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6.訓練1

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「クラウスくん。君が使ったという魔法、ぜひワシにも見せてくれんか?」



さっそくクラウスは窮地に立たされていた。

というのも、休みだったモーリス先生が復帰し、クラウスが魔法を使った、という話を聞きつけて来たのだ。
モーリス先生はいつも考えるような目でクラウスを見てくるのだが、今もその灰色の目は、期待や嬉しそうな色はなく、ただ読めない表情をしていた。

「…すみません。俺は魔法を使ったつもりはなくて、今もまだ使えないんです」

モーリス先生は訝しむ目をしたが、それ以降は追求してこなかった。

「…ふむ。ワシはあんまり焦らず教えたかったのじゃが…君が魔法を使えた可能性が出てきた以上、学園側は君がもっと習得することを急かしておる。……君の支援者の、ブラッド伯爵からも、早く魔法を使えるように教えてくれ、と言われておるしな」

確かに、ブラッド伯爵はこの前会った時も何度も言ってきていた。──早く魔法を使えるように頑張ってくださいね、と。

「…じゃから、これからは同級生の授業内容と同じこともしていく。…まあ、一度魔法が使えたのなら、ついていけるじゃろう」

…ええ…ついていけるのか?!

だが、モーリス先生はもう話はおしまいだと言うふうに、訓練場へと歩き出してしまった。



結論を言うと、1年生の授業は俺には難しすぎた。

今日は風魔法で体を浮かせる授業。前世のゲームでいう、地属性系の魔法を浮くことで無効にする、そういう魔法だ。俺もゲームでやった覚えがあるな。ゲームでだけど。

1年生は、この魔法を初めて習うらしいが、皆前からできていたかのように飲み込みが早い。
クラウスは皆とまだ親しくなかったため、1人で端っこで授業を受けていたが、次々に体を浮かせ出した1年生を呆けたように見ていた。

…す、すご。

人が浮く、というのも初めて見たため、クラウスの目は釘付けだ。
非常にマヌケ面をしていたのだろう。付近の生徒が訝しむようにクラウスを見る。

集団の中から、1人ふわりと1番高くキラキラしたものが飛び上がった。風属性の美少年、ノアだ。風魔法が得意なのだろう。優雅に浮く姿はさながら妖精だ。

クラウスも先生の説明通り、魔法を出そうと頑張ってみるが、予想通り何にもできない。
クラウスがマシューに使ったとされる魔法が風属性だったため、これもできると勘違いされているのあろうか…さっきから、全く俺の体は浮いてくれないが。

俺をよく思っていないであろう数人の生徒が、ただ1人未だ地面に取り残されている俺をみて、クスクスと笑う。

「…ほんとにアイツ魔法使ったの?これもできないってヤバすぎ」

…おい。聞こえてるぞ。

「…手伝おうか?」

その時、聞き覚えのある声がして、クラウスはばっと振り返った。
高身長のシリルが、灰色の目でじっとクラウスを見ていた。

「え、いいのか?」

話しかけられた!
クラウスは感動を覚えながら、答える。

「ああ」

シリルは相変わらず表情の読めない顔をしているが、前会った時より、なんとなく雰囲気は柔らかい気がした。

シリルは、「まず」と言うと、手を地面に向けて何やら力を込める。

「君は力をうまく手を通して出せていないようだ。こうして、風を集める感覚で力を溜め、下に向けて出すと、うまくいく」

そう言って実践してくれるが、そもそも俺にはその力を出す感覚というのすら、わからない。
クラウスがまだできないのを見て、シリルは不思議そうな顔をした。

「…おかしいな。君から魔力が出ている感じがしない。これをやれば、みんな出来るはずなんだが…」

「ちょっと」

その時、今度は鋭い声がして、シリルの後ろからノアが現れた。

「何やってんの?…君、”魔力なし”の子だよね?シリルになんか用?」

矢継ぎ早に聞くノアからは、どこか敵意を感じる。

「ノア。彼には俺から声をかけたんだ。みんな彼ができてないのを知ってて、見てるだけだからな」
「…ふうん」

ノアは鋭い眼差しで、じろじろとクラウスを見る。

「…僕見てたけど、君ぜんっぜん出来てないよ。基礎がそもそも出来てない。ほんとに君魔法を使えたの?君から魔力が発せられたの見たことないんだけど」

ノアは可憐な見た目をしているが、わりと辛辣だ。

「…そうだな。俺は、魔法を使えたとは思ってないんだ。正直、説明を聞いてもよく分かんなくて…」

素直に認めたクラウスに、ノアはちょっと目を見開く。

「じゃあさ、とりあえず体験してみればいいんだよ。僕は、魔法はやってみて覚えるものだと思ってる」

そう言うと、ノアは手を差し出してくる。

「ほら、手握って。僕は風属性だから、もう1人浮かせるのなんて朝飯前なんだ。今から一緒に浮いて、君も体験するんだ」
「っえ」

突然の申し出に困惑しつつ、その差し出された手を握ると、次の瞬間、クラウスは何かが体を包みこむのを感じた。
そして、起こった出来事に驚愕する。
クラウスの体は、ノアと共に浮いていた。気持ちのいい風のようなものが周りを包みこんでいるのが分かる。…これが、魔法なんだ。
ノアとクラウスの体は思ったより高く浮いていて、クラウスの目の前には美しい学園の景色が広がり、全てが陽の光でキラキラ輝いていた。

クラウスの目が見開かれた。きっと、子供みたいに目をキラキラさせていただろう。そのくらい、すごくて爽快な体験だった。

「す、すごいな!」

クラウスは興奮するまま、ノアに振り向いて笑った。

「君の魔法、すごいよ!」

そう言うと、ノアが一瞬ポカンとしたようにクラウスを見て、徐々に頬を赤くする。

「…お、大袈裟すぎ。こんなの皆できるし」
「いや、俺、すごく感動した!」

ノアは黙ってしまったが、ぎゅっと握った手に力が篭った気がした。

2人が地上に戻ると、シリルも何だか驚いたような顔をしていた。

「君って、本当に魔法を初めて見たような反応するよな…」

シリルの言葉にギクッとする。

「…あー、ほんとに初めて見るんだよ。つまり…俺、記憶喪失だったから…」

そう言うと、シリルとノアは気まずそうな顔をした。
ごめんな、嘘ついて。

「…この魔法使えるようになるまで、また手伝ってもいいけど」

その時、ノアがぼそっと言った。シリルが意外そうな顔をすると頷く。

「ああ。またわからないことがあれば声かけてくれ」
「っ!2人ともありがとう」

クラウスはむくむく湧き上がる喜びと共に、笑顔で言った。









こうして、クラウスは授業中、シリルとノアに魔法を教えてもらうようになった。

「ほら、クラウス。身の回りにある風を感じて。こうやって浮き上がるイメージで!」
「……っ!……う、ごめん、できない」
「うーん、これが僕の感覚なんだけどなー。どうしたらいいか」

「クラウス。火の魔法は基礎だ。俺が小さい頃教えてもらったやり方はこうだ」
「ち、小さい頃にもう出来てたんだね…」
「クラウスもできるようになる。なにせ、火魔法は魔力量が少なくても、比較的簡単にできるものだ」
「…が、頑張るよ」

やっと初めて話せる相手ができたが、良いことばかりではなかった。

シリルやノア、そしてマシューは時々話しかけてくれたが、まだクラウスを嫌う生徒は多く、1人の時に嫌がらせをされることも増えた。

例えば、クラウスが持つ魔法教科書がビリビリになっていたり…
風魔法で転ばされたり…
この前は頭に当たったらやばそうな石が飛んできて、流石にビビった。

クラウスはいくら話せる相手ができたといっても、彼らとは友達になれたわけではなかったため、誰にも相談できずにいた。
そもそも、1人のことが多いクラウスは、決まって誰も周りにいない時に嫌がらせされた。

…はぁ。

今も、ビリビリになってしまった資料を、ちまちま広い集める。ここで魔法が使えたら、一瞬で掃除できるのだろうか。

「うわ~、無様」

その時、嘲笑う声がして、背後から数人の生徒がクラウスを囲った。
いつも嫌がらせをしてくる集団だ。初めて、クラウスの前に姿を現した。先頭の女子を見て、彼らが以前、平民を見下していたグループだと知る。

「ね。そろそろ、シリルたちと話すのやめたら?彼らもきっと迷惑してるわよ」

1人が言う。

「アンタみたいな不気味な平民が、シリルたち上級貴族と話すなんて…アンタ、この学園でなんて噂されてるか知ってる?──”ゼトの生まれ変わり”よ。ゼト事件で親を亡くした子にも攻撃魔法使うような鬼畜なアンタにピッタリよね」

蔑むような目が、無数にクラウスを射抜いている。

──ゼトの生まれ変わり、という言葉に心臓が跳ねた。
やはり、俺はそう思われているようだ…。

「こんなに魔法が使えないなら、早く学園をやめろよ、平民」

「──なんで彼が学園をやめなくちゃいけないの?」

その時、静かな図書室に凛とした声が響いた。

驚いて皆が顔を上げると、合同大会で見た、さらりとした長い髪に紫の瞳の、リリー・ブラックがゆっくり歩いて来た。
リリーは無表情に彼らを見ると、サッと手を払って、クラウスのビリビリの資料を魔法で一瞬で集めた。

「…こんなことでしか自分たちを大きくみせられない貴方たちより、魔法が使えなくても、1人で本読んで必死に勉強してる彼の方がマシね」
「は…アンタ何様のつもり?」

彼らは口々に悪態を吐く。しかし、リリーの周りに一瞬威圧するように何かがブワリと広がり、それに怯えた彼らは次々に図書室を去っていった。

「…大丈夫?」

リリーは、平坦な声でクラウスに言った。
表情がほぼ動かない冷静そうな彼女だが、その目が少し心配しているように見える。

「ありがとう…リリーさん、だよね」
「リリーでいいわ」

リリーはじっとクラウスを見る。

「あなた、ずっと図書館で勉強してるわよね」
「…魔法がまだ使えないから、本だけでも読もうと思って」
「…そう。私も、平民出身だから、よくああやって言われてたの。下らないわよね。この学園は全員じゃないけど、一部ああいうのがいるから…」

クラウスは、彼女も同じように嫌な思いをしてきたことを知る。
それから、2人はしばらく話し合った。リリーも、ここでは珍しい平民出身で、無愛想なこともあり、今まで1人で過ごしてきたらしい。

「私、あなたがいつも1人で頑張っているのを見ていたのよ。…よかったら、私と一緒に魔法の練習をしない?」

リリーは、そこで初めて頬を緩ませた。
クラウスもきっと微笑んでいただろう。

「!ああ、もちろん。助かるよ」




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