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第242話 ルームメイト
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「っ!」
ルークの言葉を聞いたトウマは、勢いよく立ち上がった。
その時トウマは、何とも言えないような表情でルークを見つめており、その時に両手は強く拳を握っていた。
そして暫くすると、小さく息をついて椅子に座った。
その間ルークはトウマから目を逸らさずにいた。
「……で、どうだったんだよ……」
「どうって?」
「いや、ほら、あれだよ。あれ! 返事だよ! てか、この場でそれ以外の何を訊くんだよ!」
トウマはルークに対して指を差しながらハッキリと言った。
するとルークは「返事、ね……」と呟き、そこでトウマから目線を外し足元を見た。
「何だよ、その感じは。告白したんだろ。抜け駆けしやがって」
「いや、あれは何と言うか、その場の勢いと言うとか雰囲気と言うかで……」
「そんな言い訳しようが、したものはしたんだろが。で、返事はどうなんだよルーク」
「……分からない」
まさかの返事にトウマは暫くフリーズした様に止まった後、大きな声で「はぁ?」と口に出した。
「こんな至近距離でそんな大きな声を出すな」
「何言ってんだ! お前が意味分からない事言うからだろうが! 何が分からないだ。告白したんだろうが、告白を!」
「したよ」
「じゃ、結果はどうだったんだよ。返事聞いたんだろ?」
「……いや。聞いてない……と言う、逃げた」
その言葉にルークは二度目の「はぁ~?」と声を出した。
それからトウマは、ルークに詰め寄り告白した時の事を全て吐かせ状況を理解した。
「お前、それヘタレって言うんだぞ」
「なっ」
「はぁ~いや、マジでない。告白して逃げるとか、第二王子とか言う以前に男としてどうなんよ。そこは返事を聞くまで待つだろ」
「うっさいな。あの時はそんな状態じゃなかったんだよ」
ルークは昨日の事を思い出し、そっぽを向いた。
「(告白したって聞いた時は驚いたし、やられたって思ったけど、そんな状態じゃまだ俺にもチャンスはありそうだな。てかコイツ、さらっとクリスの事アリス呼びしてたな)」
「それで話って言うのは、その事なのか?」
「ん、あぁ。まぁ、結果的にはそうだな。お前とクリスが何か変な距離感と言うか、ちょっと避けている様な感じがしたから、何かあったと疑ってたんだよ。で、訊いたらこれだよ」
「そうかよ。他に話がないなら、俺は作業に戻るぞ」
そう言ってルークは机へと体を戻した。
トウマは、あっさりと話が終わったので、少しあっけに取られていた。
「(えっ、おしまい!? え、こいつ女子に告白してるんだよな? ほら、なんつうか、もっと何かないか? こう、沸き上がるとか、ドキドキ的な何かがさ)」
ルークの後ろでトウマは、うねうねと体を動かしながらモヤモヤした様な表情でルークを見ていた。
するとそんなトウマに気付いたのか、ルークは手を止めて振り向いた。
「変な踊りをするなら別の所でやってくれよ、トウマ」
「踊ってねぇわ。てかルーク、何でそんな平常通りなんだよ。告白したんだろ。だったら、もっとどぎまぎとかするだろ? 返事も聞いてないならなおさら……」
「……今は試験が近いから、そんな事考えてる余裕がないんだよ」
トウマの問いかけにそう答えると、ルークはまた机へと向かって作業を始めた。
そんな姿にトウマは、軽くため息をつき部屋を出て行った。
1人になったルークはそのまま机に向かっていたが、途中で動きを止めてペンなども机に置いて椅子の背もたれにもたれ掛かった。
そして、天井を見上げてから顔に片腕を乗せてため息をついた。
「……何が考える余裕がないだよ……考えたら何も出来なくなりそうだから、こうやって他の事で気を逸らしてるんだろうが」
暫くしてからルークは、また机に向かって作業に取り掛かるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
私は大食堂でピースたちと限定定食を食べた後、シンリと一緒に寮へと帰って来た。
シンリとは入口付近で別れ、私は自室へと向かっていた。
私は小さくため息をつきながら自室の扉を開いた。
「ただいま~」
「ん、おかえりクリス」
部屋に入ると、既にルームメイトのシンが先に帰ってきていた。
シンは椅子に座り、本を読んでいた。
私は自分の机に向かい、机の上にバックを置いてシンに話掛けた。
「何読んでるんだ?」
「これ? 魔力の使い方についての本さ。と言っても、基礎的な物だけどね」
「へぇ~魔力についての本か」
でも、どうしてそんな本を読んでいるんだろ?
私はそんな疑問を思いつつも、人がどんな本を読んでいようがそれは自由だし、そこまで訊く事はないと思い疑問は胸にとどめた。
するとシンの方から、その疑問について話してくれた。
「もしかして、僕がどうしてこんな本読んでるか、気になった?」
「えっ……いや、そんな事ないよ」
「あはは。クリスって嘘下手だね。顔に出てるよ」
シンにそう言われて、私は両手で顔を咄嗟に触る。
その姿に、シンはまた笑う。
「僕がこの本を読んでるのは、僕の変身魔法を強化とか応用とか出来ないかなって思って読み始めたんだ」
「強化と応用」
「うん。僕はそんなに魔力が高い訳じゃないし、魔力分類もどれかが凄い訳でもない。だから、今ある力で何か変化を起こせないかなって思って基礎から魔力について見直してたのさ」
「そうだったんだ」
シンは自分の事を分かって、無理に出来ない事を伸ばすんではなく、出来る事から変えて行こうと言う考えなのね。
私はシンの考えに関心していた。
にしても、変身魔法の強化と応用か……私、変身魔法についてそんなに詳しくないんだよね。
私はどんな事が出来るようになるのかとか、どう変わるのかが想像出来ず腕を組んで悩んでいた。
「クリスが、そこまでして悩んでくれるのはありがたいけど、そこまでしなくてもいいよ」
「あっ、ごめん。ちょっと癖みたいな感じで。魔力に関しては、俺も勉強してたし、何か役に立てればと思ったんだけどさ」
「ありがとうクリス。それじゃ、少し訊きたい事があるんだ」
「何?」
それから私はシンの疑問について答えたり、魔力に関して私が勉強した事やおすすめの本などを教えたりした。
シンも私に対して、変身魔法の事を教えてくれたりしてくれ、新しい事を学べ互いにとって言い時間を過ごした。
「ありがとうクリス。ここがちょっと分からりずらかったんだけど、クリスのお陰で良く分かったよ」
「それなら良かった。俺も改めて基礎的な事を見て、気付いた事もあったし良かったよ」
「何か今日は調子が悪いのかと思ってけど、いつも通りのクリスで安心したよ。朝は部屋でもクラスでも心ここにあらずって感じでボーっとしてたから、どうしたんだろうなって思ってたんだ」
「そうだったのか? ごめん、ちょっと考え事してて」
するとシンは首を横に振った。
「いや、それならいいんだ。僕も一時期色々と考えてた時期もあったし、何となく分かるよ。でも、僕はクリスやルークたちのお陰で変われたし、悩みも解決できた。だから、もしクリスが悩んでどうしようもないって時は僕が相談に乗るからさ」
「シン……」
「て言っても、意外と人に悩みを打ち明けるって大変だよね。だから……あ~何て言うか、僕だけじゃなくてクラスの皆もいるから、1人でずっと悩んじゃダメって事を言いたいのかな?」
「何で最後疑問系なんだよ」
「自分で言ってて、よく分からなくなっちゃって」
「……でもありがとう、シン」
シンは私の言葉に、小さく「うん」と答えてくれた。
1人で悩んじゃダメか……でも、今の私の悩みを誰かに打ち明けて相談に乗ってくれる人が、思いつかない。
内容が内容なだけに、言い出しずらい。
信用していないって訳じゃない。
ただ、打ち明ける勇気が私にないだけ……いや、そもそも自分で答えを出さなければいけない物だと、私が思っているから言えないのかな。
そんな事を思いつつ、私はシンに背を向けて自分の椅子へと座った。
その頃、部屋の外には扉の前でノック寸前でトウマが止まっていた。
ちょっと前にシンからの言葉が聞こえており、それで動きを止めていた。
そしてノックしようとしていた手を下ろした。
「何だよ、俺の出番はなしか。せっかく俺の存在をアピールしようと思ったのによ。でも、シンがクリスにああ言ってくれて良かった。やっぱり、ルームメイトって凄いよな~」
トウマはそのまま部屋の前から離れて行った。
「あ~あ、俺がルームメイトのままだったな~……はぁ~どうするかな、これから」
そんな事を呟きながらトウマは廊下を歩いて行くのだった。
ルークの言葉を聞いたトウマは、勢いよく立ち上がった。
その時トウマは、何とも言えないような表情でルークを見つめており、その時に両手は強く拳を握っていた。
そして暫くすると、小さく息をついて椅子に座った。
その間ルークはトウマから目を逸らさずにいた。
「……で、どうだったんだよ……」
「どうって?」
「いや、ほら、あれだよ。あれ! 返事だよ! てか、この場でそれ以外の何を訊くんだよ!」
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するとルークは「返事、ね……」と呟き、そこでトウマから目線を外し足元を見た。
「何だよ、その感じは。告白したんだろ。抜け駆けしやがって」
「いや、あれは何と言うか、その場の勢いと言うとか雰囲気と言うかで……」
「そんな言い訳しようが、したものはしたんだろが。で、返事はどうなんだよルーク」
「……分からない」
まさかの返事にトウマは暫くフリーズした様に止まった後、大きな声で「はぁ?」と口に出した。
「こんな至近距離でそんな大きな声を出すな」
「何言ってんだ! お前が意味分からない事言うからだろうが! 何が分からないだ。告白したんだろうが、告白を!」
「したよ」
「じゃ、結果はどうだったんだよ。返事聞いたんだろ?」
「……いや。聞いてない……と言う、逃げた」
その言葉にルークは二度目の「はぁ~?」と声を出した。
それからトウマは、ルークに詰め寄り告白した時の事を全て吐かせ状況を理解した。
「お前、それヘタレって言うんだぞ」
「なっ」
「はぁ~いや、マジでない。告白して逃げるとか、第二王子とか言う以前に男としてどうなんよ。そこは返事を聞くまで待つだろ」
「うっさいな。あの時はそんな状態じゃなかったんだよ」
ルークは昨日の事を思い出し、そっぽを向いた。
「(告白したって聞いた時は驚いたし、やられたって思ったけど、そんな状態じゃまだ俺にもチャンスはありそうだな。てかコイツ、さらっとクリスの事アリス呼びしてたな)」
「それで話って言うのは、その事なのか?」
「ん、あぁ。まぁ、結果的にはそうだな。お前とクリスが何か変な距離感と言うか、ちょっと避けている様な感じがしたから、何かあったと疑ってたんだよ。で、訊いたらこれだよ」
「そうかよ。他に話がないなら、俺は作業に戻るぞ」
そう言ってルークは机へと体を戻した。
トウマは、あっさりと話が終わったので、少しあっけに取られていた。
「(えっ、おしまい!? え、こいつ女子に告白してるんだよな? ほら、なんつうか、もっと何かないか? こう、沸き上がるとか、ドキドキ的な何かがさ)」
ルークの後ろでトウマは、うねうねと体を動かしながらモヤモヤした様な表情でルークを見ていた。
するとそんなトウマに気付いたのか、ルークは手を止めて振り向いた。
「変な踊りをするなら別の所でやってくれよ、トウマ」
「踊ってねぇわ。てかルーク、何でそんな平常通りなんだよ。告白したんだろ。だったら、もっとどぎまぎとかするだろ? 返事も聞いてないならなおさら……」
「……今は試験が近いから、そんな事考えてる余裕がないんだよ」
トウマの問いかけにそう答えると、ルークはまた机へと向かって作業を始めた。
そんな姿にトウマは、軽くため息をつき部屋を出て行った。
1人になったルークはそのまま机に向かっていたが、途中で動きを止めてペンなども机に置いて椅子の背もたれにもたれ掛かった。
そして、天井を見上げてから顔に片腕を乗せてため息をついた。
「……何が考える余裕がないだよ……考えたら何も出来なくなりそうだから、こうやって他の事で気を逸らしてるんだろうが」
暫くしてからルークは、また机に向かって作業に取り掛かるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
私は大食堂でピースたちと限定定食を食べた後、シンリと一緒に寮へと帰って来た。
シンリとは入口付近で別れ、私は自室へと向かっていた。
私は小さくため息をつきながら自室の扉を開いた。
「ただいま~」
「ん、おかえりクリス」
部屋に入ると、既にルームメイトのシンが先に帰ってきていた。
シンは椅子に座り、本を読んでいた。
私は自分の机に向かい、机の上にバックを置いてシンに話掛けた。
「何読んでるんだ?」
「これ? 魔力の使い方についての本さ。と言っても、基礎的な物だけどね」
「へぇ~魔力についての本か」
でも、どうしてそんな本を読んでいるんだろ?
私はそんな疑問を思いつつも、人がどんな本を読んでいようがそれは自由だし、そこまで訊く事はないと思い疑問は胸にとどめた。
するとシンの方から、その疑問について話してくれた。
「もしかして、僕がどうしてこんな本読んでるか、気になった?」
「えっ……いや、そんな事ないよ」
「あはは。クリスって嘘下手だね。顔に出てるよ」
シンにそう言われて、私は両手で顔を咄嗟に触る。
その姿に、シンはまた笑う。
「僕がこの本を読んでるのは、僕の変身魔法を強化とか応用とか出来ないかなって思って読み始めたんだ」
「強化と応用」
「うん。僕はそんなに魔力が高い訳じゃないし、魔力分類もどれかが凄い訳でもない。だから、今ある力で何か変化を起こせないかなって思って基礎から魔力について見直してたのさ」
「そうだったんだ」
シンは自分の事を分かって、無理に出来ない事を伸ばすんではなく、出来る事から変えて行こうと言う考えなのね。
私はシンの考えに関心していた。
にしても、変身魔法の強化と応用か……私、変身魔法についてそんなに詳しくないんだよね。
私はどんな事が出来るようになるのかとか、どう変わるのかが想像出来ず腕を組んで悩んでいた。
「クリスが、そこまでして悩んでくれるのはありがたいけど、そこまでしなくてもいいよ」
「あっ、ごめん。ちょっと癖みたいな感じで。魔力に関しては、俺も勉強してたし、何か役に立てればと思ったんだけどさ」
「ありがとうクリス。それじゃ、少し訊きたい事があるんだ」
「何?」
それから私はシンの疑問について答えたり、魔力に関して私が勉強した事やおすすめの本などを教えたりした。
シンも私に対して、変身魔法の事を教えてくれたりしてくれ、新しい事を学べ互いにとって言い時間を過ごした。
「ありがとうクリス。ここがちょっと分からりずらかったんだけど、クリスのお陰で良く分かったよ」
「それなら良かった。俺も改めて基礎的な事を見て、気付いた事もあったし良かったよ」
「何か今日は調子が悪いのかと思ってけど、いつも通りのクリスで安心したよ。朝は部屋でもクラスでも心ここにあらずって感じでボーっとしてたから、どうしたんだろうなって思ってたんだ」
「そうだったのか? ごめん、ちょっと考え事してて」
するとシンは首を横に振った。
「いや、それならいいんだ。僕も一時期色々と考えてた時期もあったし、何となく分かるよ。でも、僕はクリスやルークたちのお陰で変われたし、悩みも解決できた。だから、もしクリスが悩んでどうしようもないって時は僕が相談に乗るからさ」
「シン……」
「て言っても、意外と人に悩みを打ち明けるって大変だよね。だから……あ~何て言うか、僕だけじゃなくてクラスの皆もいるから、1人でずっと悩んじゃダメって事を言いたいのかな?」
「何で最後疑問系なんだよ」
「自分で言ってて、よく分からなくなっちゃって」
「……でもありがとう、シン」
シンは私の言葉に、小さく「うん」と答えてくれた。
1人で悩んじゃダメか……でも、今の私の悩みを誰かに打ち明けて相談に乗ってくれる人が、思いつかない。
内容が内容なだけに、言い出しずらい。
信用していないって訳じゃない。
ただ、打ち明ける勇気が私にないだけ……いや、そもそも自分で答えを出さなければいけない物だと、私が思っているから言えないのかな。
そんな事を思いつつ、私はシンに背を向けて自分の椅子へと座った。
その頃、部屋の外には扉の前でノック寸前でトウマが止まっていた。
ちょっと前にシンからの言葉が聞こえており、それで動きを止めていた。
そしてノックしようとしていた手を下ろした。
「何だよ、俺の出番はなしか。せっかく俺の存在をアピールしようと思ったのによ。でも、シンがクリスにああ言ってくれて良かった。やっぱり、ルームメイトって凄いよな~」
トウマはそのまま部屋の前から離れて行った。
「あ~あ、俺がルームメイトのままだったな~……はぁ~どうするかな、これから」
そんな事を呟きながらトウマは廊下を歩いて行くのだった。
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