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強硬突破

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移動3日目。
一番危険な個所を通る。

通常は夜通ることをしない場所。
しかし…

今回にかぎり、強行突破することにした。
その理由は…

護衛が付きすぎているから。

「マジ、目立ちすぎ… あの爺さん何考えてんだか…」

バルトがぼやく。
もちろん、べリアことブランシュには聞こえていない。

馬車の左右は崖だ。
1本道を突き進む。

ここを抜ければ、朝には次の街につくだろう。

休みなく馬を走らせ続ける。

少し離れたところで、大きな物音がしているから護衛がごみ処理をしているのだろう。
バルトは御者に徹することにしてみて見ぬふりをした。




早朝8時、無事次の街
ルーべリアに到着した。

「べリア、街についたぞ。」

「おはよう、バルト。」
べリアは起きていた。

「朝食をとったら、ギルドに行って依頼を探すぞ。」

「バルトは1晩中馬車を走らせていたでしょう?
まずは休憩したほうがいいのでは?」

べリアが気遣うが、バルトはさっさと経験を稼げという。
仕方なく、朝食をとりに店に入った。

「薬草採取と、低級魔獣の討伐をしていこうと思っている。」

バルトから今後の方針が語られる。

「とにかく、知識と経験があれば1人立ちも早くなる。
時間一杯、集中して依頼をこなすぞ。」

「バルトはなにか急いでいますか?」

なぜそんなに依頼を急がないといけないのか?
今回の移動も、かなりペースが速いのではないか?
べリアは気になって仕方がなかったが、バルトは答えてはくれなかった。

ルーべリアには1週間の滞在となった。
その間に、薬草の知識と初級攻撃魔法を習得した。

繰り返し何度も実践することで、経験が盤石なものになっていく。
自分の魔力も上がっていくのがわかるようになり、薬草の鑑定も少しはできるようになった。
べリアは、目に見えて成果が上がる今の状況が楽しくて仕方がない。

「バルト、今日も私強くなっているわ!!」

目をキラキラさせて、べリアはバルトに笑顔を向ける。

「それは良かった。」

バルトは、べリアの頭をそっと撫でた。
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