女神さまの尻ぬぐい

冒険者生活

契約交渉しちゃいます

なんというか…
かなり目立つ人だな。

というのが第一印象。

「ジエン～!!! お前の方から声かけてくるなんて、珍しいな!!
そんなに俺に会いたかったか!!!!」

俺はどこに向かっているのかわからなかったが、ジエンについて歩いていると前方から声がかかった。
その男、見た目もでかいが、声もでかい。
身長2m超えてるよね？
かなり筋肉質っぽくて、体の厚み半端なくね？

髪の色、黄緑色だし目の色は赤紫っぽい。

ジエン先輩、俺より8歳年上だから現在18歳
身長180cm
それなりに鍛えてるっていう感じなのに、2ｍ超え見ちゃうと大人と子ども…

俺なんか、身長145cmしかないから子ども以下じゃね？
思いっきり下から見上げるの、疲れるわ～。

とか、そんな感想しか出てこない。


「クロウェル、呼び出して悪かったな。今日はお前に買い物に付き合ってもらいたい。」

「なんだ、デートのお誘いか？ やっと俺の愛を受け入れてくれる気になったんだな!!!」

ジエン先輩が抱き着こうとした大男をさっと躱して、俺を全面に押し出す。

「今日は、こいつの買い物に付き合ってほしいだけ。
ちょっと特殊な買い物だから、俺じゃどうしていいかわかんねぇ。
そういうのは専門職にかぎるだろ？」

「それは依頼として受けてよいのでしょうか？ それとも…個人的な？」

仕事モードのクロウェルは基本敬語でしゃべる。
お客様に不快感を与えないためだそうだ。

「クロウェルが迷惑じゃない方法で。」

「とりあえず、内容を聞いてからの判断ですね。」

「まぁ、それは当然か。
この未成年が一緒に住める奴隷を買いたいそうなんだ。
希望は、掃除、洗濯、料理が出来て一緒にダンジョンには入れるやつ。」

「へっ…？ 家事全般が出来て戦える奴隷ってことか…？
家事奴隷と戦闘奴隷の2人ではなく、両方できる1人を買うと…？」

「どうやら、そうしたいらしい。
クロウェルも一緒に行って、アドバイスが欲しいんだ。」

「う～ん… 予算的にはどのくらいを考えていますか？」

「今すぐ用意できるのは金貨50枚まで。あと、出来るだけ安い方が助かる。
少々見た目が悪いのはなんとかできるから、多少のけがや欠損は許容できるかな」

「欠損可、という事なら運が良ければ格安で手に入らないこともありませんが…
私に依頼という形でよろしでしょうか？」

「まぁ、ここですぐに契約できるなら？
あと報酬は、金貨50枚のうち、奴隷に支払った残りでどう？」

「そう来ましたか。
初回のお取引ですからね、それで契約させていただきますよ。
今後とも、ごひいきに。」