537 / 564
第536話 核を貫け
しおりを挟む
ゴーレム勝負に置いて基本的に狙う場所は、相手ゴーレムの胸である。
何故ならばゴーレムの核は胸にあるからである。
核さえ狙い、破壊出来れば勝負は一瞬で決まる。
どれほどの力差があろうと、ゴーレム勝負では核さえ破壊出来る力、タイミングを生み出せれば誰にだって勝てるのだ。
ヴァンがアリスのゴーレムの胸を狙ったのもその為である。
追撃をせず、修復させる時間を与え一瞬の隙を創り出したのも、ヴァンの作戦であり止められない威力で瞬時に仕留めに行ったのであった。
アリスのゴーレムは胸に大きな穴が空いてしまい、そのまま崩れ去ると思われたが何故かその場で形を保っていた。
それにはヴァンも目を疑う。
「(どういう事だ? どうして核を破壊したはずなのに、形を保っていられる?)」
するとアリスのゴーレムは胸に穴が空いた状態で動き始める。
そして徐々に胸の修復を始める。
その時点でヴァンは核の位置を変更しゴーレムを生成したのだと理解する。
基本的にゴーレムの生成は核を中心とし生成される。
その理由は核を中心にする方が生成しやすく、操作など一連の操作が行いやすい為である。
しかし、必ずしも核を中心にする必要はなく中には対戦用に核の位置を変えて生成する者もいるのだが、リスクはある。
中心でない為、核を置いた箇所から魔力などを操作し操るため、相当に難しく操作を謝り自滅する可能性が高いといわれている。
その為基本的に核は中心部というイメージが定着している。
学院生同士なら尚更、例外など考えずそのイメージが先行するのが当然である。
「(あの状態で動かせているのならば、そうとしか考えられない。まさかクリスのやつ、そんな技量まであったのか)」
アリスのゴーレムが完全回復すると再び突っ込んで来る。
ヴァンは自身のゴーレムの武装を変更し始め、右足の円盤カッターを大きな銃口形状に変化させ、両足に装備させる。
両腕の剣を地面に刺すと、装備した銃口から『ブリザード』を向って来るゴーレムの足元目掛けて放つ。
その攻撃により、アリスのゴーレムは足元を凍らされてしまい身動きが取れなくなる。
そしてヴァンは身動きが取れなくなったアリスのゴーレムに自身のゴーレムを突撃させ、一方の剣で頭部を突き刺したのだ。
「(次に核として配置している可能性が高いのは頭部。操作面などから考えればここが妥当だが)」
だが、それでもアリスのゴーレムは消滅せず動き続けた。
相手から接近して来たゴーレムをアリスは頭部を突き刺した腕を両手で掴むと『バースト』を発動させ破損させる。
「っ!」
アリスの攻撃はまだ終わらず、そのまま剣を装備させた腕を胸の中心を分断する様に振り抜く。
が、その攻撃をヴァンは残った腕の剣で防ぐとそのまま爆発させ強引に距離をとった。
爆発の影響でヴァンのゴーレムは両腕破損するも、距離をとった時点からすぐさま修復を始める。
一方でアリスのゴーレムも爆発の影響で凍らされていた足も解放され、頭部などの破損個所の修復を始める。
しかしアリスは修復をしていると見せかけ、槍を瞬時に創り出しヴァンの胸の中心目掛けて放り投げた。
投げられた槍にヴァンも咄嗟に反応するも、ヴァンのゴーレムの胸の中心付近に槍が突き刺さる。
だがヴァンのゴーレムは崩れることはなかった。
「くっ、届いてないか。それに咄嗟に動かして狙いをずらされた」
「(危ない。胸部の厚みを増させ、命中箇所をずらさせて核の攻撃を回避したが、油断した)」
ヴァンは突き刺さった槍を吸収しながらゴーレムを修正し続け、動かせるようになった所でアリスのゴーレムに向け剣に魔法を乗せ連続で放つ。
アリスは遠距離からの攻撃に対しゴーレムで魔力創造を使用し目の前に壁を創り出し防ぐ。
創り出した壁にヴァンは攻撃の手を緩めず、破壊する為に連続で遠距離攻撃を仕掛け続けていると壁の背後から左右に三体ずつの小型ゴーレムが姿を現し突っ込んで来る。
通常のゴーレムよりも小型の為スピードが速く、一気に迫って来る。
しかしヴァンはそれに対し焦ってはいなかった。
「(これは見たことがある攻撃だ。各個体で爆発させてくるのだろう? そんなもの近づけさせなければいいだけさ)」
ヴァンは剣に『ガスト』を纏わせ近付いて来る小型ゴーレムを一掃する。
そのままヴァンは創り出された壁を破壊すべく魔法を放つと、遂にアリスが創り出した壁が破壊される。
壁の後ろにはアリスのゴーレムが隠れているはずだと思い、更には分裂している状態から少し小型になっていると想定し魔法を放つ。
直後、破壊した壁の後ろから飛び上がる様に現れたのは狼型のゴーレムであり、口元に先程までアリスのゴーレムが装備していた剣を加えていた。
「(何だと!?)」
狼型ゴーレムは飛び上がった事により、ヴァンの攻撃を回避しそのまま銜えた剣を体全身を使い振り抜き、ヴァンの装備していた剣の腕を斬り落とす。
そしてヴァンのゴーレムを押し倒し、銜えた剣を頭部に突き刺す。
ヴァンは何とか抜け出そうとゴーレムを動かすも、アリスの狼型ゴーレムは両腕両脚を押させた状態で魔力創造で地面と一体化させていた。
「(固定された。ひとまず固定箇所以外を切り離して、回避だ)」
すぐさま核の存在している胸部のみ以外を固定された箇所を切り離そうと操作を行い始めるが、その時アリスが宙に向けて何か操作をしているのが目に入る。
視線を宙に向けると、そこには先程吹き飛ばした小型ゴーレムが集結し一体のゴーレムが槍を宙からヴァンのゴーレム目掛けて蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた槍は一直線に狼型ゴーレムを貫き、真下のヴァンのゴーレムの胸の中心部までをも貫通した。
直後、ヴァンのゴーレムが砕け散っていくのだった。
何故ならばゴーレムの核は胸にあるからである。
核さえ狙い、破壊出来れば勝負は一瞬で決まる。
どれほどの力差があろうと、ゴーレム勝負では核さえ破壊出来る力、タイミングを生み出せれば誰にだって勝てるのだ。
ヴァンがアリスのゴーレムの胸を狙ったのもその為である。
追撃をせず、修復させる時間を与え一瞬の隙を創り出したのも、ヴァンの作戦であり止められない威力で瞬時に仕留めに行ったのであった。
アリスのゴーレムは胸に大きな穴が空いてしまい、そのまま崩れ去ると思われたが何故かその場で形を保っていた。
それにはヴァンも目を疑う。
「(どういう事だ? どうして核を破壊したはずなのに、形を保っていられる?)」
するとアリスのゴーレムは胸に穴が空いた状態で動き始める。
そして徐々に胸の修復を始める。
その時点でヴァンは核の位置を変更しゴーレムを生成したのだと理解する。
基本的にゴーレムの生成は核を中心とし生成される。
その理由は核を中心にする方が生成しやすく、操作など一連の操作が行いやすい為である。
しかし、必ずしも核を中心にする必要はなく中には対戦用に核の位置を変えて生成する者もいるのだが、リスクはある。
中心でない為、核を置いた箇所から魔力などを操作し操るため、相当に難しく操作を謝り自滅する可能性が高いといわれている。
その為基本的に核は中心部というイメージが定着している。
学院生同士なら尚更、例外など考えずそのイメージが先行するのが当然である。
「(あの状態で動かせているのならば、そうとしか考えられない。まさかクリスのやつ、そんな技量まであったのか)」
アリスのゴーレムが完全回復すると再び突っ込んで来る。
ヴァンは自身のゴーレムの武装を変更し始め、右足の円盤カッターを大きな銃口形状に変化させ、両足に装備させる。
両腕の剣を地面に刺すと、装備した銃口から『ブリザード』を向って来るゴーレムの足元目掛けて放つ。
その攻撃により、アリスのゴーレムは足元を凍らされてしまい身動きが取れなくなる。
そしてヴァンは身動きが取れなくなったアリスのゴーレムに自身のゴーレムを突撃させ、一方の剣で頭部を突き刺したのだ。
「(次に核として配置している可能性が高いのは頭部。操作面などから考えればここが妥当だが)」
だが、それでもアリスのゴーレムは消滅せず動き続けた。
相手から接近して来たゴーレムをアリスは頭部を突き刺した腕を両手で掴むと『バースト』を発動させ破損させる。
「っ!」
アリスの攻撃はまだ終わらず、そのまま剣を装備させた腕を胸の中心を分断する様に振り抜く。
が、その攻撃をヴァンは残った腕の剣で防ぐとそのまま爆発させ強引に距離をとった。
爆発の影響でヴァンのゴーレムは両腕破損するも、距離をとった時点からすぐさま修復を始める。
一方でアリスのゴーレムも爆発の影響で凍らされていた足も解放され、頭部などの破損個所の修復を始める。
しかしアリスは修復をしていると見せかけ、槍を瞬時に創り出しヴァンの胸の中心目掛けて放り投げた。
投げられた槍にヴァンも咄嗟に反応するも、ヴァンのゴーレムの胸の中心付近に槍が突き刺さる。
だがヴァンのゴーレムは崩れることはなかった。
「くっ、届いてないか。それに咄嗟に動かして狙いをずらされた」
「(危ない。胸部の厚みを増させ、命中箇所をずらさせて核の攻撃を回避したが、油断した)」
ヴァンは突き刺さった槍を吸収しながらゴーレムを修正し続け、動かせるようになった所でアリスのゴーレムに向け剣に魔法を乗せ連続で放つ。
アリスは遠距離からの攻撃に対しゴーレムで魔力創造を使用し目の前に壁を創り出し防ぐ。
創り出した壁にヴァンは攻撃の手を緩めず、破壊する為に連続で遠距離攻撃を仕掛け続けていると壁の背後から左右に三体ずつの小型ゴーレムが姿を現し突っ込んで来る。
通常のゴーレムよりも小型の為スピードが速く、一気に迫って来る。
しかしヴァンはそれに対し焦ってはいなかった。
「(これは見たことがある攻撃だ。各個体で爆発させてくるのだろう? そんなもの近づけさせなければいいだけさ)」
ヴァンは剣に『ガスト』を纏わせ近付いて来る小型ゴーレムを一掃する。
そのままヴァンは創り出された壁を破壊すべく魔法を放つと、遂にアリスが創り出した壁が破壊される。
壁の後ろにはアリスのゴーレムが隠れているはずだと思い、更には分裂している状態から少し小型になっていると想定し魔法を放つ。
直後、破壊した壁の後ろから飛び上がる様に現れたのは狼型のゴーレムであり、口元に先程までアリスのゴーレムが装備していた剣を加えていた。
「(何だと!?)」
狼型ゴーレムは飛び上がった事により、ヴァンの攻撃を回避しそのまま銜えた剣を体全身を使い振り抜き、ヴァンの装備していた剣の腕を斬り落とす。
そしてヴァンのゴーレムを押し倒し、銜えた剣を頭部に突き刺す。
ヴァンは何とか抜け出そうとゴーレムを動かすも、アリスの狼型ゴーレムは両腕両脚を押させた状態で魔力創造で地面と一体化させていた。
「(固定された。ひとまず固定箇所以外を切り離して、回避だ)」
すぐさま核の存在している胸部のみ以外を固定された箇所を切り離そうと操作を行い始めるが、その時アリスが宙に向けて何か操作をしているのが目に入る。
視線を宙に向けると、そこには先程吹き飛ばした小型ゴーレムが集結し一体のゴーレムが槍を宙からヴァンのゴーレム目掛けて蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた槍は一直線に狼型ゴーレムを貫き、真下のヴァンのゴーレムの胸の中心部までをも貫通した。
直後、ヴァンのゴーレムが砕け散っていくのだった。
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢 メアリの逆襲 ~魔の森に作った湯船が 王子 で溢れて困ってます~
薄味メロン
恋愛
HOTランキング 1位 (2019.9.18)
お気に入り4000人突破しました。
次世代の王妃と言われていたメアリは、その日、すべての地位を奪われた。
だが、誰も知らなかった。
「荷物よし。魔力よし。決意、よし!」
「出発するわ! 目指すは源泉掛け流し!」
メアリが、追放の準備を整えていたことに。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
帰らなければ良かった
jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。
傷付いたシシリーと傷付けたブライアン…
何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。
*性被害、レイプなどの言葉が出てきます。
気になる方はお避け下さい。
・8/1 長編に変更しました。
・8/16 本編完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる