16 / 19
守るべき者 後編
しおりを挟む
ぽつ、ぽつ……。
一粒、また一粒と銀糸が降り注ぎ、やがて全体に行き渡る雨となる。
その中で、魔族に焦がれた元人間と、人間の血を宿す魔族の瞳が交差する。
エピステトスは身体を横にし、右肩の上から相手を見る剣術の基本形を取っているのに対して、カオスは敵に身体を正面から向けたまま、構えも取らずに立っている。
「……ふん!」
エピステトスはひとっ飛びで間合いを詰め、剣を突き出す。
カオスはほんの少し身をよじってかわし、突き付けられた細剣を乱暴に叩き落とす。
エピステトスは衝撃で武器を落としそうになるがこらえて反撃しようとする。
だがカオスはそれを許さず右に左にと細剣を振り回す。
そのまましばらく相手を翻弄するが、ふいに足を止めて黒炎の剣を構え直す。
戦況を支配しているのはカオスだが、全身から汗が噴き出し、息も荒くなっている。
「ふ、ふふ。辛そうですな」
エピステトスが可笑しそうに微笑む。
「不憫な身体ですね。魔族が最も強くなれる日が、魔王を苦しめる日だなんて」
「ふん。ハンパ者のお前に、そんな事言われたくない」
「それはお互い様でしょう」
エピステトスは再度、雷鳴の細剣を構え直す。
「そろそろ、決着をつけましょうか?」
「……そうだな」
頷き、カオスも構える。
「来いよ」
肩で息をしながらも、カオスは挑発する。
「お前から、仕掛けて来いよ」
「……それでは」
エピステトスは雷鳴の細剣を唸らせ跳躍するが、カオスはその場を動かない。
その場に佇み、敵が己の間合いに入って来るのをじっと待つ。
そして……。
「ぐわっ」
目にも留まらぬ速さで叩きつけたカオスの剣が、自分の数倍はある魔族の巨体をあっけなく吹き飛ばす。
カオスは無造作に魔族に近寄り、その胸元に剣先を突きつける。
「み、見事。……しかし」
エピステトスは顔を苦しげに歪めながらも笑ってみせる。
「勝負はまだ、終わってはいませんよ……」
「悪あがきを……何?」
ふと、視界の端に、レミナが立ち上がっているのが映った。
「レミナ?」
覚束ない足取りで、ふらふと崖へと向かっている。
まだ完全には解放されていなかったか……。
「ふふ。あの崖の下には結界が貼られていましてね、あの中では、魔族は無力。助けに行くのは勝手ですが、無駄死にになるだけです」
「この期に及んで下らん事を。あいつを殺せないのは分かっているんだ」
「本当に、そうお思いですか?」
エピステトスは意地の悪い笑みを漏らす。
「……いいのですか?放っておいて」
レミナはもう、崖の目の前だ。
本気だ……!
「くそっ」
カオスは剣を投げ捨て走り出し、崖下へと消えたレミナを追って、自分自身も飛び込んだ。
†
「レミナ!」
落ちていく浮遊間と、霞がかった頭に、聞き慣れた声が響く。
カオス……。
その直後、暖かい温もりがレミナを包み込む。
ああ。私、また守られてる……。
落ちている感覚はあるのに、不思議と恐怖は感じない。
ただ、自分の不甲斐なさを嘆くばかり。
こんなの、嫌だ。私だってみんなを、カオスを守りたいのに……。
「ならば、目覚めなさい」
レミナの瞳が涙が溢れ、右手に付けていたブレスレットに当たったその時、とても優しい声が聞こえてきた。
「ずっと待っていた。僕と、同じ志を持つ者を……」
あな、たは……?
「君になら、全てを託せそうだ。僕の能力を引き継いだ若き賢者よ。彼を、頼んだよ」
†
エピステトスが言った通り、崖下に貼られた結界によって無力な人となったカオスは、レミナを抱きしめる事以外何も出来ないまま落ちていく。
結局俺は、また守れないのか?たった一人の女さえも……。
「ちきしょー!」
やがて訪れる衝撃からせめてレミナだけでも守ろうと、彼女を一層強く抱きしめる。
すると、レミナが身に付けているブレスレットから強い光が溢れ徐々に大きくなり、やがて二人を包み込み、ゆっくりと上昇を始めた。
「これは……」
賢者の、力。
驚いていると、目の前でレミナが微笑んでいた。
普段束ねている髪は解けて、風に揺れていた。
「レミナ。お前……」
「ごめんね。今まで」
にこ、と笑いカオスに言う。
「私を守って、約束を守って……。大変だったでしょ?」
崖を登りきり、地に足が着く。
「でももう大丈夫。今度からは、私も一緒に戦うから」
レミナはブレスレットをカオスに手渡し、自身は光から出てエピステトスの元へと歩み寄っていく。
「お、おい!」
「カオスはそこにいて。その光から出たら魔族化が戻って、多分反動で耐えられなくなるから」
「……」
背中越しにそう言われ、いつもとは違う威厳に気圧され何も言えなくなる。
いや、それ以前に、レミナの背後にある人物が重なって見えていた。
ラグナ……。
レミナがエピステトスの前まで行くが、相手は息をするのがやっとの様子で、ただ顔を上げるだけだった。
「ようやく、目覚めたのですね……。これで、扉は開く……」
「貴方は魔に囚われている。魔界に恋い焦がれ、人間として生まれてしまった悲しみや怨みが膨らみ、不完全な魔族と化す程に。……それほど魔界が恋しいのなら」
レミナは魔族の手を取り、何事か呟く。
すると、エピステトスの身体が淡い光に包まれた。
「今度は、良い魔族として生まれてくる事を、祈っています」
「……っ!」
エピステトスは驚いたように目を見開くが、すぐに微かに笑ってレミナの手を握り返した。
「ありがとう……。混沌の魔王よ。次にまた生まれ変わったなら、その時も是非、お手合わせ願いたい」
最後に自嘲的な笑いを浮かべ、エピステトスは光に包まれて消えて行った。
レミナはしばらくその光を見つめていたが、やがてこちらを振り返って微笑む。
「さ、村に戻りましょう。ハザードさんや、チエちゃんが待ってるわ」
やや疲れているようだが、その笑顔はカオスがよく知る物だ。
「ああ。早く帰ろう」
村に戻ってみると、村人達は昨夜の事を一切覚えておらず、カオス達によって怪我を負った者も「一体どこでぶつけたのか?」と首を傾げていた。
一方怪我を負わせた張本人は、新月が終わった事で平常通り、ピンピンしている。
レミナは賢者の力に目覚めたばかりだというのに、忙しなく村人達の怪我の治療に勤しんでいた。
「さて、レミナも無事に賢者として目覚めた事だし、そろそろ行くか」
一通り怪我人の治療が終わったのを確認して、カオスが言う。
「うん。そうだね」
レミナも満足した様子で頷く。
「お姉ちゃん、行っちゃうの?」
チエは寂しげに眉をへの字にしてレミナに尋ねる。
レミナはその場にしゃがみ、チエの頭を優しく撫でる。
「うん。ごめんね、チエちゃん」
「うう……」
チエは今にも泣きそうなのを必死に堪えるが、嗚咽をもらすばかりで納得は出来ていなさそうだ。
「それほどまでにレミナ様の事をお思いなら、きっとまた、すぐに会えますよ」
ハザードが慰めるように言うと、チエは涙を湛えたまま言う。
「ほんとに?」
「ええ。時の神、クロノスの名に誓って。……しかし、今のように泣いてばかりいては、難しいでしょうが……」
「!じゃ、もう泣かない!」
チエはぐっと口を結んで、乱暴に目元に溜まった涙を拭う。
それを見てハザードは「そのいきです」と頷いた。
「それじゃ、またね」
「うん、またね!おねーちゃん」
レミナは、チエが見えなくなるまで大きく手を振りながら、カオス達と村を後にした。
一粒、また一粒と銀糸が降り注ぎ、やがて全体に行き渡る雨となる。
その中で、魔族に焦がれた元人間と、人間の血を宿す魔族の瞳が交差する。
エピステトスは身体を横にし、右肩の上から相手を見る剣術の基本形を取っているのに対して、カオスは敵に身体を正面から向けたまま、構えも取らずに立っている。
「……ふん!」
エピステトスはひとっ飛びで間合いを詰め、剣を突き出す。
カオスはほんの少し身をよじってかわし、突き付けられた細剣を乱暴に叩き落とす。
エピステトスは衝撃で武器を落としそうになるがこらえて反撃しようとする。
だがカオスはそれを許さず右に左にと細剣を振り回す。
そのまましばらく相手を翻弄するが、ふいに足を止めて黒炎の剣を構え直す。
戦況を支配しているのはカオスだが、全身から汗が噴き出し、息も荒くなっている。
「ふ、ふふ。辛そうですな」
エピステトスが可笑しそうに微笑む。
「不憫な身体ですね。魔族が最も強くなれる日が、魔王を苦しめる日だなんて」
「ふん。ハンパ者のお前に、そんな事言われたくない」
「それはお互い様でしょう」
エピステトスは再度、雷鳴の細剣を構え直す。
「そろそろ、決着をつけましょうか?」
「……そうだな」
頷き、カオスも構える。
「来いよ」
肩で息をしながらも、カオスは挑発する。
「お前から、仕掛けて来いよ」
「……それでは」
エピステトスは雷鳴の細剣を唸らせ跳躍するが、カオスはその場を動かない。
その場に佇み、敵が己の間合いに入って来るのをじっと待つ。
そして……。
「ぐわっ」
目にも留まらぬ速さで叩きつけたカオスの剣が、自分の数倍はある魔族の巨体をあっけなく吹き飛ばす。
カオスは無造作に魔族に近寄り、その胸元に剣先を突きつける。
「み、見事。……しかし」
エピステトスは顔を苦しげに歪めながらも笑ってみせる。
「勝負はまだ、終わってはいませんよ……」
「悪あがきを……何?」
ふと、視界の端に、レミナが立ち上がっているのが映った。
「レミナ?」
覚束ない足取りで、ふらふと崖へと向かっている。
まだ完全には解放されていなかったか……。
「ふふ。あの崖の下には結界が貼られていましてね、あの中では、魔族は無力。助けに行くのは勝手ですが、無駄死にになるだけです」
「この期に及んで下らん事を。あいつを殺せないのは分かっているんだ」
「本当に、そうお思いですか?」
エピステトスは意地の悪い笑みを漏らす。
「……いいのですか?放っておいて」
レミナはもう、崖の目の前だ。
本気だ……!
「くそっ」
カオスは剣を投げ捨て走り出し、崖下へと消えたレミナを追って、自分自身も飛び込んだ。
†
「レミナ!」
落ちていく浮遊間と、霞がかった頭に、聞き慣れた声が響く。
カオス……。
その直後、暖かい温もりがレミナを包み込む。
ああ。私、また守られてる……。
落ちている感覚はあるのに、不思議と恐怖は感じない。
ただ、自分の不甲斐なさを嘆くばかり。
こんなの、嫌だ。私だってみんなを、カオスを守りたいのに……。
「ならば、目覚めなさい」
レミナの瞳が涙が溢れ、右手に付けていたブレスレットに当たったその時、とても優しい声が聞こえてきた。
「ずっと待っていた。僕と、同じ志を持つ者を……」
あな、たは……?
「君になら、全てを託せそうだ。僕の能力を引き継いだ若き賢者よ。彼を、頼んだよ」
†
エピステトスが言った通り、崖下に貼られた結界によって無力な人となったカオスは、レミナを抱きしめる事以外何も出来ないまま落ちていく。
結局俺は、また守れないのか?たった一人の女さえも……。
「ちきしょー!」
やがて訪れる衝撃からせめてレミナだけでも守ろうと、彼女を一層強く抱きしめる。
すると、レミナが身に付けているブレスレットから強い光が溢れ徐々に大きくなり、やがて二人を包み込み、ゆっくりと上昇を始めた。
「これは……」
賢者の、力。
驚いていると、目の前でレミナが微笑んでいた。
普段束ねている髪は解けて、風に揺れていた。
「レミナ。お前……」
「ごめんね。今まで」
にこ、と笑いカオスに言う。
「私を守って、約束を守って……。大変だったでしょ?」
崖を登りきり、地に足が着く。
「でももう大丈夫。今度からは、私も一緒に戦うから」
レミナはブレスレットをカオスに手渡し、自身は光から出てエピステトスの元へと歩み寄っていく。
「お、おい!」
「カオスはそこにいて。その光から出たら魔族化が戻って、多分反動で耐えられなくなるから」
「……」
背中越しにそう言われ、いつもとは違う威厳に気圧され何も言えなくなる。
いや、それ以前に、レミナの背後にある人物が重なって見えていた。
ラグナ……。
レミナがエピステトスの前まで行くが、相手は息をするのがやっとの様子で、ただ顔を上げるだけだった。
「ようやく、目覚めたのですね……。これで、扉は開く……」
「貴方は魔に囚われている。魔界に恋い焦がれ、人間として生まれてしまった悲しみや怨みが膨らみ、不完全な魔族と化す程に。……それほど魔界が恋しいのなら」
レミナは魔族の手を取り、何事か呟く。
すると、エピステトスの身体が淡い光に包まれた。
「今度は、良い魔族として生まれてくる事を、祈っています」
「……っ!」
エピステトスは驚いたように目を見開くが、すぐに微かに笑ってレミナの手を握り返した。
「ありがとう……。混沌の魔王よ。次にまた生まれ変わったなら、その時も是非、お手合わせ願いたい」
最後に自嘲的な笑いを浮かべ、エピステトスは光に包まれて消えて行った。
レミナはしばらくその光を見つめていたが、やがてこちらを振り返って微笑む。
「さ、村に戻りましょう。ハザードさんや、チエちゃんが待ってるわ」
やや疲れているようだが、その笑顔はカオスがよく知る物だ。
「ああ。早く帰ろう」
村に戻ってみると、村人達は昨夜の事を一切覚えておらず、カオス達によって怪我を負った者も「一体どこでぶつけたのか?」と首を傾げていた。
一方怪我を負わせた張本人は、新月が終わった事で平常通り、ピンピンしている。
レミナは賢者の力に目覚めたばかりだというのに、忙しなく村人達の怪我の治療に勤しんでいた。
「さて、レミナも無事に賢者として目覚めた事だし、そろそろ行くか」
一通り怪我人の治療が終わったのを確認して、カオスが言う。
「うん。そうだね」
レミナも満足した様子で頷く。
「お姉ちゃん、行っちゃうの?」
チエは寂しげに眉をへの字にしてレミナに尋ねる。
レミナはその場にしゃがみ、チエの頭を優しく撫でる。
「うん。ごめんね、チエちゃん」
「うう……」
チエは今にも泣きそうなのを必死に堪えるが、嗚咽をもらすばかりで納得は出来ていなさそうだ。
「それほどまでにレミナ様の事をお思いなら、きっとまた、すぐに会えますよ」
ハザードが慰めるように言うと、チエは涙を湛えたまま言う。
「ほんとに?」
「ええ。時の神、クロノスの名に誓って。……しかし、今のように泣いてばかりいては、難しいでしょうが……」
「!じゃ、もう泣かない!」
チエはぐっと口を結んで、乱暴に目元に溜まった涙を拭う。
それを見てハザードは「そのいきです」と頷いた。
「それじゃ、またね」
「うん、またね!おねーちゃん」
レミナは、チエが見えなくなるまで大きく手を振りながら、カオス達と村を後にした。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
(完結)お姉様を選んだことを今更後悔しても遅いです!
青空一夏
恋愛
私はブロッサム・ビアス。ビアス候爵家の次女で、私の婚約者はフロイド・ターナー伯爵令息だった。結婚式を一ヶ月後に控え、私は仕上がってきたドレスをお父様達に見せていた。
すると、お母様達は思いがけない言葉を口にする。
「まぁ、素敵! そのドレスはお腹周りをカバーできて良いわね。コーデリアにぴったりよ」
「まだ、コーデリアのお腹は目立たないが、それなら大丈夫だろう」
なぜ、お姉様の名前がでてくるの?
なんと、お姉様は私の婚約者の子供を妊娠していると言い出して、フロイドは私に婚約破棄をつきつけたのだった。
※タグの追加や変更あるかもしれません。
※因果応報的ざまぁのはず。
※作者独自の世界のゆるふわ設定。
※過去作のリメイク版です。過去作品は非公開にしました。
※表紙は作者作成AIイラスト。ブロッサムのイメージイラストです。
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる