。振り返ると、足元に魔法陣の跡がある。どうやら、扉に入ってすぐにどこかへ転送されたみたいだ。
空もある、息もできる、風が強く吹いてはいるがどうも同じ世界には変わらないみたいだ。
「風景を見る限り、エスポワール大陸でもキュウカ島でもないな。ただ違う世界に転送されたわけではなさそうな……」
「見て!街が見える!」
「とりあえずあそこへ向かおう!」
ビュュュ……
街へ着くと、門は開いており人影もない。この街も魔物に襲われ廃墟となったのだろうか。
「すいません!お邪魔します!」
街の中央へ向かうと、神殿のような建物と、神社のような鳥居がある。
「神様でも祀ってたのだろうか……しかし、この建物は古い神社のような……」
「桃矢!あそこの建物にとりあえず入ろう!」
早紀が指差した建物は一見西洋風のコンクリートで出来た建物だった。周囲の木造の建物は強風のせいか、崩れたり、穴が空いてたりするが、その建物だけ無事だった。
ガチャン!!
鍵のかかった扉を無理矢理開けて入る。
「お邪魔します!誰かいますか!」
いる訳はないが一応声はかけてみる。
「はぁい!少々お待ちを」
「誰だっ!!」
声をかけたのは僕なのに、返事があってびっくりした。
「え?え?そちらこそどちら――あっ!!桃矢様!?」
「へ?……ミーサ?」
そこには西の国エルバルトの第二王女ミーサがいた。いるはずのない人がいたものだから、かなりビックリした。
「ミーサだっ!久しぶり!!」
「早紀様!」
二人共手を取り合ってピョンピョン跳ねている。
「え!舞様なのですか!姿が変わっててわかりませんでした!」
「あっ!そうか!変身したままだったわ!愛ちゃん!」
ポンッ!
とマイア・マイエスタ神から、舞と愛に分離する。
「な、なに?え?どんな仕組み?」
頭が混乱するミーサ。
「良い女じゃの、ちょっとワシとお茶でも――」
パンッ!!
メイの背中の『S』の文字の上にシールを貼る。
バタンッ!!
そのまま床に顔面から突っ伏して眠るメイ。
「え?!え?何がどうなって――」
「ミーサには色々教えてあげるわ!とりあえず中に入ってお茶にしましょう!」
ミーサは数人の付き人と近衛兵とこの街に偵察に来たそうだ。数日前からこの街に滞在し色々調べて回っていて、今日はたまたまこの建物を探索していた。
「――へぇ、そっか。ミーサ達も偵察かぁ」
「そうなんです。国では今、跡継ぎ争いが過激になってまして、大臣がそういう名目で一度国外に退去した方が良いと言うことになりまして」
どこの国でも跡継ぎ争いはあるんだなぁ。
「でもミーサは第二王女なんでしょ?お嫁さんになっちゃえば国同士のいざこざは関係なくない?」
「それがそう簡単ではないんですよ、イースタン帝国の――」
あれか。女子会みたいな感じで話が脱線していって終らないやつだな。
僕はソファに横になり話を聞いていたがだんだん眠くなりそのまま寝てしまっていた。
――どのくらい経っただろう。しばらくして目を覚ましたら誰もいない。早紀、舞、愛、ミーサはどこに?メイは床に突っ伏したまま放置されているが……
僕はごそごそと起き出し、皆を探しに奥の部屋へと向かう。と、キッチンの奥から何やら声がする。
「――うわ!ほんとに温泉じゃない!すごい!」
「さっき捜索してる時にたまたま見つけて、お湯が涌いてたんですよぉ」
「気持ちいいぃ!」
「最高ですわね!」
ごくり。
全員、お風呂じゃないですか!
これは久々のお色気シーンを用意してくれてる設定で間違いない!
あぁ、お風呂の神様ありがとうございます。
では、早速失礼して……
僕はキッチンの横を抜け、お風呂が見える穴を探す。
キラァン!!
僕の触覚が反応し、ベリーナイスな穴を見つける事に成功する!!
「では……失礼して……」
なんということでしょう!!
そのわずかな隙間はまるで用意されていたかのように、お風呂の中を隅々まで見渡せる場所に空いています!
これも匠の成せる技なのでしょうか!
計算された角度、大きさ、厚み、すべてがここに納まるように作られています!
「ぐはっ……」
四人のその美しいボディラインはまるで天使の様でした。あぁ、神様……私は今、天使を見ています。
僕はしばらくその美しい光景を目に焼き付けた――
◆◇◆◇◆
「ぐ、ぐぅ……」
「はぁ、良いお湯だった!あれ、まだ寝てる」
「フフ、桃矢様は疲れておいでなのですね」
「桃矢くんかわいい」
「もう!ねぇさん!私が先に言おうと思ったのに!」
「ぐ、ぐぅ……」
「何か臭うわね……くんくん」
「そうですか?私は特に……」
「まぁ、いいわ!さっ!陽があるうちに寝床を確保しときましょ!」
「三階に寝室がありました。一階二階は図書館のようですね」
「舞っ!愛!早いもの勝ちよ!」
「え!?え!早紀ちゃんずるいぃ!」
「ねぇさんには負けない!」
三人共階段を走って上がって行く。
「桃矢様……起きておられるんでしょ?フフ」
「うぅん……」
薄目を明けて、そっと様子を伺うと……何とそこには、プリンとした桃がふたなり!!こ、これはもしや!?ボヤケててハッキリ見えない。ここは思い切って!!
「ふぁぁぁ、良く寝た!ん?」
目を開けると、下着姿のミーサのお胸が目の前に!!しかもお風呂上がりの良い匂い……
「あら?お目覚めですか?フフ……かわいい」
「ん……ミーサ?お、おはよう」
「今夜は……楽しい夜になりそう……」
「え?どういう……」
「さて!私も夜に備えて用意しなくちゃ♡フフ」
そう言うと、ミーサも階段を上がって行く。
「楽しい夜に……ごくり」
僕は楽しい夜に想像を巡らせ、とりあえずお風呂で体の隅々まで綺麗にすることを決意した。
「眩しいっ!」
「ここはどこ!?」
ビュュュ……
風が強く吹き視界が悪い。振り返ると、足元に魔法陣の跡がある。どうやら、扉に入ってすぐにどこかへ転送されたみたいだ。
空もある、息もできる、風が強く吹いてはいるがどうも同じ世界には変わらないみたいだ。
「風景を見る限り、エスポワール大陸でもキュウカ島でもないな。ただ違う世界に転送されたわけではなさそうな……」
「見て!街が見える!」
「とりあえずあそこへ向かおう!」
ビュュュ……
街へ着くと、門は開いており人影もない。この街も魔物に襲われ廃墟となったのだろうか。
「すいません!お邪魔します!」
街の中央へ向かうと、神殿のような建物と、神社のような鳥居がある。
「神様でも祀ってたのだろうか……しかし、この建物は古い神社のような……」
「桃矢!あそこの建物にとりあえず入ろう!」
早紀が指差した建物は一見西洋風のコンクリートで出来た建物だった。周囲の木造の建物は強風のせいか、崩れたり、穴が空いてたりするが、その建物だけ無事だった。
ガチャン!!
鍵のかかった扉を無理矢理開けて入る。
「お邪魔します!誰かいますか!」
いる訳はないが一応声はかけてみる。
「はぁい!少々お待ちを」
「誰だっ!!」
声をかけたのは僕なのに、返事があってびっくりした。
「え?え?そちらこそどちら――あっ!!桃矢様!?」
「へ?……ミーサ?」
そこには西の国エルバルトの第二王女ミーサがいた。いるはずのない人がいたものだから、かなりビックリした。
「ミーサだっ!久しぶり!!」
「早紀様!」
二人共手を取り合ってピョンピョン跳ねている。
「え!舞様なのですか!姿が変わっててわかりませんでした!」
「あっ!そうか!変身したままだったわ!愛ちゃん!」
ポンッ!
とマイア・マイエスタ神から、舞と愛に分離する。
「な、なに?え?どんな仕組み?」
頭が混乱するミーサ。
「良い女じゃの、ちょっとワシとお茶でも――」
パンッ!!
メイの背中の『S』の文字の上にシールを貼る。
バタンッ!!
そのまま床に顔面から突っ伏して眠るメイ。
「え?!え?何がどうなって――」
「ミーサには色々教えてあげるわ!とりあえず中に入ってお茶にしましょう!」
ミーサは数人の付き人と近衛兵とこの街に偵察に来たそうだ。数日前からこの街に滞在し色々調べて回っていて、今日はたまたまこの建物を探索していた。
「――へぇ、そっか。ミーサ達も偵察かぁ」
「そうなんです。国では今、跡継ぎ争いが過激になってまして、大臣がそういう名目で一度国外に退去した方が良いと言うことになりまして」
どこの国でも跡継ぎ争いはあるんだなぁ。
「でもミーサは第二王女なんでしょ?お嫁さんになっちゃえば国同士のいざこざは関係なくない?」
「それがそう簡単ではないんですよ、イースタン帝国の――」
あれか。女子会みたいな感じで話が脱線していって終らないやつだな。
僕はソファに横になり話を聞いていたがだんだん眠くなりそのまま寝てしまっていた。
――どのくらい経っただろう。しばらくして目を覚ましたら誰もいない。早紀、舞、愛、ミーサはどこに?メイは床に突っ伏したまま放置されているが……
僕はごそごそと起き出し、皆を探しに奥の部屋へと向かう。と、キッチンの奥から何やら声がする。
「――うわ!ほんとに温泉じゃない!すごい!」
「さっき捜索してる時にたまたま見つけて、お湯が涌いてたんですよぉ」
「気持ちいいぃ!」
「最高ですわね!」
ごくり。
全員、お風呂じゃないですか!
これは久々のお色気シーンを用意してくれてる設定で間違いない!
あぁ、お風呂の神様ありがとうございます。
では、早速失礼して……
僕はキッチンの横を抜け、お風呂が見える穴を探す。
キラァン!!
僕の触覚が反応し、ベリーナイスな穴を見つける事に成功する!!
「では……失礼して……」
なんということでしょう!!
そのわずかな隙間はまるで用意されていたかのように、お風呂の中を隅々まで見渡せる場所に空いています!
これも匠の成せる技なのでしょうか!
計算された角度、大きさ、厚み、すべてがここに納まるように作られています!
「ぐはっ……」
四人のその美しいボディラインはまるで天使の様でした。あぁ、神様……私は今、天使を見ています。
僕はしばらくその美しい光景を目に焼き付けた――
◆◇◆◇◆
「ぐ、ぐぅ……」
「はぁ、良いお湯だった!あれ、まだ寝てる」
「フフ、桃矢様は疲れておいでなのですね」
「桃矢くんかわいい」
「もう!ねぇさん!私が先に言おうと思ったのに!」
「ぐ、ぐぅ……」
「何か臭うわね……くんくん」
「そうですか?私は特に……」
「まぁ、いいわ!さっ!陽があるうちに寝床を確保しときましょ!」
「三階に寝室がありました。一階二階は図書館のようですね」
「舞っ!愛!早いもの勝ちよ!」
「え!?え!早紀ちゃんずるいぃ!」
「ねぇさんには負けない!」
三人共階段を走って上がって行く。
「桃矢様……起きておられるんでしょ?フフ」
「うぅん……」
薄目を明けて、そっと様子を伺うと……何とそこには、プリンとした桃がふたなり!!こ、これはもしや!?ボヤケててハッキリ見えない。ここは思い切って!!
「ふぁぁぁ、良く寝た!ん?」
目を開けると、下着姿のミーサのお胸が目の前に!!しかもお風呂上がりの良い匂い……
「あら?お目覚めですか?フフ……かわいい」
「ん……ミーサ?お、おはよう」
「今夜は……楽しい夜になりそう……」
「え?どういう……」
「さて!私も夜に備えて用意しなくちゃ♡フフ」
そう言うと、ミーサも階段を上がって行く。
「楽しい夜に……ごくり」
僕は楽しい夜に想像を巡らせ、とりあえずお風呂で体の隅々まで綺麗にすることを決意した。
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