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冒険者生活
お兄様のこと
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クーランに学校に行く気があるか?って聞かれた時はそんなつもりはなかったんだけどな。
少し、思うところがないわけではないんだよな。
今では名前も知らない、お兄様の事。
公爵家から廃嫡されて、隣国へ養子に出されたって聞いてる。
多分、その時に名前も変わってるはず。
俺が、傍にいて手伝っていくべきだった人…
ヒウス王国に隣接する国は3つあるから、そのうちのどこかだと思う。
そして…
遠縁のお家だって聞いたから、養子先は貴族。
今の、平民の俺には会うことは難しいだろう。
しかし、学校に通っていい成績を残して実績を積めば…
どこかで会うことが出来る可能性っていうのも、実は考えてしまうわけで。
今度、クーランが来た時にもう少し詳しく聞いてみてもいいかもしれないな。
と、そんな風に考えたのが悪かったのか…
俺の手元に編入試験の案内が届いた。
なぜだ…?
俺は今、冒険者として活動しているはずなのに。。。
考えてもわからないことは、直接聞くに限る。
神殿に向かった俺はクーランを呼び出した。
「なぁ、クーランが俺に学校の話したよな?」
「はい、お伺いしましたね。…何かありましたか?」
「何か… じゃなくてだな~。 お前の差し金じゃないのか?この封筒。」
「はい? どういうことですか?」
「編入試験の案内だってさ。」
「お受けになるのですか?」
「いやいや… なんでこんなものが俺に届いたのかが知りたい。」
「それは… 私の口からは…。」
「じゃあ、誰に聞けばいいと?」
じろっと睨みつければ、目をそらされるがそんなことで逃がしたりはしない。
「じゃあ、質問を変えようか。何でクーランは学校の話を持ってきたんだ?
誰かに言われたのか?」
「それも… ちょっと私の口からは…」
「孤児院の院長ってわけでもなさそうだな…。 神官長も違うだろうし…。」
「えっ… なっ… なぜそう思われるのですか。」
「んぁ…、まぁ… この2人からの指示だったら隠したりしないだろう。
それを言えないっていうんだから、他の可能性の方が高いってことだな。
で… そこまで狼狽えてるところから…
俺の親あたりじゃないか。 と、考えるわけだ。」
「………。」
「はっ、当たりか。
大方、何かしらの見張りみたいなのが付いてんだろ。
そんなもんなくても、別に公爵家に押しかけたりしないさ。
お兄様にも会うこともないしな。」
「見張りではないのですよ。 ただ… 親心だと申し上げておきます。」
「おかしなことを言うんだな。俺に親なんて、存在しないはずだ。
それが孤児ってもんだしな。」
なんとも言えない顔をするクーランを残して宿舎へ戻る。
少し、思うところがないわけではないんだよな。
今では名前も知らない、お兄様の事。
公爵家から廃嫡されて、隣国へ養子に出されたって聞いてる。
多分、その時に名前も変わってるはず。
俺が、傍にいて手伝っていくべきだった人…
ヒウス王国に隣接する国は3つあるから、そのうちのどこかだと思う。
そして…
遠縁のお家だって聞いたから、養子先は貴族。
今の、平民の俺には会うことは難しいだろう。
しかし、学校に通っていい成績を残して実績を積めば…
どこかで会うことが出来る可能性っていうのも、実は考えてしまうわけで。
今度、クーランが来た時にもう少し詳しく聞いてみてもいいかもしれないな。
と、そんな風に考えたのが悪かったのか…
俺の手元に編入試験の案内が届いた。
なぜだ…?
俺は今、冒険者として活動しているはずなのに。。。
考えてもわからないことは、直接聞くに限る。
神殿に向かった俺はクーランを呼び出した。
「なぁ、クーランが俺に学校の話したよな?」
「はい、お伺いしましたね。…何かありましたか?」
「何か… じゃなくてだな~。 お前の差し金じゃないのか?この封筒。」
「はい? どういうことですか?」
「編入試験の案内だってさ。」
「お受けになるのですか?」
「いやいや… なんでこんなものが俺に届いたのかが知りたい。」
「それは… 私の口からは…。」
「じゃあ、誰に聞けばいいと?」
じろっと睨みつければ、目をそらされるがそんなことで逃がしたりはしない。
「じゃあ、質問を変えようか。何でクーランは学校の話を持ってきたんだ?
誰かに言われたのか?」
「それも… ちょっと私の口からは…」
「孤児院の院長ってわけでもなさそうだな…。 神官長も違うだろうし…。」
「えっ… なっ… なぜそう思われるのですか。」
「んぁ…、まぁ… この2人からの指示だったら隠したりしないだろう。
それを言えないっていうんだから、他の可能性の方が高いってことだな。
で… そこまで狼狽えてるところから…
俺の親あたりじゃないか。 と、考えるわけだ。」
「………。」
「はっ、当たりか。
大方、何かしらの見張りみたいなのが付いてんだろ。
そんなもんなくても、別に公爵家に押しかけたりしないさ。
お兄様にも会うこともないしな。」
「見張りではないのですよ。 ただ… 親心だと申し上げておきます。」
「おかしなことを言うんだな。俺に親なんて、存在しないはずだ。
それが孤児ってもんだしな。」
なんとも言えない顔をするクーランを残して宿舎へ戻る。
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