52 / 564
第52話 チーム戦
しおりを挟む
シンの問題が一件落着して次の日、合同合宿7日目。
6日目からは、チーム連携のカリキュラムが増え、基礎訓練と魔力分類の苦手分野特訓も今まで通りに行われた。
私は未だに体力が戻らずに、直ぐに息切れをしてしまうが、何とかついていきメニューをこなした。
その日のカリキュラム終了後、久しぶりに女子側のメンバーたちと合流し、教員たちから今後のカリキュラムについての話がされた。
「7日目のカリキュラムも無事に終了し、疲れている所集まってもらってたのは、明日以降のカリキュラムについてだ。残す所合同合宿も3日になった。そこで、明日からはチーム戦を行う」
そこで教員が口にしたチーム戦とは、今のチームで各個々の力や助け合いを行ながらゴールを目指すというものであった。
初日に事件があって以降このカリキュラムを行う為に、万全に調査を行い安全だと判断しての決定であるとも言っていた。
そして詳しいチーム戦については明日話すと言われ、場所は近くの無人島で行う為、朝から移動すると言い渡されて解散となった。
「いや~まさか、チーム戦とかやるとはね。想像してなかったわ」
「俺は、付いて行けるか心配だよ。体力的に」
「大丈夫だって。俺もルークもいるしさ!」
私の心配事にトウマは、励ますように言葉を掛けてくれた。
するとそこに、アリス事マリアが私に声を掛けて来て、トウマが何かを察して先に帰ってるわと言って私から離れて行った。
何も言っていないのに、どうしてトウマが離れて行ったのか不思議だったが、その後にマリアの話を聞いて納得した。
「な、なるほど……関係がある事を明かしたのね……」
「はい。勝手なまねをしてしまい、申し訳ありません。ただ、それ以上の事は特にありませんので、今ままで通りに過ごして下さい」
「まぁ、傷が治ってから特に変わった事も、マリアとの関係性とか深堀されることもなかったし、大丈夫かな」
マリアその時は、タツミ先生との出来事は話さずにいた。
とりあえず、クリスとアリスが家族であるとは知られたはしたが、特に支障はないという話になった。
そして話はそれだけではなく、初日の魔物に関しての事についても報告された。
内容は、以前聞いたルークのものとは異なり、魔物は自然発生したものではなく、何者かが持ち込んだものであると言われた。
その証拠に、魔物がいた場所にマリアが向かった所、隈なく探したが、全く気配がなく魔物を小型化し運ぶことが出来る魔道具の痕跡が見つかったらしい。
詳しい事は私には分からなかったが、何者かがこの島に魔物を持ち込み放っているので、明日以降も警戒して下さいとマリアに警戒するように言われた。
その後マリアとも別れ、自身の宿泊施設へ戻り夕飯を皆と食べながらも、私はマリアから言われた事を考えていた。
魔物を持ち運び、こんな所で放つ意味は何なの? あそこで私が出合った魔物の近くにあれを放った犯人がいたという事? だとしたら、誰が何の為にあんな事をしていたの?
私は難しい顔をしつつ、夕飯を食べていたので近くにしたフェルトが、美味しくないのかと訊ねて来た。
直ぐに私は、そんな事はないと言って夕飯に集中すると、そうかと言ってフェルトは自分の夕飯に戻って行った。
その日の自由時間に、私はトウマと一緒にルークとシンの部屋を訪れた。
何故ルークの部屋を訪れたかと言うと、初日の事件について話す為でもあり、あれからベンたちと何かあるか確認するためであった。
「そうか。あれから、呼び出しもいじめもピタリと止んだか。やり合ったかいがあったな、シン」
「うん。あざはまだ残ってるけど、後悔はないかな」
「にしても、シンが普通に話してるのが、まだ慣れないよ。頷いて会話する事に慣れ始めてたけど、今後は普通に話していくんだよね」
私の問いかけに、シンは極力そうしていくよと答えた。
元々、いじめも要因の一つで話さずにいたらしいが、それも変えて行こうと決めたらしい。
するとそこに、扉がノックされる。
ルークが返事をすると、入って来たのは、ガードルでありルークが呼び出したのであった。
そして、簡単に初日の事件について振り返りつつ、ルークの調査した内容を共有した。
「さすがは、ルークだな。常駐している王国兵士から話を聞くとは」
「いらない事を言うなトウマ。話を戻すぞ。それでシン、あの時急にいなくなったのは、ベンたちに連れて行かれたからか?」
「うん、そうだよ。突然口を塞がれて、足を止めるように言われたんだ……そう言えばあの時、マイクが何かしてたような」
シンの言葉に私たちが反応するも、それ以上の事が分かる事はなく解散となった。
ひとまず、明日は安全であると言われた別の島に行くが、今回の様な事が無いとは言い切れないため、単独行動が無い様にとルークが最後に言った。
そして自室に戻り、私はトウマにルークの事について聞いた。
「なぁ、ルークの奴やけに事件の事について調べてないか? あそこまで調べてるとは思わなかったんだけどよ」
「ん~たぶん、魔物が絡んでいるから興味を持ったのかもな」
「なるほど、興味を持つと知りたくなる変な癖のせいか」
一瞬、私が怪我をしたから、シンの時みたいに心配してやってるんじゃないのかと思ってしまう。
いやいやいや、何考えてんだ私! あいつがそんな事するわけないだろ! それをしてくれてるのは、マリアなんだから混同させるな!
私は心の中で、マリアと行動が被っていたので勝手に合わせていた事をかき消した。
「後は、あいつの兄貴が単独で魔物を倒した事も関係してるのかもな」
「お兄さん? あ~第一王子の。顔はちょっとうる覚えだけど……」
私はそこで、ルークに兄がいた事を思い出す。
トウマが言うにはルークは、兄に対してコンプレックスがあるらしい。
そう言い終わると、トウマはこの事は絶対にルークに言うなよと念を押される様に言われた。
ルークは兄の事になると、めちゃくちゃ機嫌が悪くなるからと知り、それだけは絶対に言わないでおこうと決めた。
そして次の日、私たちは宿泊施設前に全員集合した後、担当教員たちを先頭に港に移動した。
そこから船に乗り、少し離れた無人島に到着した。
船から降りた私たちは、女子たちとも合流し港にある施設内で担当教員たちから、チーム戦についての説明を受けていた。
「では、合同合宿8日目は前日に話した通り、チーム戦を行う。このチーム戦は、男女入り混じっての対戦方式で行う」
チーム戦は、この無人島に各2チームずつ対角線上に配置され、浜辺から山の頂上を目指すものであった。
道ながら、試練があるのでクリアし、チェックポイントを通過しつつ先に頂上を目指すゲーム的な内容であり、2日間かけて全チームと対戦してもらうと言い渡された。
男子同士だけでなく、女子とも対戦すると伝えられた。
説明が終了すると、事前にいくつかのルートを案内するとされ、チームごとに集まり何班かに分け、教員たちに案内をされた。
これも安全を期してことであり、危ない箇所や立ち入らない場所を説明してくれた。
案内も終わり、施設に戻って来ると対戦順が発表され、私たちの初戦はノルマ、ガードル、ピース、マックスがいるグループとなった。
「意外と色々なルートがあったな。後は試練がどんなものによるな」
「そうだな」
「まぁ、うちにはルークもいるし、サクッと行けちゃうかもな」
「楽しようとするな、トウマ。俺は極力試練はやらないぞ、出来る奴が全部やったら意味ないだろ」
「えー、けちいなルーク。お前たちもそう思わないか」
トウマは、ルークから同じチームのクレイス魔法学院の男子たちに絡みに行った。
私はそれを、ちょっと面倒な絡み方だなと見ながら思っていると、合同合宿8日目のチーム戦初戦が開始された。
6日目からは、チーム連携のカリキュラムが増え、基礎訓練と魔力分類の苦手分野特訓も今まで通りに行われた。
私は未だに体力が戻らずに、直ぐに息切れをしてしまうが、何とかついていきメニューをこなした。
その日のカリキュラム終了後、久しぶりに女子側のメンバーたちと合流し、教員たちから今後のカリキュラムについての話がされた。
「7日目のカリキュラムも無事に終了し、疲れている所集まってもらってたのは、明日以降のカリキュラムについてだ。残す所合同合宿も3日になった。そこで、明日からはチーム戦を行う」
そこで教員が口にしたチーム戦とは、今のチームで各個々の力や助け合いを行ながらゴールを目指すというものであった。
初日に事件があって以降このカリキュラムを行う為に、万全に調査を行い安全だと判断しての決定であるとも言っていた。
そして詳しいチーム戦については明日話すと言われ、場所は近くの無人島で行う為、朝から移動すると言い渡されて解散となった。
「いや~まさか、チーム戦とかやるとはね。想像してなかったわ」
「俺は、付いて行けるか心配だよ。体力的に」
「大丈夫だって。俺もルークもいるしさ!」
私の心配事にトウマは、励ますように言葉を掛けてくれた。
するとそこに、アリス事マリアが私に声を掛けて来て、トウマが何かを察して先に帰ってるわと言って私から離れて行った。
何も言っていないのに、どうしてトウマが離れて行ったのか不思議だったが、その後にマリアの話を聞いて納得した。
「な、なるほど……関係がある事を明かしたのね……」
「はい。勝手なまねをしてしまい、申し訳ありません。ただ、それ以上の事は特にありませんので、今ままで通りに過ごして下さい」
「まぁ、傷が治ってから特に変わった事も、マリアとの関係性とか深堀されることもなかったし、大丈夫かな」
マリアその時は、タツミ先生との出来事は話さずにいた。
とりあえず、クリスとアリスが家族であるとは知られたはしたが、特に支障はないという話になった。
そして話はそれだけではなく、初日の魔物に関しての事についても報告された。
内容は、以前聞いたルークのものとは異なり、魔物は自然発生したものではなく、何者かが持ち込んだものであると言われた。
その証拠に、魔物がいた場所にマリアが向かった所、隈なく探したが、全く気配がなく魔物を小型化し運ぶことが出来る魔道具の痕跡が見つかったらしい。
詳しい事は私には分からなかったが、何者かがこの島に魔物を持ち込み放っているので、明日以降も警戒して下さいとマリアに警戒するように言われた。
その後マリアとも別れ、自身の宿泊施設へ戻り夕飯を皆と食べながらも、私はマリアから言われた事を考えていた。
魔物を持ち運び、こんな所で放つ意味は何なの? あそこで私が出合った魔物の近くにあれを放った犯人がいたという事? だとしたら、誰が何の為にあんな事をしていたの?
私は難しい顔をしつつ、夕飯を食べていたので近くにしたフェルトが、美味しくないのかと訊ねて来た。
直ぐに私は、そんな事はないと言って夕飯に集中すると、そうかと言ってフェルトは自分の夕飯に戻って行った。
その日の自由時間に、私はトウマと一緒にルークとシンの部屋を訪れた。
何故ルークの部屋を訪れたかと言うと、初日の事件について話す為でもあり、あれからベンたちと何かあるか確認するためであった。
「そうか。あれから、呼び出しもいじめもピタリと止んだか。やり合ったかいがあったな、シン」
「うん。あざはまだ残ってるけど、後悔はないかな」
「にしても、シンが普通に話してるのが、まだ慣れないよ。頷いて会話する事に慣れ始めてたけど、今後は普通に話していくんだよね」
私の問いかけに、シンは極力そうしていくよと答えた。
元々、いじめも要因の一つで話さずにいたらしいが、それも変えて行こうと決めたらしい。
するとそこに、扉がノックされる。
ルークが返事をすると、入って来たのは、ガードルでありルークが呼び出したのであった。
そして、簡単に初日の事件について振り返りつつ、ルークの調査した内容を共有した。
「さすがは、ルークだな。常駐している王国兵士から話を聞くとは」
「いらない事を言うなトウマ。話を戻すぞ。それでシン、あの時急にいなくなったのは、ベンたちに連れて行かれたからか?」
「うん、そうだよ。突然口を塞がれて、足を止めるように言われたんだ……そう言えばあの時、マイクが何かしてたような」
シンの言葉に私たちが反応するも、それ以上の事が分かる事はなく解散となった。
ひとまず、明日は安全であると言われた別の島に行くが、今回の様な事が無いとは言い切れないため、単独行動が無い様にとルークが最後に言った。
そして自室に戻り、私はトウマにルークの事について聞いた。
「なぁ、ルークの奴やけに事件の事について調べてないか? あそこまで調べてるとは思わなかったんだけどよ」
「ん~たぶん、魔物が絡んでいるから興味を持ったのかもな」
「なるほど、興味を持つと知りたくなる変な癖のせいか」
一瞬、私が怪我をしたから、シンの時みたいに心配してやってるんじゃないのかと思ってしまう。
いやいやいや、何考えてんだ私! あいつがそんな事するわけないだろ! それをしてくれてるのは、マリアなんだから混同させるな!
私は心の中で、マリアと行動が被っていたので勝手に合わせていた事をかき消した。
「後は、あいつの兄貴が単独で魔物を倒した事も関係してるのかもな」
「お兄さん? あ~第一王子の。顔はちょっとうる覚えだけど……」
私はそこで、ルークに兄がいた事を思い出す。
トウマが言うにはルークは、兄に対してコンプレックスがあるらしい。
そう言い終わると、トウマはこの事は絶対にルークに言うなよと念を押される様に言われた。
ルークは兄の事になると、めちゃくちゃ機嫌が悪くなるからと知り、それだけは絶対に言わないでおこうと決めた。
そして次の日、私たちは宿泊施設前に全員集合した後、担当教員たちを先頭に港に移動した。
そこから船に乗り、少し離れた無人島に到着した。
船から降りた私たちは、女子たちとも合流し港にある施設内で担当教員たちから、チーム戦についての説明を受けていた。
「では、合同合宿8日目は前日に話した通り、チーム戦を行う。このチーム戦は、男女入り混じっての対戦方式で行う」
チーム戦は、この無人島に各2チームずつ対角線上に配置され、浜辺から山の頂上を目指すものであった。
道ながら、試練があるのでクリアし、チェックポイントを通過しつつ先に頂上を目指すゲーム的な内容であり、2日間かけて全チームと対戦してもらうと言い渡された。
男子同士だけでなく、女子とも対戦すると伝えられた。
説明が終了すると、事前にいくつかのルートを案内するとされ、チームごとに集まり何班かに分け、教員たちに案内をされた。
これも安全を期してことであり、危ない箇所や立ち入らない場所を説明してくれた。
案内も終わり、施設に戻って来ると対戦順が発表され、私たちの初戦はノルマ、ガードル、ピース、マックスがいるグループとなった。
「意外と色々なルートがあったな。後は試練がどんなものによるな」
「そうだな」
「まぁ、うちにはルークもいるし、サクッと行けちゃうかもな」
「楽しようとするな、トウマ。俺は極力試練はやらないぞ、出来る奴が全部やったら意味ないだろ」
「えー、けちいなルーク。お前たちもそう思わないか」
トウマは、ルークから同じチームのクレイス魔法学院の男子たちに絡みに行った。
私はそれを、ちょっと面倒な絡み方だなと見ながら思っていると、合同合宿8日目のチーム戦初戦が開始された。
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
悪役令嬢に転生したと思ったら悪役令嬢の母親でした~娘は私が責任もって育てて見せます~
平山和人
恋愛
平凡なOLの私は乙女ゲーム『聖と魔と乙女のレガリア』の世界に転生してしまう。
しかも、私が悪役令嬢の母となってしまい、ゲームをめちゃくちゃにする悪役令嬢「エレローラ」が生まれてしまった。
このままでは我が家は破滅だ。私はエレローラをまともに教育することを決心する。
教育方針を巡って夫と対立したり、他の貴族から嫌われたりと辛い日々が続くが、それでも私は母として、頑張ることを諦めない。必ず娘を真っ当な令嬢にしてみせる。これは娘が悪役令嬢になってしまうと知り、奮闘する母親を描いたお話である。
モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~
咲桜りおな
恋愛
前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。
ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。
いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!
そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。
結構、ところどころでイチャラブしております。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。
この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。
番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。
「小説家になろう」でも公開しています。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
記憶喪失になったら、義兄に溺愛されました。
せいめ
恋愛
婚約者の不貞現場を見た私は、ショックを受けて前世の記憶を思い出す。
そうだ!私は日本のアラサー社畜だった。
前世の記憶が戻って思うのは、こんな婚約者要らないよね!浮気症は治らないだろうし、家族ともそこまで仲良くないから、こんな家にいる必要もないよね。
そうだ!家を出よう。
しかし、二階から逃げようとした私は失敗し、バルコニーから落ちてしまう。
目覚めた私は、今世の記憶がない!あれ?何を悩んでいたんだっけ?何かしようとしていた?
豪華な部屋に沢山のメイド達。そして、カッコいいお兄様。
金持ちの家に生まれて、美少女だなんてラッキー!ふふっ!今世では楽しい人生を送るぞー!
しかし。…婚約者がいたの?しかも、全く愛されてなくて、相手にもされてなかったの?
えっ?私が記憶喪失になった理由?お兄様教えてー!
ご都合主義です。内容も緩いです。
誤字脱字お許しください。
義兄の話が多いです。
閑話も多いです。
この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、私は妹として生きる事になりました
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。
そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる