29 / 38
戦う相手
しおりを挟む
無事に船にのり、上級魔物の出る地域へと入る。
「これから2週間、街には戻れないから。
準備は万端だと思うが、もう一度装備を確認しておいてほしい。」
バルトから告げられ、3人は自分の持ち物を確認していく。
これまでより、けがのリスクは格段に高くなること
魔力切れを起こす可能性、最悪転移ができるように魔導具を持つこと。
毒消し、混乱など、状態異常に万全に対処できるような薬を多く持っておくこと。
武器の破損なども考え、最低でも予備は2つ備えておくこと。
(そんなに大変なところに行くのか…)
3人はなぜそこまでしてバルトが冒険をするのか、よくわからなかった。
「出発は明日の早朝5時。 今日は早めに休んでおいてくれ。
途中までは馬で行き、転移魔法が目的地に運んでくれるがそのあとはすべて徒歩で行く。
最終的に狩る獲物は…… ついてから話そう。」
「どういうこと? 今は言えないって感じ?」
「まぁ、話しても差し支えないとは思うが…
知ってから対策を立てようとずっと起きていられると困るからな。」
「それなら今言わないで、もう少し早く行ってくれればいいのに。」
「…… 討伐依頼が出ているかどうかわからなかったからな、
最近目撃情報が出ているのは知ってたが。
今の時期、本当にいるかどうかもわからないものを、先に知らせて余計な心配させるのもどうかと思ってな。」
「時期が関係していて、上級魔物という事は…あれか?」
キールスは心当たりがあるようだ。
「まぁ、それだ。」
明言は避けたが、バルトはキールスがそれを知っているのを理解した様子だった。
「では、寝るか。
出来るだけ体力は温存したい。
そして…討伐に出るのは俺たちだけじゃないってことだろ?」
「まぁ、そうなるな。
斃した後の分配がどうなるかは…
その時の状況次第ということになるから、あまり実入りのいい仕事にはならないかもしれないが。」
「それより、無事帰ってこられることを願うって感じだろうな。
じゃ、おやすみ。」
まだ日も暮れていないうちからキールスは部屋に帰っていった。
それぞれ、起きていてもすることがないので早々に自室にこもる。
そして迎えた翌朝。
移動の間に教えられた、今回の討伐対象は…
土竜と呼ばれるもので、硬いうろこに覆われ
鋭い牙と長い尾で攻撃を仕掛けてくる体の大きな魔物だという。
時々、土の塊を飛ばすそうで…
これを連携をとってひっくり返すのだそうだ。
腹側は常に地面に接触しているため、表面のうろこより柔らかくできているらしい。
ずっと擦って歩いているなら、腹こそ固くなくてはいけないのではないか?
と思ったのだが…
意外と、腹は浮いていて大きな体に似合わず動きは俊敏との事。
その為、ひっくり返すことが非常に難しく、
傷がつきやすい表面のうろこは
返す場所が悪ければ傷だらけになり素材としても売れなくなるのだとか。
固いくせに、傷がつきやすいってどういうことなの?
って思ったら
「傷はつくけど、それ以上体内に侵攻しないんだ。」
と言われた。
傷が衝撃をすべて吸収して、うろこのすぐ下の皮膚?肉の部分を傷つけないようになっているらしい。
明日には、討伐地点につくらしい。
他の冒険者も同様との事。
無事戻ってこれるのか?
べリアはなんとも苦い顔をしていた。
「これから2週間、街には戻れないから。
準備は万端だと思うが、もう一度装備を確認しておいてほしい。」
バルトから告げられ、3人は自分の持ち物を確認していく。
これまでより、けがのリスクは格段に高くなること
魔力切れを起こす可能性、最悪転移ができるように魔導具を持つこと。
毒消し、混乱など、状態異常に万全に対処できるような薬を多く持っておくこと。
武器の破損なども考え、最低でも予備は2つ備えておくこと。
(そんなに大変なところに行くのか…)
3人はなぜそこまでしてバルトが冒険をするのか、よくわからなかった。
「出発は明日の早朝5時。 今日は早めに休んでおいてくれ。
途中までは馬で行き、転移魔法が目的地に運んでくれるがそのあとはすべて徒歩で行く。
最終的に狩る獲物は…… ついてから話そう。」
「どういうこと? 今は言えないって感じ?」
「まぁ、話しても差し支えないとは思うが…
知ってから対策を立てようとずっと起きていられると困るからな。」
「それなら今言わないで、もう少し早く行ってくれればいいのに。」
「…… 討伐依頼が出ているかどうかわからなかったからな、
最近目撃情報が出ているのは知ってたが。
今の時期、本当にいるかどうかもわからないものを、先に知らせて余計な心配させるのもどうかと思ってな。」
「時期が関係していて、上級魔物という事は…あれか?」
キールスは心当たりがあるようだ。
「まぁ、それだ。」
明言は避けたが、バルトはキールスがそれを知っているのを理解した様子だった。
「では、寝るか。
出来るだけ体力は温存したい。
そして…討伐に出るのは俺たちだけじゃないってことだろ?」
「まぁ、そうなるな。
斃した後の分配がどうなるかは…
その時の状況次第ということになるから、あまり実入りのいい仕事にはならないかもしれないが。」
「それより、無事帰ってこられることを願うって感じだろうな。
じゃ、おやすみ。」
まだ日も暮れていないうちからキールスは部屋に帰っていった。
それぞれ、起きていてもすることがないので早々に自室にこもる。
そして迎えた翌朝。
移動の間に教えられた、今回の討伐対象は…
土竜と呼ばれるもので、硬いうろこに覆われ
鋭い牙と長い尾で攻撃を仕掛けてくる体の大きな魔物だという。
時々、土の塊を飛ばすそうで…
これを連携をとってひっくり返すのだそうだ。
腹側は常に地面に接触しているため、表面のうろこより柔らかくできているらしい。
ずっと擦って歩いているなら、腹こそ固くなくてはいけないのではないか?
と思ったのだが…
意外と、腹は浮いていて大きな体に似合わず動きは俊敏との事。
その為、ひっくり返すことが非常に難しく、
傷がつきやすい表面のうろこは
返す場所が悪ければ傷だらけになり素材としても売れなくなるのだとか。
固いくせに、傷がつきやすいってどういうことなの?
って思ったら
「傷はつくけど、それ以上体内に侵攻しないんだ。」
と言われた。
傷が衝撃をすべて吸収して、うろこのすぐ下の皮膚?肉の部分を傷つけないようになっているらしい。
明日には、討伐地点につくらしい。
他の冒険者も同様との事。
無事戻ってこれるのか?
べリアはなんとも苦い顔をしていた。
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人にそう言われてしまいました。私の心は砕け散ってしまいました。初恋の人が妹を愛していると知った時、妹が死んでしまって、政略結婚でいいから結婚して欲しいと言われた時、そして今。三度もの痛手に私の心は耐えられませんでした。
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
婚約者のいる側近と婚約させられた私は悪の聖女と呼ばれています。
鈴木べにこ
恋愛
幼い頃から一緒に育ってきた婚約者の王子ギルフォードから婚約破棄を言い渡された聖女マリーベル。
突然の出来事に困惑するマリーベルをよそに、王子は自身の代わりに側近である宰相の息子ロイドとマリーベルを王命で強制的に婚約させたと言い出したのであった。
ロイドに愛する婚約者がいるの事を知っていたマリーベルはギルフォードに王命を取り下げるように訴えるが聞いてもらえず・・・。
カクヨム、小説家になろうでも連載中。
※最初の数話はイジメ表現のようなキツイ描写が出てくるので注意。
初投稿です。
勢いで書いてるので誤字脱字や変な表現が多いし、余裕で気付かないの時があるのでお気軽に教えてくださるとありがたいです٩( 'ω' )و
気分転換もかねて、他の作品と同時連載をしています。
【書庫の幽霊王妃は、貴方を愛することができない。】
という作品も同時に書いているので、この作品が気に入りましたら是非読んでみてください。
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる