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第277話 誓いの小指
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「いいかオービン、お前はここで暫くじっとしてろよ」
「分かりました。ですから、早くルークたちの所に戻ってくださいタツミ先生」
オービンは椅子に座りタツミに早く戻る様に伝えると、タツミはため息をついた。
そしてオービンに背を向けタツミは、扉を開け閉じる寸前に再度絶対に動かない様に忠告をしてから扉を閉めた。
オービンはタツミが去った後、椅子に倒れる様にもたれ掛かかった。
「ふぅー……さすがにやり過ぎたな」
その時オービンの両手は微かに痙攣しており、少し呼吸も荒かった。
酸素が薄い訳でもないのだが、オービンは呼吸がしづらそうな様子だった。
「久しぶりに、この最悪な感覚だ。魔力を使うだけでこうなるなんてね……前はここまでひどくなかったはずだけど、病気が進行してるってことか……」
オービンは真上を見上げて改めて自身の状態を理解していると、突然扉がノックされる。
それに対してオービンは何とか息を整えて何事もない様に返事をする。
そして扉を開けて部屋にやって来たのは、ミカロスとエリスであった。
「オービン、監視に来たぞ」
「聞いたよオービン。タツミ先生との約束破ったらしいね」
「何だ、お前らか」
オービンは2人の姿を見て安心したのか、伸ばしていた背筋を止めダラッと椅子にもたれ掛かった。
2人は部屋に入り、ミカロスはオービンに水やお菓子と言った差し入れを近くの机に置き、椅子へと座る。
エリスはオービンに近付きタツミにつけられた両手首の魔道具を覗き込む。
「あ~あ。約束破るから、こんな手錠みたいの付けられるんだよ。反省しないとね、オービン」
そう言ってエリスはオービンの肩手首に着いた魔道具をつつきながら、からかう様な顔をする。
オービンは耳が痛い事を言われ軽く顔を逸らす。
「全くお前は、自分の状態が分かっているのか?」
「……分かっているよ」
「分かってない!」
と、突然ミカロスが大きな声を上げると、オービンもエリスも驚いてしまう。
「……ミカ?」
「オービン、お前は病人なんだよ。無理が出来ない体で、もう昔みたいに同じ事が出来ない体なんだよ」
オービンはミカロスの言葉に黙り込んでしまう。
「お前はそれを受け入れて、気にしてない様にしてるが! 俺たちは違う! お前がそんな状態だったのを最近知ったんだ! 心配なんだよ! 治らないって将来どうなるか分からないんだぞ!」
「ミカ……」
「俺は……俺はお前の傍にいて、副寮長として支えて来たつもりだった。でも、何にも気付かなかった。お前が1人でそんな事を抱え込んでいたのも、無茶する事も止められなかった。そして今回も……」
そう言うとミカロスは、両腕を膝について俯てしまう。
エリスはそんなミカロスを見て、オービンの方に視線を向けた。
「私も貴方が大運動会の時みたいには、もうならないと思っていた。だって、私たちにも明かしてくれてタツミ先生も付いていてくれたから。でも、それでも貴方は無茶をし、そんな状態になっている」
エリスは片手で自分の肘を掴みつつ、少しオービンから顔を逸らし呟いた。
2人はオービンが魔力を使った事で体調が悪くなっている事をタツミから聞いており、心配してこの部屋に来ていたのだった。
そしてオービンの姿を見て、大運動会の時見たく倒れていない事に安堵はしたが、またあの時みたいに倒れてしまうのではないかと恐怖を感じていたのだ。
急に友人が治らない病を抱えていると明かされ、当の本人はそれを受け入れやれる事をやると突き進んでいく。
その姿を止める事も出来ず、ただ見守る事しか出来ない者たちは無茶をしない様に口に出す事しか出来なかった。
それは結局はオービンの人生であり、オービンが決めた事を強引に捻じ曲げて縛ったとしても彼が助かる訳でもなく、ただ苦しめるだけだと考えていたからであった。
だから2人はタツミに頼み込み、オービンに無茶をさせないように出来る範囲で釘を刺して欲しいと言っており、自分たちもオービンの意思を尊重しつつブレーキになる事を話していたのだった。
今回の試験も初めは辞めるように伝えたが、オービンは後輩の為にやれる事をやりたいと言い出し頭まで下げられてしまい、渋々ミカロスとタツミが認め、条件付きで参加していた。
しかし、結果はオービンが約束を破る結果になってしまったのだった。
「オービン頼む……もう、むやみに力を使わないでくれ。俺は、お前とエリスともいつまでも変わらずにいたいんだ」
ミカロスが顔を上げ、苦しそうな表情でそれを言うとオービンは小さく深呼吸をした。
そしてオービンは立ち上がりミカロスへと近付き、ミカロスの前で膝を付きミカロスの両手を掴んだ。
「ミカ。悪かった……俺は勝手にお前らが、俺が思っていた事を受け入れてくれたのだと思っていたのかもしれない。少ない時間を誰かの為になる事をしたいと言う気持ちを。でも、それは俺の自分勝手な思い込みだった」
「オービン」
「俺はお前らやタツミ先生の気持ちも知らないで、勝手に突き進んでいたんだな。俺も受け入れたとか言いつつ、どこかで焦っていたんだと思う。いつかは動けなくなり、何も出来なくなってしまう。なら残された時間でやれる事を多くやらなければいけないと、勝手に自分を追いつめていたかもしれない。ほとんど病気の事を明かさず、抱え込んでいたせいかもな。誰かに助言とかしてる癖に、自分は言った事すら出来ない奴とかどうなんだよって思うだろ?」
オービンは優しい顔でミカロスに訊ねると、ミカロスは視線を下げて口を開く。
「……それは……誰だって、言えないだろ」
「俺はあの時お前らにこの病気の事を明かした。でも、それだけで少し解放された気になって暴走気味になっていたんだ。だから、もうお前らの言葉を破ったりはしない」
その言葉にミカロスは視線を上げると、オービンは真っすぐとミカロスを見つめていた。
「俺は1人じゃない。今もこうして誰かに支えられてここにいる。ミカ、エリスお前らには特に支えられてきた。本当に色々と迷惑かけた」
「オービン……」
「色々って、それで片付けるの? 全く、貴方は……」
「だからもうこれからは心配かけないように、迷惑をかけないように俺は、ここで誓うよ」
そう言ってオービンは右手の小指をミカロスとエリスの間に突きだした。
「オービン・クリバンスはここに誓う。今後一切、ミカロス・アンデルセ並びにエリス・クリセントの言葉、約束を破らない事を。そして今後私は、自分を大切にし必ず末永く生きる事を誓う」
突然の言葉にミカロスとエリスは驚くが、オービンは言い切った後2人を交互に見た。
「では誓いの指を」
とオービンは少し笑顔で言うと、エリスが呆れた顔で小さくため息をつく。
「オービン、それ昔喧嘩した時に仲直りする為に結婚式とかでやるやつを、真似て作ったやつでしょ?」
「あれ、覚えてた?」
「覚えてるもなにも、それ私が作ったやつだし」
するとオービンは苦笑いで反応していると、エリスはしょうがないと言う様な顔で小指をオービンが出した小指にくっ付けた。
そしてミカロスの方に視線を向けた。
「ミカ。ほら、どうすんのさ?」
「……俺はこんなんで」
ミカロスは視線を外していたが、大きなため息をついた後オービンの方に顔を向けた。
「オービン、絶対だな? この誓いは昔から絶対のやつだぞ。この場しのぎとかじゃないよな?」
「絶対だ。だからこうやって、昔使ってたもんを引っ張り出して来たんだぞ」
その後ミカロスはオービンから目を離さずに見つめてから「分かった……」と呟き小指を突きだしオービンとエリスと合わせるのだった。
「懐かしいな、この感じ。喧嘩した後はいつもこうだったな」
「本当。あの頃は結局また喧嘩してたけど」
「絶対だぞ、オービン」
「分かってるってミカ。そんなに疑うなよ」
「暫くはずっと付きまとってやるから、覚悟しとけ」
「うっ……それは勘弁して欲しいな……エリスもそう思うだろ? 彼氏が俺なんかとずっと居たら嫌だろ?」
「う~ん、私は別に。それよりオービンが次約束破った時の誓いもしない?」
「ナイスエリス。よし、じゃ次は俺が仕切る。ミカロス・アンデルセはここに誓う」
「おい! それはなしだろ。昔二重誓いはなしって決めたろ」
「いやそれは、後でなしにしたろ。忘れたのかよ。覚えてるよなエリス?」
「どっちなんだよエリス?」
「(うわ~何か面倒な事になったな……)」
その後3人は、ワイワイと子供の時の様に楽しく騒ぐのだった。
「分かりました。ですから、早くルークたちの所に戻ってくださいタツミ先生」
オービンは椅子に座りタツミに早く戻る様に伝えると、タツミはため息をついた。
そしてオービンに背を向けタツミは、扉を開け閉じる寸前に再度絶対に動かない様に忠告をしてから扉を閉めた。
オービンはタツミが去った後、椅子に倒れる様にもたれ掛かかった。
「ふぅー……さすがにやり過ぎたな」
その時オービンの両手は微かに痙攣しており、少し呼吸も荒かった。
酸素が薄い訳でもないのだが、オービンは呼吸がしづらそうな様子だった。
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「聞いたよオービン。タツミ先生との約束破ったらしいね」
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2人は部屋に入り、ミカロスはオービンに水やお菓子と言った差し入れを近くの机に置き、椅子へと座る。
エリスはオービンに近付きタツミにつけられた両手首の魔道具を覗き込む。
「あ~あ。約束破るから、こんな手錠みたいの付けられるんだよ。反省しないとね、オービン」
そう言ってエリスはオービンの肩手首に着いた魔道具をつつきながら、からかう様な顔をする。
オービンは耳が痛い事を言われ軽く顔を逸らす。
「全くお前は、自分の状態が分かっているのか?」
「……分かっているよ」
「分かってない!」
と、突然ミカロスが大きな声を上げると、オービンもエリスも驚いてしまう。
「……ミカ?」
「オービン、お前は病人なんだよ。無理が出来ない体で、もう昔みたいに同じ事が出来ない体なんだよ」
オービンはミカロスの言葉に黙り込んでしまう。
「お前はそれを受け入れて、気にしてない様にしてるが! 俺たちは違う! お前がそんな状態だったのを最近知ったんだ! 心配なんだよ! 治らないって将来どうなるか分からないんだぞ!」
「ミカ……」
「俺は……俺はお前の傍にいて、副寮長として支えて来たつもりだった。でも、何にも気付かなかった。お前が1人でそんな事を抱え込んでいたのも、無茶する事も止められなかった。そして今回も……」
そう言うとミカロスは、両腕を膝について俯てしまう。
エリスはそんなミカロスを見て、オービンの方に視線を向けた。
「私も貴方が大運動会の時みたいには、もうならないと思っていた。だって、私たちにも明かしてくれてタツミ先生も付いていてくれたから。でも、それでも貴方は無茶をし、そんな状態になっている」
エリスは片手で自分の肘を掴みつつ、少しオービンから顔を逸らし呟いた。
2人はオービンが魔力を使った事で体調が悪くなっている事をタツミから聞いており、心配してこの部屋に来ていたのだった。
そしてオービンの姿を見て、大運動会の時見たく倒れていない事に安堵はしたが、またあの時みたいに倒れてしまうのではないかと恐怖を感じていたのだ。
急に友人が治らない病を抱えていると明かされ、当の本人はそれを受け入れやれる事をやると突き進んでいく。
その姿を止める事も出来ず、ただ見守る事しか出来ない者たちは無茶をしない様に口に出す事しか出来なかった。
それは結局はオービンの人生であり、オービンが決めた事を強引に捻じ曲げて縛ったとしても彼が助かる訳でもなく、ただ苦しめるだけだと考えていたからであった。
だから2人はタツミに頼み込み、オービンに無茶をさせないように出来る範囲で釘を刺して欲しいと言っており、自分たちもオービンの意思を尊重しつつブレーキになる事を話していたのだった。
今回の試験も初めは辞めるように伝えたが、オービンは後輩の為にやれる事をやりたいと言い出し頭まで下げられてしまい、渋々ミカロスとタツミが認め、条件付きで参加していた。
しかし、結果はオービンが約束を破る結果になってしまったのだった。
「オービン頼む……もう、むやみに力を使わないでくれ。俺は、お前とエリスともいつまでも変わらずにいたいんだ」
ミカロスが顔を上げ、苦しそうな表情でそれを言うとオービンは小さく深呼吸をした。
そしてオービンは立ち上がりミカロスへと近付き、ミカロスの前で膝を付きミカロスの両手を掴んだ。
「ミカ。悪かった……俺は勝手にお前らが、俺が思っていた事を受け入れてくれたのだと思っていたのかもしれない。少ない時間を誰かの為になる事をしたいと言う気持ちを。でも、それは俺の自分勝手な思い込みだった」
「オービン」
「俺はお前らやタツミ先生の気持ちも知らないで、勝手に突き進んでいたんだな。俺も受け入れたとか言いつつ、どこかで焦っていたんだと思う。いつかは動けなくなり、何も出来なくなってしまう。なら残された時間でやれる事を多くやらなければいけないと、勝手に自分を追いつめていたかもしれない。ほとんど病気の事を明かさず、抱え込んでいたせいかもな。誰かに助言とかしてる癖に、自分は言った事すら出来ない奴とかどうなんだよって思うだろ?」
オービンは優しい顔でミカロスに訊ねると、ミカロスは視線を下げて口を開く。
「……それは……誰だって、言えないだろ」
「俺はあの時お前らにこの病気の事を明かした。でも、それだけで少し解放された気になって暴走気味になっていたんだ。だから、もうお前らの言葉を破ったりはしない」
その言葉にミカロスは視線を上げると、オービンは真っすぐとミカロスを見つめていた。
「俺は1人じゃない。今もこうして誰かに支えられてここにいる。ミカ、エリスお前らには特に支えられてきた。本当に色々と迷惑かけた」
「オービン……」
「色々って、それで片付けるの? 全く、貴方は……」
「だからもうこれからは心配かけないように、迷惑をかけないように俺は、ここで誓うよ」
そう言ってオービンは右手の小指をミカロスとエリスの間に突きだした。
「オービン・クリバンスはここに誓う。今後一切、ミカロス・アンデルセ並びにエリス・クリセントの言葉、約束を破らない事を。そして今後私は、自分を大切にし必ず末永く生きる事を誓う」
突然の言葉にミカロスとエリスは驚くが、オービンは言い切った後2人を交互に見た。
「では誓いの指を」
とオービンは少し笑顔で言うと、エリスが呆れた顔で小さくため息をつく。
「オービン、それ昔喧嘩した時に仲直りする為に結婚式とかでやるやつを、真似て作ったやつでしょ?」
「あれ、覚えてた?」
「覚えてるもなにも、それ私が作ったやつだし」
するとオービンは苦笑いで反応していると、エリスはしょうがないと言う様な顔で小指をオービンが出した小指にくっ付けた。
そしてミカロスの方に視線を向けた。
「ミカ。ほら、どうすんのさ?」
「……俺はこんなんで」
ミカロスは視線を外していたが、大きなため息をついた後オービンの方に顔を向けた。
「オービン、絶対だな? この誓いは昔から絶対のやつだぞ。この場しのぎとかじゃないよな?」
「絶対だ。だからこうやって、昔使ってたもんを引っ張り出して来たんだぞ」
その後ミカロスはオービンから目を離さずに見つめてから「分かった……」と呟き小指を突きだしオービンとエリスと合わせるのだった。
「懐かしいな、この感じ。喧嘩した後はいつもこうだったな」
「本当。あの頃は結局また喧嘩してたけど」
「絶対だぞ、オービン」
「分かってるってミカ。そんなに疑うなよ」
「暫くはずっと付きまとってやるから、覚悟しとけ」
「うっ……それは勘弁して欲しいな……エリスもそう思うだろ? 彼氏が俺なんかとずっと居たら嫌だろ?」
「う~ん、私は別に。それよりオービンが次約束破った時の誓いもしない?」
「ナイスエリス。よし、じゃ次は俺が仕切る。ミカロス・アンデルセはここに誓う」
「おい! それはなしだろ。昔二重誓いはなしって決めたろ」
「いやそれは、後でなしにしたろ。忘れたのかよ。覚えてるよなエリス?」
「どっちなんだよエリス?」
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