404 / 572
第391話 エヴォルヴ
しおりを挟む
黒鉄の騎士、エヴォルヴが丘を駆け下りる。それを見た法国の軍勢は恐怖に怯える。なんせ突如現れた異様な黒い騎士に対しての情報があまりにも足りない。人智を超えた状況と物体を頭で理解することができないのだ。
そんなエヴォルヴ達の中から一人のエヴォルヴが飛び出した。その機体はあまりにも他と比べて速度が違う。
『ヒャッホウ!!ダッシュダーーーッシュ!!!一番槍ィィ!!!!』
一番槍を求めて集団から抜け出した使い魔のダッシュ。ダッシュ専用の第7世代の特別機に乗っている。速度を求めて限界まで速度を上げたこの特別機体は他のエヴォルヴの数十倍まで加速することができる。
そんなダッシュは混乱し逃げ惑う法国の兵士へと突っ込もうとする。だがその時、逃げ惑う法国の兵士の中から一人の大男が飛び出した。明らかに格上の兵士、おそらく魔王クラスに届くか届かないかというレベルの強者だろう。
その大男はその手に持つ両手用メイスを軽々と片腕で振り上げる。それを見たダッシュは流石に焦った。せっかくの初陣でいきなり敵に屠られるなど一生他の使い魔達にいじられる。だがダッシュはすでにトップスピードに入ってしまい、ろくに方向を変えることもできない。
「失せろぉぉ!!」
『だ、だっ…しゅ……』
半べそをかきそうになるダッシュ。そして鮮血が舞った。だが使い魔達には血など流れていない。その血は先ほどまでメイスを振り上げていた大男の首から流れている。よく見てみればその大男の頭部がスッキリと無くなっている。しかもその背後の直線上の数人の兵士たちまで絶命し、地に臥せっている。
そしてギリギリ助かった法国の兵士は見た。目の前で絶命している仲間の胸部に深々と刺さる矢を。その矢は丘の中腹、他の使い魔達に隠れるようにして放たれた弓矢によるものだ。
『ふぅ…いきなりやられてちゃ縁起が悪い。だけど一発使ったからしばらく休憩かな。しばらくの間頼んだよ。』
『『『『はい!ハク隊長!!』』』』
その弓矢はかの聖弓フィラクスに直々に弓矢を教わった使い魔ハクによるものだ。すでにハクの弓矢の腕は使い魔の中では飛び抜けており、他の使い魔達に教えるレベルになった。現在は1万ほどの使い魔達に弓矢を教え、使い魔弓術部隊の隊長に任命された。
そんなハクが用いる弓矢は世界樹を用いたもので、その弓の弦は神話級モンスター、アラクネの糸である。弓矢だけで言えばフィーフィリアルが使用しているものと遜色ない。ただしそうやすやすと使えるものではない。
ハクの機体の腕には3枚の木札がかけられている。ハクはその木札に丸2日分の魔力を溜め込み、それを一矢に使用している。その一撃は魔王クラスにも匹敵し、隙をつけば魔王クラスであっても一撃で屠る。ただあまりにも強力な一撃のため、連続使用すると機体が持たないため10分ほどのインターバルを必要とする。
だがそんなことは法国の兵士たちは知らない。魔王クラスにも匹敵すると思われた隊長格が一撃で屠られたせいでさらなる動揺が走る。そしてそんな隙をついてダッシュは敵陣に潜り込んだ。
『ダッシュダーッシュ!プレゼントフォーーユーーー!!』
ダッシュの機体のあちこちが開き、そこからゴルフボールほどの大きさの球が転がり落ちた。その玉はそこかしこに転がり落ちると勢いよく煙を噴出し始めた。それによりあっという間に法国の兵士は煙に包まれた。
「煙幕だ!全員落ち着いて対応…が…ち、違う…毒ガ……」
『正確には神経ガスですよ。麻痺毒なんで死にはしません。まあ見逃しませんけど。』
煙に包まれた法国の兵士たちを使い魔達が確実にとどめを刺して行く。中にはとっさに気がつき風魔法で煙を遠ざける者もいるが、仲間と分断されてしまった時点で使い魔達に狙われ息絶えて行く。
『全員視覚情報を熱源に変えて。機体内の空気は酸素ボンベから吸入。火炎放射器とかは使用禁止ね。それからダッシュはそろそろ帰還。ご苦労様。』
『ダーッシュ!!』
ダッシュは敵陣の奥深くまで侵入していたが、大急ぎで帰還する。なんせダッシュの機体は速度に特化しすぎたせいで戦闘力はほぼない。かろうじて敵にぶつかればその勢いで敵を倒せるが、軽くしたために強度を下げた機体も破損するため禁止されている。
瞬く間に煙に飲み込まれた味方を見た法国の兵士たちは恐怖のあまり動けずにいる。そんな中、法国の隊長格は兵士たちをまとめ上げ、煙に向かい進軍しようとしている。だがその時、煙の中から壁が現れた。
『全軍…その場で死守……敵を一人たりとも通すな。』
『『『『御意…』』』』
その壁は大盾を持ったエヴォルヴ達だ。一直線に並んだ大盾は強靭な壁となり他の法国兵士を寄せ付けない。あまりにも見事に統率された大盾部隊に法国の隊長達も尻込みしている。この大盾部隊の隊長であるガーディアンにかかればここの死守は完璧だろう。
そしてその間に煙に包まれている法国の兵士たちの掃討が始まる。視覚情報を熱源に切り替えた使い魔達ならば煙の中でも昼間のようによく見える。
その光景はあまりにも恐ろしかった。煙の外からただ傍観するしかない法国の兵士たちは大盾の向こうから、煙の中から仲間の断末魔だけが聞こえてくる。やがてその断末魔が少なくなってきた時、大盾が迫ってきた。
迫り来る大盾に怯む法国の兵士たち。だが逃げることができないとわかると歯を食いしばって大盾を迎え撃つために武器を持つ手に力を込めた。だがそんな大盾はある程度近づいたところで止まってしまった。
「何を……」
「上だ!上に防御魔法を…!」
目の前から迫る大盾に気を取られすぎた法国の兵士たちは気がつかなかった。空から降りかかる矢と魔法の雨に。さらに言うのであれば神経ガスによって上空もある程度視界が遮られていたのもその理由だろう。
そしてまるで絨毯爆撃のように綺麗に整列した魔法や矢が地上に降り注ぐ。慌てて自らの上に魔法障壁を張るが、間に合わず直撃を食らうものが多い。中には魔法障壁を貼っても障壁を貫かれる者もいた。
そして上空からの攻撃に気を取られた瞬間に大盾がひるがえり、その間から大量のエヴォルヴ達が突撃を敢行した。あまりにも命知らずな攻撃。なんなら味方の攻撃に当たって絶命する可能性だってある。だがそれを可能にするのが死んでも何度も復活する使い魔達だ。
そんな突撃を敢行する使い魔の中にはいくつかその突破力の高い者達がいる。特によく目立つのは他のエヴォルヴよりもひとまわりもふたまわりも大きい機体だ。その機体はやたらめったらに巨大なハンマーを振り回している。
『力こそパッワァァーー!!ヌハハハハ!!!』
圧倒的な怪力の持ち主はパワーだ。自身の能力で機体の膂力を数倍まで高めている。速度は遅いかもしれないが、それでも圧倒的質量も持つハンマーを振り回すと言うのはそれだけで脅威だ。そしてパワーに付き添うようにその背後から幾人ものエヴォルヴたちが続く。
そしてもう一つ、パワーほどの突破力はないが、確実に敵を屠りながら突き進むエヴォルヴ達がいる。その戦い方は実にシンプルで刀剣を用いてただひたすらに切り進む。しかしその剣術があまりにも見事なためシンプルに強い。そしてその最前線に立つエヴォルヴに搭乗する使い魔はソードだ。
『晴れ舞台だ。皆行くぞ。』
『『『『応!!』』』』
ソードはこれまでずっと剣術の鍛錬を行い、武の国ではイッシンの妻サエから剣術を学んだ。しかしこれまでの人型魔導化学兵器ではその剣術を生かすことができず、これといった戦果は上げて来られなかった。
しかし今のこの機体であればソードの持つ7割の力を出すことができる。故にソードにとってこの戦いは晴れ舞台だ。そしてそのソードの部下達も今日こそはと意気込んでいる。
そんな戦いが起きている場所から少し離れた場所ではエヴォルヴ四足歩行型特殊機体が法国の兵士に見つからないように駆けている。その背には普通のエヴォルヴが騎乗している。そして全速力でどこかへ向かっているのだ。
そもそも100万近い兵を一方向から進ませれば半数以上は1時間経っても何もしないままだろう。だからこそこうしてばらけさせるのが得策だ。そしてある一定の場所まで駆けていった使い魔達は進路を変えて法国の兵士たちの方へと向かっていった。
そこは今も必死に戦うガリウスのいる場所だ。圧倒的な兵の数の差によって今も苦戦を強いられている。そこへ数万のエヴォルヴ達が駆けつけたのだ。しかもその後ろからはまだまだ増援がやってくる。
『あ、そういえばこのままだと敵か味方かわからないんじゃ…』
『確かに!敵の増援だと思われないように旗を掲げよっか。みんな~!旗出してぇ~~!!』
一人の使い魔がそう言うとあちこちで何やらごそごそしてから一斉に旗を掲げた。その旗を見たガリウスの軍勢からは歓声が上がった。来るとは思わなかった増援にガリウスの軍は歓喜し、法国兵は動揺した。
これまでミチナガの旗というのはいくつか種類があった。ミチナガ商会の場合は使い魔達が金貨を持つ姿。セキヤ国の場合は使い魔達が手を繋ぎあった姿。セキヤ国国軍の場合は使い魔達が武器を持った姿であった。
そして今掲げられているのは使い魔達が腕を組み、背後にエヴォルヴの機体が描かれたものだ。これが我々の力だと鼓舞しているようなその姿は使い魔達の力の証だ。これからは僕たちもミチナガを守る。ミチナガのために戦う。その意思の表れを旗に記した。
『行くぞ!我らセキヤミチナガに仕えるエヴォルヴ機甲師団!我らが同胞を助けよ!!』
これがこの世界初の使い魔と機械を組み合わせた特殊機甲師団、エヴォルヴ機甲師団誕生の時である。
そんなエヴォルヴ達の中から一人のエヴォルヴが飛び出した。その機体はあまりにも他と比べて速度が違う。
『ヒャッホウ!!ダッシュダーーーッシュ!!!一番槍ィィ!!!!』
一番槍を求めて集団から抜け出した使い魔のダッシュ。ダッシュ専用の第7世代の特別機に乗っている。速度を求めて限界まで速度を上げたこの特別機体は他のエヴォルヴの数十倍まで加速することができる。
そんなダッシュは混乱し逃げ惑う法国の兵士へと突っ込もうとする。だがその時、逃げ惑う法国の兵士の中から一人の大男が飛び出した。明らかに格上の兵士、おそらく魔王クラスに届くか届かないかというレベルの強者だろう。
その大男はその手に持つ両手用メイスを軽々と片腕で振り上げる。それを見たダッシュは流石に焦った。せっかくの初陣でいきなり敵に屠られるなど一生他の使い魔達にいじられる。だがダッシュはすでにトップスピードに入ってしまい、ろくに方向を変えることもできない。
「失せろぉぉ!!」
『だ、だっ…しゅ……』
半べそをかきそうになるダッシュ。そして鮮血が舞った。だが使い魔達には血など流れていない。その血は先ほどまでメイスを振り上げていた大男の首から流れている。よく見てみればその大男の頭部がスッキリと無くなっている。しかもその背後の直線上の数人の兵士たちまで絶命し、地に臥せっている。
そしてギリギリ助かった法国の兵士は見た。目の前で絶命している仲間の胸部に深々と刺さる矢を。その矢は丘の中腹、他の使い魔達に隠れるようにして放たれた弓矢によるものだ。
『ふぅ…いきなりやられてちゃ縁起が悪い。だけど一発使ったからしばらく休憩かな。しばらくの間頼んだよ。』
『『『『はい!ハク隊長!!』』』』
その弓矢はかの聖弓フィラクスに直々に弓矢を教わった使い魔ハクによるものだ。すでにハクの弓矢の腕は使い魔の中では飛び抜けており、他の使い魔達に教えるレベルになった。現在は1万ほどの使い魔達に弓矢を教え、使い魔弓術部隊の隊長に任命された。
そんなハクが用いる弓矢は世界樹を用いたもので、その弓の弦は神話級モンスター、アラクネの糸である。弓矢だけで言えばフィーフィリアルが使用しているものと遜色ない。ただしそうやすやすと使えるものではない。
ハクの機体の腕には3枚の木札がかけられている。ハクはその木札に丸2日分の魔力を溜め込み、それを一矢に使用している。その一撃は魔王クラスにも匹敵し、隙をつけば魔王クラスであっても一撃で屠る。ただあまりにも強力な一撃のため、連続使用すると機体が持たないため10分ほどのインターバルを必要とする。
だがそんなことは法国の兵士たちは知らない。魔王クラスにも匹敵すると思われた隊長格が一撃で屠られたせいでさらなる動揺が走る。そしてそんな隙をついてダッシュは敵陣に潜り込んだ。
『ダッシュダーッシュ!プレゼントフォーーユーーー!!』
ダッシュの機体のあちこちが開き、そこからゴルフボールほどの大きさの球が転がり落ちた。その玉はそこかしこに転がり落ちると勢いよく煙を噴出し始めた。それによりあっという間に法国の兵士は煙に包まれた。
「煙幕だ!全員落ち着いて対応…が…ち、違う…毒ガ……」
『正確には神経ガスですよ。麻痺毒なんで死にはしません。まあ見逃しませんけど。』
煙に包まれた法国の兵士たちを使い魔達が確実にとどめを刺して行く。中にはとっさに気がつき風魔法で煙を遠ざける者もいるが、仲間と分断されてしまった時点で使い魔達に狙われ息絶えて行く。
『全員視覚情報を熱源に変えて。機体内の空気は酸素ボンベから吸入。火炎放射器とかは使用禁止ね。それからダッシュはそろそろ帰還。ご苦労様。』
『ダーッシュ!!』
ダッシュは敵陣の奥深くまで侵入していたが、大急ぎで帰還する。なんせダッシュの機体は速度に特化しすぎたせいで戦闘力はほぼない。かろうじて敵にぶつかればその勢いで敵を倒せるが、軽くしたために強度を下げた機体も破損するため禁止されている。
瞬く間に煙に飲み込まれた味方を見た法国の兵士たちは恐怖のあまり動けずにいる。そんな中、法国の隊長格は兵士たちをまとめ上げ、煙に向かい進軍しようとしている。だがその時、煙の中から壁が現れた。
『全軍…その場で死守……敵を一人たりとも通すな。』
『『『『御意…』』』』
その壁は大盾を持ったエヴォルヴ達だ。一直線に並んだ大盾は強靭な壁となり他の法国兵士を寄せ付けない。あまりにも見事に統率された大盾部隊に法国の隊長達も尻込みしている。この大盾部隊の隊長であるガーディアンにかかればここの死守は完璧だろう。
そしてその間に煙に包まれている法国の兵士たちの掃討が始まる。視覚情報を熱源に切り替えた使い魔達ならば煙の中でも昼間のようによく見える。
その光景はあまりにも恐ろしかった。煙の外からただ傍観するしかない法国の兵士たちは大盾の向こうから、煙の中から仲間の断末魔だけが聞こえてくる。やがてその断末魔が少なくなってきた時、大盾が迫ってきた。
迫り来る大盾に怯む法国の兵士たち。だが逃げることができないとわかると歯を食いしばって大盾を迎え撃つために武器を持つ手に力を込めた。だがそんな大盾はある程度近づいたところで止まってしまった。
「何を……」
「上だ!上に防御魔法を…!」
目の前から迫る大盾に気を取られすぎた法国の兵士たちは気がつかなかった。空から降りかかる矢と魔法の雨に。さらに言うのであれば神経ガスによって上空もある程度視界が遮られていたのもその理由だろう。
そしてまるで絨毯爆撃のように綺麗に整列した魔法や矢が地上に降り注ぐ。慌てて自らの上に魔法障壁を張るが、間に合わず直撃を食らうものが多い。中には魔法障壁を貼っても障壁を貫かれる者もいた。
そして上空からの攻撃に気を取られた瞬間に大盾がひるがえり、その間から大量のエヴォルヴ達が突撃を敢行した。あまりにも命知らずな攻撃。なんなら味方の攻撃に当たって絶命する可能性だってある。だがそれを可能にするのが死んでも何度も復活する使い魔達だ。
そんな突撃を敢行する使い魔の中にはいくつかその突破力の高い者達がいる。特によく目立つのは他のエヴォルヴよりもひとまわりもふたまわりも大きい機体だ。その機体はやたらめったらに巨大なハンマーを振り回している。
『力こそパッワァァーー!!ヌハハハハ!!!』
圧倒的な怪力の持ち主はパワーだ。自身の能力で機体の膂力を数倍まで高めている。速度は遅いかもしれないが、それでも圧倒的質量も持つハンマーを振り回すと言うのはそれだけで脅威だ。そしてパワーに付き添うようにその背後から幾人ものエヴォルヴたちが続く。
そしてもう一つ、パワーほどの突破力はないが、確実に敵を屠りながら突き進むエヴォルヴ達がいる。その戦い方は実にシンプルで刀剣を用いてただひたすらに切り進む。しかしその剣術があまりにも見事なためシンプルに強い。そしてその最前線に立つエヴォルヴに搭乗する使い魔はソードだ。
『晴れ舞台だ。皆行くぞ。』
『『『『応!!』』』』
ソードはこれまでずっと剣術の鍛錬を行い、武の国ではイッシンの妻サエから剣術を学んだ。しかしこれまでの人型魔導化学兵器ではその剣術を生かすことができず、これといった戦果は上げて来られなかった。
しかし今のこの機体であればソードの持つ7割の力を出すことができる。故にソードにとってこの戦いは晴れ舞台だ。そしてそのソードの部下達も今日こそはと意気込んでいる。
そんな戦いが起きている場所から少し離れた場所ではエヴォルヴ四足歩行型特殊機体が法国の兵士に見つからないように駆けている。その背には普通のエヴォルヴが騎乗している。そして全速力でどこかへ向かっているのだ。
そもそも100万近い兵を一方向から進ませれば半数以上は1時間経っても何もしないままだろう。だからこそこうしてばらけさせるのが得策だ。そしてある一定の場所まで駆けていった使い魔達は進路を変えて法国の兵士たちの方へと向かっていった。
そこは今も必死に戦うガリウスのいる場所だ。圧倒的な兵の数の差によって今も苦戦を強いられている。そこへ数万のエヴォルヴ達が駆けつけたのだ。しかもその後ろからはまだまだ増援がやってくる。
『あ、そういえばこのままだと敵か味方かわからないんじゃ…』
『確かに!敵の増援だと思われないように旗を掲げよっか。みんな~!旗出してぇ~~!!』
一人の使い魔がそう言うとあちこちで何やらごそごそしてから一斉に旗を掲げた。その旗を見たガリウスの軍勢からは歓声が上がった。来るとは思わなかった増援にガリウスの軍は歓喜し、法国兵は動揺した。
これまでミチナガの旗というのはいくつか種類があった。ミチナガ商会の場合は使い魔達が金貨を持つ姿。セキヤ国の場合は使い魔達が手を繋ぎあった姿。セキヤ国国軍の場合は使い魔達が武器を持った姿であった。
そして今掲げられているのは使い魔達が腕を組み、背後にエヴォルヴの機体が描かれたものだ。これが我々の力だと鼓舞しているようなその姿は使い魔達の力の証だ。これからは僕たちもミチナガを守る。ミチナガのために戦う。その意思の表れを旗に記した。
『行くぞ!我らセキヤミチナガに仕えるエヴォルヴ機甲師団!我らが同胞を助けよ!!』
これがこの世界初の使い魔と機械を組み合わせた特殊機甲師団、エヴォルヴ機甲師団誕生の時である。
10
お気に入りに追加
545
あなたにおすすめの小説
半分異世界
月野槐樹
ファンタジー
関東圏で学生が行方不明になる事件が次々にしていた。それは異世界召還によるものだった。
ネットでも「神隠しか」「異世界召還か」と噂が飛び交うのを見て、異世界に思いを馳せる少年、圭。
いつか異世界に行った時の為にとせっせと準備をして「異世界ガイドノート」なるものまで作成していた圭。従兄弟の瑛太はそんな圭の様子をちょっと心配しながらも充実した学生生活を送っていた。
そんなある日、ついに異世界の扉が彼らの前に開かれた。
「異世界ガイドノート」と一緒に旅する異世界
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
どーも、反逆のオッサンです
わか
ファンタジー
簡単なあらすじ オッサン異世界転移する。 少し詳しいあらすじ 異世界転移したオッサン...能力はスマホ。森の中に転移したオッサンがスマホを駆使して普通の生活に向けひたむきに行動するお話。 この小説は、小説家になろう様、カクヨム様にて同時投稿しております。
蒼穹のエターナルブレイク-side イクトス-
星井柚乃(旧名:星里有乃)
ファンタジー
旧タイトル『美少女ハーレムRPGの勇者に異世界転生したけど俺、女アレルギーなんだよね。』『アースプラネットクロニクル』
高校生の結崎イクトは、人気スマホRPG『蒼穹のエターナルブレイク-side イクトス-』のハーレム勇者として異世界転生してしまう。だが、イクトは女アレルギーという呪われし体質だ。しかも、与えられたチートスキルは女にモテまくる『モテチート』だった。
* 挿絵も作者本人が描いております。
* 2019年12月15日、作品完結しました。ありがとうございました。2019年12月22日時点で完結後のシークレットストーリーも更新済みです。
* 2019年12月22日投稿の同シリーズ後日談短編『元ハーレム勇者のおっさんですがSSランクなのにギルドから追放されました〜運命はオレを美少女ハーレムから解放してくれないようです〜』が最終話後の話とも取れますが、双方独立作品になるようにしたいと思っています。興味のある方は、投稿済みのそちらの作品もご覧になってください。最終話の展開でこのシリーズはラストと捉えていただいてもいいですし、読者様の好みで判断していただだけるようにする予定です。
この作品は小説家になろうにも投稿しております。カクヨムには第一部のみ投稿済みです。
ドグラマ3
小松菜
ファンタジー
悪の秘密結社『ヤゴス』の三幹部は改造人間である。とある目的の為、冷凍睡眠により荒廃した未来の日本で目覚める事となる。
異世界と化した魔境日本で組織再興の為に活動を再開した三人は、今日もモンスターや勇者様一行と悲願達成の為に戦いを繰り広げるのだった。
*前作ドグラマ2の続編です。
毎日更新を目指しています。
ご指摘やご質問があればお気軽にどうぞ。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
異世界隠密冒険記
リュース
ファンタジー
ごく普通の人間だと自認している高校生の少年、御影黒斗。
人と違うところといえばほんの少し影が薄いことと、頭の回転が少し速いことくらい。
ある日、唐突に真っ白な空間に飛ばされる。そこにいた老人の管理者が言うには、この空間は世界の狭間であり、元の世界に戻るための路は、すでに閉じているとのこと。
黒斗は老人から色々説明を受けた後、現在開いている路から続いている世界へ旅立つことを決める。
その世界はステータスというものが存在しており、黒斗は自らのステータスを確認するのだが、そこには、とんでもない隠密系の才能が表示されており・・・。
冷静沈着で中性的な容姿を持つ主人公の、バトルあり、恋愛ありの、気ままな異世界隠密生活が、今、始まる。
現在、1日に2回は投稿します。それ以外の投稿は適当に。
改稿を始めました。
以前より読みやすくなっているはずです。
第一部完結しました。第二部完結しました。
【最強異世界釣り師】に転身した追放冒険者の釣って釣られる幸せ冒険譚
なっくる
ファンタジー
「黄金の釣りスキルだと? 戦いの役に立たないスキル持ちなど不要だ!」
スキル評価が人生のすべてを決める冒険者。ハズレスキルである【釣りスキル】しか持たない冒険者レイルは、所属していた冒険者学校の悪徳理事長から放校を宣告される。
だが、レイルのスキルは突如大進化を遂げる……異世界に繋がるようになった釣りスキルは、なぜか美少女大魔導士を一本釣りしてしまう。
彼女と意気投合したレイル、彼女を元の世界に戻すヒントを探すため、一緒に旅に出ることに。
旅の途中、次々と新たなスキルが目覚めていき、魚だけでなくレアアイテムやチートな召喚獣まで異世界から釣れるようになったレイル、気が付いたら史上最強の釣り師に?
釣り師が無双とかこれ、釣りじゃないですから!
彼女と大金を手にいれたレイル、ついには世界の危機へ挑む、彼の手にあるのは黒光りした一本の釣り竿だったッ!
これは、戦闘の役に立たない【釣りスキル】を持った少年が、異世界の少女と共に、2つの世界をまとめて救う物語。
※他サイトでも連載予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる