怖い日常

消えた友達リスト

私は東京都の〇〇マンションに住む、一人暮らしの女子大生だ。最近、大学の授業がオンラインになり、家にいる時間が増えた。おかげで暇な時間も増えて、ついスマホをいじり続ける生活が続いている。

「また見ちゃった…友達のインスタばっかり。」

私は深いため息をつきながらスマホの画面を見つめた。SNSには、リア充な友達の写真があふれていて、正直、少しだけ嫉妬する。そんな時、ふと気づいた。

「あれ…友達リスト、減ってる？」

私はLINEの友達リストを眺めながら首をかしげた。確かに数日前まで、もっとたくさんいたはずなのに、急に数が減っている。特に親しかった友達数人がいなくなっていることに気付いた。

「削除されたのかな…？それともアカウント消したとか？」

私の指は自動的にその友達の名前を検索し始めた。だが、どれだけ探しても出てこない。まるで、初めから存在していなかったかのように、彼女たちは消えていた。

「え、なにこれ、怖いんだけど…」

そんなことを考えながら、私はまた別の友達にメッセージを送ることにした。

「ねぇ、◯◯ちゃんって最近どうしてるか知ってる？連絡取れなくてさ」

しかし、既読がつくことはなかった。やがて夜も更け、ベッドに横たわるが、友達リストの異常が気になって眠れない。

――ピコンッ

夜中に突然の通知音。私は驚いてスマホを手に取った。見ると、消えていた友達からメッセージが来ていた。

『今どこにいるの？』

「え、今どこにって…家にいるに決まってるじゃん…」

不思議に思いながらも返信を打ち込もうとしたが、その瞬間、スマホの画面が暗転し、真っ黒になった。

「嘘でしょ…充電まだあるはずなのに」

画面を何度もタップしてみるが反応はない。充電器を差し込んでも、まるで電源が切れたかのように反応がない。

その時、ふいに部屋のドアをノックする音が響いた。

コン、コン。

「こんな夜中に誰…？」

私は恐る恐るドアに近づき、ドアスコープから外を覗いた。しかし、誰もいない。辺りは静まり返っていて、廊下には一人の姿もなかった。

――ピコンッ

またしても、スマホからの通知音が響いた。どうやら再び電源が入ったようだ。私は慌てて画面を確認した。

『今、ドアの前にいるよ。』

私はその一文を読んだ瞬間、背筋が凍りついた。

「え…嘘でしょ…」

恐怖にかられて振り向くと、ドアの下から、誰かの影がゆっくりと伸びてきていた。まるで、外にいるその「誰か」が、私の存在を確かめるように…。

その影は次第に、私の足元にまで迫ってきていた。

――ピコンッ

『もうすぐ、入るね。』

私は声にならない悲鳴をあげながら、スマホを放り投げ、後ずさりした。

友達リストが減っていたのは、彼女たちが「いなくなった」からじゃなかった…私が、彼女たちの次の標的になったからだった。

部屋のドアがゆっくりと開く音が、静かな夜の中に響いた。