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第339話 最終競技
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え、料理対決?
私はあ然とした表情でトウマに視線を向けていた。
冗談……というか、何故それを対決に選んだの? おかし過ぎるでしょ! 誰が出るつもりだったのよ!
私はモヤモヤとした雰囲気で見つめていると、フェルトがトウマに近付き軽く肩に手を置いた。
「そう落ち込むな、トウマ」
「いや、お前が慰めるなよ! 一番これ押してた張本人だろうが」
「まぁまぁ、もう発表したんだしこれでやるしかねぇって」
「何でそんな前向きなんだよ、フェルト」
そのままトウマは、文句を言いつつも一度教壇から降りた。
するとルークが話し掛ける。
「トウマ、どういうつもりかは分からないが、今更なしには出来ないぞ」
「あぁ、分かってる。勢いで決めた様な感じではあるが、取り消しなんて言わないよ」
「そうか。それじゃ、これで互いの競技は決まりだな」
ルークの言葉にトウマが頷き『三番勝負』の二競技が確定する。
そしてルークはオービンの方へと視線を向けると、オービンは教壇へ上がるとミカロスは最終競技が書かれた紙を渡し自分は扉の方へと下がって行く。
オービンはその場で紙を開いた後、口を開く。
「それじゃ、最終競技を発表する。最終競技は『実力勝負対決』」
そう口にすると紙を黒板に張り付け、体をどけた。
「『実力勝負対決』? パッと想像できるのは、実力試験みたいな感じだが」
トウマが首を少し傾げているとルークも同じ様な事を口にすると、オービンが教壇から降りながら口を開く。
「これを書いた本人に聞いてみたらどうだい?」
「それを書いたのは俺ですよ」
ニックがそう口にすると、皆が視線を向けた。
「たぶん、他と被ってないと思うが一応他に俺と同じこと書いた奴いるか?」
その問いかけには誰も答えなかったので、ニックだけだと確定する。
そのままニックは書いた競技について話し始めるが、それは至ってシンプルであった。
「競技については、トウマが口にした通りだ。実力試験と捉えてくれて構わない。一対一の真剣勝負。俺としては次期寮長候補同士のつもりで書いたが、そこは『三番勝負』に乗っ取るで構わない」
「代表者同士の戦いか」
「その通りだルーク。俺の考えは前に伝えたろ? その言う意味での競技だ」
ルークは直ぐにその意味を理解するのだった。
「(なるほど。ある意味最終競技としては、いい競技なのかもしれないな。タツミもいいものを引き当てる)」
「(バトル系か……最終競技がそうなると、どういうメンバーにすべきか考えないとな)」
と、トウマが考えているとルークが話し掛ける。
「トウマ、これで競技は出そろった。後は『三番勝負』の実施日だが、どうする?」
「そうだな……期間は来週までだが、バトル系があるなら授業がない日の方がいい気がするんだよな」
「だとしたら、今週末の休日のどちらかだな。競技も統一されていないし、場所の確保も必要と考えると早くて13日だな」
「そしたら、どっちの日にするかの多数決をとらないか? 皆も関わることだし」
トウマはそう言って、皆に多数決の提案をすると皆はその方法で実施日を決めることになる。
そしてその結果、13日に『三番勝負』を実施することが決定するのだった。
その後競技場所などは、オービンが互いの代表者の話を聞き、場所を抑える手伝いをすると名乗り出た。
そうして、この日は解散となったのだった。
オービン寮 次期寮長選挙実施日 1月13日
実施内容 『三番勝負』
参加者 オービン寮第2学年男子
競技内容 『料理対決』『彫刻対決』『実力勝負対決』
次の日、私がエリスとの朝練に向かうと何処で訊いたのかエリスから、早速次期寮長選挙について話を振られた。
「クリス、聞いたよ次期寮長選挙のこと。何か面白いことになっているようね」
「何故エリス先輩が、昨日のことをもう知っているのですか? 怖いですよ」
「うふふふ。私、そういうことにも耳が早いのよ」
やっぱり、エリス先輩は怖いな……何処で誰から情報を仕入れるのだろうか? いや、たぶん今回はあの人なんではないかと思うが、口にはしないでおこう。
その時私は勝手に眼鏡姿で銀髪で釣り目の男性を思い浮かべた。
「それでクリスは、このままどっちの派閥にも入らないつもりなの?」
「そうですけど……どうしてそれをまた聞くんですか? 」
そう以前に派閥が出来た際にも、エリスから同じ質問をされて同じ様に返事をしているのである。
「いや、気持ちが変わったかな~と思ってね」
「別に気持ちは変わっていませんよ……俺としては」
「そう」
エリスはそう優しく答えると、そこでその話を終え朝練へと話を変えるのだった。
その後私はフェルトがこそこそと動く姿や、両派閥が『三番勝負』に向けて準備を進めている姿を見続けた。
私はその期間でニックとフェルトから一度だけ、派閥への勧誘を受けたが途中から入って来た自分は、今回は中立派として貫くと伝えると二人はしつこく勧誘することなく諦めてくれたのだった。
他の中立派の人はどうだか分からないが、たぶん勧誘を受けているに違いないと私は感じていた。
ガウェンは完全中立だからないけど、他のベックス、モーガン、ピースはもしかしたらどっちかの派閥に入っているかもしれないな。
今更だけど仮に入っていたら、バランスが変わりそうだな……特にベックスに関しては。
私はそんなことを思いつつ、日々を過ごした。
そうして遂に、オービン寮の次期寮長選挙実施日を迎えるのだった。
私はあ然とした表情でトウマに視線を向けていた。
冗談……というか、何故それを対決に選んだの? おかし過ぎるでしょ! 誰が出るつもりだったのよ!
私はモヤモヤとした雰囲気で見つめていると、フェルトがトウマに近付き軽く肩に手を置いた。
「そう落ち込むな、トウマ」
「いや、お前が慰めるなよ! 一番これ押してた張本人だろうが」
「まぁまぁ、もう発表したんだしこれでやるしかねぇって」
「何でそんな前向きなんだよ、フェルト」
そのままトウマは、文句を言いつつも一度教壇から降りた。
するとルークが話し掛ける。
「トウマ、どういうつもりかは分からないが、今更なしには出来ないぞ」
「あぁ、分かってる。勢いで決めた様な感じではあるが、取り消しなんて言わないよ」
「そうか。それじゃ、これで互いの競技は決まりだな」
ルークの言葉にトウマが頷き『三番勝負』の二競技が確定する。
そしてルークはオービンの方へと視線を向けると、オービンは教壇へ上がるとミカロスは最終競技が書かれた紙を渡し自分は扉の方へと下がって行く。
オービンはその場で紙を開いた後、口を開く。
「それじゃ、最終競技を発表する。最終競技は『実力勝負対決』」
そう口にすると紙を黒板に張り付け、体をどけた。
「『実力勝負対決』? パッと想像できるのは、実力試験みたいな感じだが」
トウマが首を少し傾げているとルークも同じ様な事を口にすると、オービンが教壇から降りながら口を開く。
「これを書いた本人に聞いてみたらどうだい?」
「それを書いたのは俺ですよ」
ニックがそう口にすると、皆が視線を向けた。
「たぶん、他と被ってないと思うが一応他に俺と同じこと書いた奴いるか?」
その問いかけには誰も答えなかったので、ニックだけだと確定する。
そのままニックは書いた競技について話し始めるが、それは至ってシンプルであった。
「競技については、トウマが口にした通りだ。実力試験と捉えてくれて構わない。一対一の真剣勝負。俺としては次期寮長候補同士のつもりで書いたが、そこは『三番勝負』に乗っ取るで構わない」
「代表者同士の戦いか」
「その通りだルーク。俺の考えは前に伝えたろ? その言う意味での競技だ」
ルークは直ぐにその意味を理解するのだった。
「(なるほど。ある意味最終競技としては、いい競技なのかもしれないな。タツミもいいものを引き当てる)」
「(バトル系か……最終競技がそうなると、どういうメンバーにすべきか考えないとな)」
と、トウマが考えているとルークが話し掛ける。
「トウマ、これで競技は出そろった。後は『三番勝負』の実施日だが、どうする?」
「そうだな……期間は来週までだが、バトル系があるなら授業がない日の方がいい気がするんだよな」
「だとしたら、今週末の休日のどちらかだな。競技も統一されていないし、場所の確保も必要と考えると早くて13日だな」
「そしたら、どっちの日にするかの多数決をとらないか? 皆も関わることだし」
トウマはそう言って、皆に多数決の提案をすると皆はその方法で実施日を決めることになる。
そしてその結果、13日に『三番勝負』を実施することが決定するのだった。
その後競技場所などは、オービンが互いの代表者の話を聞き、場所を抑える手伝いをすると名乗り出た。
そうして、この日は解散となったのだった。
オービン寮 次期寮長選挙実施日 1月13日
実施内容 『三番勝負』
参加者 オービン寮第2学年男子
競技内容 『料理対決』『彫刻対決』『実力勝負対決』
次の日、私がエリスとの朝練に向かうと何処で訊いたのかエリスから、早速次期寮長選挙について話を振られた。
「クリス、聞いたよ次期寮長選挙のこと。何か面白いことになっているようね」
「何故エリス先輩が、昨日のことをもう知っているのですか? 怖いですよ」
「うふふふ。私、そういうことにも耳が早いのよ」
やっぱり、エリス先輩は怖いな……何処で誰から情報を仕入れるのだろうか? いや、たぶん今回はあの人なんではないかと思うが、口にはしないでおこう。
その時私は勝手に眼鏡姿で銀髪で釣り目の男性を思い浮かべた。
「それでクリスは、このままどっちの派閥にも入らないつもりなの?」
「そうですけど……どうしてそれをまた聞くんですか? 」
そう以前に派閥が出来た際にも、エリスから同じ質問をされて同じ様に返事をしているのである。
「いや、気持ちが変わったかな~と思ってね」
「別に気持ちは変わっていませんよ……俺としては」
「そう」
エリスはそう優しく答えると、そこでその話を終え朝練へと話を変えるのだった。
その後私はフェルトがこそこそと動く姿や、両派閥が『三番勝負』に向けて準備を進めている姿を見続けた。
私はその期間でニックとフェルトから一度だけ、派閥への勧誘を受けたが途中から入って来た自分は、今回は中立派として貫くと伝えると二人はしつこく勧誘することなく諦めてくれたのだった。
他の中立派の人はどうだか分からないが、たぶん勧誘を受けているに違いないと私は感じていた。
ガウェンは完全中立だからないけど、他のベックス、モーガン、ピースはもしかしたらどっちかの派閥に入っているかもしれないな。
今更だけど仮に入っていたら、バランスが変わりそうだな……特にベックスに関しては。
私はそんなことを思いつつ、日々を過ごした。
そうして遂に、オービン寮の次期寮長選挙実施日を迎えるのだった。
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