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第416話 修学旅行最終日の衝撃的な告白

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 修学旅行最終日の朝を迎え、遂に長いようで短かった修学旅行も本日で終わる。
 10日間であったが様々な場所を見て回り、体験し、ハプニングもあったがそれも全て含めて満喫は出来たと私は思う。
 新しい問題というか、考えなければいけない事は増えたが今は最後まで修学旅行を楽しもうと決めている。
 朝食の時間はこれまで通り、食堂に集まりバイキング形式で朝食をとり始める。
 皆はそこまで寂しいといった感じではなかったが、リーガとライラックだけはとてつもなく残念そうにして朝食を食べていた。
 この日私はシンとモーガンにガードルというメンバーで朝食を食べていた。

「あの二人は修学旅行が終わるのが、物凄く辛そうだね」
「少し騒ぎ過ぎな気もしますけどね」
「あははは、僕は二人の気持ちも分からなくはないけどね」
「まぁ、あの二人は周りと比べて少し過剰なのかもね」

 私たちがそんな話をしていると、リーガとライラックと同席しているトウマに二人が絡み始め、トウマがルークに助けを求めるが一度視線を向けられるだけで助けてもらえないという状況が繰り広げられた。
 その光景を私は横目に見ながらルークへと視線を向けた。
 私の席からはルークは真後ろを向いているため、気付いてはいない。
 朝食を食べつつ、私はふと昨日の事を思い出してしまいルークの方を見てしまっていたのだ。
 直ぐにルークから視線を外して自分の朝食へと視線を向けた。
 何してるのよ、私。昨日の事を気にしてもどうにもならないって昨日決めたじゃん。
 ……とは、いい聞かせたものの、あの衝撃を忘れるのは無理よね。
 はぁ~……どうしよう、今日。
 そんな事を頭の隅の方で思いつつ、朝食の時間を過ごした。
 そして朝食後は、予定では部屋から荷物を持ちロビーに集合してから、担当教員からの話があり、魔道車に乗りベンベル中心部へと移動しそこで午前の最後の自由観光予定となっている。
 皆もその予定で朝食を食べ終えた所から、部屋へと戻ろうとしていた時だった。

「朝食中の者も、まだとっている者も全員その場で聞いて欲しい」

 と、教員がやって来て声を掛けて来たのだ。
 皆、急にそんな風に声を掛けられて何事かとざわざわとする。

「今日の予定だが、当初の予定である午前の自由観光について変更する。詳しくはこの後ロビーに荷物を持ち、場所を移動して説明する。以上」

 それだけ伝えるとやって来た教員はその場から立ち去ってしまう。
 私を含め皆はそれだけ聞かされて、何事かとよりざわつき始める。

「どういう事なんですかね?」
「変更って何で? 何かに変わるって事だよね? 何になるのかな?」
「さぁ? にしても急だよな」
「そうだな。何かあったのか?」

 この時私は、少しだけ何故かよくないことなんじゃないかと嫌な予感がしたが、さすがに思い過ごしだと思い軽く首を横に振った。
 そして何も分からないまま、不安を抱えつつ私たちは食堂を後にし、部屋へと戻った。
 改めてロビーへの集合時間に間に合う様に荷物を持ち、少し早いとも思ったがロビーへと向かうと他の皆も既に集まり始めていた。
 朝食時に言った教員の言葉もあり、うちだけでなく他の寮の人も既にほとんどのメンバーがロビーに集まり始めていた。
 そりゃ気になって予定時間よりも早く来たくなるわよね。
 私とシンも三十分も前に来ていたが、皆も似た様な気持ちなのかどこかそわそわした感じであった。
 すると、そこへ教員たちが時間よりも早くやって来る。

「もうこんなに集まっていたか。それじゃ少し早いが、既に集まっている者は寮ごとに別れて担当教員の指示に従うように」

 そして担当教員方も、別れて担当するクラスを集め人数を確認し始める。

「まだ来てない部屋もあるが、集合時間より早いのでそこはいい。それじゃ、これからなんだが当初の魔道車に移動するのではなく、このまま地下の大部屋に移動してもらう。そこで全寮に向けて話をする」
「先生。それは何の話ですか? そもそも、どうして当初の予定が変わったのか教えてくれますか?」

 アルジュが担当教員へと単刀直入に疑問に思っている事を訊ねた。

「悪いがまだここでは伝えられない。が、君たちにとってもとても大切な話という事だけは分かって欲しい」

 真剣な表情でそう口にする担当教員に、アルジュはそれ以上追求する事無く「分かりました」と素直に従う。
 他の皆もアルジュ同様に何が始まるのかと不安になる所はありつつも、教員たちの異様な空気や今の言葉を聞き、何となくいい事ではないなと察するのだった。
 その後、まだロビーに来ていない学院生以外は、先に地下の大部屋へと移動を始めた。
 これから来る学院生の対応は、その場に残る教員で行うらしい。
 そして私たちはホテルの地下の大部屋へとやって来て、寮ごとに固まって席に座る。
 大部屋は、奥に教壇の様な場所がありそれを囲む様に半円状に固定席が並んでいる部屋であった。
 それから三十分後に、全寮の全学院生が集まると教壇側に教員たちが集まり始め、代表して一人の教員が話を始めた。
 口元付近には拡声させる魔道具を付けて、聞こえているかを確認して本題へと入った。

「予定を変更して、突然集まってもらって申し訳ない。皆も何の話をするのかと気になっているだろうから、先に何故急に集まってもらったかを伝える」

 早速一番知りたかった事から話すとなり、聞いている皆に少し緊張が走る中、その教員から衝撃的な出来事を告げられる。

「王都ジェルバンスが、一週間前にある都市から襲撃を受けた。現在は事態も収拾し、復興活動をしているが現在も王都は厳戒態勢中だ」
「「っ!?」」

 思いもしていなかった発言に、その場にいた学院生全員に一斉に動揺が広がる。

「嘘だろ……」
「襲撃って、王都が?」
「ありえないだろ。そんな事があるのか?」
「え、じゃ俺たちどうなるんだ? 帰れるのか」

 ざわつきだす学院生たちに教員たちも鎮まる様に伝えるも、さすがに王都が襲撃を受けたという言葉のインパクトは強く中々鎮まらない。
 すると話していた教員に変わり、タツミが前に出て来て教員がつけていた拡声する魔道具を机に置き、思いっきり手を叩いた。
 直後大きな音が大部屋中に響き渡り、皆耳を塞ぎ一斉に前を向く。

「まずは騒がずにこちらの話を聞け。既に事態は収拾していると言ったろ。驚き動揺するのも分かるが、まずはお前たち自身も王都で何があったかの知る権利はあるから、こうして話しているんだ。焦って騒いでも何も分からないし、変わらない。いいか?」

 タツミの行動と言葉で一気に鎮まり返り、気持ちを切り替えたのか皆が前を向き始める。
 そしてタツミは再び、拡声する魔道具を話していた教員に返すと、再びタツミは下がる。

「タツミ先生ありがとうございます。それじゃ早速だが、現時点で私たちの元にある情報から王都で何があったのかを段階を踏んで話していく」

 すると他の教員が、前方に魔道具から資料を映し出し、王都襲撃事件の全貌を話し始めるのだった。
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