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第四章
第25話:日本の鬼と西洋の鬼
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足濱智世神社への山道は整備されているので、車も通ることができるのだが、それなりに時間はかかる。
そして足濱童子が封印されている石碑は、神社の敷地内で玉垣に囲まれていた。
石碑には紙垂が差し込まれたしめ縄が幾重にも巻かれていた。その後ろには、樹齢数百年と思われる巨大な桃の木があり、四方に枝葉を伸ばしている。
智恵がここに来るのは数年振りだ。以前はもっと空気がきれいだった気がするが、今、玉垣の内側に足を踏み入れると、どこか禍々しいものを感じ、息苦しささえ覚える。
父も来ると言っていたが、母を護るように智真が頼んだらしいので、本殿で祈祷しているのだろう。
もし父が祈っていなければ、もっとどんよりとしていたかもしれない。
智恵と智真と湊が姿を見せると、石碑からはおどろおどろしい靄のようなものが上がった。
「やばいぞ、智恵……」
隣にいる智真のこめかみには、汗が垂れている。
何がどうやばいのか、口で説明はできないけれど、異常事態なのは智恵も肌で感じ取っていた。
(怖い……)
手が震えて止まらない。すると湊がぎゅっと握ってくれた。
「大丈夫だ、きっと」
その時、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。
「ちくしょう! 離しやがれ!」
手を後ろで縛られた新兵衛が、自分を拘束している輩に毒づく。
彼を連れてきたのは――
「あ……」
彼らは確かに、智恵と理世子を拉致しようとした男たちだった。忘れようにも忘れられない顔だ。
「お前ら……吸血鬼だな」
湊が男たちを睨みつけた。
「さすが、半分でも人狼の血が流れてる男だな。匂いで分かったか」
突然聞こえた声に、智恵たち三人が振り返る。そこにいたのは――
「やっぱり……蘇芳さん、あなたが新兵衛さんを拉致したんですね」
新兵衛の部屋でバッジを拾った時から分かっていた。蘇芳がいつもスーツの襟につけていたものだったから。
蘇芳雅彦が、薄ら笑いを浮かべながら歩み寄ってきた。
「智恵さん、せっかく優秀なカウンセラーに出逢えたと思って、あなたの元に通っていたのになぁ。もうあなたとお話しできなくなるなんて、残念だなぁ」
「嘘をつけ。お前が智恵に近づいたのは『血』が目的だろうが」
蘇芳が芝居がかった声で嘆く姿を見て、湊が鼻で笑う。
「ほう……何故そう思う?」
「智恵は『異情共親者』という稀有な人間だ。しかも女。お前ら吸血鬼にとっては、智恵の血はきっとビンデージワインにも等しいくらい美味そうなんじゃないのか?」
「……」
蘇芳は湊の言うことを黙って聞いていた。
「今の時代、吸血鬼が生身の人間の血を吸うことはタブーだ。でも実際には本物の血液が売買されている。しかもお前は、人工血液が受けつけない体質なんだろう? だからたびたび女性を拉致しては新鮮な血を搾取していたんだ」
「え……じゃあ、これまで起こった女性の失踪事件って……」
「こいつが黒幕だ」
湊は声を震わせていた。怒りを捻じ伏せているようにも見える。
(そうか、だから……)
蘇芳は常に貧血気味だったし、サプリメントを飲んでも解消されなかった。それは人工血液が体質的に合わなかったせいなのだろう。
「一部の吸血鬼の間で、不正に血液を取引しているという情報を、俺の父親が手に入れた。それを調査して証拠を集めていたから……殺されたんだ」
湊がくちびるを噛む。悔しそうで、悲しそうで、智恵は見ていられない。
「――その調査した証拠とやらは持って来てくれたんだろうね?」
蘇芳が目を細める。湊はSDカードが入っている胸ポケットを叩いた。
「ここにある」
「投げてよこすんだ。……まさかとは思うが、コピーなどはないだろうね?」
「ねぇよ、そんなもの。その前に新兵衛さんを離せ」
「お前が指図するな! 主導権はこちらにあるんだからな」
蘇芳がいらいらしげに声を荒らげる。
「何、ヒステリックになってるんだよ。落ち着けよ、蘇芳さん」
反対に湊は、状況にそぐわないほど落ち着きはらっている。何か安心できる材料でも持っているのだろうか。
「湊さん、どうして吸血鬼の人たちがここにいるんでしょう? 足濱童子と関係があるの……?」
新兵衛の部屋に置かれたメモを見た時から、不思議に思っていた。足濱童子と吸血鬼たちの関係性が、どうしたって見つからないのだ。
「吸血鬼が人狼を殺すのは、実は結構難しいんだ。異類同士というのは、防衛反応が働くから。――ここからは、俺の想像だけど。足濱童子は成宮家に恨みがあったから、封印が解けると同時に復讐を遂げようと画策していた。でも、智恵たちが身につけている護符の力が想像以上に強かったから、手下でさえ手出しできなくて、ただただ恨みを募らせていた時、蘇芳が俺の父を殺そうとしているのを知ったんだと思う」
足濱童子は封印されている間も、他の鬼の子孫たちとつながっていて、常に成宮家の情報を得ていた。
その子孫たち、というのが、智恵たちを見張っていたあやかしのことだ。
封印が解けた暁には、成宮家の人間を残らず喰らってやるつもりでいるのだろう。
しかし智嗣の魂を色濃く継いだ智真が作る護符は、鬼の想像以上に力が強い。このままでは、封印が解けたところで手出しができないのではないか――そう危惧した足濱童子は、手下からの情報で、吸血鬼が人狼を殺したいと思っていることを知った。
そこで童子は、吸血鬼に取引を申し出たのだ。
『鬼が使役する人間に人狼を殺させる代わりに、封印が解けた暁には成宮家の人間の護符を奪え』
と。成宮家の護符は内類に特化した分、強力な効果を発揮するような呪術が込められている。その代わり、外類には効かない。
それを分かった上での、取引だった。
吸血鬼はそれを快諾した。利害関係が一致したからだ。
鬼の手下は海外から取り寄せた銀の十字架から弾丸を作らせ、それを使って湊の父を殺害した。
薬莢に例の匂いがついていたのは、弾丸の出来具合を確認していたのだろう。
鬼の手下は、無垢な人間の振りをして光治を油断させ、殺害に成功する。しかも、殺害した証拠として犬歯まで持ち去って。
その後、蘇芳たちは光治の調査記録を探したが、どうしても見つからなかったので、引き続き陣川家の動向を探っていた。
そして次は吸血鬼が手を貸す番となり、成宮家の人間を見張っていた。
しかしここで手違いが発生する。伝達ミスがあり、吸血鬼の一人が智恵を道路に突き飛ばし、殺そうとしたのだ。
それがきっかけとなり、智恵は湊と出逢った。
しかもそのせいで、智恵は異類生活支援案内所に勤めることになり、こともあろうに、珠緒から外類にも効く守護石を授かってしまった。
吸血鬼一人のミスで、智恵は図らずも、吸血鬼からも身を護る手段を得たのだ。
理世子が誘拐されそうになったのは、奇しくも蘇芳たちの『食料調達』のターゲットとなってしまったからだ。たまたまそこに居合わせ、友人を助けた智恵の守護石が上手く働いてくれたので、未遂に終わったのが何よりだった。
「――つまりは、日本の鬼と西洋の鬼が手を組んで、悪巧みをした、ということなんだな?」
智真が憤りで表情を歪めた。
そして足濱童子が封印されている石碑は、神社の敷地内で玉垣に囲まれていた。
石碑には紙垂が差し込まれたしめ縄が幾重にも巻かれていた。その後ろには、樹齢数百年と思われる巨大な桃の木があり、四方に枝葉を伸ばしている。
智恵がここに来るのは数年振りだ。以前はもっと空気がきれいだった気がするが、今、玉垣の内側に足を踏み入れると、どこか禍々しいものを感じ、息苦しささえ覚える。
父も来ると言っていたが、母を護るように智真が頼んだらしいので、本殿で祈祷しているのだろう。
もし父が祈っていなければ、もっとどんよりとしていたかもしれない。
智恵と智真と湊が姿を見せると、石碑からはおどろおどろしい靄のようなものが上がった。
「やばいぞ、智恵……」
隣にいる智真のこめかみには、汗が垂れている。
何がどうやばいのか、口で説明はできないけれど、異常事態なのは智恵も肌で感じ取っていた。
(怖い……)
手が震えて止まらない。すると湊がぎゅっと握ってくれた。
「大丈夫だ、きっと」
その時、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。
「ちくしょう! 離しやがれ!」
手を後ろで縛られた新兵衛が、自分を拘束している輩に毒づく。
彼を連れてきたのは――
「あ……」
彼らは確かに、智恵と理世子を拉致しようとした男たちだった。忘れようにも忘れられない顔だ。
「お前ら……吸血鬼だな」
湊が男たちを睨みつけた。
「さすが、半分でも人狼の血が流れてる男だな。匂いで分かったか」
突然聞こえた声に、智恵たち三人が振り返る。そこにいたのは――
「やっぱり……蘇芳さん、あなたが新兵衛さんを拉致したんですね」
新兵衛の部屋でバッジを拾った時から分かっていた。蘇芳がいつもスーツの襟につけていたものだったから。
蘇芳雅彦が、薄ら笑いを浮かべながら歩み寄ってきた。
「智恵さん、せっかく優秀なカウンセラーに出逢えたと思って、あなたの元に通っていたのになぁ。もうあなたとお話しできなくなるなんて、残念だなぁ」
「嘘をつけ。お前が智恵に近づいたのは『血』が目的だろうが」
蘇芳が芝居がかった声で嘆く姿を見て、湊が鼻で笑う。
「ほう……何故そう思う?」
「智恵は『異情共親者』という稀有な人間だ。しかも女。お前ら吸血鬼にとっては、智恵の血はきっとビンデージワインにも等しいくらい美味そうなんじゃないのか?」
「……」
蘇芳は湊の言うことを黙って聞いていた。
「今の時代、吸血鬼が生身の人間の血を吸うことはタブーだ。でも実際には本物の血液が売買されている。しかもお前は、人工血液が受けつけない体質なんだろう? だからたびたび女性を拉致しては新鮮な血を搾取していたんだ」
「え……じゃあ、これまで起こった女性の失踪事件って……」
「こいつが黒幕だ」
湊は声を震わせていた。怒りを捻じ伏せているようにも見える。
(そうか、だから……)
蘇芳は常に貧血気味だったし、サプリメントを飲んでも解消されなかった。それは人工血液が体質的に合わなかったせいなのだろう。
「一部の吸血鬼の間で、不正に血液を取引しているという情報を、俺の父親が手に入れた。それを調査して証拠を集めていたから……殺されたんだ」
湊がくちびるを噛む。悔しそうで、悲しそうで、智恵は見ていられない。
「――その調査した証拠とやらは持って来てくれたんだろうね?」
蘇芳が目を細める。湊はSDカードが入っている胸ポケットを叩いた。
「ここにある」
「投げてよこすんだ。……まさかとは思うが、コピーなどはないだろうね?」
「ねぇよ、そんなもの。その前に新兵衛さんを離せ」
「お前が指図するな! 主導権はこちらにあるんだからな」
蘇芳がいらいらしげに声を荒らげる。
「何、ヒステリックになってるんだよ。落ち着けよ、蘇芳さん」
反対に湊は、状況にそぐわないほど落ち着きはらっている。何か安心できる材料でも持っているのだろうか。
「湊さん、どうして吸血鬼の人たちがここにいるんでしょう? 足濱童子と関係があるの……?」
新兵衛の部屋に置かれたメモを見た時から、不思議に思っていた。足濱童子と吸血鬼たちの関係性が、どうしたって見つからないのだ。
「吸血鬼が人狼を殺すのは、実は結構難しいんだ。異類同士というのは、防衛反応が働くから。――ここからは、俺の想像だけど。足濱童子は成宮家に恨みがあったから、封印が解けると同時に復讐を遂げようと画策していた。でも、智恵たちが身につけている護符の力が想像以上に強かったから、手下でさえ手出しできなくて、ただただ恨みを募らせていた時、蘇芳が俺の父を殺そうとしているのを知ったんだと思う」
足濱童子は封印されている間も、他の鬼の子孫たちとつながっていて、常に成宮家の情報を得ていた。
その子孫たち、というのが、智恵たちを見張っていたあやかしのことだ。
封印が解けた暁には、成宮家の人間を残らず喰らってやるつもりでいるのだろう。
しかし智嗣の魂を色濃く継いだ智真が作る護符は、鬼の想像以上に力が強い。このままでは、封印が解けたところで手出しができないのではないか――そう危惧した足濱童子は、手下からの情報で、吸血鬼が人狼を殺したいと思っていることを知った。
そこで童子は、吸血鬼に取引を申し出たのだ。
『鬼が使役する人間に人狼を殺させる代わりに、封印が解けた暁には成宮家の人間の護符を奪え』
と。成宮家の護符は内類に特化した分、強力な効果を発揮するような呪術が込められている。その代わり、外類には効かない。
それを分かった上での、取引だった。
吸血鬼はそれを快諾した。利害関係が一致したからだ。
鬼の手下は海外から取り寄せた銀の十字架から弾丸を作らせ、それを使って湊の父を殺害した。
薬莢に例の匂いがついていたのは、弾丸の出来具合を確認していたのだろう。
鬼の手下は、無垢な人間の振りをして光治を油断させ、殺害に成功する。しかも、殺害した証拠として犬歯まで持ち去って。
その後、蘇芳たちは光治の調査記録を探したが、どうしても見つからなかったので、引き続き陣川家の動向を探っていた。
そして次は吸血鬼が手を貸す番となり、成宮家の人間を見張っていた。
しかしここで手違いが発生する。伝達ミスがあり、吸血鬼の一人が智恵を道路に突き飛ばし、殺そうとしたのだ。
それがきっかけとなり、智恵は湊と出逢った。
しかもそのせいで、智恵は異類生活支援案内所に勤めることになり、こともあろうに、珠緒から外類にも効く守護石を授かってしまった。
吸血鬼一人のミスで、智恵は図らずも、吸血鬼からも身を護る手段を得たのだ。
理世子が誘拐されそうになったのは、奇しくも蘇芳たちの『食料調達』のターゲットとなってしまったからだ。たまたまそこに居合わせ、友人を助けた智恵の守護石が上手く働いてくれたので、未遂に終わったのが何よりだった。
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