父の仇に許された

はに丸

文字の大きさ
上 下
58 / 70
第三部

愛の調べ

しおりを挟む
 しんの信頼が失墜した翌年である。前述の通り、せいに降った。この国は文公時代以来、約二十年にわたり晋の傘下であった。と接していないということもあったであろうが、それにしても律儀な国を裏切ったという印象はぬぐえない。だからといって手綱をゆるめるわけにはいかぬ。郤缺げきけつは、賄賂に関してふれず、繋がった各国貴族たちへ渡りをつけた。
「……そうがきなくさく、ていが少々、鈍い、か」
 返ってきた宋の反応は極めて荒いと言えた。が、これは晋への不信ではなく、内国事情を知られたくないという気配が強い。何度も華元かげんが晋に対して牽制のように好意を向けていることと無関係ではないであろう。宋公の行い悪く、臣どもは異母弟の公子ほうの擁立を考えている。晋の介入を怖れていると見てよい。しかし、鄭の鈍さは種類が違う。郤缺は記憶をたぐりながら呟いた。
「鄭の太子は、楚におられたことがあったか」
 鄭公は何にでも従順な性質であるが、太子はそうではないらしい。この青年は、楚に一時期預けられており、親楚派と言ってよい。また、鄭は晋楚双方に色目を使わざるを得ない地勢でもある。晋が魯を結果的に見捨てたこともあって、冷えがあるのかもしれなかった。
 その朝はやけに蒸し暑かった。夏であり、宮庭で蝉が盛大に鳴いている。郤缺は東国の動向を議にあげた。外交担当から退くと宣言したとはいえ、最も情報を持っているのは郤缺である。宋はともかく、鄭に関して、趙盾ちょうとんがわずかに眉をひそめた。こめかみに汗がうっすら浮いている。
「鄭は面従腹背の国です。楚の勢いが無くなれば我が国に寄り、楚が勃興すれば楚に寄る。今の楚は落ち着きなく楚子そしも威勢がございませんが、ぼく王の例もあります。鄭には強めに接するほうが良いかもしれません」
 強め、となると首を締め上げるような恫喝になるのが趙盾である。舐められては困るが、怯えて逃げられては元も子もない。郤缺は、発言すべく口を開こうとした。
とん
 ほんの少し、張り詰めたような少年の声が政堂に響き渡った。――夷皋いこうであった。郤缺は思わず顔を向けた。荀林父じゅんりんぽ先縠せんこくも、欒盾らんとんもぽかんとした顔を夷皋に向けている。士会しかいは少々、探るような視線を向けた。趙盾だけが常の薄い表情のまま、夷皋に拝礼した。
「鄭という国は、それほどに信用ならぬか」
 今さらの問いであったが、趙盾は時にはそうである旨を手短に返した。夷皋は頷き、
正卿せいけいのとおりにせよ。許す」
 と言った。夷皋が朝政ちょうせいにて自ら発言したのは、もちろん初めてである。夷皋が政治に関心を持ったということか。それは先年までの無関心から目覚めたということであろうか。郤缺は不敬ながら、夷皋の軽重を量ろうとした。しかし、その幼さが残る顔に闊達さは見えぬ。底光りさえ感じる目を趙盾に向けていた。
「ところで、我が宮城の備えが足りぬ」
 夷皋がさらに言葉を紡ぐ。趙盾がうっそりとした視線を向ける。何を考えているのかわからぬ、あいかわずの薄い表情でもある。
「恐れ入り奉ります。宮城は砦として固く造っております。たとえ誰が攻めてこようと、こうが落ちることなく、そしてこの宮城も破られることは無し。私は武に疎くひとつひとつを我が君に申し上げることかないませぬが、上軍の将である郤主げきしゅ、下軍の佐である士季しきは武に長けたものども。それぞれに言上をお許しいただきたく存じます」
「いらぬ。どのような砦も落ちると、そこのけつが示したではないか。さいを瞬く間に落とし、城下にてちかわせた。缺のようなものが他国におるとも限らぬ。そこのかいも、しんにて我が軍を大敗させたと盾が言ったのであろう。ゆえ、我はこの宮城の備えを強くしたい。我が領の税をもっと取り立てると決めた。公の我が決めたのだ、盾は頷け」
 郤缺は眉をしかめた。己の軍功を理由にされるとは思わなかったのである。都は落としたが宮城までは手を出していない、とは言えぬ。もし、蔡公が応じなければ容赦無く破っていたであろう。士会としても不審さを内心感じていた。へりくつを述べているとしか思えぬ。趙盾は薄い顔のまま、夷皋をじっと見た。夷皋は少々怖じたようであったが、決めたことだ、をくり返す。しかし、趙盾は拝礼しなかった。つまりは承伏していないということである。
 場は膠着した。公室の税を重くするというのは、民に大きな負担をかけることとなる。正卿就任以降、税をやりくりしていた趙盾としては均衡を崩すような真似はできぬ。宮城を攻められるなど、内乱が起きぬかぎりありえぬ話であった。そして今、晋に内乱のきざしなど全く無いのだ。
「……我がめいであろう。盾もけいらも不敬だ。我は決めた! そうだ、外の砦を強くするは乱のきざしと、そこの会の祖父が言うたらしいが、宮城を強くするは悪いと聞いたことが無い! 頷け、無礼だ」
 とうとう、夷皋が癇癪を起こしたように叫んだ。しかし、納得せぬ趙盾は命に服さぬ。この、君公に全てを捧げると誓った男は、完全に命令に背いていた。そのくせ、夷皋を拒絶しない。つまり、
「なりませぬ」
 という言葉を言わぬ。確かに、それさえ言えば夷皋は引き下がるやもしれぬ。が、問題は頷かぬ時である。そうなれば、この議題は打ち切りとなり、誰も止める事ができなくなる。趙盾は夷皋が自ら過ちを認めるまで口を閉ざすつもりなのだ。また、夷皋は徳深い君主のはずである、このようなことを本気で言うはずがない、という愚かさも持っていた。
「……正卿。言葉をよろしいでしょうか」
 荀林父が苦しそうに問うた。趙盾は荀林父に感情の見えぬ顔を向け、促した。
「正卿におかれましては、我が君のお言葉に戸惑っておられる様子。我が君も正卿の言葉が無くお困りです。ただ、議に関しましては戦にも関わる重要なこと。宮城のさらなる備えがどの程度必要であるか、お調べになり改めて議とするのはいかがでしょう」
 はっきり言えば先送りである。が、この場においては有効な発言であった。
「我が君。荀伯じゅんはくの申すようにされるがよろしいと存じます。この宮は我が晋最後の砦、我が君がご心配されるはごもっともでございますが、どのように備えを強くするかは事細かく考えねばなりません。また、民にさらなる税を納めさせるは慎重に吟味せねばならぬこと。今すぐにお決めになるのは難しいものです。我ら六卿りくけいが責を以て調べますゆえ、ご猶予お願い申し上げます」
 趙盾がようやく拝礼した。夷皋は、許すと言わなかった。そっぽを向き、
「我は疲れた」
 と言って立ち上がると、政堂を駈けるように出て行ってしまった。
 しらけた空気が流れた。欒盾が不安げな顔をして
君公くんこうはご納得されていないご様子。大丈夫でしょうか」
 と、見回しながら言った。趙盾は表情を全く動かさないまま何も言わぬ。郤缺は少し目をつむった。じょう公は政治的無能者で、ある意味言われるがままであった。夷皋が同じように政治的無能者であれば、残念である、とは思っていた。が、このような意味で政治を弄ぶ方向へと傾くのであればいっそ無関心でいてくれたほうが良い。
 士会が苦々しい顔を隠さず発言を請い、
「末席であるが、ここは強く申し上げる。あれは大丈夫ではなかろう。意味のない議を出され、それに固執なされる。趙孟ちょうもうは何故、我らに振らぬ。あんたと君公二人の場では無い。……我が祖父の言葉をへりくつにお使いになられたとき、わたしに振るべきであった」
 ときつい口調で言った。趙盾が若干睨むような目を向ける。この正卿は他者を道具にするが、頼ることはせぬ。苦手というより脳裏に無い。現に、頼ったのは郤缺に対しての一度だけである。だが、ここは士会が正しかった。趙盾だけが対峙すれば夷皋も退くに退けぬ。そして前述の通り、趙盾が否定し、夷皋が反発すれば議論は終わる。趙盾もそれを避けて黙っていたわけだが、他の卿がいさめれば妥協の余地が生まれたであろう。
「……私の不徳のいたすところ、君公を迷わせてしまったよし、そして卿の方々を困惑させた。改めての議で、皆で諫めるようお声をかけさせていただく。ただ、この議に関して我が君に許しを得ておらぬ。私の方で伺い議を終わらせます。それではまた明日」
 静かに言い切ると、趙盾が拝礼をした。あからさまな拒絶に、士会だけでなく郤缺も顔をしかめ、荀林父が途方に暮れた顔をした。若すぎる先縠は困惑を隠せない。まさか政治以下のものを見せつけられるとは思わなかったのだ。欒盾は少し冷えた顔をしていた。子供の反抗期は叱るか殴るしかないと思っており、趙盾の言葉に少々呆れたのである。
 改めての議は行われなかった。
 夷皋が問答無用に税を取り立て、工事させてしまったのだ。否、元々密かに行っており、税は使った財の穴埋めをしたのである。この子供は宮殿の壁に彫刻をほどこした。ただ、繊細で怖がりの彼らしく、己の私室周辺のみである。おおっぴらにすれば止められることも分かっていた。小知恵が利くというには、あまりに幼いいたずらに近い。夷皋が毎日朝政に出ていなければ、趙盾はこの君主の私室に通い続けていた。そうなれば、このような遊びなどできやしなかったであろう。
 むろん、趙盾は強く諫めた。
「僭越ながら申し上げます。我が君は民に苦役を与え、宮殿に飾られました。これは亡びに繋がる行いです。夏書にもございます。――内に色荒しきこうし、外に禽荒きんこうを作し、酒にふけり、音をたしなみ、をたかくし、しょうにえがく。ここいつも有りて、未だ亡びざるはらず――。女色、狩猟、酒、音楽のそれぞれに溺れること。そして宮殿を壮大にし、壁にまで絵を描かせる。その一つでも当てはまるものが国を亡ぼさなかったことなどございませぬ。禹王うおうの末裔である太康たいこうはこのことごとくを行い、国を亡ぼし民を悲しませました。しかし、我が君は周王さまから分かれ文公のすえ、徳深い賢君となられるお方です。このような乱行をお考えになられるわけがございませぬ。貴き我が君をかどかわした職人、無駄に税を取り立てたもの、差配した卑劣な寺人じじんは全てりくし晒しておきましたので、ご検分願います」
 私室に押しかけた趙盾を、意気揚々と嘲笑うつもりであった夷皋は一気に極寒へ落とされた。恐怖で引きつり、ひぃっと叫ぶ。ぬかずく正卿は常のように淡々と言上したが、諫言がもはや脅迫である。体をこわばらせ後ずさりをした。そこで逃げ出すことができれば、まだ良かった。が、夷皋はつくづく天に見放されているらしい。夷皋以上に恐怖に引きつった穆嬴ぼくえいが室に駆け込んできたのである。
「ああ、夷皋。君公の身でたばかられるなど屈辱だったでしょう。ねえ、正卿の言うことをお聞きなさい。いえ、聞かないといけないの。正卿、教えてちょうだい。夷皋は君公としてどうすれば良いの?」
 最悪の瞬間が訪れたと言ってよい。穆嬴は四十路を過ぎたというのに少女めいた印象は変わらず、愚かな女であることも変わっていない。このあさはかな母親は夷皋を抱きしめ頭を撫でながら、趙盾の言うことを聞きなさい、と何度も囁いた。数え十八になる少年は、みるみる九才の幼児と戻っていく。
「ご内室の方々もご心配のこと、我が不徳の致すところであり、伏してお許し願います。我が君は晋公として法や律、刑に関して重々承知でありましょう。徳は刑罰を正しく行うことが肝要です。私と共にご検分いただきたく存じます」
 夷皋は茫然としながら趙盾の手を取った。そうして、己がかわいがっていた職人や巻き込まれただけの者どもの惨殺死体を見ることとなった。連れて行かれた市で趙盾がそっと近づき、優しい声で囁いた。そこには敬愛の響きがあった。
「本来、我が君は美しいものだけを見て、徳深い賢君になられるのです。ゆえ、このような卑しい罪人などご覧にいれたくはございませんでしたが、これも君主のお役目でございます。善き民には徳をお与えください。悪心を持つものどもは誅伐を。この盾がどこまでもお支えし、お力になります」
 本気で、いっそ誠意を以て忠義奉るこの男は、夷皋が絶望していることなど、全く気づかなかった。
 この、極端な顛末に郤缺は唸った。士会も苦い顔を全く隠さず、郤缺の邸に訪れた。未だ夏であったが、寒々しささえあった。
「……わたしは我が君が即位してすぐ秦へ行った。ゆえ、さすがに材料が足りん。趙孟は君公をなんだと思っているんだ? 忠義はわかる、正道の諫言も認めよう。あの男が不器用で鈍感で傲慢であり、独善のきらいがあるのはわかっているが、あれはなんだ」
 最後に気色が悪い、と吐き捨て、士会は郤缺を睨みつけた。士会は、夷皋擁立に郤缺が絡んでいることをとっくに嗅ぎつけている。いっそ、誰よりも深い繋がりであるとも睨んでいる。趙盾は皆の前では諫めず、己一人で諫める。そしてその内容は苛烈を通り越して暴虐であった。それをお前は把握していたのか、と士会は郤缺を突き刺すように見ている。
「趙孟は……君公に強すぎる拘りがある。つい先年まで朝政に出さずにいたのも深い理由があったわけではなかったと、今思い知った。あの男は人を好きになりすぎる、と評した方がおられた。あの時はそのようなものか、と流していた。――趙孟は、君公を好きになりすぎている」
 郤缺は目を落として絞り出した。己は趙盾の炎熱を知っており、独特のゆがみもわかっていた。正道を好み、真っ直ぐであり、理を愛し、後ろをふり返らぬ。最良のためなら手段を選ばぬ、極めて持ち主である。夷皋の鈍さを生来のものだと郤缺は考えていた。父親の襄公が政治的無能者であったため、偏見を持っていたことは否めない。しかし、よもや正卿の忠義が君主を圧迫しているとは思いようがない。郤缺の様子に士会が軽くため息をつき、口を開いた。
「趙孟は強権主義である、が正卿としてよくやっている。そこは否定せん。しかし、これ以上君公を愛玩物にさせるわけにはいかぬ。外のことは荀伯にお任せして郤主はそれを支えてほしい。趙孟はわたしが見る。とにかく君公から引き離さねばならぬ。正卿をやめさせるわけにはいかん、というより、あの男は他の卿全てを敵にまわそうが正卿をやめんだろう。下手に有能なだけに、ややこしい」
 外交のことは議にあげるが、趙孟のめんどうなど、どう道理を通すのか。郤缺はさすがに困惑して言った。士会は、適当にやる、と返した。適当と言うが、この男がやれると言うのであるから、手綱を付けることはできるのであろう。
 数日後、東国問題は荀林父が引き受け、郤缺はその補佐となった。さて、士会である。
「荀伯は次卿として正卿を支えておられた。こたび、外のことをされるため手が届かぬことであろう。非礼を承知で申し上げるが上席の先季せんきはいまだ若年、そのお役目は難しい。また、欒伯らんぱくは大夫に領地の手ほどきをされており、これも重要なお役目。この会はみなさまに求められたら動くのみの末端なれど、ゆえに便利にお使いできるであろう。荀伯の代わりに趙孟の支えとなりいっそう働きたい所存だが、如何いかん
 いささか挑戦めいた目を趙盾に向けている。基本的に後ろへ下がる士会には珍しい態度である。趙盾は少しめんどくさそうな顔をした。これも、薄い表情の彼には珍しい態度であった。郤缺は、士会の勝ち、と笑みながら趙盾を見る。
「士季のおっしゃることもっとも。荀伯は私の支えをしながらてきのことも注視されておられた。そこに東の方々のお役目も、となると手も届かぬでしょう。士季には私の補佐をお願いする。あなたは法制の一族です。色々教えも請いたい」
 趙盾が、薄い表情に戻り、淡々と返した。荀林父のような従順な使いっ走りから、極めて有用だがめんどくさい男に入れ替わったのである。趙盾としてはうっとうしさを感じたが、士会の言うことは全く正しい。受けざるを得なかった。
 この年、晋はこのしょうもない事件に追われ、終わってしまった。楚が秋に大飢饉に襲われたため、余裕があったというのもある。しかも楚は、この窮地に乗じて兵を挙げた、南方のじゅうや小勢力どもの対応に追われる始末である。晋が少年のいたずら程度に右往左往しても仕方があるまい。ただ、この時に苦境に陥った楚王・りょが困難を好機とし、小勢力どもを黙らせ、ようという西方の独立国を併呑した。このりょこそが楚史上、最高かつ最強の名君である。
 晋の夷皋を名君と言うものは誰もいない。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

西涼女侠伝

水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超  舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。  役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。  家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。  ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。  荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。  主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。  三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)  涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。

土方歳三ら、西南戦争に参戦す

山家
歴史・時代
 榎本艦隊北上せず。  それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。  生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。  また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。  そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。  土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。  そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。 (「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です) 

夜に咲く花

増黒 豊
歴史・時代
2017年に書いたものの改稿版を掲載します。 幕末を駆け抜けた新撰組。 その十一番目の隊長、綾瀬久二郎の凄絶な人生を描く。 よく知られる新撰組の物語の中に、架空の設定を織り込み、彼らの生きた跡をより強く浮かび上がらせたい。

楽毅 大鵬伝

松井暁彦
歴史・時代
舞台は中国戦国時代の最中。 誰よりも高い志を抱き、民衆を愛し、泰平の世の為、戦い続けた男がいる。 名は楽毅《がくき》。 祖国である、中山国を少年時代に、趙によって奪われ、 在野の士となった彼は、燕の昭王《しょうおう》と出逢い、武才を開花させる。 山東の強国、斉を圧倒的な軍略で滅亡寸前まで追い込み、 六か国合従軍の総帥として、斉を攻める楽毅。 そして、母国を守ろうと奔走する、田単《でんたん》の二人の視点から描いた英雄譚。 複雑な群像劇、中国戦国史が好きな方はぜひ! イラスト提供 祥子様

いや、婿を選べって言われても。むしろ俺が立候補したいんだが。

SHO
歴史・時代
時は戦国末期。小田原北条氏が豊臣秀吉に敗れ、新たに徳川家康が関八州へ国替えとなった頃のお話。 伊豆国の離れ小島に、弥五郎という一人の身寄りのない少年がおりました。その少年は名刀ばかりを打つ事で有名な刀匠に拾われ、弟子として厳しく、それは厳しく、途轍もなく厳しく育てられました。 そんな少年も齢十五になりまして、師匠より独立するよう言い渡され、島を追い出されてしまいます。 さて、この先の少年の運命やいかに? 剣術、そして恋が融合した痛快エンタメ時代劇、今開幕にございます! *この作品に出てくる人物は、一部実在した人物やエピソードをモチーフにしていますが、モチーフにしているだけで史実とは異なります。空想時代活劇ですから! *この作品はノベルアップ+様に掲載中の、「いや、婿を選定しろって言われても。だが断る!」を改題、改稿を経たものです。

織田信長IF… 天下統一再び!!

華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。 この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。 主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。 ※この物語はフィクションです。

青春怪異譚〜傲岸不遜な公族大夫の日常

はに丸
歴史・時代
 中国古代×オカルトコメディ怪異譚。そして青春のモラトリアム。  紀元前6世紀、春秋時代。中国は山西省に晋という大国があった。いずれ大臣として国を担う若い貴族たちは研鑽どころか、怪異に巻き込まれたり踏み入れたりとドタバタしていた。  大貴族の後継ぎ、有能だが傲岸不遜な青年『士匄(しかい)』は、難癖をつけてきた狂人を返り討ちにする。 しかし、それは怪異の始まり。 雑多な霊に憑かれはじめ、果てには親子ともども処刑の危機へ。 後輩で相棒の『趙武(ちょうぶ)』と共に怪異に立ち向かう。【一章】  史記や春秋左氏伝に多く描写される軍事大国・晋にて、宰相たちの若い頃。  文武両道でイケメンだけど傲岸不遜かつ自信家すぎてざんねんな主人公・士匄(しかい)と、美少女風美青年で生真面目ド根性な後輩・趙武(ちょうぶ)がバディとなり、呪い、祟り、怪異の謎を解いたり対峙する、中編連作。  春秋時代といえば、夢で祟られたり、兎が二足歩行で踊っていたり、五日前に死んだ人が生き返ったり、青い虹が出たり。そんな不思議な部分を拡大解釈した怪異譚。

猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~

橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。 記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。 これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語 ※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります

処理中です...