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第202話 使い魔達とミチナガ商会の発展

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『ユウ#4・いやぁ…ようやく出来上がったね。運営のことは任せておくからよろしくね。』

『ヒロ・了解です。ミチナガ商会の新産業ですから気合い入れていきますよ。この成否に今後が関わってきますから。』

 英雄の国、その中央国で使い魔達は5階建ての空きビルを丸々購入した。そしてそこを改装しミチナガ商会英雄国店を開業したのだ。1フロアが広く、今までのミチナガ商会とは一線を画すものとなっている。

 ビルの一階は食料品売り場、2階は雑貨、3階は冒険者用の道具や武器、4階は女性専用売り場となっている。冒険者用の武器はまだ使い魔達では良いものを作れないのでユグドラシル国で仕入れたものを販売している。

 まあそんなものはどうでも良い。一番重要なのは4階の女性専用売り場だ。このフロアは相当力が入っている。ミチナガ商会のブランド、メリアの化粧品販売を大々的に行うのだ。さらに糸の村から仕入れた高級服を取り揃えている。

 この高級服も新ブランドとして月夜というブランドをつけた。ナイトとムーンが助けた村なので、あらかじめこういう名前で売り出すことを糸の村の人々に伝えたところ大喜びしていた。

 本来、ミチナガは高級ブランドなどに対して興味がない。しかしミチナガは今や世界貴族の伯爵だ。そんなミチナガが安物ばかりを売っているというのは、他の貴族にバカにされる。だからあえて高級ブランド路線で新製品を作り出したのだ。

 すでにオープンの数日前から使い魔のコピーの能力でチラシを作り出し、大量に配り歩いていた。おかげで開店前から人が集まっている。これはおそらくミチナガといういきなり世界貴族伯爵になった男の商会と言う実績のおかげでもあるだろう。

 早速開店すると1階や2階には多くの人が押し寄せる。3、4階に人が来たのは開店してから20分ほど経ってからだ。4階にきたのはほんの数人の女性だけだ。しかもいかにもただ見にきましたという感じの冒険者4人組までいる。

 しかしそういったことも予想済み。社員教育には余念がない。すぐに接客を始めると徐々にその冒険者4人組は食いつき始めた。

「じゃあこの辺の化粧品は香りがしないんですか?」

「はい、こちらは冒険者の方々向けの商品になっております。香りがするとモンスターに気がつかれる可能性もございますから。それに色も自然なものを選ばせてもらっています。」

 冒険者向けの化粧品ということでこの少女たちは大喜びだ。しかし一人だけどうにも食いつきの悪い子がいる。仲間から色々化粧品を勧められるが興味を持たない。

「私はそういうのはいいんだ。鎧と剣さえあれば十分。」

「でしたら新しい鎧はいかがでしょうか?良いものがございますよ。」

 すぐに店員による案内が行われるとそこには多種多様な洋服が陳列されていた。これには少し興味を持ったようだが、一着手にしたところでため息をつかれた。

「なんだこれは。布の面積ばかり多くて金属部分がまるでないじゃないか。見た目ばかり重視しすぎて役に立ちそうにない。」

「そんなことはございませんよ。少々お待ちを…ああ、店長お願いします。それではこちらの動画をご覧ください。」

 使い魔から光が発せられ、動画が流れる。それはこの日のためにナイトに用意してもらったこの布の耐久試験の映像だ。服を着たままのナイトの全力移動にモンスターの攻撃に耐える特別映像。それを見た少女は目を輝かせていた。

「こちらは特別なモンスターの糸を利用しておりまして使用者の魔力を効率よく吸着させ強化します。この映像の方は魔帝クラスですが、どんなに本気で動いてもほつれ一つございません。」

「す…素晴らしい…今までの無礼を許してくれ。なるほど、あえて金属部分を減らして動きやすさを重視したのか。それでもなお強度はそこらのものよりはるかに高い。ではどれか一着買おう。それからあとで父上にもこの布地を教えたい。男性物もあるか?できれば…オーダーメイドが良いのだが。」

「もちろんでございます当館の5階に特別室がございますのでそちらで詳しくお決めすることが可能です。」

 まさかのボンボンだった。しかもこの冒険者たち全員親がなかなかの金持ちだ。どうやら社会勉強の類で冒険者になった子たちらしい。その場でしばらく接客すると一人金貨100枚分ほど購入していった。さらにあとで親を連れてもう一度来てくれるとのことだ。

 貴族接客用に5階には特別室がいくつか設けてある。ただ5階は基本的には書類仕事と社員の休憩場所という立ち位置だ。しかしこんな調子では特別室がもう少し必要かもしれない。

 実は英雄の国の中央国に住めるというのはかなりの金持ちだけなのだ。地価が他の12英雄の治める土地よりも数倍高い。つまり高級路線のこのミチナガ商会はこの中央国では大正解。初日から金貨数十万の売り上げを叩き出すことに成功する。

 しかしなぜか使い魔たちの顔色は悪い。なにやら計算してため息をついている。

『ヒロ・この調子なら良いけど、もしも売り上げが下がると土地と建物代を取り返すのに随分時間かかりそうだね…人件費も他に比べて高いし、原価もかかっているし…』

『ユウ#4・他の国に比べて物価が高いから人件費も多く払わないといい人材入らなかったからね。それに税金が結構高いし。』

 英雄の国。それはスケールもかかるお金もビックな街のようだ。売り上げを上げるための苦悩はまだまだ続く。




『ユウ#1・ハァ~…緑が多くて良いところだよねぇ…羊毛とか綿花が特産品ってことだけど、確かになかなかものは良いし値段も安い。』

『ヨウ・その代わり食料品の物価が高いですよ。うちとしてはありがたいですけどね。ミチナガ商会の参入に関しての議論が済み次第忙しくなりそうですねぇ…』

 ここは以前勇者神の元へ謁見に来たヨーデルフイト王国のとある草原。ヨーデルフイト王国は勇者神の傘下の国であるが、勇者神の英雄の国からは大きく離れている。なんなら傘下の国の中で1、2を争う遠さだ。そのため勇者神もこの国に関する情報はあまり入っていない。

 この国は羊毛や綿花産業が特出しており、英雄の国で出回る綿花、羊毛の30%を賄っている。そこで得た金を用いて他国から食料品や国を守る衛兵などを買っている。他国に頼らねば生きていけないギリギリの国ように思えるが、周辺国はこの国の金回りの良さを知っているので、この国は多くの国と外交を結んでいる。

 現在、ミチナガ商会がこの国で商売を行うために国の上層部に掛け合っている。基本的に大きな商会の参入を拒む傾向にあるこの国だが、ミチナガ商会の映像産業にハマっているため、特例になりそうなのだ。

 しばらく待っていると数人の男たちがやって来た。今回のミチナガ商会参入に関する結果報告にやって来たのだろう。使い魔たちの前で止まると書状を広げた。

「会議の結果が出た。ミチナガ商会のこの国での参入を以下の条件のもとに許可する。一つ、ミチナガ商会は月間の純利益のうち5割を国に治めること。一つ、販売品目をまとめた書類を毎月、国に報告する。一つ、月間の販売量を国指定する数量以内に治めること。これを守ることができるのなら出店を許可する。」

『ユウ#1・これはなかなか手厳しい。』

『ヨウ・旨味が少ないね。だけど理解はできる。』

 かなり厳しい要件だ。販売量も販売品目を決められてしまうということは、売り上げはある程度決まってしまう。その上純利益の5割を国に収めるということは売り上げは微々たるものだろう。

 契約書の書類を見せてもらうと他にも細々とした制約が書かれている。正直これなら商売をしないほうが良い。しかし書類を読み込んでいくといくつかやれそうなことを思いついた。そこで書状を持って来た男たちには数日まって欲しいと伝えておいた。

 男たちが帰っていくと使い魔たちのネットワークを用いて会議を始める。するとすぐにいくつかの案が出た。そして案が出れば結論が出るのは早い。

『ユウ#1・この国はあくまでもミチナガ商会に消えてもらっては困る。なんせ映像事業があるからね。アンドリュー子爵の釣り動画を見られなくなると困るのは彼らだ。だから書類には娯楽に関する売り上げには1割の税金をかけることにするって書かれている。それに観光業なんかも税金は低い。』

『ヨウ・人が来れば自然にこの国にお金を落とすからね。それに政策で観光業には力を入れているから色々と融通がきく。他にも綿花や羊毛製品に関する税率は撤廃してある。色々と抜け穴はあるね。』

 このヨーデルフイト王国は羊毛や綿花ばかりに力を入れすぎたため、観光客というのはほとんどいない。そのため現在は人口の増員と国としての魅力を上げるための政策を実施しているのだ。周辺国にただの金づるだと思われているのが気に入らないらしい。

 それから近年は羊毛や綿花の収量が右肩上がりで少しずつだが余剰して来ているようだ。羊毛と綿花に関しては国内で生産したものを全量国が一度買い上げている。そこから買い上げたものを他国に売っているので余剰が起きると国の財源に痛手が出る。

 そのため羊毛や綿花製品を売る際には税金をかけていない。なんせ羊毛や綿花は一度国が買い上げたものを売っているので羊毛、綿花製品が売れれば売れるだけ国の益となる。

『ユウ#1・じゃあこの国でのミチナガ商会はホテル業に観光業、羊毛、綿花製品を主に扱う感じで良いね?』

『ヨウ・どれもうちでは新規産業だから不安だけどね…観光客も少ないから黒字になるまで時間かかりそうだよ?まあやりがいはありそうだけど。』

 この国の魅力は自然であるが、この世界には自然など山ほどある。何かそれ以外の目玉となるものを作らないと観光客を増やすことは難しいだろう。だがユウの眷属もヨウもその表情はすでにやる気で満々だ。




 所変わりここはブラント国から少し離れた巨大な農場。今年になって開業したここはミチナガ商会が経営するミチナガ牧場。牛をメインに育てる予定であったが、現在の主力は鶏と豚だ。乳牛を育て上げるには時間がかかったため、乳製品関連はここ最近になってようやく出荷できるレベルになって来た。

 商品としての今の人気は鶏卵が一番だ。価格が安いというのに生でも食べることができるほど安心安全ということで多くの客が買いに来ている。特に鶏卵を用いたスイーツは味が濃厚で美味しいと評判だ。

 それに遅れて続くのが豚肉。まだ出荷数が多くはないため、製品自体も少ない。ただ加工品のベーコンやウインナーは生臭くなく上品な味だとすでにファンも多い。豚肉の出荷数が少なく値段をあげているため、鶏卵に比べると大きな売り上げにはなっていない。

 そして今日、ついに乳製品の販売を開始した。牛乳の乳脂肪から生クリームを作り、そこからソフトクリームを完成させた。ちょうど今は暑い時期、冷たくて甘いソフトクリームは瞬く間に人気が出た。

 農場が近いため新鮮な牛乳から作られている。さらに雑菌などの心配もないほど清潔で材料もケチケチしていないのでしっかり甘くて濃厚で美味しい。これだけで十分売れる理由になる。その上売り出しているのがこの国を救ったミチナガ商会となれば恩義もあって皆こぞって買いにくる。

 この人気をブラント国の担当している使い魔たちは見逃すはずがない。すぐにいつものように、とある店で夕食を食べながら会議が始まる。

『ランファー・現在までの報告によりますとソフトクリームの売り上げは上々です。しかし乳量が安定しない上に一気に収量を上げるのは牛の頭数からいっても無理です。ただ来月までには6頭の牛が出産、再来月までには30頭以上の牛が出産をするのでそうすれば乳量は増えます。』

『ブラン・そっかぁ…本店だと昼過ぎには売り切れちゃうからもう少し欲しかったんだけどなぁ。スマホの中ではどうなの?エンチョウはなんて言っている?』

『ブラドウ・聞いて来たけどチーズ作りで向こうも乳量が足りてない。チーズは寝かせる時間があるから早いうちに作っておくのがベストだから牛乳は回せないってシェフさんが言っていたってさ。』

『ラント・シェフさんが相手じゃ無理だなぁ。うちも今後のこと考えたら早くチーズ作り始めた方が良いし…今後のこと考えて牛舎増設する?』

 その後も話し合いを続けた結果、新たに牛舎を増設する計画が決まった。なお、どうせなので今の牛とは一線を画するものにしようと乳牛の品種改良を行い、さらなる上質な牛乳を入手しようという計画まで立案された。

 ミチナガ商会による大規模な工事がひと段落して景気が停滞して来たところで新たなる工事だ。これには再び国が盛り上がり、ブラント国王も大喜びしている。ブラント国でのミチナガ商会はさらに勢力を増していくことになるだろう。

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