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第176話 猛獣の中に放たれた子犬
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トウマがラーウェンに一撃を与えた時、ルークとドウラは一進一退の攻防を繰り広げていた。
「(決め手に欠けるな……)」
「(圧倒的な魔法威力だけかと思っていたが、技術に魔力の質の操作など以前下見した時よりも向上している。防ぎつつカウンターの様に攻撃をするままでは、決着はつかないな)」
互いに相手とは均衡した力だと感じており、捨て身の一撃で挑む以外に倒す事は出来ないと薄々感じ取っていた。
だが、それをいつどの瞬間で繰り出すかを窺っていた。
直後会場の異様な盛り上がりに両者が気付き、そこで初めてトウマがラーウェンに一撃与えた事に気付く。
「(やれば出来るじゃねぇかよ、トウマ。お前は自分の事を普通だと思い過ぎなんだよ。俺に喧嘩を売るし、次期寮長たちとも対等に言い合い出来るほどなんだから、少しくらい自信を持てよ。これは俺も負けてられないな)」
「(ラーウェンの奴、やはり私情が入ってるな。あそこまで乱れるのは大抵、家関連の話とかが出た時だ)」
その瞬間、ドウラがラーウェンの方に目を向けている間にルークが両手を組み、前へ突き出すと銃の様に構えた。
ルークの突き出した指先には魔力が球体状に現れ、そこに『フレイム』『ブリザード』『サンダー』の魔法を球体に円形状に纏わせた。
「っ!」
ドウラは瞬時にルークが今まで以上の魔力を使った大技を放つと察し、周囲に鉄の盾を三重で創り出し、更には自身を守る様に鉄の球体で覆った。
直後ルークは小さく口を開き呟く。
「ズドン」
その言葉を引き金に、ルークの指先の魔力の球体から三頭龍が突風の様に放たれ、ドウラの創りだした三重の鉄の盾をいとも簡単に破壊し、最後の砦である鉄で覆った所へと至る。
すると三頭龍は周囲をぐるりと囲い三方向から各魔法の力を放ち、一直線に突撃しドウラの最後の盾を破壊し中心にいたドウラを吹き飛ばした。
吹き飛ばされてしまったドウラは、会場の壁へと打ち付けられてしまいそのままうなだれてしまう。
一方、ルークも多くの魔力を一気に使った為、その場で少しふらつくも立ったままトウマとラーウェンの方に視線を向けた。
「(トウマ。後はそっちで決着つけてくれよ)」
ルークはその場から動かずにただトウマの方を見つめるのみであった。
既にルーク自身も立っているのがやっとの状態であった為、トウマが負けてしまえばこの試合は負けだとルークは思いつつ、トウマを信じ決着の行方を固唾を飲んで見守っていた。
その頃トウマはと言うと、ラーウェンの魔力の剣から放たれる魔法から全力ダッシュで逃げていた。
「(ふざけんな! そんなのありかよ! 剣から魔法も放てて威力も増してるとかおかし過ぎるだろー!)」
ラーウェンは逃げるトウマ目掛けて、魔力の剣から魔力を使い魔法を振り放っており、不足した魔力は直ぐに補充し二刀の魔力の剣を維持していた。
「俺が! 俺がお前なんかに負けるわけないんだ! まぐれで当てただけで調子に乗るなートウマー!」
「(調子になんかに乗るかよ。くそっ、どうする……俺にはルークの様な強い魔法も使えないし、クリスみたいな細かい技量もない。ん? そう言えば、ルーク方はどうなったんだ?)」
トウマはふとルークの方を見るとただ突っ立てこちらを見ており、相手をしていた奴がいない事からルークが勝ったのだと分かった。
その直後、背後からラーウェンの二刀で放たれた魔法が迫っていた。
「まずっ!」
トウマは咄嗟に両手に魔力を一気に集めて、両手でその魔法の軌道を叩いてズラした。
「(いっってぇーー! 咄嗟とは言え触ってどうにかするもんじゃねぇな。てか、何でルーク奴じっと見てるだけなんだよ! これタッグマッチだろうが!)」
そう思いながらラーウェンとの距離を取りながら、トウマは今の自分に何が出来るかを考えていた。
「(ラーウェンと真正面から戦うのは俺には無理だ。魔力差もあるし、一撃必殺的な物も俺にはないし、あるのはこの疑似特異体質の目でただ無作為に弾き返すだけ。せめてこれでラーウェンの攻撃を正確に弾き返せれば……あっ)」
トウマはその瞬間、ルークの方を見てある事を思い付き進行方向をルークへと定めて突っ込んで行く。
ルークも突然トウマが自分の方へと突っ込んで来る事に気付き動揺する。
「な、何で俺の方に来るんだよ、トウマ!」
「何言ってるんだよ、これタッグマッチだろうが!」
そしてトウマはルークの元に辿り着くと、直ぐに背中側に周り込んだ。
「後頼んだ!」
「はぁ!?」
するとラーウェンがルークとトウマ目掛けて遠くから、二刀から炎と氷の魔法を同時に放ってきた。
ルークはそれに対して残り少ない魔力を使い、風の盾を瞬時に創りだし一時的に防ぎ続けた。
「おい! 何、俺を巻き込んでんだよトウマ。あいつはお前の相手だろうが」
「これタッグマッチだろうが! 何シングルマッチに勝手にすり替えてんだ。お前との作戦もひとまず、ラーウェンに一撃入れるまで時間稼ぐとか何とかで達成しろ! どう見ても、あれ以上俺が出来る事はねぇよ!」
「俺だって『鉄人』とやり合って、魔力ほとんど残ってないんだよ」
「俺よりかはあるだろう。あいつの攻撃防げるんだからよ。って、そんな口論しに来たんじゃねぇんだよ。タッグマッチ何だから協力するぞ」
「協力?」
その後、トウマは先程思い付いた事をルークに伝えるとルークはうっすらと笑う。
「てか、そんな力だったのかよ。あの時俺の魔法を防いだやつは」
「お前の探求心に付き合うのは後だ。それで出来ると思うか?」
「もうそれしか、やれる事がないんだったらやってみるだけだろ。タッグマッチだしな」
「たっくよ、猛獣の中に子犬を放つんなら最後まで面倒見ろよな。危うく死にかけてるんだからな」
「何だよその例え」
「分かりやすいだろ? 要は、強い奴は一般人がやりたい事の補助くらいしろって事だよ」
そうトウマが笑いかけると、ルークもクスッと笑うと同時にラーウェンからの攻撃が一度止む。
「トウマ! 逃げるんじゃねぇ! 俺と喧嘩しに来たんだろうが! だったら第二王子の後ろに何か隠れてねぇで出て来い!」
トウマはそれを聞くとルークに隠れながらあえて挑発する様な言葉を掛ける。
「最初にそうは言ったが、もう完全に喧嘩どころのレベルじゃねぇから止めだ! 止め止め! そんなに俺を倒したいならルーク事ぶっ飛ばせる一撃でも放てばいいだろうが。まぁ、今まで見た感じだとそんな大技持ってないみたいだし、頑張りたまえラーウェン」
ラーウェンは完全にトウマの発言を受け、頭に血が上ってしまう。
「なるほどな! だったら、お望みの事をしてやるよ! お前事第二王子をも消し去ってやるよ!」
するとラーウェンは二刀の魔力の剣を一本へとし、更に魔力を増加させ大剣へと変化させた。
そこへ魔法も同時に発動させ、見る限りに学院対抗戦で使う様な技でないと誰もが分かるレベルへと変化を遂げていた。
「ラーウェン! 止めろ、それほどの威力は規定違反レベルだ! お前、相手を殺す気か!」
「うるせぇ黙ってろドウラ! 負けた奴が口を出すな!」
ルークに負けたドウラがタイミング良く意識を取り戻し、状況を見てすぐさまラーウェンを止めようとするが、その言葉は直ぐに一層されてしまう。
一方でルークとトウマは、全くその場から動こうとはせずにラーウェンの攻撃を真正面から受け止める位置にいた。
「何してるんだ! お前らこのままじゃ死ぬぞ!」
ドウラの言葉に2人は一瞬耳を傾けるも、直ぐにラーウェンの方へと集中し始めてしまう。
「(どう言うつもりだ? 何故逃げない? こんなのどう見てもどうにか出来るレベルじゃない)」
そう考えている内にラーウェンは既に大剣をルークたちに向けて振り下ろし始めており、そこから一気にラーウェンは振り下ろし地面をえぐる様な威力の魔法が放たれる。
「あははははは! お前が悪いんだ! 全部お前のせいだトウマ!」
するとルークとトウマは立ち位置を入れ替えて、瞳を閉じたトウマが先頭に立つと瞳を開けた。
その瞳は碧く、トウマの目の前に碧いシールドがトウマたちを守る様に楕円状に展開された。
「(決め手に欠けるな……)」
「(圧倒的な魔法威力だけかと思っていたが、技術に魔力の質の操作など以前下見した時よりも向上している。防ぎつつカウンターの様に攻撃をするままでは、決着はつかないな)」
互いに相手とは均衡した力だと感じており、捨て身の一撃で挑む以外に倒す事は出来ないと薄々感じ取っていた。
だが、それをいつどの瞬間で繰り出すかを窺っていた。
直後会場の異様な盛り上がりに両者が気付き、そこで初めてトウマがラーウェンに一撃与えた事に気付く。
「(やれば出来るじゃねぇかよ、トウマ。お前は自分の事を普通だと思い過ぎなんだよ。俺に喧嘩を売るし、次期寮長たちとも対等に言い合い出来るほどなんだから、少しくらい自信を持てよ。これは俺も負けてられないな)」
「(ラーウェンの奴、やはり私情が入ってるな。あそこまで乱れるのは大抵、家関連の話とかが出た時だ)」
その瞬間、ドウラがラーウェンの方に目を向けている間にルークが両手を組み、前へ突き出すと銃の様に構えた。
ルークの突き出した指先には魔力が球体状に現れ、そこに『フレイム』『ブリザード』『サンダー』の魔法を球体に円形状に纏わせた。
「っ!」
ドウラは瞬時にルークが今まで以上の魔力を使った大技を放つと察し、周囲に鉄の盾を三重で創り出し、更には自身を守る様に鉄の球体で覆った。
直後ルークは小さく口を開き呟く。
「ズドン」
その言葉を引き金に、ルークの指先の魔力の球体から三頭龍が突風の様に放たれ、ドウラの創りだした三重の鉄の盾をいとも簡単に破壊し、最後の砦である鉄で覆った所へと至る。
すると三頭龍は周囲をぐるりと囲い三方向から各魔法の力を放ち、一直線に突撃しドウラの最後の盾を破壊し中心にいたドウラを吹き飛ばした。
吹き飛ばされてしまったドウラは、会場の壁へと打ち付けられてしまいそのままうなだれてしまう。
一方、ルークも多くの魔力を一気に使った為、その場で少しふらつくも立ったままトウマとラーウェンの方に視線を向けた。
「(トウマ。後はそっちで決着つけてくれよ)」
ルークはその場から動かずにただトウマの方を見つめるのみであった。
既にルーク自身も立っているのがやっとの状態であった為、トウマが負けてしまえばこの試合は負けだとルークは思いつつ、トウマを信じ決着の行方を固唾を飲んで見守っていた。
その頃トウマはと言うと、ラーウェンの魔力の剣から放たれる魔法から全力ダッシュで逃げていた。
「(ふざけんな! そんなのありかよ! 剣から魔法も放てて威力も増してるとかおかし過ぎるだろー!)」
ラーウェンは逃げるトウマ目掛けて、魔力の剣から魔力を使い魔法を振り放っており、不足した魔力は直ぐに補充し二刀の魔力の剣を維持していた。
「俺が! 俺がお前なんかに負けるわけないんだ! まぐれで当てただけで調子に乗るなートウマー!」
「(調子になんかに乗るかよ。くそっ、どうする……俺にはルークの様な強い魔法も使えないし、クリスみたいな細かい技量もない。ん? そう言えば、ルーク方はどうなったんだ?)」
トウマはふとルークの方を見るとただ突っ立てこちらを見ており、相手をしていた奴がいない事からルークが勝ったのだと分かった。
その直後、背後からラーウェンの二刀で放たれた魔法が迫っていた。
「まずっ!」
トウマは咄嗟に両手に魔力を一気に集めて、両手でその魔法の軌道を叩いてズラした。
「(いっってぇーー! 咄嗟とは言え触ってどうにかするもんじゃねぇな。てか、何でルーク奴じっと見てるだけなんだよ! これタッグマッチだろうが!)」
そう思いながらラーウェンとの距離を取りながら、トウマは今の自分に何が出来るかを考えていた。
「(ラーウェンと真正面から戦うのは俺には無理だ。魔力差もあるし、一撃必殺的な物も俺にはないし、あるのはこの疑似特異体質の目でただ無作為に弾き返すだけ。せめてこれでラーウェンの攻撃を正確に弾き返せれば……あっ)」
トウマはその瞬間、ルークの方を見てある事を思い付き進行方向をルークへと定めて突っ込んで行く。
ルークも突然トウマが自分の方へと突っ込んで来る事に気付き動揺する。
「な、何で俺の方に来るんだよ、トウマ!」
「何言ってるんだよ、これタッグマッチだろうが!」
そしてトウマはルークの元に辿り着くと、直ぐに背中側に周り込んだ。
「後頼んだ!」
「はぁ!?」
するとラーウェンがルークとトウマ目掛けて遠くから、二刀から炎と氷の魔法を同時に放ってきた。
ルークはそれに対して残り少ない魔力を使い、風の盾を瞬時に創りだし一時的に防ぎ続けた。
「おい! 何、俺を巻き込んでんだよトウマ。あいつはお前の相手だろうが」
「これタッグマッチだろうが! 何シングルマッチに勝手にすり替えてんだ。お前との作戦もひとまず、ラーウェンに一撃入れるまで時間稼ぐとか何とかで達成しろ! どう見ても、あれ以上俺が出来る事はねぇよ!」
「俺だって『鉄人』とやり合って、魔力ほとんど残ってないんだよ」
「俺よりかはあるだろう。あいつの攻撃防げるんだからよ。って、そんな口論しに来たんじゃねぇんだよ。タッグマッチ何だから協力するぞ」
「協力?」
その後、トウマは先程思い付いた事をルークに伝えるとルークはうっすらと笑う。
「てか、そんな力だったのかよ。あの時俺の魔法を防いだやつは」
「お前の探求心に付き合うのは後だ。それで出来ると思うか?」
「もうそれしか、やれる事がないんだったらやってみるだけだろ。タッグマッチだしな」
「たっくよ、猛獣の中に子犬を放つんなら最後まで面倒見ろよな。危うく死にかけてるんだからな」
「何だよその例え」
「分かりやすいだろ? 要は、強い奴は一般人がやりたい事の補助くらいしろって事だよ」
そうトウマが笑いかけると、ルークもクスッと笑うと同時にラーウェンからの攻撃が一度止む。
「トウマ! 逃げるんじゃねぇ! 俺と喧嘩しに来たんだろうが! だったら第二王子の後ろに何か隠れてねぇで出て来い!」
トウマはそれを聞くとルークに隠れながらあえて挑発する様な言葉を掛ける。
「最初にそうは言ったが、もう完全に喧嘩どころのレベルじゃねぇから止めだ! 止め止め! そんなに俺を倒したいならルーク事ぶっ飛ばせる一撃でも放てばいいだろうが。まぁ、今まで見た感じだとそんな大技持ってないみたいだし、頑張りたまえラーウェン」
ラーウェンは完全にトウマの発言を受け、頭に血が上ってしまう。
「なるほどな! だったら、お望みの事をしてやるよ! お前事第二王子をも消し去ってやるよ!」
するとラーウェンは二刀の魔力の剣を一本へとし、更に魔力を増加させ大剣へと変化させた。
そこへ魔法も同時に発動させ、見る限りに学院対抗戦で使う様な技でないと誰もが分かるレベルへと変化を遂げていた。
「ラーウェン! 止めろ、それほどの威力は規定違反レベルだ! お前、相手を殺す気か!」
「うるせぇ黙ってろドウラ! 負けた奴が口を出すな!」
ルークに負けたドウラがタイミング良く意識を取り戻し、状況を見てすぐさまラーウェンを止めようとするが、その言葉は直ぐに一層されてしまう。
一方でルークとトウマは、全くその場から動こうとはせずにラーウェンの攻撃を真正面から受け止める位置にいた。
「何してるんだ! お前らこのままじゃ死ぬぞ!」
ドウラの言葉に2人は一瞬耳を傾けるも、直ぐにラーウェンの方へと集中し始めてしまう。
「(どう言うつもりだ? 何故逃げない? こんなのどう見てもどうにか出来るレベルじゃない)」
そう考えている内にラーウェンは既に大剣をルークたちに向けて振り下ろし始めており、そこから一気にラーウェンは振り下ろし地面をえぐる様な威力の魔法が放たれる。
「あははははは! お前が悪いんだ! 全部お前のせいだトウマ!」
するとルークとトウマは立ち位置を入れ替えて、瞳を閉じたトウマが先頭に立つと瞳を開けた。
その瞳は碧く、トウマの目の前に碧いシールドがトウマたちを守る様に楕円状に展開された。
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