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転の流星
彼の者に思いを寄せて
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慣れていない者を連れての長旅は、なかなかなの忍耐が必要と誰もが覚悟していたのだが、皆の期待を良い方向に裏切るように、王女アウラは泣き言も言わずに元気であった。
戦闘こそ参加は出来ないが、どうやら彼女には、加護があるようで、鳥や風、植物等のあらゆる自然物によって護られ、それほどお荷物にもならなかった。
しかし、だからと言って、この旅路に何の支障も無い、というわけにはいかなかった。
「アウラ王女!?」
「……っ」
発作持ちなのか、時折アウラは胸を押さえ、苦しそうにする時があった。
「大丈夫ですか?落ち着いて、ゆっくりと息を吐いて下さい」
発作が起こる度にシェアトが介抱し、その都度休憩を取る。
本人は平気だと言うが、それで倒れられても困る為、あらかじめ覚悟していた通り、焦らずゆっくりと土の天地を目指す。
「彼女の発作は、昔からですか?」
休憩の合間に、ベイドがルクバットに尋ねる。
「うん。俺が初めてあった時には、もうそうだったよ。最近はあまり見なかったんだけど」
「しかし、アウラ王女本人にその原因は不明。薬も所持していない……。事件の影響によるショックでしょうかね?」
「案外、邪竜に喰われかけてたりしてな」
顎に片手をやって考え込むベイドに、グラフィアスはそう皮肉を言いながら竹筒の水を飲み干す。
「それは……無くもない話ですね。彼女はあの事件の当事者なわけですから、何らかの影響が残っていると考えた方が自然です。その点、ルクバットは無害なんですか?」
「うん、多分……。俺はその日、ずっと聖なる祠にいたらしいから、俺は大丈夫だって、アウラが言ってた」
「ずっと?国王の戴冠式に参加していないのですか?」
「うん。みたい」
そう答えるルクバット自身がその理由を知らないようで、口ごもった返答をする。
国の一大イベントである戴冠式に参加せずに、年端もいかない少年が聖域である祠にいた……。
近衛師団長の息子である以前に、彼にも何か特別な秘密が隠されているのかもしれませんね。
そう思いはしたものの口には出さず、ベイドは一人、グルミウムの謎に思いを馳せるのだった。
†
どいつもこいつも王女王女と、馬鹿馬鹿しい!
雷の帝国を発ってから、グラフィアスはぶつけようのない怒りを抱えたまま旅を続けていた。
その元凶は、今も自分の前を無邪気な子供のように駆け回っており、それが更に怒りに拍車をかける。
こいつが王女の筈がない。あいつは親父が、ポエニーキスが殺したんだ。生きてる筈がない。
「おい影武者。病人なら病人らしく、少しは大人しくしたらどうだ。また発作を起こして歩みを止める気か」
ほぼ当て付けのように怒りをぶつけると、アウラはきょとんとした顔で足を止め、それからにこりと微笑んだ。
「ありがとう、優しいんだな、グラフィアスは」
「……っ」
いつもとは違う彼女の態度に調子を狂わされるのも、怒りの原因の一つだ。
「でも私は、影武者じゃなくて、本物のアウラだから。そこだけは直してよね」
いつもの、殺気を含んだ鋭い眼光とはまるで違う、純粋に不服さのみを露わにしている、少し吊り上げた目も、唇を尖らせた膨れっ面も、何もかもが見たことのない、ただの少女の顔がそこにあり、グラフィアスはどうすることも出来ずに目を逸らす。
「俺は認めない」
「もう、本当なのに」
むぅ、と頬を膨らませ、アウラはそのままシェアトの元へと走り去って行く。
グラフィアスはその背中を睨むように見つめ、重い溜め息をつく。
「ったく、調子狂うぜ」
親父。あんたは、英雄なんだろ?グルミウム王国を滅亡に追いやり、王族の生き残り、アウラ王女を捕らえたんだろう?なあ、答えてくれよ。親父………。
やり場の無い気持ちを抱えたまま空を見上げ、父を思う。
この先に……風の王国に行けば、その答えは見つかるのか?だったら、俺は……。
揺らぎつつある父の陽炎が繋ぎ留めるかのように、グラフィアスはまだ見ぬ真相を求めて歩を進める。
†
「……シェアト。何してるの?」
宵闇が深まり、皆が寝静まり始めた頃、焚き火の灯りを便りに、羊皮紙にペンを走らせていると、隣で眠っていたアウラが目を擦りながら身体を起こした。
「アウラ様。ごめんなさい、起こしちゃいましたか?」
シェアトが一旦手を止めると、アウラは少し前のめりになるようにして首を振る。
「ううん、あんまり眠くなかったから。それより、何してたの?」
「日記を書いていたんです。私が、アウラ様……アリスの旅に付いていくと決めた日から、ずっと書いているんです」
「へー。見てもいい?」
「はい、どうぞ」
そう言って渡してみたものの、当時の記憶も無く、幼いアウラにこの内容が理解出来るとは思えない。
それでもアウラはしばらくの間、日記を静かに読んでいた。
「内容は、分かりますか?」
「うーん……あんまり。でも、シェアトとは仲良しみたいだね。ありがとう」
そう言ってアウラは日記を返してくれた。
仲良し……どうなんだろう?アリスと出会って四ヶ月近く経つけど、私は彼女を、どこまで理解出来ているのかな?まだまだ知らない事ばかりで、今目の前にいるこの王女様が本当の姿だとしたら、私は、彼女を何も理解出来ていない。
「シェアト?どしたの」
物思いに耽っている所を、アウラによって呼び戻される。
「え?あ、ごめんなさい。その……私とアリスは、本当に仲が良かったのかな?って。私はいつも彼女に守られてばかりだったし、アウラ様の事だって知らなかった。だから、ちょっと不安になって」
「シェアト……。大丈夫だよ!私も友達ってエルしかいなかったし、これから私と仲良くなればいいんだよ。ね?」
「アウラ様……」
アウラの笑顔に、思わずシェアトも顔が緩む。
「そうですね。知らない事は、これから知っていけばいいんですよね。友達として」
記憶を失くしても、こうやって他人に気を配る優しさは変わらない。
やっぱり彼女は、何処までいっても変わらない。私の、大切な友達。必ず、記憶を取り戻してみせるからね。
目の前で笑う友にそっと誓いを立て、その後も二人は話に華を咲かせ続けた。
†
「この薬草は、ねんざとか、だぼくした時に使うと治りが早くなるんだよ。でも根っ子の方には毒があるから、扱いには気をつけなきゃダメなんだ」
道端に咲いている薬草の前にしゃがみ込んで、アウラがそう説明する。
「へー。アウラ、よくそんな事知ってるね」
「えへへ。でさ、ねんざとだぼくって、何?」
「え?」
「今のはノトス様が教えてくれたんだけど、だぼくとかの意味が分かんなくて」
少し恥ずかしそうに笑うアウラを見るのは、やはり新鮮だ。
「うーんと、打撲っていうのはどっかに身体をぶつけて紫っぽく腫れてるやつで、捻挫は、くじくやつかな?」
「くじくって?」
「えっと……こう、ぐきってなるやつ?」
「ふーん」
実際に足首を捻って説明してみるが、アウラは今一理解出来ていない様子。
それに困っていると、他の三人が加わってきた。
「挫くも捻挫も、意味は同じですよ。関節部分に無理な力が加わって、その周辺を痛める事を指します」
「えーっと……」
ベイドの的確すぎる解説ではルクバットも理解し難く、アウラは更に首を捻る。
「簡単に言や、足首を変に捻って痛める事だ」
「ああ、なるほど!」
グラフィアスの説明でようやく納得出来たようで、アウラの顔色が明るくなる。
そして最後に、シェアトがアウラの目の前にある薬草について補足を入れた。
「ちなみにその薬草は、確かに根っ子に毒がありますけど、煎じ方によっては良薬になるんですよ」
「そうなの?知らなかったな」
皆凄いなぁ。俺の知らない事ばかり。
三人が三人とも、色々な知識を持っており、対するルクバットは何もない事に少しばかりの劣等感を覚える。
そんな直後、道端に咲いている桃色の小さな花が目に入った。
「あ、これなら俺も知ってるよ。昔アルマクから習ったし、俺が風邪を引いた時にアウラが採ってきてくれたから」
言いながら花を摘むと、アウラは感心したように言う。
「アルマクを知ってるんだ?聖なる祠は普通の人は入れないし、アルマクもあんまり顔を出さないのに、やっぱりエルの子供は特別なんだね」
特別、という言葉があまりピンと来ず、ルクバットは照れくさくて頬を掻く。
「どうなんだろ?俺、自分の事ってあんま知らないから。グルミウムに行けば、何か分かったりするかな?」
「うーん、どうだろうね?でも、分かるといいね。アルマクは元気かな?」
「だと思うよ。へへ、俺も何だか早く会いたくなってきちゃった」
アウラと共に故郷に想いを馳せながら、ルクバット達は世界の中心、土の天地にあるバスター協会を目指す。
戦闘こそ参加は出来ないが、どうやら彼女には、加護があるようで、鳥や風、植物等のあらゆる自然物によって護られ、それほどお荷物にもならなかった。
しかし、だからと言って、この旅路に何の支障も無い、というわけにはいかなかった。
「アウラ王女!?」
「……っ」
発作持ちなのか、時折アウラは胸を押さえ、苦しそうにする時があった。
「大丈夫ですか?落ち着いて、ゆっくりと息を吐いて下さい」
発作が起こる度にシェアトが介抱し、その都度休憩を取る。
本人は平気だと言うが、それで倒れられても困る為、あらかじめ覚悟していた通り、焦らずゆっくりと土の天地を目指す。
「彼女の発作は、昔からですか?」
休憩の合間に、ベイドがルクバットに尋ねる。
「うん。俺が初めてあった時には、もうそうだったよ。最近はあまり見なかったんだけど」
「しかし、アウラ王女本人にその原因は不明。薬も所持していない……。事件の影響によるショックでしょうかね?」
「案外、邪竜に喰われかけてたりしてな」
顎に片手をやって考え込むベイドに、グラフィアスはそう皮肉を言いながら竹筒の水を飲み干す。
「それは……無くもない話ですね。彼女はあの事件の当事者なわけですから、何らかの影響が残っていると考えた方が自然です。その点、ルクバットは無害なんですか?」
「うん、多分……。俺はその日、ずっと聖なる祠にいたらしいから、俺は大丈夫だって、アウラが言ってた」
「ずっと?国王の戴冠式に参加していないのですか?」
「うん。みたい」
そう答えるルクバット自身がその理由を知らないようで、口ごもった返答をする。
国の一大イベントである戴冠式に参加せずに、年端もいかない少年が聖域である祠にいた……。
近衛師団長の息子である以前に、彼にも何か特別な秘密が隠されているのかもしれませんね。
そう思いはしたものの口には出さず、ベイドは一人、グルミウムの謎に思いを馳せるのだった。
†
どいつもこいつも王女王女と、馬鹿馬鹿しい!
雷の帝国を発ってから、グラフィアスはぶつけようのない怒りを抱えたまま旅を続けていた。
その元凶は、今も自分の前を無邪気な子供のように駆け回っており、それが更に怒りに拍車をかける。
こいつが王女の筈がない。あいつは親父が、ポエニーキスが殺したんだ。生きてる筈がない。
「おい影武者。病人なら病人らしく、少しは大人しくしたらどうだ。また発作を起こして歩みを止める気か」
ほぼ当て付けのように怒りをぶつけると、アウラはきょとんとした顔で足を止め、それからにこりと微笑んだ。
「ありがとう、優しいんだな、グラフィアスは」
「……っ」
いつもとは違う彼女の態度に調子を狂わされるのも、怒りの原因の一つだ。
「でも私は、影武者じゃなくて、本物のアウラだから。そこだけは直してよね」
いつもの、殺気を含んだ鋭い眼光とはまるで違う、純粋に不服さのみを露わにしている、少し吊り上げた目も、唇を尖らせた膨れっ面も、何もかもが見たことのない、ただの少女の顔がそこにあり、グラフィアスはどうすることも出来ずに目を逸らす。
「俺は認めない」
「もう、本当なのに」
むぅ、と頬を膨らませ、アウラはそのままシェアトの元へと走り去って行く。
グラフィアスはその背中を睨むように見つめ、重い溜め息をつく。
「ったく、調子狂うぜ」
親父。あんたは、英雄なんだろ?グルミウム王国を滅亡に追いやり、王族の生き残り、アウラ王女を捕らえたんだろう?なあ、答えてくれよ。親父………。
やり場の無い気持ちを抱えたまま空を見上げ、父を思う。
この先に……風の王国に行けば、その答えは見つかるのか?だったら、俺は……。
揺らぎつつある父の陽炎が繋ぎ留めるかのように、グラフィアスはまだ見ぬ真相を求めて歩を進める。
†
「……シェアト。何してるの?」
宵闇が深まり、皆が寝静まり始めた頃、焚き火の灯りを便りに、羊皮紙にペンを走らせていると、隣で眠っていたアウラが目を擦りながら身体を起こした。
「アウラ様。ごめんなさい、起こしちゃいましたか?」
シェアトが一旦手を止めると、アウラは少し前のめりになるようにして首を振る。
「ううん、あんまり眠くなかったから。それより、何してたの?」
「日記を書いていたんです。私が、アウラ様……アリスの旅に付いていくと決めた日から、ずっと書いているんです」
「へー。見てもいい?」
「はい、どうぞ」
そう言って渡してみたものの、当時の記憶も無く、幼いアウラにこの内容が理解出来るとは思えない。
それでもアウラはしばらくの間、日記を静かに読んでいた。
「内容は、分かりますか?」
「うーん……あんまり。でも、シェアトとは仲良しみたいだね。ありがとう」
そう言ってアウラは日記を返してくれた。
仲良し……どうなんだろう?アリスと出会って四ヶ月近く経つけど、私は彼女を、どこまで理解出来ているのかな?まだまだ知らない事ばかりで、今目の前にいるこの王女様が本当の姿だとしたら、私は、彼女を何も理解出来ていない。
「シェアト?どしたの」
物思いに耽っている所を、アウラによって呼び戻される。
「え?あ、ごめんなさい。その……私とアリスは、本当に仲が良かったのかな?って。私はいつも彼女に守られてばかりだったし、アウラ様の事だって知らなかった。だから、ちょっと不安になって」
「シェアト……。大丈夫だよ!私も友達ってエルしかいなかったし、これから私と仲良くなればいいんだよ。ね?」
「アウラ様……」
アウラの笑顔に、思わずシェアトも顔が緩む。
「そうですね。知らない事は、これから知っていけばいいんですよね。友達として」
記憶を失くしても、こうやって他人に気を配る優しさは変わらない。
やっぱり彼女は、何処までいっても変わらない。私の、大切な友達。必ず、記憶を取り戻してみせるからね。
目の前で笑う友にそっと誓いを立て、その後も二人は話に華を咲かせ続けた。
†
「この薬草は、ねんざとか、だぼくした時に使うと治りが早くなるんだよ。でも根っ子の方には毒があるから、扱いには気をつけなきゃダメなんだ」
道端に咲いている薬草の前にしゃがみ込んで、アウラがそう説明する。
「へー。アウラ、よくそんな事知ってるね」
「えへへ。でさ、ねんざとだぼくって、何?」
「え?」
「今のはノトス様が教えてくれたんだけど、だぼくとかの意味が分かんなくて」
少し恥ずかしそうに笑うアウラを見るのは、やはり新鮮だ。
「うーんと、打撲っていうのはどっかに身体をぶつけて紫っぽく腫れてるやつで、捻挫は、くじくやつかな?」
「くじくって?」
「えっと……こう、ぐきってなるやつ?」
「ふーん」
実際に足首を捻って説明してみるが、アウラは今一理解出来ていない様子。
それに困っていると、他の三人が加わってきた。
「挫くも捻挫も、意味は同じですよ。関節部分に無理な力が加わって、その周辺を痛める事を指します」
「えーっと……」
ベイドの的確すぎる解説ではルクバットも理解し難く、アウラは更に首を捻る。
「簡単に言や、足首を変に捻って痛める事だ」
「ああ、なるほど!」
グラフィアスの説明でようやく納得出来たようで、アウラの顔色が明るくなる。
そして最後に、シェアトがアウラの目の前にある薬草について補足を入れた。
「ちなみにその薬草は、確かに根っ子に毒がありますけど、煎じ方によっては良薬になるんですよ」
「そうなの?知らなかったな」
皆凄いなぁ。俺の知らない事ばかり。
三人が三人とも、色々な知識を持っており、対するルクバットは何もない事に少しばかりの劣等感を覚える。
そんな直後、道端に咲いている桃色の小さな花が目に入った。
「あ、これなら俺も知ってるよ。昔アルマクから習ったし、俺が風邪を引いた時にアウラが採ってきてくれたから」
言いながら花を摘むと、アウラは感心したように言う。
「アルマクを知ってるんだ?聖なる祠は普通の人は入れないし、アルマクもあんまり顔を出さないのに、やっぱりエルの子供は特別なんだね」
特別、という言葉があまりピンと来ず、ルクバットは照れくさくて頬を掻く。
「どうなんだろ?俺、自分の事ってあんま知らないから。グルミウムに行けば、何か分かったりするかな?」
「うーん、どうだろうね?でも、分かるといいね。アルマクは元気かな?」
「だと思うよ。へへ、俺も何だか早く会いたくなってきちゃった」
アウラと共に故郷に想いを馳せながら、ルクバット達は世界の中心、土の天地にあるバスター協会を目指す。
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