136 / 564
第135話 終息
しおりを挟む
「アバン」
と声を掛けたのはサストであった。
その声に気付きアバンは、振り返り「サスト隊長……」と呟いた。
サストは同行して来た王国兵に、ルークたちの方へと向かわせるよう指示を出し、自分はアバンの元へと近寄って行く。
「アバン、まさかお前の家族が誘拐された1人だったとはな。そこまでの情報を得られずに、今回の同行を許可した俺にも責任がある」
アバンが単独行動した事は既にペイルから聞いたのか、全てを知った上でサストは話し掛けているとアバンは分かった。
「いえ、今回の違反行動は全て俺の自己判断でした事です。サスト隊長に可能性として話していなかった俺が悪いです」
「……そうかもしれないが、俺はこの部隊の隊長だ。隊長は、部隊の中で起きた全ての事に対し責任を持たなければいけないものなんだ。ひとまず、今どうこう言うのはもう終わりだ。詳しくは帰還してからだ」
するとサストは、アバンが戦っていた相手の事について話し始めた。
そこでアバンは初めて今回の首謀者が犯罪組織『モラトリアム』である事を知り、先程まで戦っていたのがそのリーダーであるロバート・ベンズであったと教えられる。
容姿が若返ってはいるものの、サストが直接その顔を確認し間違いなく本人であると告げた。
その場でサストは直ぐに意識を失っているロバートを拘束し、アバンにどう言う経緯でロバートを倒したのかを聞きだす。
アバンはサストに近付き、少し小声で全てを話すとサストは少しため息を漏らすも、怒っている訳ではなかった。
「分かった。それについても帰還してから話そう。アバン、お前まだ隠している事はないか? ここまで来たら全て言ってもらいたいものだ」
「いえ、これ以上の秘密はありません」
「ならいい。ひとまずこちらの対処などは、他の兵たちと行うからお前は家族の所に行って話して来い」
サストの心遣いに感謝し、アバンは言われた通りにその場を軽く一礼してから離れる。
そして私の元へとやって来て、腰を下ろしていつもの兄としての顔で話し掛けて来た。
「大丈夫か、アリス?」
「お兄ちゃんこそ、大丈夫なの? 違反行動とか聞こえたけど……もしかして私の為に」
するとアバンは首を軽く横に振った。
「家族より大切なものはないんだよ、アリス。今は俺の事より、お前が無事で安心したよ。でも、母さんや父さんに今回の件を知ったら、何を言うか」
「……そうだね」
私はお兄ちゃんは自分の事は気にするなと言ってるが、私のせいでお兄ちゃんの将来を台無しにしてしまったのではないかと気が気でなかった。
このままお兄ちゃんは、せっかく入隊出来た王国軍を退くはめになってしまったらどうしようと私は考えてしまっていた。
するとお兄ちゃんは、そんな私の内心を読み取り俯く私の顔を両手で掴み上げて来た。
「俯くな、アリス。俺は俺がやるべき事をやる為に選択した結果だから、後悔はしてない。だからそんな顔するな、眉間にしわの跡が残るぞ」
「お兄ちゃん……」
そう私に優しく微笑みかけた後、私の後ろに回り拘束具を破壊してくれた。
そしてそのままルークたちの方に視線を移した。
「さて、ルーク。俺はお前に言いたい事はさっき言ったが、もう1つだけ言わせろ」
そう言ってアバンはルークの耳元に迫った。
「今回の行動は、アリスの為だったのは分かる。お前がここまでしてアリスを助け出したかった気持ちは分かるが、前にも言った通り俺の気持ちは変わらなぞ。兄貴との関係にも終止符が着いたようだが、今のままじゃまだ世間の目は変わらないぞ」
「っ……」
そう言った後アバンはルークから離れると、ルークは少し俯いた。
そんなルークを見てアバンは言葉を付け加えた。
「だが、今回はお前が行動してくれたからアリスを助けられた。ありがとう」
深く頭を下げるアバンの姿に、ルークは少し驚きの表情をするも直ぐにいつも通りの表情をして「いや、俺は……」とだけ呟くのみだった。
アバンは頭を上げると、こちらをずっと見ている視線に気付きルークの後ろにいたトウマに視線を移す。
「え~と……君は……」
「俺はトウマです。ルークたちと同じ王都メルト魔法学院の第2学年で、貴方の事も知ってますよアバンさん。昔オービン先輩に圧勝したと言う、あのアバンさんですよね」
「トウマね。覚えたよ。いや~よく言われるけど俺あんまり覚えていないんだよね」
「いや、それはそれでいいんですけど……その~何て言うか~……」
急にトウマが周囲をキョロキョロとしつつ、アバンに話し掛けて来たが中々本題に入らずにいた。
その行動にアバンは首を傾げているとトウマはアバンの方へと近付いて来て、耳打ちする様に聞きたかった事を口に出した。
「あの、そのクリスの事なんですが。さっき妹とか、アリスとか呼んでましたけど、どう言うことですか?」
「え? ……あっ……あはははは……」
トウマの問いかけにアバンは乾いた笑いでその場をやり過ごし後、私の方を向いて来て手で私の事を呼んでいたので近寄る。
「何、お兄ちゃん」
「すまん。彼にバレちゃった」
「え? あっ!」
その時私は色んな事が起き過ぎていたので、完全に気が抜けていた状態でありトウマの前でクリスのふりをするのを少し忘れていたと思い出した。
それに先程のロバートとの戦いの中で、アバンがはっきりと妹と口にしていた事や、先程の会話も聞こえていたのだとすると、もう言い訳するわけにもいかなったので素直に私はトウマに両手を合わせてお願いをした。
「トウマお願い! それについては必ず説明するから、誰にも言わないでくれない?」
「え!? っ??? お、おう……俺は良いけどルークは……」
とトウマがルークの方を見るとルークは全く驚いていなかった事から、事情を知っていたのだと悟った。
すぐさまトウマは私の方へと顔を戻して来た。
「1つだけ確認させてくれ。それだけでいいから。な」
「え、まぁいいけど」
するとトウマは唾を飲み込んだ後それを口に出した。
「クリスは男じゃなくて、女性なのか?」
「……うん」
私の回答にトウマは一気に顔が明るくなった。
何でそれを聞いただけそんな事になったのかは、私にも理解出来なかったがトウマはそれを聞いただけで満足したのか、それ以上の事は聞いてこずそのまま背を向けて何かをしていた。
その時トウマは、皆に背を向けて小さくガッツポーズをしていたのだった。
その時サストが声を掛けて来て、自己紹介と簡単に今後の流れを説明した後、この場からの撤収を指示して来た。
私たちはサストの指示に従って動き始めた。
その後、私たちは安全に洞窟内を歩き続け、外へと出ると既に空は茜色であった。
また外には、先に外に出ていたもう1つの王国軍兵たちがいて、そこにオービンとヒビキの姿もあったが何やら話している様子だったので声は掛けなかった。
そしてアバンはサストと更には3名の王国軍兵と少し離れた所で、話をした後戻って来て私たちは街への帰路へと着いたのだった。
この日、私たちが街に戻って来たころには夕日も沈みかけており、街は収穫祭のフィナーレを飾るイベントが行われいる最中であった。
しかし私たちは、そのまま王城へと行き手当を受けた後、今日の出来事について緘口令を敷かれた。
一国の第一王子であるオービンが収穫祭に誘拐されたと知れたら、王国がパニックになる可能性がある為と説明され、一方で犯罪組織『モラトリアム』が関わっていたとなると更にパニックになると言われた。
だが、今回『モラトリアム』のリーダーであるロバート・ベンズの拘束に成功した事で、大きな犯罪などが終息し始めると語るのだった。
そして私たちは、王城内で収穫祭フィナーレメインイベントの花火が良く見える部屋に案内され、そこで花火を堪能したのだった。
と声を掛けたのはサストであった。
その声に気付きアバンは、振り返り「サスト隊長……」と呟いた。
サストは同行して来た王国兵に、ルークたちの方へと向かわせるよう指示を出し、自分はアバンの元へと近寄って行く。
「アバン、まさかお前の家族が誘拐された1人だったとはな。そこまでの情報を得られずに、今回の同行を許可した俺にも責任がある」
アバンが単独行動した事は既にペイルから聞いたのか、全てを知った上でサストは話し掛けているとアバンは分かった。
「いえ、今回の違反行動は全て俺の自己判断でした事です。サスト隊長に可能性として話していなかった俺が悪いです」
「……そうかもしれないが、俺はこの部隊の隊長だ。隊長は、部隊の中で起きた全ての事に対し責任を持たなければいけないものなんだ。ひとまず、今どうこう言うのはもう終わりだ。詳しくは帰還してからだ」
するとサストは、アバンが戦っていた相手の事について話し始めた。
そこでアバンは初めて今回の首謀者が犯罪組織『モラトリアム』である事を知り、先程まで戦っていたのがそのリーダーであるロバート・ベンズであったと教えられる。
容姿が若返ってはいるものの、サストが直接その顔を確認し間違いなく本人であると告げた。
その場でサストは直ぐに意識を失っているロバートを拘束し、アバンにどう言う経緯でロバートを倒したのかを聞きだす。
アバンはサストに近付き、少し小声で全てを話すとサストは少しため息を漏らすも、怒っている訳ではなかった。
「分かった。それについても帰還してから話そう。アバン、お前まだ隠している事はないか? ここまで来たら全て言ってもらいたいものだ」
「いえ、これ以上の秘密はありません」
「ならいい。ひとまずこちらの対処などは、他の兵たちと行うからお前は家族の所に行って話して来い」
サストの心遣いに感謝し、アバンは言われた通りにその場を軽く一礼してから離れる。
そして私の元へとやって来て、腰を下ろしていつもの兄としての顔で話し掛けて来た。
「大丈夫か、アリス?」
「お兄ちゃんこそ、大丈夫なの? 違反行動とか聞こえたけど……もしかして私の為に」
するとアバンは首を軽く横に振った。
「家族より大切なものはないんだよ、アリス。今は俺の事より、お前が無事で安心したよ。でも、母さんや父さんに今回の件を知ったら、何を言うか」
「……そうだね」
私はお兄ちゃんは自分の事は気にするなと言ってるが、私のせいでお兄ちゃんの将来を台無しにしてしまったのではないかと気が気でなかった。
このままお兄ちゃんは、せっかく入隊出来た王国軍を退くはめになってしまったらどうしようと私は考えてしまっていた。
するとお兄ちゃんは、そんな私の内心を読み取り俯く私の顔を両手で掴み上げて来た。
「俯くな、アリス。俺は俺がやるべき事をやる為に選択した結果だから、後悔はしてない。だからそんな顔するな、眉間にしわの跡が残るぞ」
「お兄ちゃん……」
そう私に優しく微笑みかけた後、私の後ろに回り拘束具を破壊してくれた。
そしてそのままルークたちの方に視線を移した。
「さて、ルーク。俺はお前に言いたい事はさっき言ったが、もう1つだけ言わせろ」
そう言ってアバンはルークの耳元に迫った。
「今回の行動は、アリスの為だったのは分かる。お前がここまでしてアリスを助け出したかった気持ちは分かるが、前にも言った通り俺の気持ちは変わらなぞ。兄貴との関係にも終止符が着いたようだが、今のままじゃまだ世間の目は変わらないぞ」
「っ……」
そう言った後アバンはルークから離れると、ルークは少し俯いた。
そんなルークを見てアバンは言葉を付け加えた。
「だが、今回はお前が行動してくれたからアリスを助けられた。ありがとう」
深く頭を下げるアバンの姿に、ルークは少し驚きの表情をするも直ぐにいつも通りの表情をして「いや、俺は……」とだけ呟くのみだった。
アバンは頭を上げると、こちらをずっと見ている視線に気付きルークの後ろにいたトウマに視線を移す。
「え~と……君は……」
「俺はトウマです。ルークたちと同じ王都メルト魔法学院の第2学年で、貴方の事も知ってますよアバンさん。昔オービン先輩に圧勝したと言う、あのアバンさんですよね」
「トウマね。覚えたよ。いや~よく言われるけど俺あんまり覚えていないんだよね」
「いや、それはそれでいいんですけど……その~何て言うか~……」
急にトウマが周囲をキョロキョロとしつつ、アバンに話し掛けて来たが中々本題に入らずにいた。
その行動にアバンは首を傾げているとトウマはアバンの方へと近付いて来て、耳打ちする様に聞きたかった事を口に出した。
「あの、そのクリスの事なんですが。さっき妹とか、アリスとか呼んでましたけど、どう言うことですか?」
「え? ……あっ……あはははは……」
トウマの問いかけにアバンは乾いた笑いでその場をやり過ごし後、私の方を向いて来て手で私の事を呼んでいたので近寄る。
「何、お兄ちゃん」
「すまん。彼にバレちゃった」
「え? あっ!」
その時私は色んな事が起き過ぎていたので、完全に気が抜けていた状態でありトウマの前でクリスのふりをするのを少し忘れていたと思い出した。
それに先程のロバートとの戦いの中で、アバンがはっきりと妹と口にしていた事や、先程の会話も聞こえていたのだとすると、もう言い訳するわけにもいかなったので素直に私はトウマに両手を合わせてお願いをした。
「トウマお願い! それについては必ず説明するから、誰にも言わないでくれない?」
「え!? っ??? お、おう……俺は良いけどルークは……」
とトウマがルークの方を見るとルークは全く驚いていなかった事から、事情を知っていたのだと悟った。
すぐさまトウマは私の方へと顔を戻して来た。
「1つだけ確認させてくれ。それだけでいいから。な」
「え、まぁいいけど」
するとトウマは唾を飲み込んだ後それを口に出した。
「クリスは男じゃなくて、女性なのか?」
「……うん」
私の回答にトウマは一気に顔が明るくなった。
何でそれを聞いただけそんな事になったのかは、私にも理解出来なかったがトウマはそれを聞いただけで満足したのか、それ以上の事は聞いてこずそのまま背を向けて何かをしていた。
その時トウマは、皆に背を向けて小さくガッツポーズをしていたのだった。
その時サストが声を掛けて来て、自己紹介と簡単に今後の流れを説明した後、この場からの撤収を指示して来た。
私たちはサストの指示に従って動き始めた。
その後、私たちは安全に洞窟内を歩き続け、外へと出ると既に空は茜色であった。
また外には、先に外に出ていたもう1つの王国軍兵たちがいて、そこにオービンとヒビキの姿もあったが何やら話している様子だったので声は掛けなかった。
そしてアバンはサストと更には3名の王国軍兵と少し離れた所で、話をした後戻って来て私たちは街への帰路へと着いたのだった。
この日、私たちが街に戻って来たころには夕日も沈みかけており、街は収穫祭のフィナーレを飾るイベントが行われいる最中であった。
しかし私たちは、そのまま王城へと行き手当を受けた後、今日の出来事について緘口令を敷かれた。
一国の第一王子であるオービンが収穫祭に誘拐されたと知れたら、王国がパニックになる可能性がある為と説明され、一方で犯罪組織『モラトリアム』が関わっていたとなると更にパニックになると言われた。
だが、今回『モラトリアム』のリーダーであるロバート・ベンズの拘束に成功した事で、大きな犯罪などが終息し始めると語るのだった。
そして私たちは、王城内で収穫祭フィナーレメインイベントの花火が良く見える部屋に案内され、そこで花火を堪能したのだった。
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる