27 / 30
第一章
第27話 エリオット
しおりを挟む
吹き抜ける風が身に纏う淡い水色のドレスと、長く伸びた黒髪を揺らす。
顔にかからぬよう風でなびく横髪を片手で抑えながら夜空を見上げた。
満天の星空がいっぱいに広がり、優しく庭を照らしている。
「夜風が気持ちいい」
「気持ちいいであります~」
アインツ達と先程夕食を済ませた私は、目下アインツ邸の庭をエリオット君と共に散歩しているところだ。
今日は殆どが馬車での移動だったため身体が鈍っている。
そのため無性に歩きたくなったのだ。
私は平素から太らぬようウォーキングを行っている。
振り付けやダンスのレッスンがある日は、一日のカロリーを消化するに十分な運動量に達するので流石に休む。
けれど、それ以外の日は基本歩くよう心掛けている。
それなりに顔が知られるようになってからは、帽子を深く被りサングラスをかけてウォーキングに勤しむようになった。
なんか芸能人っぽいよね。……って、本当に芸能人なんだった!
自分がそういう業界にいるってことを忘れることが多々ある。
私がアイドルだなんて未だに実感が沸かない。
夢を見ているんじゃないかって思う。
もし夢なら醒めなきゃいいのにとも。
やっとの思いで掴んだアイドルという居場所。
自らの怠慢で手放したくなどない。
ならば最低限、自らの体型維持を課す程度の努力はせねば。
借り物のドレスでなければ走るんだけどなぁ。
さすがに人様から拝借したドレスを汗で濡らすのは気がひける。
って、エリオット君が一緒だからどのみち無理か。
「カリン様は歩くのが好きなのでありますか?」
不意にエリオット君が私を見上げ質問を投げ掛けてきた。
「結構好きかな? 目的もなくぶらぶら歩くのは特に好きかも。エリオット君は歩くの好き?」
「大好きなのであります。いっぱい歩いて強くなりたいのであります~」
「強く? どうしてエリオット君は強くなりたいの?」
「それは……言えないのであります」
俯きがちに、エリオット君は言い淀む。
話せない事情でもあるのかな?
子供の頃の時分に男の子が強くなりたいと願うのは別段おかしな事だと思わない。
笑われると思ったのかな……。幾ら私でも、人様の夢を笑ったりしないのに。
けど、立ち入った話をするのも彼を困らせるだけだと思い。
「エリオット君にとって、とても大事なことなのね。うん、わかった。深く追求しないから安心して? ただ、もし私に話してもいいと思える時が来たら、こっそりでいいから教えてくれる?」
「わかったであります! 約束するであります!」
顔をパァーと輝かせ、エリオット君は頷く。
「ここに居たのかカリン殿、エリオット」
「アインツさん」
鎧を脱ぎ、袖の長いシャツと黒のズボンというシンプルな姿に着替えたアインツさんが声を掛けてきた。
シャツには襞のついた胸飾り──ジャボというらしい──がついている。
その横には、未だ軍服姿に赤い眼鏡着用のノイエさん。
二人の後ろには眼帯をつけた燕尾服のおじさま。家令のランドールさんがこちらに歩いてくる。
実はランドールさんだけは、私達が庭で散歩したいと申し出た時からずっと側に居たのだ。
私達が歩くのを不動の姿勢で見守ってくれていた。
恐らくランドールさんは警備関係者ではないかと推測する。
付かず離れずの位置を堅持していたのは、それ故だろう。
「エリオット。マデラが探していたよ。美味しいレープクーヘンを腕に寄りをかけて焼いたから食べないかとね」
「レープクーヘンでありますか!? 食べたいであります!」
「はは。マデラの作ったレープクーヘンは絶品だからね。食べに行くといいよ。マデラもきっと喜ぶ」
「あ、でも……カリン様と一緒に歩いているから……」
エリオット君は申し訳なさげな表情を浮かべる。
「私のことは気にせず行っておいで。また今度お話しようね」
同じ目線の高さで話をすると子供は安らぎを感じると何かの本で読んだことがある。
なので私はエリオット君の目線の位置まで身を屈め微笑んだ。
「はいであります!」
「よし。ランドール、すまないがエリオットに付き添い案内してやってくれないか?」
「畏まりました。では、エリオット様。私と共に参りましょう」
恭しく礼をするランドールさん。その姿はすごく様になっている。
何というか彼の所作は身から滲み出る品があり、おじさんというより、おじさまって感じ。
「はいであります!」
エリオット君はランドールさんの元へ小走りに近づくと、二人は館の中へ歩み消えていった。
エリオット君嬉しそうだったな~。余程美味しいに違いない。
焼きたてのレープクーヘンかあ!!
私も食事制限さえしていなければ食べてみたかった……。
ちなみにレープクーヘンっていうのは蜂蜜と香辛料を入れたドイツの伝統的な焼き菓子だ。
私はお菓子作りが趣味で何度か作ったことがあるので知っていた。
ということは……この場所がドイツである可能性が浮上したわけだ、
っていっても、レープクーヘンはメジャーなお菓子だし世界中で販売されてるしなぁ。
何とも言えないところではある。
「エリオットとどのような話をしていたんだい?」
「星空の話とか、歩くのが好きとか色々お話しましたよ」
強くなりたいって言っていたことは、伏せておくことにした。
エリオット君にとって知られたくないことかもしれないし、吹聴する気にはとてもなれなかった。
「はは。カリン殿は随分懐かれたようだね。エリオットはああ見えて人見知りでね。会って間もない人間に心を開かない子なのだよ」
「そうなんですか?」
「エリオット様は……複雑な家庭の御子なのですよ」
「複雑?」
ノイエさんが沈んだ面持ちで言った。
複雑な家庭……。知りたいけど、聞いていいのかな……。
けど、エリオット君のことを理解するためには必要なことかもしれない。
もっと仲良くなりたいし。いいや、聞いちゃえ。
「良かったら事情を話して貰えませんか?」
ノイエさんがアインツのほうを向くと彼は僅かに頷いた。
話してもいいという意思表示だろう。
「宜しいのですか?」
「カリン殿には事情を知って頂いたほうがいい」
「わかりました。では、お話しましょう。……エリオット様は、高貴な身分のお方です。違いますね。高貴な身分のお方でした。父君を亡くされ、直後に母君を失われました。そしてある出来事により身分までも剥奪され、市井に降ることを余儀なくされたのです」
自分の中で衝撃が走った。
『アインツ将軍の侍従をさせて頂いておりますエリオット・ネーブルであります!』
『はいであります!』
『大好きなのであります。いっぱい歩いて強くなりたいのであります~』
エリオット君のはにかんだ笑顔と言葉が反芻される。
もしも撮影上の設定でなく事実なのだとしたら……。
あんな幼い子にかくも非情な過去があるなど知らなかった。
彼の振る舞いからは悲しい過去の影を、微塵も感じなかった。
では……彼は……エリオット君は、悟られないよう心を押し殺して生きているというのだろうか。
「そんな……。あの、こんなこと聞いていいのか分からないんですけど、ご両親は病気で亡くなられたのですか?」
「お父君は亡くなる半年ほど前より病で床に臥せりがちになり、その後、病死しました。母君は……ある者に殺されたのです」
「ころ、された……。その事をエリオット君は」
「存じています。何もかも」
ノイエさんが伏せ目がちに頷く。
アインツさんは目を閉じている。その姿はまるで誰かに黙祷を捧げているように映った。
ゆっくりとエリオット君とランドールさんが消えていった扉に視線を向ける。
誰もいない扉の前に、はにかむように恥ずかしがるエリオット君の幻影が浮かんだ。
あの笑顔の裏に、どれほどの悲しみを彼は抱えているのだろう。
どれほど苦悩したのだろう。
強くなりたい、その言葉の意味するところは何なのだろう。
視界が涙でぼやけていく。
それでも、幻影のエリオット君は笑っていた。
不自然なほど明るく。年齢に不釣合いなほど大人びた笑みだった。
顔にかからぬよう風でなびく横髪を片手で抑えながら夜空を見上げた。
満天の星空がいっぱいに広がり、優しく庭を照らしている。
「夜風が気持ちいい」
「気持ちいいであります~」
アインツ達と先程夕食を済ませた私は、目下アインツ邸の庭をエリオット君と共に散歩しているところだ。
今日は殆どが馬車での移動だったため身体が鈍っている。
そのため無性に歩きたくなったのだ。
私は平素から太らぬようウォーキングを行っている。
振り付けやダンスのレッスンがある日は、一日のカロリーを消化するに十分な運動量に達するので流石に休む。
けれど、それ以外の日は基本歩くよう心掛けている。
それなりに顔が知られるようになってからは、帽子を深く被りサングラスをかけてウォーキングに勤しむようになった。
なんか芸能人っぽいよね。……って、本当に芸能人なんだった!
自分がそういう業界にいるってことを忘れることが多々ある。
私がアイドルだなんて未だに実感が沸かない。
夢を見ているんじゃないかって思う。
もし夢なら醒めなきゃいいのにとも。
やっとの思いで掴んだアイドルという居場所。
自らの怠慢で手放したくなどない。
ならば最低限、自らの体型維持を課す程度の努力はせねば。
借り物のドレスでなければ走るんだけどなぁ。
さすがに人様から拝借したドレスを汗で濡らすのは気がひける。
って、エリオット君が一緒だからどのみち無理か。
「カリン様は歩くのが好きなのでありますか?」
不意にエリオット君が私を見上げ質問を投げ掛けてきた。
「結構好きかな? 目的もなくぶらぶら歩くのは特に好きかも。エリオット君は歩くの好き?」
「大好きなのであります。いっぱい歩いて強くなりたいのであります~」
「強く? どうしてエリオット君は強くなりたいの?」
「それは……言えないのであります」
俯きがちに、エリオット君は言い淀む。
話せない事情でもあるのかな?
子供の頃の時分に男の子が強くなりたいと願うのは別段おかしな事だと思わない。
笑われると思ったのかな……。幾ら私でも、人様の夢を笑ったりしないのに。
けど、立ち入った話をするのも彼を困らせるだけだと思い。
「エリオット君にとって、とても大事なことなのね。うん、わかった。深く追求しないから安心して? ただ、もし私に話してもいいと思える時が来たら、こっそりでいいから教えてくれる?」
「わかったであります! 約束するであります!」
顔をパァーと輝かせ、エリオット君は頷く。
「ここに居たのかカリン殿、エリオット」
「アインツさん」
鎧を脱ぎ、袖の長いシャツと黒のズボンというシンプルな姿に着替えたアインツさんが声を掛けてきた。
シャツには襞のついた胸飾り──ジャボというらしい──がついている。
その横には、未だ軍服姿に赤い眼鏡着用のノイエさん。
二人の後ろには眼帯をつけた燕尾服のおじさま。家令のランドールさんがこちらに歩いてくる。
実はランドールさんだけは、私達が庭で散歩したいと申し出た時からずっと側に居たのだ。
私達が歩くのを不動の姿勢で見守ってくれていた。
恐らくランドールさんは警備関係者ではないかと推測する。
付かず離れずの位置を堅持していたのは、それ故だろう。
「エリオット。マデラが探していたよ。美味しいレープクーヘンを腕に寄りをかけて焼いたから食べないかとね」
「レープクーヘンでありますか!? 食べたいであります!」
「はは。マデラの作ったレープクーヘンは絶品だからね。食べに行くといいよ。マデラもきっと喜ぶ」
「あ、でも……カリン様と一緒に歩いているから……」
エリオット君は申し訳なさげな表情を浮かべる。
「私のことは気にせず行っておいで。また今度お話しようね」
同じ目線の高さで話をすると子供は安らぎを感じると何かの本で読んだことがある。
なので私はエリオット君の目線の位置まで身を屈め微笑んだ。
「はいであります!」
「よし。ランドール、すまないがエリオットに付き添い案内してやってくれないか?」
「畏まりました。では、エリオット様。私と共に参りましょう」
恭しく礼をするランドールさん。その姿はすごく様になっている。
何というか彼の所作は身から滲み出る品があり、おじさんというより、おじさまって感じ。
「はいであります!」
エリオット君はランドールさんの元へ小走りに近づくと、二人は館の中へ歩み消えていった。
エリオット君嬉しそうだったな~。余程美味しいに違いない。
焼きたてのレープクーヘンかあ!!
私も食事制限さえしていなければ食べてみたかった……。
ちなみにレープクーヘンっていうのは蜂蜜と香辛料を入れたドイツの伝統的な焼き菓子だ。
私はお菓子作りが趣味で何度か作ったことがあるので知っていた。
ということは……この場所がドイツである可能性が浮上したわけだ、
っていっても、レープクーヘンはメジャーなお菓子だし世界中で販売されてるしなぁ。
何とも言えないところではある。
「エリオットとどのような話をしていたんだい?」
「星空の話とか、歩くのが好きとか色々お話しましたよ」
強くなりたいって言っていたことは、伏せておくことにした。
エリオット君にとって知られたくないことかもしれないし、吹聴する気にはとてもなれなかった。
「はは。カリン殿は随分懐かれたようだね。エリオットはああ見えて人見知りでね。会って間もない人間に心を開かない子なのだよ」
「そうなんですか?」
「エリオット様は……複雑な家庭の御子なのですよ」
「複雑?」
ノイエさんが沈んだ面持ちで言った。
複雑な家庭……。知りたいけど、聞いていいのかな……。
けど、エリオット君のことを理解するためには必要なことかもしれない。
もっと仲良くなりたいし。いいや、聞いちゃえ。
「良かったら事情を話して貰えませんか?」
ノイエさんがアインツのほうを向くと彼は僅かに頷いた。
話してもいいという意思表示だろう。
「宜しいのですか?」
「カリン殿には事情を知って頂いたほうがいい」
「わかりました。では、お話しましょう。……エリオット様は、高貴な身分のお方です。違いますね。高貴な身分のお方でした。父君を亡くされ、直後に母君を失われました。そしてある出来事により身分までも剥奪され、市井に降ることを余儀なくされたのです」
自分の中で衝撃が走った。
『アインツ将軍の侍従をさせて頂いておりますエリオット・ネーブルであります!』
『はいであります!』
『大好きなのであります。いっぱい歩いて強くなりたいのであります~』
エリオット君のはにかんだ笑顔と言葉が反芻される。
もしも撮影上の設定でなく事実なのだとしたら……。
あんな幼い子にかくも非情な過去があるなど知らなかった。
彼の振る舞いからは悲しい過去の影を、微塵も感じなかった。
では……彼は……エリオット君は、悟られないよう心を押し殺して生きているというのだろうか。
「そんな……。あの、こんなこと聞いていいのか分からないんですけど、ご両親は病気で亡くなられたのですか?」
「お父君は亡くなる半年ほど前より病で床に臥せりがちになり、その後、病死しました。母君は……ある者に殺されたのです」
「ころ、された……。その事をエリオット君は」
「存じています。何もかも」
ノイエさんが伏せ目がちに頷く。
アインツさんは目を閉じている。その姿はまるで誰かに黙祷を捧げているように映った。
ゆっくりとエリオット君とランドールさんが消えていった扉に視線を向ける。
誰もいない扉の前に、はにかむように恥ずかしがるエリオット君の幻影が浮かんだ。
あの笑顔の裏に、どれほどの悲しみを彼は抱えているのだろう。
どれほど苦悩したのだろう。
強くなりたい、その言葉の意味するところは何なのだろう。
視界が涙でぼやけていく。
それでも、幻影のエリオット君は笑っていた。
不自然なほど明るく。年齢に不釣合いなほど大人びた笑みだった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
終わらない幸せをあなたに
クマ三郎@書籍発売中
恋愛
本妻から産まれた平凡な兄と、愛人から産まれた優秀な弟。
ラザフォード侯爵家の兄弟間の確執は、社交界でもとりわけ有名だった。
兄ヴィンセントから、弟アーヴィングが一方的に詰られ、暴力を振るわれる場面を偶然目撃してしまった王女アナスタシア。
「アーヴィング・ラザフォード。私と結婚しましょう。大丈夫よ。私は、必ずあなたを幸せにしてみせる」
これは長年家族から虐げられ続けた青年が、王女様の愛で幸せを知るお話です。
*言葉遣いなど、現代風な場面が多々あるかと思いますがご容赦ください。
設定はゆるめです
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる