29 / 264
CHAPTER Ⅰ
第29話 トウキョウへ
しおりを挟む
送別会からさらに数日が経った。
オレも何だかんだ言ってこの都市には2ヶ月も暮らしていたことになる。もうそんなに経ったのかと驚くばかりだ。
最近は朝の冷え込みも少しずつ穏やかになってきたようにも感じた。
「じゃあ、みなさん、行ってきます。」
オレとセイヤ、ユウナとアオイは防壁の門に前にいた。
見送りには律儀に、山崎班、菅原班、神田兄、譲原など仕事の忙しい大河内以外はオレの面識のある人全員が揃っている。
「ああ、気を付けてな」
「また、ここにも来てよ!」
「セイヤさん、お気を付けて」
皆それぞれの想いを胸に、新ツクバ都市を背にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
都市を出て数時間が経ち、オレたちは大きな河を渡って今は廃墟だらけの街並みの中を歩いていた。
(茨城か千葉から都内に入った感じかな、でもここがどこかは分からない)
オレはコンクリートの建物が密集しているのを見て元東京に入ったと確信した。
新ツクバ都市の所在地は前の時代の地名に即しており、やはり北関東だったそうだ。そのあたりの情報は今も残っていた。
「ところで、新トウキョウ都市っていうのは、どこらへんにあるんだ? できれば、元の地名なんかで言って貰えると分かりやすいんだけど」
オレはセイヤに聞いてみた。
後で分かったのだが、セイヤは25歳、つまりオレの2つ年下だった。
それもあれし、これからずっと行動を共にするということもあり、もう敬語はやめにすることにした。
「それは、聞いたことがあるな。確か、元トウキョウなんとかという名前だったそうだ」
「それじゃ何も分からないな……候補が多すぎる」
「そう言われても困るな、100年前の地名などいちいち覚えてないからな」
(なんか偉そうだな……)
「まあまあ、佐々木さん。場所は分かっているんですから、あと2日はかかりますし、今は気楽に行きましょう」
ユウナがムッとしたオレに話しかける。
(まあ、天使がそう言うなら……)
「ユウナ、佐々木。そう気楽には行けねーみてーだぞ」
不意にアオイが会話に割り込んできた。
「え?」
「セイ、ユウナ。グールだ」
「!」
「すみません、索敵がおそろかになっていました。……距離100!数は50ほどです!」
「上級グールの数は?」
「……いえ、確認できません。D級以下みたいです」
「では、殲滅しよう」
セイヤがそう言って剣を構える。
これが様になっているのが最近は腹立たしい。
「「了解!」」
オレたちは班編成を替え、今は結城班となった。
班長は一番討伐隊員歴の長いセイヤだ。
4人編成だが、班長であるセイヤの部隊階級はA-、残りのオレたちはC級だ。50体のグールも問題なく対処できた。
オレは今までは下級グール、上級グールの正確な意味は知らなかったが、F、E、Dを下級、C、B、Aを上級と呼ぶらしい。S級は特別なのでこのカテゴリーには入っていないそうだ。
S級グールは特級と呼ばれるらしい。
「今日はこの辺りで、夜営にしよう」
「了解」
グールの群れを殲滅した後、もうしばらく移動を続け、日が落ちるとオレたちは廃墟のビルの一角で体を休めることにした。
もちろん、見張りは交代制で警戒は怠らない。
だが、その日は何事もなく日の出を迎えることができた。
そうしてその後2日歩を進めた。
時折、グールの群れを見付けて戦闘もあったが、特に問題なく新トウキョウ都市への道のりを進んでいった。
長い距離を移動して分かったが、瓦礫だらけで思うようには進めない。
それに常にグールを警戒しながらの行軍とあって、1日に進める距離はそこまで長くは無かった。
瓦礫だらけの大都市を歩いていると、改めて文明の崩壊を実感し、どこか物悲しい気持ちになる。
「そろそろ着くんじゃねーの」
「ああ、今日中には到着できるはずだ」
アオイの呟きにセイヤが答えた。
「やっとか……」
オレもやや疲れ気味に一人言を言う。
やはり現代人のオレはなんだかんだベッドでの睡眠と風呂が恋しい。
ドン!
「!」
突然、遠くで爆発音が聞こえた。
「今のは……?」
ドン!
「戦闘音だ! みんな聞こえたか?」
「いえ、佐々木さん。何が聞こえたんですか?」
「佐々木、強化聴力か?」
ユウナとアオイがオレに聞く。
「ああ、向こうで誰かが戦っている音がする! ……セイヤ!」
「分かった。急ごう」
オレたちは走って戦闘音のする方向へむかった。
「はぁ、はぁ、よくこんな遠くの音が聞こえましたね」
入り乱れる廃墟を駆け抜けたオレたちは、やっと戦闘の現場に到着した。
バイオナノワクチンの働きにより、オレも超人と言っていい程のスピードと跳躍力を得ている。
セイヤにはまだ劣るが、ユウナとアオイとはもうほぼ同じ動きが出来るようになっていた。
ビルの屋上から見下ろすとやはりオレたちと同じ軍服を来た隊員達がグールと戦っていた。
「B級グールだ……!」
オレが驚きの声をあげる。
「ああ、50体以上いる。相手は一班のみ。加勢しよう」
「了解!」
ドン!
セイヤが地面を蹴り、ものすごいスピードでグールへ向かった。
アオイがそれに続き、オレとユウナも近づきながら攻撃を放った。
「なんだ? 増援が来たのか!?」
部隊の1人が喜びの声をあげる。
「オレたちは、新ツクバ都市の戦闘員だ。勝手ながら、加勢させてもらう」
「新ツクバ……? 地方の部隊か! 大丈夫なのか?」
「単独では厳しいだろうが、全員で対処すれば何とかなるだろう」
ズバン!
セイヤが近くにいたグールを斬り倒す。
「上級衝撃剣!」
「上級火炎槍!」
ドン!ズン!
アオイとユウナの攻撃でさらにグールを吹き飛ばす。
オレも銃撃であたりのグールを攻撃し続けている。
「地方部隊でも腕は立つみたいだ! やるぞ!」
「「了解!」」
激しい戦闘がしばらく続いたが、程なくしてB級の群れを撃退することができた。
「はあ、はあ、はあ。いや、助かったぜ。礼を言う」
「いや、いいさ」
「オレは御美苗コウ、御美苗班班長だ」
「オレは結城班班長、結城セイヤだ」
二人が握手を交わす。
「それで、新ツクバから来たって?」
御美苗がセイヤに聞いた。
「ああ、戦闘員募集に応じた。移住のために新トウキョウ都市に向かっているところだ」
「ああ……そういうことか。じゃあ、オレたちと一緒に行こうぜ」
「助かるよ、ありがとう」
「いいさ」
班長同士の話で、オレたちは共に新トウキョウ都市に向かうことになった。
御美苗班は4人で構成されていて、槍術士の御美苗、銃術士の阪本アコという女性、援術士の北岡ミリナという女性、そして魔術士の須田ギンという男性だ。
そして、4人全員がB級隊員ということだった。
オレたちから見たら充分な強部隊だと思うが、彼らは主都ではたいしたことはないと卑下していた。
そして3時間ほど、みんなで歩みを進め、御美苗が言った。
「見えたぞ。あの壁の向こうが新トウキョウ都市だ」
オレたちはすでに視認阻害の解除は受けているため、遠目に高い壁を見てとることができた。
「高いな……」
オレは新ツクバ都市の壁の高さにも驚いたが、ここはもっと高い。
聞くところによると、50メートルを越えているそうだ。
「このあたりでは何種類か、飛行型のグールも確認されている、あれくらいないと壁の役目を果たさないんだよ」
御美苗が最前線の過酷さの一端を説明してくれた。
オレは飛行型グールという言葉にも驚きだが、いろいろと新ツクバ都市よりも過酷な場所なのだと感じた。
「今まではとはレベルが違う。覚悟を決めよう」
セイヤもオレと同じことを考えたのだろう。
これからあるであろう厳しい任務と戦いに、自分を含め、オレたち全員を激励した。
オレたち結城班は、新トウキョウ都市に到着した。
オレも何だかんだ言ってこの都市には2ヶ月も暮らしていたことになる。もうそんなに経ったのかと驚くばかりだ。
最近は朝の冷え込みも少しずつ穏やかになってきたようにも感じた。
「じゃあ、みなさん、行ってきます。」
オレとセイヤ、ユウナとアオイは防壁の門に前にいた。
見送りには律儀に、山崎班、菅原班、神田兄、譲原など仕事の忙しい大河内以外はオレの面識のある人全員が揃っている。
「ああ、気を付けてな」
「また、ここにも来てよ!」
「セイヤさん、お気を付けて」
皆それぞれの想いを胸に、新ツクバ都市を背にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
都市を出て数時間が経ち、オレたちは大きな河を渡って今は廃墟だらけの街並みの中を歩いていた。
(茨城か千葉から都内に入った感じかな、でもここがどこかは分からない)
オレはコンクリートの建物が密集しているのを見て元東京に入ったと確信した。
新ツクバ都市の所在地は前の時代の地名に即しており、やはり北関東だったそうだ。そのあたりの情報は今も残っていた。
「ところで、新トウキョウ都市っていうのは、どこらへんにあるんだ? できれば、元の地名なんかで言って貰えると分かりやすいんだけど」
オレはセイヤに聞いてみた。
後で分かったのだが、セイヤは25歳、つまりオレの2つ年下だった。
それもあれし、これからずっと行動を共にするということもあり、もう敬語はやめにすることにした。
「それは、聞いたことがあるな。確か、元トウキョウなんとかという名前だったそうだ」
「それじゃ何も分からないな……候補が多すぎる」
「そう言われても困るな、100年前の地名などいちいち覚えてないからな」
(なんか偉そうだな……)
「まあまあ、佐々木さん。場所は分かっているんですから、あと2日はかかりますし、今は気楽に行きましょう」
ユウナがムッとしたオレに話しかける。
(まあ、天使がそう言うなら……)
「ユウナ、佐々木。そう気楽には行けねーみてーだぞ」
不意にアオイが会話に割り込んできた。
「え?」
「セイ、ユウナ。グールだ」
「!」
「すみません、索敵がおそろかになっていました。……距離100!数は50ほどです!」
「上級グールの数は?」
「……いえ、確認できません。D級以下みたいです」
「では、殲滅しよう」
セイヤがそう言って剣を構える。
これが様になっているのが最近は腹立たしい。
「「了解!」」
オレたちは班編成を替え、今は結城班となった。
班長は一番討伐隊員歴の長いセイヤだ。
4人編成だが、班長であるセイヤの部隊階級はA-、残りのオレたちはC級だ。50体のグールも問題なく対処できた。
オレは今までは下級グール、上級グールの正確な意味は知らなかったが、F、E、Dを下級、C、B、Aを上級と呼ぶらしい。S級は特別なのでこのカテゴリーには入っていないそうだ。
S級グールは特級と呼ばれるらしい。
「今日はこの辺りで、夜営にしよう」
「了解」
グールの群れを殲滅した後、もうしばらく移動を続け、日が落ちるとオレたちは廃墟のビルの一角で体を休めることにした。
もちろん、見張りは交代制で警戒は怠らない。
だが、その日は何事もなく日の出を迎えることができた。
そうしてその後2日歩を進めた。
時折、グールの群れを見付けて戦闘もあったが、特に問題なく新トウキョウ都市への道のりを進んでいった。
長い距離を移動して分かったが、瓦礫だらけで思うようには進めない。
それに常にグールを警戒しながらの行軍とあって、1日に進める距離はそこまで長くは無かった。
瓦礫だらけの大都市を歩いていると、改めて文明の崩壊を実感し、どこか物悲しい気持ちになる。
「そろそろ着くんじゃねーの」
「ああ、今日中には到着できるはずだ」
アオイの呟きにセイヤが答えた。
「やっとか……」
オレもやや疲れ気味に一人言を言う。
やはり現代人のオレはなんだかんだベッドでの睡眠と風呂が恋しい。
ドン!
「!」
突然、遠くで爆発音が聞こえた。
「今のは……?」
ドン!
「戦闘音だ! みんな聞こえたか?」
「いえ、佐々木さん。何が聞こえたんですか?」
「佐々木、強化聴力か?」
ユウナとアオイがオレに聞く。
「ああ、向こうで誰かが戦っている音がする! ……セイヤ!」
「分かった。急ごう」
オレたちは走って戦闘音のする方向へむかった。
「はぁ、はぁ、よくこんな遠くの音が聞こえましたね」
入り乱れる廃墟を駆け抜けたオレたちは、やっと戦闘の現場に到着した。
バイオナノワクチンの働きにより、オレも超人と言っていい程のスピードと跳躍力を得ている。
セイヤにはまだ劣るが、ユウナとアオイとはもうほぼ同じ動きが出来るようになっていた。
ビルの屋上から見下ろすとやはりオレたちと同じ軍服を来た隊員達がグールと戦っていた。
「B級グールだ……!」
オレが驚きの声をあげる。
「ああ、50体以上いる。相手は一班のみ。加勢しよう」
「了解!」
ドン!
セイヤが地面を蹴り、ものすごいスピードでグールへ向かった。
アオイがそれに続き、オレとユウナも近づきながら攻撃を放った。
「なんだ? 増援が来たのか!?」
部隊の1人が喜びの声をあげる。
「オレたちは、新ツクバ都市の戦闘員だ。勝手ながら、加勢させてもらう」
「新ツクバ……? 地方の部隊か! 大丈夫なのか?」
「単独では厳しいだろうが、全員で対処すれば何とかなるだろう」
ズバン!
セイヤが近くにいたグールを斬り倒す。
「上級衝撃剣!」
「上級火炎槍!」
ドン!ズン!
アオイとユウナの攻撃でさらにグールを吹き飛ばす。
オレも銃撃であたりのグールを攻撃し続けている。
「地方部隊でも腕は立つみたいだ! やるぞ!」
「「了解!」」
激しい戦闘がしばらく続いたが、程なくしてB級の群れを撃退することができた。
「はあ、はあ、はあ。いや、助かったぜ。礼を言う」
「いや、いいさ」
「オレは御美苗コウ、御美苗班班長だ」
「オレは結城班班長、結城セイヤだ」
二人が握手を交わす。
「それで、新ツクバから来たって?」
御美苗がセイヤに聞いた。
「ああ、戦闘員募集に応じた。移住のために新トウキョウ都市に向かっているところだ」
「ああ……そういうことか。じゃあ、オレたちと一緒に行こうぜ」
「助かるよ、ありがとう」
「いいさ」
班長同士の話で、オレたちは共に新トウキョウ都市に向かうことになった。
御美苗班は4人で構成されていて、槍術士の御美苗、銃術士の阪本アコという女性、援術士の北岡ミリナという女性、そして魔術士の須田ギンという男性だ。
そして、4人全員がB級隊員ということだった。
オレたちから見たら充分な強部隊だと思うが、彼らは主都ではたいしたことはないと卑下していた。
そして3時間ほど、みんなで歩みを進め、御美苗が言った。
「見えたぞ。あの壁の向こうが新トウキョウ都市だ」
オレたちはすでに視認阻害の解除は受けているため、遠目に高い壁を見てとることができた。
「高いな……」
オレは新ツクバ都市の壁の高さにも驚いたが、ここはもっと高い。
聞くところによると、50メートルを越えているそうだ。
「このあたりでは何種類か、飛行型のグールも確認されている、あれくらいないと壁の役目を果たさないんだよ」
御美苗が最前線の過酷さの一端を説明してくれた。
オレは飛行型グールという言葉にも驚きだが、いろいろと新ツクバ都市よりも過酷な場所なのだと感じた。
「今まではとはレベルが違う。覚悟を決めよう」
セイヤもオレと同じことを考えたのだろう。
これからあるであろう厳しい任務と戦いに、自分を含め、オレたち全員を激励した。
オレたち結城班は、新トウキョウ都市に到着した。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる