315 / 564
第314話 改めて実感する
しおりを挟む
「到着しました」
「あそこが、目的地の廃鉱……」
マリアは廃鉱が見える茂みの中で馬を止めた。
周囲には誰もいなかったが、もしかしたら敵が見張りとしているかもしれないと考えての行動だった。
馬から降り、マリアは馬を近くの木に手綱を縛り、周囲の偵察へと向かった。
私は馬が騒がない様に撫でつつ、マリアから受け取った器に水をたっぷりと入れ馬に呑ませた。
ここにジュリルがいる……待っててジュリル、必ず助けだすから。
溢れ出るその思いをぐっと抑えつつ、私は冷静に状況を見つつマリアの帰りを待った。
それから数分後にマリアが帰って来て偵察の結果を報告し始めた。
「結果から言えば、ここが逃げ込んだ場所で間違いありません。ここから少し離れた場所に馬車と馬を確認しました。それと他に入口な様なものは確認できませんでしたので、ここから見えるあそこが入口であり出口でもあります」
「そう、分かった。偵察ありがとうマリ」
マリアは私の言葉に軽く顔を横に振った。
それから改めてマリアとの作戦を立て、周囲には誰もいないのでこのまま乗り込む事にした。
が、中の構造も不明なため全力突撃ではなく、警戒しながら忍び込む形で行く事となった。
そうしてマリアが先頭を行き私がその後ろを付いて行く状態で進み始め、私たちは廃鉱へと入って行く。
廃鉱内は、所々に明りが灯されており真っ暗ではなく、道も特に大きな障害物もなく広い一本であった。
周囲に身を隠す物がない為、私たちは隠れる事ができなかったので、どの様な状況でも直ぐに対応できるようにとマリアは真ん中を歩き始める。
私は二歩程間を空けてマリアの後を付いて行く。
暫く廃鉱内を進んだが、全く人の気配がしなかったが突然マリアが止まり、私に端に寄る様に指示を出した後単身で先の様子を見に行く合図を送って来た。
私はそれに頷くと、マリアはそのまま先へと進んで行き暫くすると戻って来て私へと駆け寄り、小声で話し始めた。
「この先に開けた空間があります。そこには2人の男が見張りの様に立っていました」
「ジュリルはいた?」
「いいえ、見当たりませんでした。そこはここよりも明るく完全に開けた場所です。先に進むにはその2人を素早く倒すほかないかと」
マリアはそう言うと、地面にざっくりとその場所の俯瞰図を描き始めた。
そしてマリアがそれを元に、見張りの2人を素早く気絶させ、他の者に気付かせない様にする作戦を提案して来たので、私は頷いて賛同した。
私も戦闘に参加しようかと提案を考えたが、元傭兵のマリアの方がこの様な状況経験が豊富であり、敵に気付かれずにジュリルを救出すると言う目的の為にはマリアに従うのが一番だと思い、私の考えは辞めマリアに従った。
その後、私はマリアと開けた場所の近くまで行き、私は待機しマリアを見送った。
「ふわぁ~~~……」
「何呑気にあくびしてるんだよ」
「だって、誰も来ないのに見張りしてても仕方なくない?」
「なら、今からそれを兄貴に言って来いよ」
「え、いや、兄ちゃんに反論する訳じゃないって言うか」
「だったら、言われた通り俺たちは見張りしてればいんだよ! どうせ朝になったら移動するんだから、それまでの辛抱だ」
「はぁ~~い。でも、よくそんなにきりっと出来るよね~僕は無理」
「また弱音言いやがって、しっかりしろ。それが俺たちのし――っ!? おい、お前! 何でここにいる?」
「っ!?」
マリアは堂々と正面から見張りをしていた2人の前に姿を現した。
突然現れたマリアに2人は驚き、1人は直ぐに戦闘態勢をとるがもう1人はおどおどしつつ、槍を構えた。
「(対象は2、一方は戦闘慣れしている雰囲気だが、もう一方はそうではない)」
「止まれ! 誰だが知らないが、そのまま近付いて来るなら容赦なく攻撃する!」
「こ、攻撃するぞ!」
「(直ぐに攻撃をせずに、わざわざ忠告。魔法を使う雰囲気もなし。装置起動時間も長くないので、一気に片付ける)」
そして男がまた口を開いた直後だった、マリアは突然低い姿勢となり2人の見張りの視界から一瞬で消えた。
想像もしない状況に2人の見張りは、何が起きているのか理解出来ずに困惑する。
その時マリアは足元から『ガスト』の魔法を使用し宙へと飛び上がっていたのだった。
直後槍を持っていない男の背後に宙から降り、瞬時に顔を片手で掴みもう片腕で抱き込む様に肩を掴んだ。
「っ!?」
男はそこで初めて背後に回れた事に気付き、声を出そうとしたが急激な眠気に襲われ、そのまま意識を失う様に眠ってしまう。
だがもう一方の男がマリアの存在に気付き槍を向けた。
「お前、いつの間に後ろにいたんだ!?」
マリアはそれに焦る事無く、眠らせた男から直ぐに手を離し槍を持つ男と距離を詰める。
が、男も槍のリーチを使いマリア目掛けて突きだした。
するとマリアは槍を身軽に横に体をずらしてかわし、相手の槍を持っていた手を叩く。
相手はたまらず槍から手を離すと、マリアは顎目掛けて真下から左手の付け根部分を勢いよく突き上げ、相手を突き飛ばした。
そのまま相手は宙を舞い、地面へと落ちるがそこで既に意識を失っていた。
マリアは突き飛ばした相手に近付き、片手を顔に近付け魔法をかけると私の方へと戻って来た。
その途中で何かを地面から広い戻って来た。
「状況終了です。行きましょうリース様」
「あ、あぁ」
マリアにそう言われて、私は圧倒されたままマリアに小走りで後を付いて行く。
その途中で私はどうしても気になり、先程の戦闘の事をマリアに近付き小声で訊ねた。
「マリ、帰りに何か拾ってなかった?」
「あれは小型魔道具です。一定範囲を防音状態にして声など外に漏らさない様にする物です。戦闘向きではないのですが、この状況では役に立つので使いました」
「なるほど、そんなのがあるのか。それと手をかざしてたのは、何かの魔法でいいの?」
「はい、あれは簡易な睡眠魔法です。『スリープ』の下位に位置するもので、両名にはあのまま眠ってもらいました。かなりの至近距離で掛けたので、数時間は眠ったままかと」
何かとても簡単な事の様に言っているけど、普通そんな事出来ない。
そもそも睡眠魔法自体が高度な魔法だし、それの下位としても使える人は始めて見た。
傭兵とか昔の話は聞いてはいたけど、改めてマリアって想像してたより物凄い人なんじゃ……
私は、この一件が終わったら魔法とかの意見をもらおうかなと密かに考えつつ、マリアの後を付いて行った。
その後、道は変わらず一本道であり特に大きな変化はないまま進んで行くと、また開けた場所に出た。
「さっきよりは、少し狭いけどまた開けているな」
「そうですね。ここにも誰もいな――っ」
そう口にした直後、マリアは足を止め私の前に手を出して足を止めさせた。
すると奥の道からフードを被った人物が歩いてやって来た。
「来た……か……」
「リース様。この先は作戦通りに」
「……うん、分かった」
私は返事をするとマリアは小さく頷き、戦闘態勢をとる。
それを見てフードを被った人物も戦闘態勢をとり、やる気満々であった。
直後、マリアが先制攻撃を仕掛けに突撃しフードを被った人物の足止めをし、それを見て私は一気に駆け抜け奥へと進む。
マリアはフードを被った人物が奥に行かせないと動くかと思っていたが、何故かフードを被った人物はマリアから視線を逸らさずに組み合った状態を維持し続けた。
「(何故アリスお嬢様の方を見ない? 先に行かせない様にすると思っていたが、そうではない……行かせても問題ないと言う事か? それとも、作戦を変えた?)」
そう考えつつ、マリアはフードを被った人物に蹴りを叩き込むがフードを被った人物は俊敏にカードをし防がれる。
が、マリアはそこで一度フードを被った人物と距離をとる。
それでもフードを被った人物はアリスの後を追わずに、道を塞ぐように立っていた。
するとフードを被った人物は、あえてマリアを挑発する様に片手でかかって来いというジェスチャーをする。
「(私に挑発。一度退けたレオンと同等と思われている? まぁ、私としては舐められていた方がいい。それよりも、なるべく早めに片づけてアリスお嬢様を追わなくては。何か嫌な感じがする)」
一方で私は、そのまま走って進んで行くとまた開けた場所に辿り着いた。
しかもそこは、今までよりも広い空間となっており私は足を止めて周囲を見回してしまう。
周囲にはそこから先に続く道は見つからず、荷物の様な箱などが積まれており、ここで行き止まりかと思っていると正面の奥に一番大きく布で覆われた物を見つけた。
「何だあれ?」
するとそこから何かがもがく音や、ジタバタする音が聞こえて来て、私はもしかしたらジュリルなのではと思い声を掛けた。
「ジュリル!?」
「っっぅ! ぅぅっ!?」
布で覆われて見えないが、私の声に反応しているのでジュリルの可能性はあると思い近付こうとすると、その背後から思いもしない人物が現れ私は足を止めた。
「どうして……どうして貴方がここに?」
私の前に現れたのは、今はマリアと戦闘しているはずのフードを被った人物であった。
「あそこが、目的地の廃鉱……」
マリアは廃鉱が見える茂みの中で馬を止めた。
周囲には誰もいなかったが、もしかしたら敵が見張りとしているかもしれないと考えての行動だった。
馬から降り、マリアは馬を近くの木に手綱を縛り、周囲の偵察へと向かった。
私は馬が騒がない様に撫でつつ、マリアから受け取った器に水をたっぷりと入れ馬に呑ませた。
ここにジュリルがいる……待っててジュリル、必ず助けだすから。
溢れ出るその思いをぐっと抑えつつ、私は冷静に状況を見つつマリアの帰りを待った。
それから数分後にマリアが帰って来て偵察の結果を報告し始めた。
「結果から言えば、ここが逃げ込んだ場所で間違いありません。ここから少し離れた場所に馬車と馬を確認しました。それと他に入口な様なものは確認できませんでしたので、ここから見えるあそこが入口であり出口でもあります」
「そう、分かった。偵察ありがとうマリ」
マリアは私の言葉に軽く顔を横に振った。
それから改めてマリアとの作戦を立て、周囲には誰もいないのでこのまま乗り込む事にした。
が、中の構造も不明なため全力突撃ではなく、警戒しながら忍び込む形で行く事となった。
そうしてマリアが先頭を行き私がその後ろを付いて行く状態で進み始め、私たちは廃鉱へと入って行く。
廃鉱内は、所々に明りが灯されており真っ暗ではなく、道も特に大きな障害物もなく広い一本であった。
周囲に身を隠す物がない為、私たちは隠れる事ができなかったので、どの様な状況でも直ぐに対応できるようにとマリアは真ん中を歩き始める。
私は二歩程間を空けてマリアの後を付いて行く。
暫く廃鉱内を進んだが、全く人の気配がしなかったが突然マリアが止まり、私に端に寄る様に指示を出した後単身で先の様子を見に行く合図を送って来た。
私はそれに頷くと、マリアはそのまま先へと進んで行き暫くすると戻って来て私へと駆け寄り、小声で話し始めた。
「この先に開けた空間があります。そこには2人の男が見張りの様に立っていました」
「ジュリルはいた?」
「いいえ、見当たりませんでした。そこはここよりも明るく完全に開けた場所です。先に進むにはその2人を素早く倒すほかないかと」
マリアはそう言うと、地面にざっくりとその場所の俯瞰図を描き始めた。
そしてマリアがそれを元に、見張りの2人を素早く気絶させ、他の者に気付かせない様にする作戦を提案して来たので、私は頷いて賛同した。
私も戦闘に参加しようかと提案を考えたが、元傭兵のマリアの方がこの様な状況経験が豊富であり、敵に気付かれずにジュリルを救出すると言う目的の為にはマリアに従うのが一番だと思い、私の考えは辞めマリアに従った。
その後、私はマリアと開けた場所の近くまで行き、私は待機しマリアを見送った。
「ふわぁ~~~……」
「何呑気にあくびしてるんだよ」
「だって、誰も来ないのに見張りしてても仕方なくない?」
「なら、今からそれを兄貴に言って来いよ」
「え、いや、兄ちゃんに反論する訳じゃないって言うか」
「だったら、言われた通り俺たちは見張りしてればいんだよ! どうせ朝になったら移動するんだから、それまでの辛抱だ」
「はぁ~~い。でも、よくそんなにきりっと出来るよね~僕は無理」
「また弱音言いやがって、しっかりしろ。それが俺たちのし――っ!? おい、お前! 何でここにいる?」
「っ!?」
マリアは堂々と正面から見張りをしていた2人の前に姿を現した。
突然現れたマリアに2人は驚き、1人は直ぐに戦闘態勢をとるがもう1人はおどおどしつつ、槍を構えた。
「(対象は2、一方は戦闘慣れしている雰囲気だが、もう一方はそうではない)」
「止まれ! 誰だが知らないが、そのまま近付いて来るなら容赦なく攻撃する!」
「こ、攻撃するぞ!」
「(直ぐに攻撃をせずに、わざわざ忠告。魔法を使う雰囲気もなし。装置起動時間も長くないので、一気に片付ける)」
そして男がまた口を開いた直後だった、マリアは突然低い姿勢となり2人の見張りの視界から一瞬で消えた。
想像もしない状況に2人の見張りは、何が起きているのか理解出来ずに困惑する。
その時マリアは足元から『ガスト』の魔法を使用し宙へと飛び上がっていたのだった。
直後槍を持っていない男の背後に宙から降り、瞬時に顔を片手で掴みもう片腕で抱き込む様に肩を掴んだ。
「っ!?」
男はそこで初めて背後に回れた事に気付き、声を出そうとしたが急激な眠気に襲われ、そのまま意識を失う様に眠ってしまう。
だがもう一方の男がマリアの存在に気付き槍を向けた。
「お前、いつの間に後ろにいたんだ!?」
マリアはそれに焦る事無く、眠らせた男から直ぐに手を離し槍を持つ男と距離を詰める。
が、男も槍のリーチを使いマリア目掛けて突きだした。
するとマリアは槍を身軽に横に体をずらしてかわし、相手の槍を持っていた手を叩く。
相手はたまらず槍から手を離すと、マリアは顎目掛けて真下から左手の付け根部分を勢いよく突き上げ、相手を突き飛ばした。
そのまま相手は宙を舞い、地面へと落ちるがそこで既に意識を失っていた。
マリアは突き飛ばした相手に近付き、片手を顔に近付け魔法をかけると私の方へと戻って来た。
その途中で何かを地面から広い戻って来た。
「状況終了です。行きましょうリース様」
「あ、あぁ」
マリアにそう言われて、私は圧倒されたままマリアに小走りで後を付いて行く。
その途中で私はどうしても気になり、先程の戦闘の事をマリアに近付き小声で訊ねた。
「マリ、帰りに何か拾ってなかった?」
「あれは小型魔道具です。一定範囲を防音状態にして声など外に漏らさない様にする物です。戦闘向きではないのですが、この状況では役に立つので使いました」
「なるほど、そんなのがあるのか。それと手をかざしてたのは、何かの魔法でいいの?」
「はい、あれは簡易な睡眠魔法です。『スリープ』の下位に位置するもので、両名にはあのまま眠ってもらいました。かなりの至近距離で掛けたので、数時間は眠ったままかと」
何かとても簡単な事の様に言っているけど、普通そんな事出来ない。
そもそも睡眠魔法自体が高度な魔法だし、それの下位としても使える人は始めて見た。
傭兵とか昔の話は聞いてはいたけど、改めてマリアって想像してたより物凄い人なんじゃ……
私は、この一件が終わったら魔法とかの意見をもらおうかなと密かに考えつつ、マリアの後を付いて行った。
その後、道は変わらず一本道であり特に大きな変化はないまま進んで行くと、また開けた場所に出た。
「さっきよりは、少し狭いけどまた開けているな」
「そうですね。ここにも誰もいな――っ」
そう口にした直後、マリアは足を止め私の前に手を出して足を止めさせた。
すると奥の道からフードを被った人物が歩いてやって来た。
「来た……か……」
「リース様。この先は作戦通りに」
「……うん、分かった」
私は返事をするとマリアは小さく頷き、戦闘態勢をとる。
それを見てフードを被った人物も戦闘態勢をとり、やる気満々であった。
直後、マリアが先制攻撃を仕掛けに突撃しフードを被った人物の足止めをし、それを見て私は一気に駆け抜け奥へと進む。
マリアはフードを被った人物が奥に行かせないと動くかと思っていたが、何故かフードを被った人物はマリアから視線を逸らさずに組み合った状態を維持し続けた。
「(何故アリスお嬢様の方を見ない? 先に行かせない様にすると思っていたが、そうではない……行かせても問題ないと言う事か? それとも、作戦を変えた?)」
そう考えつつ、マリアはフードを被った人物に蹴りを叩き込むがフードを被った人物は俊敏にカードをし防がれる。
が、マリアはそこで一度フードを被った人物と距離をとる。
それでもフードを被った人物はアリスの後を追わずに、道を塞ぐように立っていた。
するとフードを被った人物は、あえてマリアを挑発する様に片手でかかって来いというジェスチャーをする。
「(私に挑発。一度退けたレオンと同等と思われている? まぁ、私としては舐められていた方がいい。それよりも、なるべく早めに片づけてアリスお嬢様を追わなくては。何か嫌な感じがする)」
一方で私は、そのまま走って進んで行くとまた開けた場所に辿り着いた。
しかもそこは、今までよりも広い空間となっており私は足を止めて周囲を見回してしまう。
周囲にはそこから先に続く道は見つからず、荷物の様な箱などが積まれており、ここで行き止まりかと思っていると正面の奥に一番大きく布で覆われた物を見つけた。
「何だあれ?」
するとそこから何かがもがく音や、ジタバタする音が聞こえて来て、私はもしかしたらジュリルなのではと思い声を掛けた。
「ジュリル!?」
「っっぅ! ぅぅっ!?」
布で覆われて見えないが、私の声に反応しているのでジュリルの可能性はあると思い近付こうとすると、その背後から思いもしない人物が現れ私は足を止めた。
「どうして……どうして貴方がここに?」
私の前に現れたのは、今はマリアと戦闘しているはずのフードを被った人物であった。
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢 メアリの逆襲 ~魔の森に作った湯船が 王子 で溢れて困ってます~
薄味メロン
恋愛
HOTランキング 1位 (2019.9.18)
お気に入り4000人突破しました。
次世代の王妃と言われていたメアリは、その日、すべての地位を奪われた。
だが、誰も知らなかった。
「荷物よし。魔力よし。決意、よし!」
「出発するわ! 目指すは源泉掛け流し!」
メアリが、追放の準備を整えていたことに。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる