10 / 60
10話
しおりを挟む
【ふふふ、それってデートだよね?】
語尾にハートが並んだ文言を見て、花菜実は気の抜けた笑いを漏らす。
(ワクワクしてるのが文面からも伝わってきてるぞ、ちなみ)
【デートじゃないから。】
【それってつきあってるって言わない?】
【つきあってないから。】
食事をごちそうになった日の夜、彼に言われたように名刺に書かれたIDにメッセージを送った。改めてお礼を伝えるのが社会人としての礼儀だと思ったので、そのためだ。それに、本当に園の職員室に押しかけられたらたまったものではない。
それからというもの、幸希から毎晩のようにメッセージが来た。無視をする理由もないので返信はしていたけれど、その内容はざっくり言ってしまえば、限りなく世間話に近いものだった。彼女をからかうでもなく、プライベートを聞き出そうとしているわけでもない。ごくごくありふれた話題ばかりだ。
翔に誕生日プレゼントを渡した時の報告もしてくれた。花菜実が選んだプレゼントを、飛び上がって喜んでくれたそうだ。プレゼントを持った翔の写真も送ってくれた。キラキラした満面の笑顔で、見ているこちらも嬉しくなった。
花菜実は何の警戒もすることなく、彼との他愛のないやりとりを続けていて。それはもう普通の友人同士のそれと何ら変わらなかった。
そしてここ二週間ほど、週に二度はどこかへ連れて行かれていた。
新規開店した洋菓子店のモニターを頼まれたり、ミズシナが協賛している映画の試写会に誘われたり、ミズシナが過去の商品を寄贈した博物館へと行ってみたり。
最近はそういったイベントに誘われても、出来るだけ断らないようにしている。オルジュの化粧室で聞いた千賀子の話が本当であれば、彼は下手に社内の女性を誘ったりなど出来ないのだろう。だからミズシナとはまったく関係のない自分を、モニターだの試写会だのに連れ出すのだと、花菜実は理解していたから。
そういう事情があるのなら、頑なに断ってしまうのも悪いと思ったのだ。
そんな話を近況報告としてちなみに話したところ、もはや恋人同士の逢瀬ではないかと指摘されたのだ。
【悪い人じゃないんでしょ?】
【うん、いい人だよ。】
そう、水科幸希は花菜実の目から見てもいい人だと思う。
すべてにおいてあれだけ恵まれているというのに、不遜な態度や傲慢な言動など欠片も見せない。他人に対する気配りもよく行き届いているし、何より、こんな自分にもとても優しい。花菜実を平凡だからと決して貶したりしない。むしろいつもレディのように扱ってくれるものだから、くすぐったい気持ちにすらなる。
食事をする時も、花菜実に何を食べたいかまず聞いてくれるし、気後れしてしまうような高い店には連れて行ったりしない。歩く時も彼女のペースに合わせてくれる。
花菜実を呼び捨てにしたり、時折彼女扱いしたり、からかってきたりはするけれど、それだって決して不愉快なレベルまではいったりしない。
彼女の中のイケメンセレブのイメージは、幸希によって覆されつつあった。
そうやって過ごしている内に、いつの間にか――彼と一緒にいて楽しいと感じる瞬間が増えてきた。
こんな凡庸な自分は、決して幸希の世界になど足を踏み入れてはいけないと思う反面、身体の芯を柔らかく温めてくれるようなその居心地のよさに、このまま全身を委ねたくなってしまう。
――それを享受すればするほど、胸の奥に閉じ込めてきた傷が疼いてしまうというのに。
【花菜実、無理にそういう人を花菜実の世界から排除しなくてもいいんじゃないかな、って、私は思うよ?】
「……」
ちなみのメッセージにはっきりとした返事をすることが出来ないまま、花菜実は小さなバッグに財布とハンカチだけを入れて部屋を出た。駅前の本屋に行くためだ。日曜日の夕方少し前、まだ明るく空気も気持ちがいいので、歩いて行くことにした。
アパートから五分ほど歩くと駅に続く商店街に出るのだが、人出がものすごく、まっすぐ歩くのも困難なので、一本外れた道を通る。駅に向かう時は必ずと言っていいほどそうしている。今日もいつものように空いている道をのんびりと進んでいると、十数メートル前を見知った男性が歩いていた。
「副園長先生!」
同じように歩いて駅に向かっている曜一朗に声をかけ、駆け寄る。
「あぁ花菜実先生。おでかけですか」
「はい、駅前の本屋まで」
「私も駅まで行くのでご一緒しましょう」
二人はしばらく園の話をした。バザーが近いのでその話、そしてバザーが終わればもう十二月のおゆうぎ発表会の準備に取りかからなければならないことなど、園行事についての話題にはこと欠かない。そうして話にある程度の区切りがついた後、花菜実はふと思い出した。
(そういえば、依里佳さんのこと、もう大丈夫なのかしら……)
口端には乗せられないまま、チラリとその横顔を見る。視線に気づいたのか、曜一朗はクスリと笑った。
「――もしかして、依里佳さんのことですか?」
「っ、あ、えっと、すみません……っ」
焦ったようにかぶりを振る花菜実。
「いいんですよ、花菜実先生にはいつも応援していただいてたんで。ご存知だったんですね、依里佳さんに彼氏がいるの。実はお盆前にはもう振られていたんですよ。……なのですっかり吹っ切れていますから大丈夫です。むしろもう忘れてました、ここのところ何だかんだと忙しいので」
「それなら……よかった、です」
忘れていた、というのは本当はどうか分からないが、曜一朗の表情を見るに、吹っ切れているのはおそらく間違いないのだろう。とても穏やかで明るい顔をしているから。
彼の心の傷みが早く完全に癒えるといい――花菜実はそう思った。
「何だか気を遣わせてしまって、すみません。……それより花菜実先生の方が最近、お忙しいみたいですね」
曜一朗が多分に含みのある表情で、花菜実に尋ねる。
「え?」
「花菜実先生を園まで迎えに来た男性がいたとか? うちの母が見かけたそうです」
「っ、園長先生が!? そ、それほんとですか!?」
曜一朗曰く。翔の誕生日プレゼント選びを頼まれたあの日の一部始終を、園長にはしっかり見られていたらしい。
「何でも、素敵な男性だったと伺いましたよ。――彼氏なんですか?」
二人は脇道から商店街に入った。駅まではもう数十メートルで、ここまで来れば人混みはやや和らぐ。
「ち、違います。そんなんじゃありません!」
もしこれが普通の職員であったなら、あっという間に園内に噂が広まっていただろう。そういう意味では、目撃していたのが園長だったことが不幸中の幸いだったのだが。それでもやはり職場の大ボスである園長に見られていたかと思うと、いたたまれなくなる。恥ずかしくて慌ててしまう。
「――何が違うって?」
声をかけられ、二人して振り返ると、噂をすれば何とやら――幸希がスマートフォン片手に立っていた。
語尾にハートが並んだ文言を見て、花菜実は気の抜けた笑いを漏らす。
(ワクワクしてるのが文面からも伝わってきてるぞ、ちなみ)
【デートじゃないから。】
【それってつきあってるって言わない?】
【つきあってないから。】
食事をごちそうになった日の夜、彼に言われたように名刺に書かれたIDにメッセージを送った。改めてお礼を伝えるのが社会人としての礼儀だと思ったので、そのためだ。それに、本当に園の職員室に押しかけられたらたまったものではない。
それからというもの、幸希から毎晩のようにメッセージが来た。無視をする理由もないので返信はしていたけれど、その内容はざっくり言ってしまえば、限りなく世間話に近いものだった。彼女をからかうでもなく、プライベートを聞き出そうとしているわけでもない。ごくごくありふれた話題ばかりだ。
翔に誕生日プレゼントを渡した時の報告もしてくれた。花菜実が選んだプレゼントを、飛び上がって喜んでくれたそうだ。プレゼントを持った翔の写真も送ってくれた。キラキラした満面の笑顔で、見ているこちらも嬉しくなった。
花菜実は何の警戒もすることなく、彼との他愛のないやりとりを続けていて。それはもう普通の友人同士のそれと何ら変わらなかった。
そしてここ二週間ほど、週に二度はどこかへ連れて行かれていた。
新規開店した洋菓子店のモニターを頼まれたり、ミズシナが協賛している映画の試写会に誘われたり、ミズシナが過去の商品を寄贈した博物館へと行ってみたり。
最近はそういったイベントに誘われても、出来るだけ断らないようにしている。オルジュの化粧室で聞いた千賀子の話が本当であれば、彼は下手に社内の女性を誘ったりなど出来ないのだろう。だからミズシナとはまったく関係のない自分を、モニターだの試写会だのに連れ出すのだと、花菜実は理解していたから。
そういう事情があるのなら、頑なに断ってしまうのも悪いと思ったのだ。
そんな話を近況報告としてちなみに話したところ、もはや恋人同士の逢瀬ではないかと指摘されたのだ。
【悪い人じゃないんでしょ?】
【うん、いい人だよ。】
そう、水科幸希は花菜実の目から見てもいい人だと思う。
すべてにおいてあれだけ恵まれているというのに、不遜な態度や傲慢な言動など欠片も見せない。他人に対する気配りもよく行き届いているし、何より、こんな自分にもとても優しい。花菜実を平凡だからと決して貶したりしない。むしろいつもレディのように扱ってくれるものだから、くすぐったい気持ちにすらなる。
食事をする時も、花菜実に何を食べたいかまず聞いてくれるし、気後れしてしまうような高い店には連れて行ったりしない。歩く時も彼女のペースに合わせてくれる。
花菜実を呼び捨てにしたり、時折彼女扱いしたり、からかってきたりはするけれど、それだって決して不愉快なレベルまではいったりしない。
彼女の中のイケメンセレブのイメージは、幸希によって覆されつつあった。
そうやって過ごしている内に、いつの間にか――彼と一緒にいて楽しいと感じる瞬間が増えてきた。
こんな凡庸な自分は、決して幸希の世界になど足を踏み入れてはいけないと思う反面、身体の芯を柔らかく温めてくれるようなその居心地のよさに、このまま全身を委ねたくなってしまう。
――それを享受すればするほど、胸の奥に閉じ込めてきた傷が疼いてしまうというのに。
【花菜実、無理にそういう人を花菜実の世界から排除しなくてもいいんじゃないかな、って、私は思うよ?】
「……」
ちなみのメッセージにはっきりとした返事をすることが出来ないまま、花菜実は小さなバッグに財布とハンカチだけを入れて部屋を出た。駅前の本屋に行くためだ。日曜日の夕方少し前、まだ明るく空気も気持ちがいいので、歩いて行くことにした。
アパートから五分ほど歩くと駅に続く商店街に出るのだが、人出がものすごく、まっすぐ歩くのも困難なので、一本外れた道を通る。駅に向かう時は必ずと言っていいほどそうしている。今日もいつものように空いている道をのんびりと進んでいると、十数メートル前を見知った男性が歩いていた。
「副園長先生!」
同じように歩いて駅に向かっている曜一朗に声をかけ、駆け寄る。
「あぁ花菜実先生。おでかけですか」
「はい、駅前の本屋まで」
「私も駅まで行くのでご一緒しましょう」
二人はしばらく園の話をした。バザーが近いのでその話、そしてバザーが終わればもう十二月のおゆうぎ発表会の準備に取りかからなければならないことなど、園行事についての話題にはこと欠かない。そうして話にある程度の区切りがついた後、花菜実はふと思い出した。
(そういえば、依里佳さんのこと、もう大丈夫なのかしら……)
口端には乗せられないまま、チラリとその横顔を見る。視線に気づいたのか、曜一朗はクスリと笑った。
「――もしかして、依里佳さんのことですか?」
「っ、あ、えっと、すみません……っ」
焦ったようにかぶりを振る花菜実。
「いいんですよ、花菜実先生にはいつも応援していただいてたんで。ご存知だったんですね、依里佳さんに彼氏がいるの。実はお盆前にはもう振られていたんですよ。……なのですっかり吹っ切れていますから大丈夫です。むしろもう忘れてました、ここのところ何だかんだと忙しいので」
「それなら……よかった、です」
忘れていた、というのは本当はどうか分からないが、曜一朗の表情を見るに、吹っ切れているのはおそらく間違いないのだろう。とても穏やかで明るい顔をしているから。
彼の心の傷みが早く完全に癒えるといい――花菜実はそう思った。
「何だか気を遣わせてしまって、すみません。……それより花菜実先生の方が最近、お忙しいみたいですね」
曜一朗が多分に含みのある表情で、花菜実に尋ねる。
「え?」
「花菜実先生を園まで迎えに来た男性がいたとか? うちの母が見かけたそうです」
「っ、園長先生が!? そ、それほんとですか!?」
曜一朗曰く。翔の誕生日プレゼント選びを頼まれたあの日の一部始終を、園長にはしっかり見られていたらしい。
「何でも、素敵な男性だったと伺いましたよ。――彼氏なんですか?」
二人は脇道から商店街に入った。駅まではもう数十メートルで、ここまで来れば人混みはやや和らぐ。
「ち、違います。そんなんじゃありません!」
もしこれが普通の職員であったなら、あっという間に園内に噂が広まっていただろう。そういう意味では、目撃していたのが園長だったことが不幸中の幸いだったのだが。それでもやはり職場の大ボスである園長に見られていたかと思うと、いたたまれなくなる。恥ずかしくて慌ててしまう。
「――何が違うって?」
声をかけられ、二人して振り返ると、噂をすれば何とやら――幸希がスマートフォン片手に立っていた。
1
お気に入りに追加
1,728
あなたにおすすめの小説
溺愛彼氏は消防士!?
すずなり。
恋愛
彼氏から突然言われた言葉。
「別れよう。」
その言葉はちゃんと受け取ったけど、飲み込むことができない私は友達を呼び出してやけ酒を飲んだ。
飲み過ぎた帰り、イケメン消防士さんに助けられて・・・新しい恋が始まっていく。
「男ならキスの先をは期待させないとな。」
「俺とこの先・・・してみない?」
「もっと・・・甘い声を聞かせて・・?」
私の身は持つの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界と何ら関係はありません。
※コメントや乾燥を受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
悪役令嬢、追放先の貧乏診療所をおばあちゃんの知恵で立て直したら大聖女にジョブチェン?! 〜『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件〜
華梨ふらわー
恋愛
第二王子との婚約を破棄されてしまった主人公・グレイス。しかし婚約破棄された瞬間、自分が乙女ゲーム『どきどきプリンセスッ!2』の世界に悪役令嬢として転生したことに気付く。婚約破棄に怒り狂った父親に絶縁され、貧乏診療所の医師との結婚させられることに。
日本では主婦のヒエラルキーにおいて上位に位置する『医者の嫁』。意外に悪くない追放先……と思いきや、貧乏すぎて患者より先に診療所が倒れそう。現代医学の知識でチートするのが王道だが、前世も現世でも医療知識は皆無。仕方ないので前世、大好きだったおばあちゃんが教えてくれた知恵で診療所を立て直す!次第に周囲から尊敬され、悪役令嬢から大聖女として崇められるように。
しかし婚約者の医者はなぜか結婚を頑なに拒む。診療所は立て直せそうですが、『医者の嫁』ハッピーセレブライフ計画は全く進捗しないんですが…。
続編『悪役令嬢、モフモフ温泉をおばあちゃんの知恵で立て直したら王妃にジョブチェン?! 〜やっぱり『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件~』を6月15日から連載スタートしました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/500576978/161276574
完結しているのですが、【キースのメモ】を追記しております。
おばあちゃんの知恵やレシピをまとめたものになります。
合わせてお楽しみいただければと思います。
子ども扱いしないでください! 幼女化しちゃった完璧淑女は、騎士団長に甘やかされる
佐崎咲
恋愛
旧題:完璧すぎる君は一人でも生きていけると婚約破棄されたけど、騎士団長が即日プロポーズに来た上に甘やかしてきます
「君は完璧だ。一人でも生きていける。でも、彼女には私が必要なんだ」
なんだか聞いたことのある台詞だけれど、まさか現実で、しかも貴族社会に生きる人間からそれを聞くことになるとは思ってもいなかった。
彼の言う通り、私ロゼ=リンゼンハイムは『完璧な淑女』などと称されているけれど、それは努力のたまものであって、本質ではない。
私は幼い時に我儘な姉に追い出され、開き直って自然溢れる領地でそれはもうのびのびと、野を駆け山を駆け回っていたのだから。
それが、今度は跡継ぎ教育に嫌気がさした姉が自称病弱設定を作り出し、代わりに私がこの家を継ぐことになったから、王都に移って血反吐を吐くような努力を重ねたのだ。
そして今度は腐れ縁ともいうべき幼馴染みの友人に婚約者を横取りされたわけだけれど、それはまあ別にどうぞ差し上げますよというところなのだが。
ただ。
婚約破棄を告げられたばかりの私をその日訪ねた人が、もう一人いた。
切れ長の紺色の瞳に、長い金髪を一つに束ね、男女問わず目をひく美しい彼は、『微笑みの貴公子』と呼ばれる第二騎士団長のユアン=クラディス様。
彼はいつもとは違う、改まった口調で言った。
「どうか、私と結婚してください」
「お返事は急ぎません。先程リンゼンハイム伯爵には手紙を出させていただきました。許可が得られましたらまた改めさせていただきますが、まずはロゼ嬢に私の気持ちを知っておいていただきたかったのです」
私の戸惑いたるや、婚約破棄を告げられた時の比ではなかった。
彼のことはよく知っている。
彼もまた、私のことをよく知っている。
でも彼は『それ』が私だとは知らない。
まったくの別人に見えているはずなのだから。
なのに、何故私にプロポーズを?
しかもやたらと甘やかそうとしてくるんですけど。
どういうこと?
============
番外編は思いついたら追加していく予定です。
<レジーナ公式サイト番外編>
「番外編 相変わらずな日常」
レジーナ公式サイトにてアンケートに答えていただくと、書き下ろしweb番外編をお読みいただけます。
いつも攻め込まれてばかりのロゼが居眠り中のユアンを見つけ、この機会に……という話です。
※転載・複写はお断りいたします。
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる