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第一章
第15話 追跡
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第二軍団歩兵師団所属ホーランドと同軍団所属遊撃師団ロジャー両名は、軍団長の鮮やかな手並みに舌を巻いていた。
食人鬼将は手強い相手だ。力だけでなく知恵も回る。
もしも、二人だけで遭遇したならば勝機はほぼ皆無であったろう。
なのに自分達の指揮官たるアインツは単騎で、それも一瞬で討ち果たしたのだ。
侯爵家の子息でありながら一兵卒として軍籍を歩み始め、軍団長まで登りつめた叩き上げの男の名が伊達ではなかったことを、まざまざと思い知らされた。
負傷した右肩を左手で押さえ、痛みのあまり身を屈めていたロジャーは、自らに歩み寄るアインツに対し畏敬の念を抱く。
「アインツ将軍、お見事っした。まさか単独で撃破するとは。御見それしやしたぜ」
「世辞はいいさ。それより、ロジャー、怪我の具合はどうだ?顔色が悪いぞ」
アインツは彼の傷が痛まぬよう、無事な左肩に横から手を当て支える。
「大丈夫ですよ将軍。こう見えてもコイツ逃げ足だけは速いですからね。いざとなれば俺らを置き去りに逃げるくらい朝飯前です」
三叉槍を肩に真横へ乗せ両手で握ったホーランドが、ロジャーを指差し茶化すと、
「おいおい、酷い言い草だな。幾ら俺でも将軍見捨てるほど落ちぶれちゃいねえぞ」とホーランドは口を尖らせ反論する。
「ははは。相変わらず仲のいいことだな」
「「 仲良くありません! 」」
「二人は確か同郷だったな」
「ええ、トイミ村というチンケな田舎が俺らの故郷でしてね。餓鬼の頃からの腐れ縁です」
「道理で仲が良いわけだ」
「「 だから仲良くありませんて! 」」再び息ピッタリに両者の言葉が重なる。
開いているのか閉じているのか解らない一文字の目と、小太りの巨漢を持つほうがホーランド。
ロジャーは痩せた小男で、吊りあがった目尻が印象的な男だ。
見た目上は正反対といってよい。
年齢は二人とも同じくらいだろうか。三十なかばといったところだ。
ホーランドは槍の腕を見込まれ護衛として、ロジャーはある分野の専門家のためアインツと同行を許された。
「ははは。それは悪かったな」とアインツは笑い、その後真剣な面持ちになる。
「負傷したお前にこのようなことを頼むのは憚るが……ロジャー、お前の力を貸してくれ」
「勿論でさあ将軍。あっしは戦うほうじゃお役に立てませんが、そっちは任せてくだせえ」
「ああ、頼りにしている」アインツは彼の左肩をポンと軽く叩く。
「では、ブツを出してくだせえ」
「わかった」そう答えたアインツは、服の懐から折りたたまれた布切れを取り出すと丁寧に手で広げた。
布の中心には細い糸のようなものが置かれていた。
いや、糸ではない。それは人間の頭髪。黒い髪の毛だ。
「あの娘の髪の毛だ」
「わかりやした。では早速いきやす」アインツが差し出した両手の布にロジャーは顔を近づける。
『猟兵スキル"犬の鼻"発動』
ロジャーがスキルを発動すると……彼の鼻は犬のそれへと形を変えた。
元が強面な顔だけに、その異貌は何処か滑稽である。
「ぶっ……。ぶははっはははっ」彼の姿にホーランドは体を揺らし爆笑する。
「笑ってんじゃねーよ!」
「……ッ」
「将軍まで笑わねーでくだせえ!ててて」激高した拍子に重傷である肩を動かし、ロジャーは苦痛に顔を歪める。
──この世界におけるスキルと呼ばれる技能は必ず一つ以上欠点を持っている。
例えば今ロジャーが使用した"犬の鼻"であれば、犬の鼻に形を変えた上で、対称以外の臭いを嗅ぎ分けることが不可能になる。
つまり木や花、食物の臭いすら一切感知出来なくなってしまう。
先の食人鬼将が使用した"鋼鉄の皮膚"にしても、両足が地についた状態を維持している間のみ有効で、足を僅かでもあげると解除されてしまう。
このように、必ずスキルは欠点を有する。
勿論、アインツが使った"一騎当千"や"百烈斬"とて例外ではない。
弱点を有するスキルだけに、実力が拮抗した者同士の戦闘ともなれば、如何にスキルを使わず、相手を疲弊させるかが勝敗の鍵を握っている。
スキルのみに頼って勝てる程、実戦は甘くない。
地力があってこそ、スキルが活きるのである。
「すまんすまん」
「ホーランド!手前、笑いながら謝ってんじゃねえ!」
「チッ。まぁいいさ」拗ねたロジャーが、布の上に置かれた黒い髪の毛に鼻を近づけ、ひくひくさせた。
「その、なんだ……なんか変態っぽいな」
「うるせーよ!しばくぞ手前!」
ゴホンとアインツが咳払いをした。その様子に二人は慌てる。
「す、すいやせん将軍」
「調子にのってました。将軍、申し訳ない」
先程のアインツの怒りに肝を冷やした二人であったので、慌てて二人は詫びた。
怒りの矛先が自分達に向けられでもすれば、堪ったものではないのだから。
「いや、いいんだ。それで、ロジャーどっちの方角だ?」
「北東です。臭いが離れていく気配がないところを察するに、停止してんじゃないですかね?」
「何?なら、襲われてる可能性があるんじゃないか?」ホーランドは疑問を口にする。
彼の疑問の言葉を受け、アインツは険しい表情になる。
もしカリン・フジサキが魔物や亜種族に襲われているのだとしたら生き残る術はない。
神官は回復や加護に特化したタイプと、戦闘と加護に特化したタイプの二種類ある。
前者は、そのまま神官と呼ばれ、後者は護法神官と呼ばれる。
カリン・フジサキが使用した強力な癒しの力から察するに、彼女は間違いなく前者だ。
ならば戦闘に関しては素人同然。シルシャール森林奥地の強力な魔物から生存するのは至難の業だ。
カリンの身が危険に晒されていると思うと、居ても立ってもいられないアインツは、すぐさま行動に移る。
「急ごう。ホーランドはロジャーに肩を貸してやってく……」と言いかけたが辞めた。
二人の身長差を鑑みて、不可能だと感じたからだ。
「ロジャー、私が肩を貸そう。道案内頼む。ホーランドは周囲を警戒しながら着いてこい」
「わかりました!」
「了解ですぁ!んじゃ、いきやしょう」
シダ植物や蔓を掻き分け、獣道を選別しながら三人は森林の更に奥へ奥へと向かった。
食人鬼将は手強い相手だ。力だけでなく知恵も回る。
もしも、二人だけで遭遇したならば勝機はほぼ皆無であったろう。
なのに自分達の指揮官たるアインツは単騎で、それも一瞬で討ち果たしたのだ。
侯爵家の子息でありながら一兵卒として軍籍を歩み始め、軍団長まで登りつめた叩き上げの男の名が伊達ではなかったことを、まざまざと思い知らされた。
負傷した右肩を左手で押さえ、痛みのあまり身を屈めていたロジャーは、自らに歩み寄るアインツに対し畏敬の念を抱く。
「アインツ将軍、お見事っした。まさか単独で撃破するとは。御見それしやしたぜ」
「世辞はいいさ。それより、ロジャー、怪我の具合はどうだ?顔色が悪いぞ」
アインツは彼の傷が痛まぬよう、無事な左肩に横から手を当て支える。
「大丈夫ですよ将軍。こう見えてもコイツ逃げ足だけは速いですからね。いざとなれば俺らを置き去りに逃げるくらい朝飯前です」
三叉槍を肩に真横へ乗せ両手で握ったホーランドが、ロジャーを指差し茶化すと、
「おいおい、酷い言い草だな。幾ら俺でも将軍見捨てるほど落ちぶれちゃいねえぞ」とホーランドは口を尖らせ反論する。
「ははは。相変わらず仲のいいことだな」
「「 仲良くありません! 」」
「二人は確か同郷だったな」
「ええ、トイミ村というチンケな田舎が俺らの故郷でしてね。餓鬼の頃からの腐れ縁です」
「道理で仲が良いわけだ」
「「 だから仲良くありませんて! 」」再び息ピッタリに両者の言葉が重なる。
開いているのか閉じているのか解らない一文字の目と、小太りの巨漢を持つほうがホーランド。
ロジャーは痩せた小男で、吊りあがった目尻が印象的な男だ。
見た目上は正反対といってよい。
年齢は二人とも同じくらいだろうか。三十なかばといったところだ。
ホーランドは槍の腕を見込まれ護衛として、ロジャーはある分野の専門家のためアインツと同行を許された。
「ははは。それは悪かったな」とアインツは笑い、その後真剣な面持ちになる。
「負傷したお前にこのようなことを頼むのは憚るが……ロジャー、お前の力を貸してくれ」
「勿論でさあ将軍。あっしは戦うほうじゃお役に立てませんが、そっちは任せてくだせえ」
「ああ、頼りにしている」アインツは彼の左肩をポンと軽く叩く。
「では、ブツを出してくだせえ」
「わかった」そう答えたアインツは、服の懐から折りたたまれた布切れを取り出すと丁寧に手で広げた。
布の中心には細い糸のようなものが置かれていた。
いや、糸ではない。それは人間の頭髪。黒い髪の毛だ。
「あの娘の髪の毛だ」
「わかりやした。では早速いきやす」アインツが差し出した両手の布にロジャーは顔を近づける。
『猟兵スキル"犬の鼻"発動』
ロジャーがスキルを発動すると……彼の鼻は犬のそれへと形を変えた。
元が強面な顔だけに、その異貌は何処か滑稽である。
「ぶっ……。ぶははっはははっ」彼の姿にホーランドは体を揺らし爆笑する。
「笑ってんじゃねーよ!」
「……ッ」
「将軍まで笑わねーでくだせえ!ててて」激高した拍子に重傷である肩を動かし、ロジャーは苦痛に顔を歪める。
──この世界におけるスキルと呼ばれる技能は必ず一つ以上欠点を持っている。
例えば今ロジャーが使用した"犬の鼻"であれば、犬の鼻に形を変えた上で、対称以外の臭いを嗅ぎ分けることが不可能になる。
つまり木や花、食物の臭いすら一切感知出来なくなってしまう。
先の食人鬼将が使用した"鋼鉄の皮膚"にしても、両足が地についた状態を維持している間のみ有効で、足を僅かでもあげると解除されてしまう。
このように、必ずスキルは欠点を有する。
勿論、アインツが使った"一騎当千"や"百烈斬"とて例外ではない。
弱点を有するスキルだけに、実力が拮抗した者同士の戦闘ともなれば、如何にスキルを使わず、相手を疲弊させるかが勝敗の鍵を握っている。
スキルのみに頼って勝てる程、実戦は甘くない。
地力があってこそ、スキルが活きるのである。
「すまんすまん」
「ホーランド!手前、笑いながら謝ってんじゃねえ!」
「チッ。まぁいいさ」拗ねたロジャーが、布の上に置かれた黒い髪の毛に鼻を近づけ、ひくひくさせた。
「その、なんだ……なんか変態っぽいな」
「うるせーよ!しばくぞ手前!」
ゴホンとアインツが咳払いをした。その様子に二人は慌てる。
「す、すいやせん将軍」
「調子にのってました。将軍、申し訳ない」
先程のアインツの怒りに肝を冷やした二人であったので、慌てて二人は詫びた。
怒りの矛先が自分達に向けられでもすれば、堪ったものではないのだから。
「いや、いいんだ。それで、ロジャーどっちの方角だ?」
「北東です。臭いが離れていく気配がないところを察するに、停止してんじゃないですかね?」
「何?なら、襲われてる可能性があるんじゃないか?」ホーランドは疑問を口にする。
彼の疑問の言葉を受け、アインツは険しい表情になる。
もしカリン・フジサキが魔物や亜種族に襲われているのだとしたら生き残る術はない。
神官は回復や加護に特化したタイプと、戦闘と加護に特化したタイプの二種類ある。
前者は、そのまま神官と呼ばれ、後者は護法神官と呼ばれる。
カリン・フジサキが使用した強力な癒しの力から察するに、彼女は間違いなく前者だ。
ならば戦闘に関しては素人同然。シルシャール森林奥地の強力な魔物から生存するのは至難の業だ。
カリンの身が危険に晒されていると思うと、居ても立ってもいられないアインツは、すぐさま行動に移る。
「急ごう。ホーランドはロジャーに肩を貸してやってく……」と言いかけたが辞めた。
二人の身長差を鑑みて、不可能だと感じたからだ。
「ロジャー、私が肩を貸そう。道案内頼む。ホーランドは周囲を警戒しながら着いてこい」
「わかりました!」
「了解ですぁ!んじゃ、いきやしょう」
シダ植物や蔓を掻き分け、獣道を選別しながら三人は森林の更に奥へ奥へと向かった。
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